『賭けからはじまるサヨナラの恋』飯島寛騎インタビュー「いくつになっても人生ずっと青春。ピュアな気持ちを忘れちゃいけない」
シェア

『賭けからはじまるサヨナラの恋』飯島寛騎インタビュー「いくつになっても人生ずっと青春。ピュアな気持ちを忘れちゃいけない」

大人気同名コミックを原作に、U-NEXTで独占配信中のドラマ『賭けからはじまるサヨナラの恋』。恋愛経験のない主人公・吉永奈央が、6年間も片想いしていた同僚の里村紘一から告白されるも、実はそれが里村が先輩に強いられた“賭け”であると知りながら、退職までの期間限定の恋として受け入れることになるラブコメドラマです。そして、小関裕太さん演じる優柔不断な優男イケメンの里村の高校時代からの親友で、28歳の若さながら会社経営者という、里村に劣らぬイケメンのモテ男・高橋宗佑を演じたのが飯島寛騎さん。その高橋役には、あまり似ているところがないという飯島さんに、このドラマのお話をうかがいました。

どちらかというと口下手なので、里村の方が近いかも⁉

━━このドラマへの出演が決まった際の印象を教えてください。

飯島:経営者役だと聞いて、「僕で大丈夫かな」と(笑)。年齢設定はほぼ変わらないんですけど、ちょっと大人っぽくて、バリバリ仕事ができるという役柄は、あまりやったことがなくて。里村の親友役なので、高校生からの延長線の仲の良さと、経営者としてのどすんと肝が座った感じをどう表現していこうかというところは、すごく考えました。

━━飯島さんの演じた高橋宗佑は、少しナルシストなイケメン経営者という設定でしたが、実際に演じてみていかがでしたか?

飯島:里村の頼れる親友として第3話から登場しますが、ツッコミ役というか、視聴者の方のじれったい思いを代弁するような役回りなんですよね。いざ現場に入って演じてみると、自分の信念を貫いているいい奴だし、頼れる親友のポジションとして親身になってあげたりするのは、考えすぎない方が逆にやりやすいなと。ただ、いい奴すぎるからこそ、ずっとピシっと凛としすぎているのも実写としてはどうかということで、監督とも相談して、ちょっとおちゃめな面を加えています。めちゃくちゃかっこつけているんですけど、ちょっとダサいところがあるのを隠しているみたいな(笑)。とはいえ、原作のキャラクターがぶれないよう、大きく変えたわけではなく、ちょっとだけスパイスを感じる程度に人間味を足した感じです。それに、里村とは違って恋愛を楽しんでいるキャラクターということで、女性とのやり取りや距離感、相手の懐に何気なく入り込んでしまうような感じは、すごく意識しました。

━━自分と似ている部分や共感できるところはありましたか?

飯島:やっぱり友達を大事にしているところは共感できますね。里村に言う厳しい言葉は芯をついていますが、そういう苦言って信頼しているからこそ伝えられるものですね。親友でも、家族でも、人生の中であまりない機会ですし、彼の良いところだと思いました。ただ、キャラクター的に似ているところは意外となくて、僕はどちらかというと口下手なので、むしろ里村に近いかも(笑)。

━━飯島さん自身も、里村のように言いたいことがあまり言えないところがあるのですか?

飯島:里村ほどではないですが、勇気を出して言おうと思いつつも、恥ずかしくて言えなかった……みたいなことは、どちらかというと多い気がします。プライベートも仕事も、やっぱりタイミングってあるじゃないですか。いま言うと傷ついちゃうからやめておこうということもあるし。客観的なことに対しては、タイミングを見計らえば言いたいことを言える方だとは思うのですが、いざ自分のことになると、わかんなくなってしまうようなことはありますね。

━━では里村については、どんな人物だと思っていましたか?

飯島:ちゃんと仕事もできるし、めちゃくちゃ王子様キャラでいい奴なんだけど、頼りなさすぎますよね(笑)。そこが人間らしくてかわいいんですけど、極端すぎるなと(笑)。やっぱり第三者として見ると、「行けよ!」「情けねえな!」って思うところはありましたね。

飯島寛騎さんインタビュー_03


人生の4分の1近く、ひとりの人を好きで尊敬し続けている奈央は、ピュアで素敵な女性

━━高橋と里村の関係性にも近い、高校時代からの親友同士であるヒロイン・奈央とその友人の山田理子は、どのような人物だと思いましたか?

飯島:高橋は奈央の職場での強い姿を知らないので、僕も奈央のことはピュアな気持ちでしか見ていなかったです。6年も里村に片想いし続けているというのは、人間として素敵だなと。だって、彼女の人生の4分の1近くを、ひとりの人に対して、好きで尊敬するという思いに使っているわけじゃないですか。ただ、奈央とのシーンは、フットサルやキャンプなど4人一緒の時しかなくて、僕は理子とのシーンが多かったですね。基本的に理子にはずっと睨まれていました(笑)。逆にそれが気になって、「俺のこと好きなのかな?」とちょっかい出そうとすると、拒否られるみたいなやりとりが楽しかったですね。それに理子は、強い女性ですけど、時折見せる優しさに、僕はグっときました。

━━筧美和子さんが演じた理子とのシーンで、特に印象深かったシーンはありますか。

飯島:第5話で、街中で理子と会って話しながら歩くシーンですかね。職場の近い高橋が偶然を装って、理子を出待ちしているような感じで話しかけるという。このシーンは監督のこだわりで、台本6ページ分くらいをワンカットの一連で撮りました。すごく長い距離を歩きながら高橋と理子が台詞を言い合うのですが、そこにちょっとコメディ要素も入っています。高橋と理子のシーンは、少しコメディ的な掛け合いも意識しているところがあり、お互いにツッコみ合っているような感じです(笑)。

━━高橋と理子の関係性も深まるような、原作にはないオリジナルの展開もあるのでしょうか?

