サラ・ジェシカ・パーカー「成功も失敗も、どんなものも全部好き」━━『セックス・アンド・ザ・シティ新章』

『セックス・アンド・ザ・シティ』の新シリーズ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』のシーズン2が、大反響のうちに幕を閉じました。この度U-NEXT SQUAREでは、オフィシャルインタビューを特別公開。

第1弾はもちろん、1998年からコラムニストのキャリー・ブラッドショーを演じるサラ・ジェシカ・パーカー。シーズン1で大きな喪失を経験し、それでも前を向き新たな出会いに向けて踏み出していく姿は多くの人に希望を届けました。キャリーと共に年を重ねてきたサラにとって、キャリーという存在とは？サラにこれまでの歩みと、新シリーズについて聞きました。

撮影でニューヨーク中が大騒ぎに

──再びキャリーの靴を履き、キャリーの洋服を着て、キャリーのアパートに戻って、どんな気分ですか？

サラ：昨年戻った時は、懐かしさとともにどこか不思議な感じもしていました。でも今回は、シーズン1よりさらにしっくり来ています。常にとてもハッピーで、クリエイティブで、時に大変だけどやりがいがあって、興味深く、楽しい場所。才能あふれる素晴らしいスタッフやキャストに囲まれていますし。そしてニューヨークの街も私たちを再び温かく迎えてくれています。撮影を行った地区はどこも素晴らしく、新鮮でした。またかけがえのない経験ができています。

──過去シリーズでは、ニューヨークの街角での屋外ロケをファンやパパラッチが取り囲み、大騒ぎになりましたね。今回はどうでしたか？

サラ：以前よりすごいかもしれません。今は一体どれくらいの人がカメラ付き携帯を持ってるか、想像してみてください。だから前よりも、みんな必死です。特にロケ地として知られている特定の通りでは、かなり多くのファンが集まっています。製作側としては、ニューヨークの小さな通りにすべての機材を配置し、スタッフやモニターのスペースを確保するのは大変です。そして現場は封鎖するけど、歩行者や見物人用のスペースは設ける。そして会話やフラッシュが撮影を台無しにすることを説明して、理解してもらうように努めるのです。でも車とクレーンと涙とタクシーが関わる本当に重要な、長いシーンの撮影中、肝心なところで誰かが入ってきたり、フラッシュが焚かれたりしたこともありました。何度もお願いしたにもかかわらず、テイク全体がダメになるようなことが繰り返し起きるのです。カメラのシャッター音とか。本当に大変だけど、これは私たちに課された試練だと思っています。だから何とかするのですが、この対応には実際かなりの費用と時間がかかっています。要するに、カメラと携帯のおかげで、今はこうしたトラブルがより強烈になっているということです。昔とは違う種類の注目です。

──まるで悪夢のようですね。

サラ：悪夢というほどではありません。私たちにとっておなじみの問題を引き起こすというだけで、毎回何か新しい解決策が必要な新しい問題というわけではないから。

誰にとっても多くの期待と発見があるシーズン

──キャリーはシーズン1の出来事からどう立ち直っていますか？

サラ：希望を感じ、かなり明るい気分になってきています。悲しみや絶望に賞味期限があるのか、私には分かりません。それは人によって大きく違うと思いますし、シーズン半ばのあるエピソードでキャリーが言うように、彼女はうまくその時期を乗り越えたと思っていました。だけど、悲しみはひそかに忍び寄ってきて、予期していない時に表面化するものだと思うのです。全体としては、キャリーはとても順調で、幸せで、長い結婚生活を終えて、ニューヨークで独身でいるというのがどういうことなのかを再発見しています。前回独身だった時とは全然時代が違うけど、とても幸せなシーズンのように感じています。誰にとっても多くの期待と発見があるシーズンだと思います。キャリーだけでなく、みんなにとっても。

──希望が持てますね。

サラ：そうですね。キャリーはいろんな疑問を内に秘めて自問自答するタイプだけど、基本的にかなり希望に満ちた、楽観的な人物。キャリーはニューヨークや恋愛を信じ、周りの人々や友人との親しい関係を維持できると信じています。

