シンシア・ニクソン「ミランダは眠りから目覚めた。それを嬉しく思う」━━『セックス・アンド・ザ・シティ新章』
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シンシア・ニクソン「ミランダは眠りから目覚めた。それを嬉しく思う」━━『セックス・アンド・ザ・シティ新章』

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『セックス・アンド・ザ・シティ』の新シリーズ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』のシーズン2が、大反響のうちに幕を閉じました。この度U-NEXT SQUAREでは、オフィシャルインタビューを特別公開。

第3弾は、キャリーの親友・ミランダ・ホップスを演じるシンシア・ニクソン。彼女はキャリーの親友の中で一番のしっかりもので、弁護士としてのキャリアも着実に積んできました。前シーズンで、自分と大きく異なるチェと恋に落ち、その結果、息子ブレディの父である夫スティーブと別れ、キャリア上のチャンスも捨てて、チェとロスへ移りました。今シーズンでは、チェとの関係性の変化やキャリアの再出発について描かれ、失望しながらも前に進み、ひとつの夢までも叶える姿は多くの共感を呼びました。シンシアに、ミランダの変化や人生で学んだことについて聞きました。

赤毛に戻ったミランダとシンシア

──シーズン2が始まりましたが、ミランダはどうしていますか?

シンシア:シーズン1の最後、ミランダは髪を赤毛に戻しました。同時に、競争率が高く誰もが望んでいるインターンシップの機会を、愛のために見送った。チェと一緒にLAに移り住むために諦めたんです。シーズン2はそこから始まります。新しい髪の色と、カリフォルニアでの新しいライフスタイル。彼女のテンションはかなり高めと言えます。

AND JUST LIKE THAT... シーズン2_第1話−03
©2023 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

──赤毛に戻った感想は?

シンシア:普段からたまに街で気づかれることはあったけど、髪を赤に戻してから周りの人みんなに気づかれるようになったんです!あと、思いがけずステキなこともありました。私の一番下の息子は今12歳で赤毛なんですが、私が赤毛だったことを知りませんでした。それに私の妻も赤毛。ほかの子供たちは大きくなってもう家を出てるから、今、家には私と妻と一番下の息子の3人だけで、私が撮影のために赤毛だった7、8ヵ月は、かわいい赤毛ファミリーという感じでとても楽しかったです。

──髪色をそのままにしておこうとは思わなかったですか?

シンシア:お手入れが大変なんです。本当に大変。大したことないと思われるかもしれないけど、本当に大変なんです。

AND JUST LIKE THAT... シーズン2_ミランダ_01
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「新しい発見をするのが、今のミランダにとってとても大切なこと」

──ミランダとして、ニューヨークを離れることについてどう思いました?

シンシア:今シーズンで製作スタッフは、ミランダをこれまで彼女が慣れ親しんだ快適な場所から外に出そうと決めました。顧問弁護士、既婚者、学生、ニューヨーカー、そういった肩書はもちろん、恋愛関係における主導権、そのすべてを取り払ったんです。ミランダの今の恋愛相手は、有名で大きな影響力を持っている。ミランダが持っていなかったものを持っている人物です。また、従来のミランダっぽくないという点でカリフォルニアという場所を選びました。カリフォルニアは、とても穏やかでリラックスした雰囲気があって、健康志向の食べ物や、エコロジー、そういった事柄はミランダの世界観にはなかったことだから。

AND JUST LIKE THAT... シーズン2_ミランダ_03
©2023 WarnerMedia Direct, LLC. All Rights Reserved. HBO Max™ is used under license.

──メインキャラクターの中で、彼女が一番変化したと言われています。

シンシア:そのとおりだと思います。

──ミランダは変化にどのように対応するのでしょうか?

シンシア:彼女は長い間眠っていた。そして目覚めた。ミランダは自分が眠りから覚めたことを心から嬉しく思っています。そして彼女は、自分が結婚していた男性が予定調和と家庭的であることをとても重要視する人だったということに気づきました。これまでの生活は全てが心地よく、でも新しい刺激は何もない。そういった生活に馴染もうとミランダは長年努力してきました。なぜなら、予定調和を乱して彼を傷つけたくなかったから。そういう意味で、自分に訪れた覚醒は彼女にとってまたとない好機でした。彼女はもう今の生活に囚われない。ドアを開けて外の世界に出て行くことにしました。

新しい世界に飛び込んだミランダだけど、新しい人生は彼女がこれまで体験したことのないこと、うまく対応できないことを次々と投げかけてきます。でもそれは彼女にとって最高のこと!例えば、年をとっても脳を若く保ちたかったら、たとえどんなに難しくても新しい言語を学ぶこと。あるいは右利きだったら、左手だけを使うこと。また、後ろ向きに歩いてみること…なんてよく言いますよね。こういったことはうまくできないし苦労するけど、だからこそ取り組むことで、脳に新しい回路が構築されます。そうすることで常に敏感でいられる。新しい発見をするというのが今のミランダにとってとても大切なことなんです。

AND JUST LIKE THAT... シーズン2_第5話−05
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ミランダの人生から学んだことと、世の中に起きた大きな変化

──ミランダの人生から何か学んだことはありますか?