飯島:そこはどうでしょう(笑)。原作と同じく最後まで里村と奈央のことを見守る存在なのは変わりませんが、高橋と理子の親密度は上がっていきますし、オリジナルの要素もありますので、ドラマを観ていただけたら(笑)。

賭けからはじまるサヨナラの恋_場面写真
©U-NEXT


芝居なんて考えられなくなるほど大変だった第3話のフットサル練習試合

━━スポーツは得意なようですが、高橋が初登場した第3話のフットサルの練習試合シーンの撮影はいかがでしたか?

飯島:僕はサッカー経験がほとんどなかったので、うまく見せなきゃいけないのが大変でした。全力で走ると足が持っていかれそうになるし、滑りやすいフロアだったので、引きの画を撮っている時に3回くらい転んじゃって。周りも敵チームも上手すぎてついていけないから、すごくダサくて。もうずっと「クソッ!」って叫んでましたね(笑)。高橋がスマートにアシストして、里村がシュートをかっこ良く決めるカットを撮らなきゃいけないのに、足も体もついていかなくて、芝居なんて考えられなくなってました(笑)。

━━里村役の小関裕太さんは上手かったんですか?

飯島:小関君もサッカー経験者ではなかったんですが、撮影前や休憩時間に30分ほど練習したら、見違えるくらいにメキメキ上手くなって、「あれ?さっき俺より下手だったのに、こんなに変われるの?」みたいな感じでした(笑)。このコースだと蹴りやすいとか、この位置で正確にシュートを打たないといけないという決まり事もあって、ゴールを決めるシーンはかなりテイク数を重ねました。僕は基本的にアシスト役だったのですが、ボールを華麗に捌いて、左右でパスを出すというのがすごく難しくて。小関君は少しの練習でパコーンとシュートを打てるようになっていたので、本当にめちゃくちゃかっこ良かったです。

━━共演者の山崎さん、小関さん、筧さんと、一緒に現場を共にしてみての印象はありますか?

飯島:小関さんは初めてで、山崎さんと筧さんは共演経験がありました。ほぼ同世代だったので、すごく居心地良く撮影できましたね。お互いのやりたいことが楽に言い合えるし、気を遣うことなくできたので、楽しかったです。

飯島寛騎さんインタビュー_05


強い女性が弱い部分を見せてくれると、キュンときます

━━今回のドラマでは、里村も奈央もお互いの行動や仕草に、ドキドキするシーンがありますが、飯島さん自身がドキドキするような異性からの行動や仕草はありますか?

飯島:めちゃくちゃ強い女性が、力を抜いている時や、弱い部分を見せてくれたりすると、なんてかわいいんだろうと思っちゃいますね。あと、わかりやすくわざとでも「えへ」って笑ってくれる子も好きです(笑)。勘違いでも、「自分だけに見せてくれているのかな」と思えるようなところに、キュンときますね。

━━2016年に俳優デビュー作『仮面ライダーエグゼイド』で初主演を飾って以降、順調に役の幅も出演ジャンルも広がってきていますが、今後の目標を教えてください。

飯島:俳優としては、視聴者の方が1人でも多く、感動した、心に残ったと言ってくださることがモチベーションになっているので、僕を知らない多くの方にも、エンタメって最高なんだよっていうことをもっと届けたいと思っています。それに、いまは俳優をやらせていただいていますが、僕はあらゆる表現が好きなので、自分のアーティスティック性というか感性のようなものを届けることで、皆さんの人生を楽しませていきたいという目標を持っています。

━━ありがとうございます。最後にこのドラマの見どころやメッセージをお願いします。

飯島:本当にこのドラマは、じれったいんですよね。でも、ピュア同士の奈央と里村の2人を見るのは、演じていても楽しかったし、懐かしいというか、青春を感じました。常に純粋を貫いている奈央と里村の姿には、同世代の僕が大人ぶっているような気さえしてしまう。僕は、いくつになっても人生ずっと青春だし、ピュアな気持ちを忘れちゃいけないと思っているんです。コロナ禍もあって、なかなか人と関わることができなかったり、大人になって忘れかけていることもあるかもしれないけど、好きな思いを貫いたら幸せがあるし、こんな楽しい恋愛や青春もありなんじゃないかということを、この作品を通して伝えられたらと思っています。

飯島寛騎さんインタビュー_04

(プロフィール)
飯島寛騎(いいじま・ひろき)
1996年生まれ。北海道出身。2015年に、第28回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。2016年の『仮面ライダーエグゼイド』では、俳優デビュー作にして初主演も務める。ファッションモデルとしても活動しており、2017年と2021年にはソロ写真集も発表している。主な出演作に、映画『ツナガレラジオ〜僕らの雨降Days〜』『愛唄-約束のナクヒト-』『ブレイブ -群青戦記-』『未来へのかたち』『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』『炎上シンデレラ』『生きててごめんなさい』、ドラマ『PRINCE OF LEGEND』『警視庁・捜査一課長season5.6』『僕もアイツも新郎です。』『最終列車で始まる恋』『弁当屋さんのおもてなし』『僕らの食卓』など。

この記事に関する写真(4枚)

  • 飯島寛騎さんインタビュー_03
  • 賭けからはじまるサヨナラの恋_場面写真
  • 飯島寛騎さんインタビュー_05
  • 飯島寛騎さんインタビュー_04

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

日本ドラマ インタビューの記事一覧

もっと見る