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- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
6月3日(土)に行われた「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.3」は、井上尚弥選手がタイトルマッチを行うスーパーバンタム級と、それより1階級重いフェザー級の有望選手が多数出場するのも見所のひとつ。なかでも、セミファイナルに登場するアマ10冠・藤田健児の圧倒的攻撃力、福井勝也の多彩な左リードパンチは要チェック!未来のチャンピオン候補を発見できる!それが「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」の面白いところ。
本記事では、熱血ボクシングファン目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果を振り返っていこう!
メインイベント:WBOアジアパシフィック ライト級王座決定戦12R
〇保田克也(大橋)vs ×アピチェット・ペッチマネー(タイ) 3-0判定
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_保田克也VS.アピチェット・ペッチマネー](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/thjMJaUTjPNgUXqaB6J0M/3e99e3e9effe3447281e290acd5afb16/SCT1300001358.mp4-02_53_53.390.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
サウスポーの正統派、保田克也が初めて挑むタイトルマッチ!これまで、スピードとタイミングを活かしたボクシングでKOの山を築いてきた保田は、この試合でも得意の左ストレートを打ち込みたいところ。対するアピチェット・ペッチマネーは、これまでの全キャリアをタイで闘ってきた、勝ちにいく、というよりは負けないボクシングに徹する、全勝の変則ボクサーファイター。
立ち上がり、保田は左ボディストレートでペースをつかみかけるが、ペッチマネーが右ストレートで応戦、流れを渡さない。4Rに保田が右フックでダウンを奪うと、すかさずペッチマネーも左ストレートでダウンを奪い返す。ここまで互角か。
中盤以降、ペッチマネーは先にパンチを出すが、すぐにクリンチをして保田に打たせない戦法をとる。これは、柔道で言うところの“掛け逃げ”では!負けないための実践的なテクニックかもしれないが、フェアとは言えない。思わずブーイング!最終12Rまで、膠着状態が続いたが、より攻撃的だった保田の3-0判定勝利。保田としては、12ラウンド闘うスタミナ、苦手な接近戦をしのぐ忍耐力が試された試合で、勝ちをもぎ取った!この経験は大きな糧になるはず。さあ、唯一敗北した相手、現・日本チャンピオンの仲里周磨へリベンジだ!
セミファイナル 第6試合:8R/フェザー
〇藤田健児(帝拳)vs ×ダニエル・ニコラス(フィリピン) 2回TKO
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_藤田健児VS.ダニエル・ニコラス](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/3n3segZyj7JAYsJGJmcqYM/d63c75c248d3f2d9a14bb7816912471f/SCT1300001358.mp4-02_35_11.202.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
藤田健児は、これまでに極真空手、キックボクシング、総合格闘技を経験。高校からボクシングに専念するとアジア選手権、世界選手権など通算10冠獲得した元トップアマ。プロ転向後も一戦ごとに凄みを増す注目のホープが、セミファイナルで躍動する!
藤田選手の強みは、何と言っても多彩なテクニック。そして、試合状況によってファイトプランを変えられる格闘センスで、3戦全勝(2KO)の戦績。対するフィリピンからの刺客、ダニエル・ニコラスも7戦全勝(4KO)で、WBOユース・オリエンタルのタイトルを保持する実力者。
これまで、負けたことがない2人が激突する全勝対決は、藤田健児の圧巻TKO勝利!サウスポーから繰り出される左カウンター、ポジションを変えての右アッパー、ここぞという時のコンビネーション!その詰め方はまるで、同じ帝拳ジムの大先輩、浜田剛史代表が乗り移ったかと思うほど鮮やかだった!藤田健児、白いトランクス、リングシューズがよく似合う!
第5試合:8R/Sバンタム
〇福井勝也(帝拳)vs ×スー・ハンビン(韓国) 6回TKO
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_福井勝也VS.スー・ハンビン](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/32jjNWj8NdXGmCB8HxSZ3X/3c5274236fe4160b21f95ea945e30f72/SCT1300001358.mp4-02_16_11.363.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
4月に行われた「第1回WHO’S NEXT」で、那須川天心の公開スパークリングのパートナーを務めたのが福井勝也!この日は、自分が主役だ!と言わんばかりのパフォーマンスを披露。特に左アッパーは、ダブル、トリプルと連打し、それが面白いようにヒットする。時にガードの隙間を見つけては、ショートの右ストレートもダブルで打ち込む。この手数の多さと的中率は、層の厚いスーパーバンタム級、フェザー級では強力なアピールポイントになる!
