『笑うマトリョーシカ』カリスマ政治家・清家(櫻井翔)の真の姿がついに判明!戦慄の最終回!!
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『笑うマトリョーシカ』カリスマ政治家・清家(櫻井翔)の真の姿がついに判明!戦慄の最終回!!

2024.09.09 15:30

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若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)と有能な政務秘書官・鈴木俊哉(玉山鉄二)。清家の学生時代からの清家と鈴木の不可思議な関係に気付いた新聞記者・道上香苗(水川あさみ)は、清家の成功の裏で、いくつもの不審な死亡事故が起きていたことを知る…。

いよいよ最終回。国民的な支持を得て、官房長官にまで上り詰めた清家。その彼を裏で操っているハヌッセンは、鈴木、浩子(高岡早紀)、亜里沙(田辺桃子)の誰でもなかった。では、一体誰が彼をコントロールしているのか?ついにBG株事件の証拠を手にした道上に、清家は「ブレーンになって、そばにいてほしい」と依頼してくる。それは、どういう魂胆なのか?清家の正体がついに明らかになる、戦慄の瞬間を目撃せよ!

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

清家の近くにいれば、ハヌッセンを突き止められると考え、清家のブレーンになった道上は、清家が道上の意のままに動くことを実感し、改めて驚愕する。

誠実そのものの表情で道上を頼る清家に、すっかり魅入られてしまったかのようだ。

BG株事件の証拠を公開すべきという山中に、道上はそれをすると清家のブレーンを降りなければならなくなると抵抗する。このままでは、道上がハヌッセンになっちゃうのでは?と、始まって数分で、もうハラハラの展開だ。


しかし、ここでイケオジ・山中がバシッと道上を叱りつける。

「お前は政治家のブレーンである前に、いちジャーナリストだろ!」と。

最後まで頼れるボス♥


さらに道上を「ハヌッセンへの道」から引き戻す存在が家族だ。

「かっこいいお母さんも好き」と、ジャーナリストである道上を誇ってくれる愛息子・勇気(森優理斗)。元夫・旗手健太郎(和田正人)も、今は道上の働き方に理解を示そうとしてくれている。そして、それを見守る母・香織(筒井真理子)。


ここで道上は、BG株事件を追って亡くなった父の言葉を思い出す。

「みんなが知るべきことをちゃんと知ることができたら、世の中はもっとよくなる」

考えあぐねた道上は、清家にブレーンをやめさせて欲しいと告げ、BG株事件の証拠をついに世に出す決意をしたのだ。

もちろん、清家は彼女を引き留める。

「僕にはあなたが必要です」

しかし、道上は「私はジャーナリストです!」とそれを突っぱねた。


そしていよいよ道上は、BG株事件の証拠を世に出す大スクープを執筆。世の中は騒然となり、羽生はBG株事件への関与を認め、内閣は総辞職。そんな最中、道上は羽生に呼び出され、「記事にしてくれ」と、ある事実を打ち明けられる。


実は、清家の実父・和田島(加藤雅也)元官房長官もBG株事件に関わっており、政治家たちの関与の揉み消しをしていたのも和田島というのだ。

さらに衝撃的だったのは、そのことを清家も知っていたということ!

なんと、代議士になった直後から和田島が去年亡くなるまで、清家は和田島の自宅に出入りしていたというのだ。

和田島は去年まで生きていた。ならば、清家のハヌッセンは和田島?清家の自伝『悲願』には、和田島とは交流がなかったと記されていたが、それも嘘だった──。


執務室にどっしりと構える清家。以前より貫禄たっぷりである。そこへ現れた道上を、彼は笑顔で迎え入れる。

真実を暴きたいジャーナリスト・道上VS開けても開けても同じ顔のマトリョーシカ・清家の大一番の火蓋が切って落とされた。

自分を利用してBG株事件の証拠を探させ、それを世に出さないようにブレーンとして囲っていたのでは?と清家をガンガン問い詰める道上。

「ハヌッセンは和田島義孝。そうですよね?」

そう問いかける道上に、清家は観念したかのように「ハッ」と悪い顔で笑いを漏らす。


この変わり身の恐ろしさよ!

