報われる保証のない戦いの中で「心の支え」になるものとは… 張本智和、アジア覇者が強行日程でTリーグに出場し続ける理由
アジア卓球選手権で、日本勢としては50年ぶりとなる優勝を果たした日本卓球界のエース、張本智和。悲願の五輪金メダルに向け、国際試合を転戦して腕を磨き続ける一方で、Tリーグへの出場も可能な限り続けている。その理由とは
今週2月18日(日)日本時間午前8:30より開催される『UFC298:ボルカノフスキーvs.トプリア』のプレリミナリー・カードにて、バンタム級の中村倫也選手が、2023年8月のシンガポール大会以来、待望のUFC2戦目を迎えます。『ROAD TO UFC シーズン1』を優勝で飾りUFCとの契約を勝ち取った中村選手に対し、対戦相手は『ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン31』でチーム・マクレガーに所属していたカルロス・ヴェラ選手。今回がUFCデビュー戦となります。
ファイトウィークを迎えた中村選手に、この試合への意気込みを語っていただきました!
——ファイトウィークを迎えた現在の心境を教えてください。
中村:実際の試合の時間と同じくらいのところで体を動かしていましたが、コンディションも崩さずにここまで来れたし、海外での試合経験もレスリングを含めれば慣れているので、やっとまた、"ファイターとして一番楽しい1週間" が始まっているなという感じです!
—— “一番辛い” ではなく(笑)?
中村:はい!一番楽しいです。一番辛かったらやってない!(笑)
——では逆に、一番辛い時期があるとしたら、いつ頃なのでしょうか?ファイトキャンプ中?
中村: 辛い時期か……。身体として「辛いな」というか、動きが鈍くなってきたと感じるのは試合前の追い込みをしている3週前で、その時期はもう、頭がしっかり身体に対して語りかけて、自分を練習に連れて行ってあげなきゃいけない時間というのはあります。
—— "一番楽しい時期" にいて、気持ちの面ではリラックスしていますか?それとも高揚している感じですか?
中村:はい(笑)。だんだん上がっていってるのを、むしろ抑えなきゃな、くらいです。ずっとテンション高くなっちゃって。昨日もショッピングモールではしゃぎまくってて(笑)、「ここで疲れちゃうよ!」みたいな(笑)。
——ナンバーシリーズに初めて出場しますが、それもテンションが高くなる要因のひとつでしょうか?
中村:やっぱり、前戦の『UFCファイトナイト・シンガポール』と比較するとアメリカ本土ですし、ナンバーシリーズはUFCのタイトルマッチもちゃんと行われるような大会。そういうなかで、今後自分が上がっていく上では、同じような環境で試合をしていくことが多いと思うので、それをこの2戦目で入れてくれた、UFCやマネジメントには感謝したいと思っています。すごい楽しみです。
——ビッグマッチが数多く組まれているカードには、中村選手と同階級であるバンタム級のかつての王者ヘンリー・セフードの復帰2戦目、その相手は勢いのある現在2位のメラブ・ドバリシビリという注目の一戦もラインアップされています。この試合を意識している部分はありますか?
中村:意識……。ホテルで見かけたりしたいな(笑)。彼らがどんな雰囲気なのかを知りたいですし、会えたり、生で観られることを楽しみにしています。試合としては、人と比べてしまうことが自分のパフォーマンスを良くするわけではないので。むしろ逆に働くことはありますけど。だからその辺はあまり意識しないようにして、結果的にその試合より自分がインパクトを残せればいいかなと思っています。
——インパクトを残すということですが、注目度の高いこのイベントでどのような試合をしたいと思いますか?
中村:今までより観る人数も格段に増えると思うので、そこでベストなパフォーマンスを見せるというのはあります。それを見せた結果、メインカードのメラブやセフードたちに「中村は絡んでくるよな!」と思わせるような結果になることを望んでいます。
——この先をみんなが期待してワクワクするような試合を展開できそうですか?
中村:そうなるといいですね! いや、なります!
——前戦(vs. ファーニー・ガルシア)は完封勝利ではあったものの中村選手は試合後に反省の色を強く見せていました。それを踏まえて今回どのようなことを意識して練習に取り組んできましたか?
中村:前回は相手のスタンドゲームにあまり付き合わずに「テイクダウンしてサブミッション」ということをイメージしていたのですけど、その(テイクダウンしてから極めるまでの)間にある、上で削るという作業があまりできていなくて。結果として、サブミッションをエスケープされ、サバイブされる体力を相手に残してしまった。そういうことがあったので今回は、わかりやすく言えばパウンドですが、上からダメージを与えることをしっかりやりたいというのが自分の中でテーマになっています。これはこの試合に限らずキャリアとして、まずこれができなきゃ幅は広がらない。それを今回は意識して取り組んできました。
——ではそういった大きな課題そのものは対戦相手が誰であろうとも変わらないとして、今回対戦相手が変更になったことは、準備する面で影響はどれくらいありましたか?