──キャリーは人間としてどのように成長し変化したと思いますか？

サラ：すべての人が成長し、変化していくのと同じです。人生経験、仕事の経験、恋愛経験、結婚生活の経験…、みんなが10年かけてどのように成長し、変化するのと大きくは変わらない。ただ、キャリー特有のものではないけど、夫の死は衝撃的な大きな体験だった。だから、確かにこの出来事は、キャリーが日々どう目覚め、生活し、思い出と向き合っていくのかを伝えています。ですが、これは誰かを愛したことのある人間にとって、ごく普通のことだと思います。

『キャリーとしてのすべての経験が、とても充実したもの』

──長年この役を演じられていますが、キャリーから何か学んだことはありますか？

サラ：キャリーから何かを学んだかどうかは分からないですが、彼女の友情への向き合い方は私に刺激を与えてくれました。私には、彼女ほど友人関係に費やせる時間はありません。彼女たちがどうやってあんなにたくさんランチの時間を捻出できてるのかはずっと謎のままです。でも、キャリーはどういう友達なのか、キャリーにとって友情は何を意味するのかは私に刺激を与えてくれました。たとえ自分の友人関係に同じくらいの時間や関心を費やせないとしてもです。私はキャリーの人生を経験し、自分ではしないような大胆な選択をしたり、自分では選ばないような服装をしたりするのを楽しんできました。自分の人生と並行して生きてきたキャリーの人生は、本当に興味深いです。

──この作品のキャラクターたちは多くの人に影響を与えていますが、なぜだと思いますか？

サラ：この手の質問に答えるにはアカデミックな分析が必要なので、今まで回答を考えようとはしてこなかったんです。私はマイケル・パトリックと彼の素晴らしい脚本チームが、とても面白い物語を生み出してくれると信頼しています。ダレン・スターから始まり、彼はシーズン2をマイケルに引き継ぎました。彼らはいつだって、面白い話をシンプルに伝えるのがとても上手。マイケルは常に、キャラクターたちをさらに掘り下げることを楽しんでいたし、それは新しいキャストメンバーを含む全員にとって大きな意味を持っていました。だから、なぜこの作品が人々に影響を与えたのか、なぜ人々がキャラクターに共感するのかを推測するのは変な感じがするんです。私たちが確実に分かっていて、私が喜んでお伝えできるのは、放送局が、すごくぶっちゃけた、率直で、ピリっとした、女性同士の親密な会話を許してくれたということです。当時、こんな内容はどこでも扱われてなかったし、業界に存在するガイドラインや政府の基準といった縛りから通常は民間放送での使用が許されてない言葉を私たちは使えることになった。それが1つ目ですね。2つ目は、女性にも実際こういった友情が存在するのに、それがテレビで描かれてこず、いままで誰もみたことがなかったということ。そして、ニューヨークという背景や、出てくる衣装もかなり重要な役割を果たして、総合的に真に優れた物語になったんだと思います。そして、当時みんなの手を止めさせて、毎週このドラマを見るようにさせたのは、素晴らしい脚本のおかげでもあると思います。

──キャリー・ブラッドショーのシーンでお気に入りはありますか？

サラ：ないです。すべてが積み重ねだから。まさに今やっている中で、お気に入りのシーンを挙げることはできます。でも、また新しいシーンを経験すると、それが私のお気に入りになる。だから選ぶのは難しいです。私はお気に入りの本や靴を選ぶのが得意じゃないし、当然お気に入りの子供や家族のメンバーなんかも選べません。キャリーとしてのすべての経験が、全体としてとても充実したものなのです。

──では、番組の中でお気に入りの衣装があるかを尋ねても、意味がないかもしれませんね？

サラ：そうですね、成功も失敗も、どんなものも全部好きです。

──新章で登場したJWアンダーソンの鳩のバッグがとても素敵でした。

サラ：あれは持ってて楽しくなるアイテムでした。それに想像してたよりも、はるかに多くの物を中に入れられたんです。鳩の体の中のスペースって見た目よりも広いんですね。

U-NEXTにて全話配信中！

AND JUST LIKE THAT... シーズン２ / セックス・アンド・ザ・シティ新章

2023年｜アメリカ

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