それを演じる櫻井の二面性ある芝居の本領発揮といったところだ。

代議士になってすぐに再会したという父・和田島のことを「彼は、僕をコントロールしようとしなかった」と道上に話す清家。


ここに清家の回想シーンが差し挟まれる。

和田島と清家がいるのは、和田島宅。

2人を見守るように置かれていたのは…清家の執務室にある、あのマトリョーシカ!


和田島は清家に言う。操ろうと群がってくる人たちは「利用すればいい」と。そして、「お前には見つけてほしいんだ。本当の自分を」と。

「父はハヌッセンではない。僕の目を覚まさせてくれた同志です」と清家は道上に告げる。

改めて道上に「あなたのハヌッセンは?」と問われ、呆れたように「いませんよ」と吐き捨てた。


そう、清家は誰にも操られていなかったのだ!

あっけに取られる道上。

清家はさらに言葉を続ける。

「本当の自分がわからないんです。だから、あなたに近づいたんです。あなたなら生身の私を曇りのない目で見極めてくれると思ったから」

そして、そんな道上でも見誤ったことがあるというのだ。

清家にはハヌッセンがいて、その人のために働いている…。「そう決めつけた」とゾッとするような怖い顔になる清家。

ここだけサスペンス映画のような緊張感。

櫻井くん、あなたはホントにあの櫻井くん?(筆者の心の声)


ハヌッセンがいないなら、なぜ亜里沙や鈴木は切り捨てられたのか。

そんな道上の疑問に、清家はこう答える。

「ヒトラーがハヌッセンを切った時、何を思っていたかわかりますか?…みくびるな、ですよ」

もはやゴッドファーザーのような凄みである。

そして、苦虫を噛み潰したように延々と自身の〝みくびられ人生″を清家は語り続ける。

初めての恋愛を阻止しようとした鈴木と浩子の愛欲関係。

その恋愛相手の亜里沙が、尊敬する武智議員の愛人になり、さらに手をかけていたこと…。

「だから彼らにとって最悪なタイミングで別れを与えたんです」と清家は告白する。


「生者必衰 会者定離」の書も、祖母から譲られたものというのは嘘っぱち。清家が自ら、自身の知り合いの書家に書かせたものだった。

「まさに私の人生を表している」と悪魔の微笑みを浮かべる清家。


道上はここでハッと気づく。

ハヌッセンがいないとなると…清家自身がヒトラーに傾倒していた?


それを証明するように、清家は語る。

「彼の孤独を理解することができたんです。彼の怒りに寄り添うこともできた」

なんと、ずっと清家はヒトラーに自分を重ねていたのだ!ヒトラーのしたことは容認できないとしながらも、彼が権力を持ったこと自体が問題じゃないと続ける清家。

「ヒトラーは国民の上に立ち、扇動しようとした。眠ってる人を叩き起こそうとした」

それは、無関心が蔓延している今の日本の理想のリーダーだ!と。


清家(=櫻井)の弁舌が達者すぎて、思わず納得させられそうになってしまう。

かと思うと、子犬の目になって「みんな、僕のことなんて知ろうすともせず、ただただ僕を持ち上げている」と寂しそうにつぶやく清家。

魔性なところは浩子譲りなのか。清家、恐ろしすぎる子…!

しかし、清家の人としての真の怖さは、その先にあった。

マイノリティに寄り添う姿勢を貫いてきた理由を道上に問われ、清家はこう答える。

「わからないからですよ。僕自身、何がしたくて、何をすべきか」

目が座った清家は、道上に堂々と告げる。

「僕には、明確な意志など何もない」


怖すぎる!

