小関裕太が「10代の頃の自分と重なる部分が多い」と明かす『賭けからはじまるサヨナラの恋』
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小関裕太が「10代の頃の自分と重なる部分が多い」と明かす『賭けからはじまるサヨナラの恋』

U-NEXTで好評独占配信中の『賭けからはじまるサヨナラの恋』は、不器用な男女が織り成す恋模様がじれったい“じれキュン”ラブコメドラマ。同作で、“営業部の王子様”こと、人当たりが良く仕事もできてイケメンでモテるけれど、何に対しても断ることができない優柔不断な里村紘一役を演じた小関裕太さん。里村は先輩から強いられた賭けにより、山崎紘菜さん演じるヒロインの吉永奈央と付き合うことに。同期ながらあまり交流がなく、恐る恐るウソの告白をして近づいた里村でしたが、次第に奈央に心から惹かれていきます。小関さんに、自身と重なる部分も多かったと明かす今回の役柄や本作の魅力などを語っていただきました。

小関裕太さん_賭け恋インタビュー_03

原作者のポルンさんが僕を指名してくれたと聞いて、めちゃくちゃうれしかった

━━本作への出演が決まった際の印象は?

小関:企画書をいただいてから、僕が演じる里村目線で原作を読んでみたのですが、王道のラブコメとして面白かったし、原作者のポルンさんの書かれた言葉の表現が、すごく美しいなと。例えば里村と歩いていた奈央がスカートをヒラヒラさせている時の「煽情的な動作」とか、恋心を表現する言葉が素敵だなと感じました。それに、原作者のポルンさんが、里村役を僕にやってほしいとおっしゃったとも聞いて、めちゃくちゃうれしかったです。

━━そうだったんですね。里村はどんな人物だと思いましたか。

小関:優しさの塊のような営業部のエースで、すごくハイスペックで、爽やかで、人思いで、責任感もある。ただ、誰にでも優しいっていう特徴は、見方を変えれば優柔不断ともいえるんですよね。

━━イケメンで仕事もできてモテるのに、実はコンプレックスを抱えていることも次第にわかってきますね。

小関:里村のコンプレックスについては、僕の10代の頃に似ているなと思いました。僕は笑顔へのコンプレックスもありましたし、「真面目だね」と言われることにも、すごく疑問を感じていて。それに優柔不断というか、みんながハッピーな選択ってなんだろうと、ひとりで思い悩む時期があったんです。みんなが頷けるよう、みんなの意見の中間ばかり考えて過ごしていた10代の頃の自分と重なる部分が多い役でした。とはいえ、里村は今の自分と同世代の役なので、ここぞという時に鈍感だったり、優しすぎるのが裏目に出るようなところは、まさに“じれ”ったくて、「おい!」ってツッコミたくなる部分もありました(笑)。

小関裕太さん_賭け恋インタビュー_09

自分と似ているからこそ、演じるのが難しい

━━里村のコンプレックスには、共感できる人も多いと思います。そのコンプレックスを改善したいと思った里村は、次第に変化していきますね。

小関:里村の人に優しいところは、長所でも欠点でもある。その欠点が、今回の奈央との恋にはいい影響を与えなかったと自覚するんですよね。元々持っている効率の良さや頭の良さをフルに活かして挽回しようとする。自分が本当の意味で変わるにはどうしたらいいのか、その覚悟を決めた後の里村の行動と変化の速さや強さというのは、男としても、人間としても、見習うべきだと思い、尊敬しました。なかなか努力だけでは、人ってそんなに変われない。僕も10代後半から20代半ばにかけて、自分を変えていくことに時間がかかった意識があるのですごいなと思います。

━━小関さん自身も、思い悩む時期があったんですね。

小関:大人たちから子どもとして扱われる子役の時代は、大人の顔色を窺いすぎて、言いたいことを言えずに過ごしていた時期がありました。里村の優柔不断に見えるところも、別にそうしたいわけではないけど、考えるよりも先に自然とそういう行動をとってしまうのだろうなと。以前の僕もそれに近いコンプレックスがあって、例えば何かを聞かれた時に、イエスマンみたいにすぐ「ハイ」って、口が先に出ちゃうことは多かった。言ってしまった後に、もうちょっと考えてから答えればよかったなとか、賛同するにしても「僕はこう思いますけど、いいと思います」と自分の意見を言えたらよかったなと。成長するにつれ、徐々に徐々に反省しながら変わっていったので、今はあまりイエスマンではないと思います(笑)。

━━共感できる役というのは、演じやすいものですか?