シンシア:もちろんあります。31歳の時から彼女を演じてますから。ミランダは自信に溢れた人だけど、それがグラつきやすいところもあります。とはいえ、彼女の積極的なところから、私自身もう少し大胆で率直であっても良いのだと学びました。

──この作品、そしてキャラクターたちにとても親近感を覚えるファンが多いのですが、なぜだと思いますか?

シンシア:その要因はたくさんあります。まず何より脚本が素晴らしいこと。あと、衣装や照明など視覚的な美しさがあります。オリジナルシリーズでは、30代の独身女性が結婚を焦らずいかに生きていくかということをテーマとした物語だったと思います。当時、そういった風潮はアメリカ全土で起こりかけていたけど、そのテーマを取り上げたテレビ番組はまだありませんでした。画期的な作品というのは現実に起こっていることを提示するものだけれど、世の中はまだその現実に気づいていなかった。昔ながらの在り方に従っていたんです。

一方で、ドラマの中の女性たちはキャリアを持ち、誰にも頼らずに生活し、セックスや男性とのロマンスを楽しむ姿を見せました。あの当時、ドラマによって“処女か売春婦か”の二極論がなくなりましたよね?女性は可憐な人か、セックスばかりする人かのどちらかで、そのふたつを持ち合わせた人なんてありえないという考え方。でも、彼女たちは素敵な女性であると同時に、セックスだって楽しんでいました。そしてそのことについて恥ずかしがらずにオープンに話していました。女性グループをメインにしたドラマは当時なかったし、そういう意味では今回の新章も同じで、他に似たような作品はありません。ほぼ50代の多様な女性グループの人生を描いている。そしてタイトルがとても意味深なんです。

今回の新章のメインテーマのひとつは、物事の変化。身近な場所で、予想もしなかった大きな変化が起こっていく。例えば本当に悲しいことにビッグが亡くなりキャリーは一瞬にして未亡人になるし、ソウルメイトを失ってしまう。一方で、物事は好転する場合も。ミランダは法律事務所を辞めて、「もう問題の一部になることはやめた。これからは解決の一部になりたい」と宣言。その後何が待っているのか予想もできないけど、とにかく過去の生活と決別したのです。

AND JUST LIKE THAT... シーズン2_第1話−02

ケンカのシーンの裏に隠される、心遣いや愛

──ライターズルーム(脚本会議)について教えてください。シンシアが脚本に関わることはありますか?

シンシア:それは絶対ありません。脚本家や、プロデューサーはとても献身的に取り組んでくれているから。撮影現場には常に1人、場合によっては3、4人は立ち会ってくれます。理由は、もちろん全体を見守るということもあるけど、役者が困ったときアドバイスもくれるんです。オリジナルシリーズでは、数々の考えられないセックスシーンがあったけど、実は全部実話に基づいたものでした。すべて脚本家本人、または、脚本家の知り合いの体験談というケースもありました。なんだか信じられないシチュエーションが多かったけど、すべて実体験に基づいたものだったんです。画面の中では派手な感じで描かれているけど、実はしっかりとした根拠に基づいて作られていました。だからこそ説得力が生まれていました。

──ミランダのお気に入りのシーンはありますか?

シンシア:どうしよう。えっと、ミランダがゴミ箱から拾い食いするシーン(※1)はとにかく最高でした。あと、『セックス・アンド・ザ・シティ シーズン2』でミランダが混乱して取り乱すシーン(※2)。それまで強く、成功者として描かれていたからこそ、印象的なシーンだったの。そして自分一人でアパートを購入するための大きな決断をした時(※3)。すごく嬉しいと思うと同時に「これからどうなるのか?」「ずっと一人で生きていくってこと?」「一人で生きて、一人で死んでいくの?」と不安も抱えていたシーンです。あとは、ケンカのシーンも!ペトロフスキーを巡ってのキャリーとのケンカ(※4)。そして、シャーロットが仕事を辞めて妊活を選んだことに関してのシャーロットとのケンカが印象的(※5)。シャーロットの決断にミランダはとてもがっかりしたんです。それぞれのケンカのシーンが好きな理由は、その裏にお互いへの心遣いや愛が隠されているから。とはいえ、ケンカはケンカなので、時にはノックダウンをくらったり、取っ組み合いになったり、しばらくはお互い本当に怒っていました。

※1 シーズン4 第4話「セックスと恋愛の両立?」
※2・3 シーズン2 第5話「恋愛で人生を取り戻す!」
※4 シーズン6 第18話「決断のとき」
※5 シーズン4 第7話「女と男と罪と罰」

──「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章」は、シーズン2以降も継続すると思いますか?

シンシア:継続すると思うし、ぜひ出演したいです。シーズン2では、大きな出来事がいくつか起こるけど、特に終盤にひとつ大きなことが起こります。シーズン1は新しいキャラクターの紹介や、お互いの関係性を解き明かすのに多くの時間が費やされて、シーズン2になってようやくこのシリーズの本質を描き始めることができたから、シーズン3の実現を心から願っています。私たちの調子もやっと出てきたところなので、シーズン3が実現できたら本当に素晴らしいと思います。

U-NEXTにて全話配信中!

『AND JUST LIKE THAT... シーズン2 / セックス・アンド・ザ・シティ新章』作品情報はこちら

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  • AND JUST LIKE THAT... シーズン2_第1話−03
  • AND JUST LIKE THAT... シーズン2_ミランダ_01
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  • AND JUST LIKE THAT... シーズン2_第5話−05
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