中村:対戦相手は変更になりましたけど、4週くらいあってそんなにショートノーティスというわけではなかったので、ちゃんと準備はできました。ただ、対戦することになったカルロス・ヴェラ選手のスタイルがすごく異質なので、最後まで何が飛んでくるかわからないっていう意識は持って戦います。
——異質という表現がふさわしい、テコンドーを幼少期から習い、10代後半にカポエラを始めたという足技系の選手かと思いきや、フィニッシュはギロチンチョークなどのサブミッションが多い相手です。
中村:テコンドーも含めたら格闘技キャリアとして30年以上やっていると思うので(*ヴェラ選手は現在36歳)、ヘタクソに見えるけど絶妙にやられないようなスキルを持っている印象です。そのなかで彼なりの足技を活かしたスタイルを得意として、テイクダウンはあまり気にせず下からの仕掛けで首と足をつかって、プレッシャーをかけてくるというゲームだと思うのですけれど。もちろん彼が対戦してきたような相手に自分のスピードだったり爆発力を持っている選手は多分いないと思うので、その辺りでサプライズを起こせる自信はあります。
——戦績で位置を測るわけではないのですがカルロス・ヴェラ選手をTUF31で破ったブラッド・カトーナ選手は、中村選手がRTU決勝で戦った風間敏臣選手を倒したギャレット・アームフィールド選手に最近敗北しています。中村選手を含む、現在1〜2戦のUFCのプロスペクトの一団のなかで、ご自身の位置をどのように見ていますか?言い換えると今回の対戦相手を、これから上を目指すなかでどのように捉えているでしょうか。
中村:現時点でそのあたりを一掃できるほどの地力があるとまでは考えていないですけれど、今年中にバスンとここから抜けて行こうと思っているので、まずヴェラ選手に対してしっかり勝つっていうのが最低条件だと思っています。
——余談ですが、前戦は経済学専攻の銀行員、今回は会計学専攻の金融業界経験者と、中村選手の対戦相手、エリートが続きますね(笑)。
中村:ハハハハ!そうなんですね!まあ、頭も良くて金融系の仕事をしていたならライフプランのなかに「勝利ボーナス」なんて入れてないんじゃないかな?
——先月のROAD TO UFC シーズン2でまた新たに日本人選手が契約を勝ち取りました。ご自身もRTU出身である中村選手の感想を伺えますか。
中村:(フライ級の)鶴屋(怜)君が、21歳とかで契約して、彼はこのUFCのランカーとかにもガンガン絡んでいけるレベルだと思うし……ってなると、これから10年くらいは彼もUFCで戦っていけるわけじゃないですか。デイナ代表も彼を褒めていたらしいし、「日本人の存在感がだんだんUFCのなかで無視できなくなってきているんじゃないか?」という嬉しさはあります。
——では日本人選手がどんどん活躍していくであろうこの先、ご自身としてはそのなかでどんなふうに存在感をアピールしていきたいですか?
中村:僕はその中で競争しようとは思っていなくて、(日本人)初のチャンピオンっていうことにもこだわってない。僕自身がなれればいいので。フライ級の平良(達郎)君にももちろん行ってもらいたいし。僕は僕で、バンタム級で、今後誰が日本から来るかはわかりませんけど、ひとつずつ勝って、「僕は僕」でやっていきたい、背中を見せていきたいと思います。
——それではUFC298の試合を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
中村:UFCをご覧のファンのみなさんからは、いつも力をいただいています。ありがとうございます。今回の試合は、自分にとって上位に食い込んでいくためのステップアップの試合のひとつとして、フィニッシュして次に繋げるという目標を掲げて今まで作ってきました。それをみなさんに披露するのがすごい楽しみです!みなさんもぜひ楽しみにしていてください!試合はU-NEXTで観られるので、ぜひご視聴をお願いします。
UFC戦績(1-0)
○2023年8月26日『UFCファイトナイト・シンガポール』 vs. ファーニー・ガルシア
【イベント概要】
■イベント名: UFC298:ボルカノフスキーvs.トプリア
■日程:2024年2月18日(日)午前8時半アーリープレリム開始
■開催地:アメリカ・カリフォルニア州アナハイム
■会場:ホンダ・センター
■配信情報:U-NEXT 見放題ライブ配信
*開始時間や対戦カード、対戦順は予告なく変更となる場合があります。
*対戦カード等の詳細は、UFC公式サイト内の該当ページでご確認ください。
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