小関:とても難しいです。自分と似ている感覚のまま演じると、小関そのものになりかねない(笑)。似た部分があっても、ずっと交わりそうで交わらない平行線のところにいたいので、そのさじ加減はいつも難しいですね。

━━逆に、ドラマ『癒やしのお隣さんには秘密がある』で演じている主人公のストーカー役はどうですか?

小関:自分と全然違うので、振り切って演じることができるので、やりやすいです(笑)。

小関裕太さん_賭け恋インタビュー_07

完成品を観て驚き、リスペクトした山崎紘菜のコメディエンヌぶり

━━奈央が6年間も里村に片想いし続けていたことには、共感できましたか。

小関:恋に恋してるみたいな感じで、長年片想いし続けることも、すごく理解できました。

━━特にじれキュン度が高いと思ったシーンはありますか。

小関:特に面白かったのは妹・明日子の登場ですね。第4話の最後に謎の女性として登場し、第5話で実家にいた奈央が電話越しに妹の声を聞いて、里村の家に本命の彼女が来ていると勘違いしてしまう。そのせいで奈央が身を引こうとすると、そのすれ違いに気付いていない里村は、急に焦り出しちゃう。片方がちょっと引くと、片方が吸い寄せられるような、恋愛の絶妙な押し引きになっていて、まさにじれキュンだなと思いました。

━━同じ質問に対して、実は山崎紘菜さんも同じシーンをあげていました。息もピッタリなようですが、山崎さんはどんな女優さんでしたか? 

小関:お笑い芸人です(笑)、と言いたくなるくらい、気さくで、面白いことがすごく好きな方です。返しが早くて、面白いワードもどんどん出てくる。それに、共演者やスタッフの方々への気遣いや愛情がすごい。例えば限られた時間で早く撮らなきゃいけないカットがある時に、上手く撮影が進まずに現場の雰囲気が悪くなりかけたりすると、真っ先に笑顔を広めてくれるんですよね。明るいし、優しいし、ポジティブ。役者としてお芝居をご一緒しやすかったのはもちろん、紘菜さんがいることによって撮影現場がワントーン明るくなる感じだったので、現場作りの上でもすごく助けていただきました。

━━今回は、山崎さんのコメディエンヌぶりもすばらしかったですね。

小関:里村サイドと奈央サイドが大きく分かれている作品だし、紘菜さんと一緒の撮影でも、現場では彼女の芝居を見られないシーンも多かったので、完成品を観て本当に驚きました。見たことない表情ばかりだったし、めちゃくちゃ面白くて、「ここまでやりきってんだ!」「カッコいい!」って、すごくリスペクトしました。それに僕が現場でいちばん感じたのは、紘菜さんは声がいい。すごく通る声で、心の声などのモノローグの音声も、実は同じ撮影現場で録音していて、ほとんど1テイクだけ。あの彼女の心の声で、このドラマのテンポ感が決まっているところもあるので、「すげえ!」「いい声って通るなあ」と思いました。白目も最高でしたね(笑)。

賭けからはじまるサヨナラの恋_第2話_06
©U-NEXT

サッカー未経験ながら、危機感と役に懸ける思いで乗り切った第3話のフットサル

━━山崎さんや監督と、今回のお芝居について撮影現場で話し合うような機会はあったのですか?

小関:里村の気持ちを最初からどのくらい出すのか、台本からイメージしたテンポ感のすりあわせなどは、監督といろいろ話し合いましたが、台本も最終話まで出来上がっていたので、基本的にはまず現場で演じてみる感じでした。第1話を撮りながら、なんとなくみんなの共通意識も見えてきたし、紘菜さんもの芝居が素晴らしいので、一緒にやっていて心地が良かったので、自然と出来上がっていった感じです。

━━その共通意識とは?