何がしたいかわからないけど、とにかく見くびられたくないから権力持っちゃうよー!ってことである。

しかし、世を眺めるとそんな風に世を渡ってきた権力者たちも実際いそうなところも、このドラマの怖いところ。

考えさせられるシーンである。


清家には『悲願』なんて1ミリもない。誰かに指針を与えてもらえれば、着実に現実化できる力を持った政治家であるのにだ。

なんという皮肉であり、悲劇であろうか。


そして清家は、鈴木の前で声を荒げて本音を見せたかのような時こそ、「冷静だった」と話す。それは浩子の教えだったと。

話をしながらマトリョーシカをパカパカと開けていく清家。

「あなたが追いかけた清家一郎の正体こそ、はっきりと演じられた清家一郎なんですよ」

清家は、ついにマトリョーシカの最後の一体を取り出し、その顔についてこう話す。

「僕の目には、怒りに駆られているように見えるんです」

「見くびられたくない」と言いながら、清家の手にはどんどん力が入っていき、小さな人形が潰されそうなほど!

その怒りの強さよ!


清家は悪人顔で言い放つ。「権力は蜜の味がする」と。

そして、そんな自身の行く末を「楽しみにしていてください」と宣言するのだ。

こんな政治家いやだー!!


しかし、「ぼくが怖いですか?」と聞かれた道上は、清家にこう言う。

「私には泣いてるように見えます。その人形」と。

清家自身も、自分のことがわからないということが怖いのではないか?と。


最後に、道上もまた、「私もあなたを知ろうとすることを諦めません!」と宣言する。

「それがあなたを救うことになると信じて」

そう言って去った道上。残された清家は、今度は必死の素早さで人形たちをまたパカパカしまっていく。

まるで本当の自分から逃げるかのように…。


一方で、鈴木は愛妻・由紀(真飛聖)にも背中を押され、本当の自分の夢である政治家の道を目指し始める。

道上はそんな彼に、もう一度、清家を見つめ直し、この国の人たちに伝えたいと話す。「みんなに考えてほしいんです。彼がどんな人間なのか。彼を信じていいのか…」と。


場面はそれから5年後へ。

清家は総理になり、新たなブレーンと共に仕事をしている。

道上は、独裁に傾く恐れがある清家の政策を見据え、『清家一郎』の真実に迫る1冊の本を上梓していた。

そのは多くの人に読まれたものの、清家の人気は衰えなかった。

道上のモノローグは続く。

「彼の言うとおり、人々は何もわからず、分かろうともせず、ただただ彼を持ち上げた」

ボス・山中のオフィスにはスタッフが増えて、新人だった青山も事件記者として奮闘している。

「私は私ができることをする。彼を見つめ、知り得た事実を人々に伝え続ける。今はまだ無力でも、決して無駄ではないはずだ」

そう結んだ道上の言葉は、現実の日本へのメッセージのようにも思える。

「僕には何もない」というマトリョーシカの清家に比べて、鈴木にも道上にも「世の中を良くしたい」という強い思いがある。

一方で、このドラマの最後の最後は、母・浩子にコントロールされた生い立ちを清家に語らせるところが回想シーン盛りだくさんで描かれる。

「やりたいことが欲しい!」という思いこそが、もしかしたら清家の〝悲願″なのかもしれない。

そう思うと、嘘だらけの『悲願』という自伝のタイトルも少し哀しく感じられてしまう。


「戻れるならあの頃に戻りたい」

唯一、自分の意思で手にした鈴木、佐々木との友情が、彼の人生で最高の思い出だと振り返る清家。

そう思う自身を「これが本当の僕なんでしょうか」と自問するモノローグのなんと切ないことか。

恐らくは、道上に自身の手の内を明かしたのも彼自身の計算だったのかもしれないとも思える。

なんせ、鈴木の前で人間味を見せた場面は全て演技だった彼である。自身の独裁への暴走を止めるために、あえて道上に自分を見張らせようとしての行動だったのではないか。


そんな清家を、まっすぐに記者として見つめる道上の姿で、ドラマは幕を閉じる。

「生者必衰 会者定離」が座右の銘である清家。

そんな彼に、「いつかまた話をしたい」と思う相手・道上がいることこそが清家の救いになっていることを祈りたい。

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