小関:どういうテンションやリアクションでいくのかといった、芝居の方向性などですね。例えば「えっ?」というセリフを言う時に、表情や声の大きさも含め、少し大げさに言うのか、リアルな感じで言うのかなど。そういう方向性さえ揃えば、一緒に走っていけます。

━━飯島寛騎さんの演じた親友の高橋宗佑は、どんな人物だと思いましたか?

小関:大事なところで手を差し伸べてくれる親友で、厳しいこともちゃんと言うべきところは言ってくれる。これまであまり恋に興味がなかったので、まるで初恋のような気持ちを持った里村に、その応え方を教えてくれるんですよね。撮影現場では、台本以上に男同士の会話という感じがして、信頼しあっているから何でも言いあえるし、助けあう関係性のように思いました。

━━筧美和子さんが演じた理子を含め、4人が初めて揃った第3話のフットサルのシーンは、飯島さんから上手く見せるのが大変だったと伺いました。でも、お互いにサッカー経験者じゃない中、小関さんは少し練習しただけで上達して、シュートもかっこ良かったと。

小関:そう言ってもらえるのはうれしいですが、彼こそ「全然やったことない」と言っていたのに結構上手くて、「やってたんかい!」「ドリブルもリフティングもできるんかい!」と思っていました(笑)。ヘアメイクの方から、彼が練習しているらしいとは聞いていたので、見えないところで努力していたのだと思います。僕は学生時代にダンスばっかりやっていて、あまり学校にいけず体育の授業も出ていなかったので、サッカーは全く未経験。以前に映画『春待つ僕ら』でバスケットボールをやった時も思いましたが、球技って経験値が見えやすいんですよね。下手な姿はお見せできないから、僕も深夜に練習し、まずボールを足に馴染ませることに苦労しました。危機感とこの役に懸ける思いで、なんとか乗り切りました(笑)。

小関裕太さん_賭け恋インタビュー_10

打ち上げでの美味しい1杯目の乾杯を目指して、悔いのない仕事をしたい

━━ドラマ、映画、舞台と、俳優として幅広い活躍をされていますが、仕事へのモチベーションにされていることとは?

小関:僕は打ち上げがいちばん大好きなので、いつも美味しい乾杯、美味しい1杯目を目指してやっています。そのためには、1日1日の撮影を楽しく過ごしたいし、みんなでいい作品を作るというゴールに向かっていい仕事をしたい。その結果が美味しい乾杯に繋がるのかなと。乾杯した時に、苦く感じるというか、やり残したことあったなと思う打ち上げは達成感がない。みんなと笑顔で美味しい乾杯ができた経験を何度もさせてもらっているので、そこに向かっていきたい思いがあります。だからコロナ禍で打ち上げがなくなったのは辛かったです。

━━最後にこのドラマの見どころやメッセージをお願いします。

小関:僕の演じた里村目線でもたくさん描かれますけど、何より奈央を演じている紘菜さんの表情や声、氷鉄の女と言われる顔と、その裏で考えている心の声のギャップの二面性がとにかく面白いので、見れば見るほど、最初から戻って見返したくなるドラマだと思います。さらには奈央と里村が人間として変化していく感動的なヒューマンドラマでもある。ラブコメとして軽い気持ちで観ていただきながら、奈央と里村の姿に背中を押されるようなドラマになっていたらいいなと思っています。

小関裕太さん_賭け恋インタビュー_05

(プロフィール)
小関裕太
1995年生まれ。東京都出身。子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、様々のドラマや映画に出演。
最近の出演作はドラマ『来世ではちゃんとします』、ミュージカル『四月は君の嘘』、舞台「キングダム」、現在はドラマ『癒やしのお隣さんには秘密がある』W主演で出演中。今後、舞台「ジャンヌ・ダルク」が、11月28日より東京・大阪にて上演される。

Stylist Satoshi Yoshimoto

【衣装クレジット】※税込価格
シャツ¥31,900/CULLNI(CULLNI FLAGSHIP STORE TEL:03 6416 1056)、パンツ¥45,100/VALAADO(Sakas PR TEL:03 6447 2762)

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