対戦するスー・ハンビンは、右目がみるみるうちに腫れていくが、決して下がらずにパンチを返す。これこそ勇猛果敢なコリアン・ファイターの面目躍如、決して折れない心に最敬礼。試合はドクターストップで、福井勝也の6RTKO勝利。結果的には、福井選手の技術力の高さを知らしめた闘いとなったが、スー・ハンビン選手の頑張りに熱くなった!
第4試合:8R/Sバンタム
〇森朝登(ワールドS)vs ×秋間瑞輝(宮田) 3-0判定
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_森朝登VS.秋間瑞輝](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/7iEmfizStI1vgVzkTcmp7b/7158d03309d9b59a4bc4b1a9346da7f1/SCT1300001358.mp4-01_42_49.063.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
お互いにA級初戦の2人が闘うスーパーバンタム級8回戦。小柄なサウスポー、森朝登は7勝(5KO)4敗。長身でオーソドックスの秋間瑞輝は6勝(4KO)4敗2分。対照的な2選手の試合は、打ちつ打たれつフルラウンドの激戦となり、後楽園ホールが揺れた!
森は、スピーディな出入りを使ったフットワークのボクシング。秋間は右ストレートを打ち込むプレッシャーのボクシング。体格差はあっても、お互いの有効打が当たる距離が同じなので、何度も相打ちがありスリリング!5Rには秋間の強烈な右ストレートがクリーンヒットし、森はダウン寸前まで追い込まれたが、驚異の回復力で盛り返した。
一進一退の攻防は、僅差の判定で森朝登の勝利となったが、ドローの採点でもおかしくない試合。秋間選手、試合には負けたが、このリングに敗者はいなかった!
第3試合:6R/68kg契約ウェイト
×松野晃太(神奈川渥美)vs 〇シーサー皆川(平仲)0-3 5回負傷判定
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_松野晃汰VS.シーサー皆川](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/4GOWTbSlT27sQVCvzqZPNZ/52792ee85ec9b99dc1e5473f4ba06577/SCT1300001358.mp4-00_53_07.818.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
2022年度ウェルター級新人王を獲得し、3戦3勝(2KO)の松野晃太。オーソドックススタイルから放つ右ストレートが強く、これが当たればKO必至。一方、沖縄から乗り込んできたシーサー皆川はサウスポーのテクニシャン。普段からスーパーウェルターやミドルを主戦場にしているので、この試合はシーサー皆川のウェイトに寄せた恰好。
シーサーは3勝1敗で、1月に初黒星を喫し、これが再起戦でもある。試合は序盤からシーサー皆川ペース。テンポの早い攻撃に、松野が対応できていない様子。もしかしてサウスポーは苦手なのだろうか?確かに松野選手はサウスポーと対戦するのはこれが初めて。得意の右ストレートが当たる軌道を封じられ、一方、シーサーの左ストレートは当たる。松野が攻めあぐねている間に、シーサーは多彩なパンチを打ち込み、自分のボクシングをのびのびと展開していた!
2R、シーサーの左フックで松野がダウンした時は、バランスを崩しただけかと思ったが、これで苦手意識ができてしまったのかもしれない。5R、偶然のバッティングで松野選手が左目上を負傷。試合続行不可能となり負傷判定に。採点はフルマークでシーサー皆川の勝利!
個人的には、松野晃太選手の有利を予想していたけれど、シーサー皆川の試合巧者ぶりが光った!シーサー!アキサミヨー!
第2試合:4R/フェザー 東日本新人王予選
〇山森唯暁(横浜光)vs ×山鹿あたる(セレス) 4回TKO
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_山森唯暁VS.山鹿あたる](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/3oAfsSW9UUJyMzAmDzuHEv/704fa1132953394b82f0953cd83375fe/SCT1300001358.mp4-00_25_31.497.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
東日本新人王トーナメント二回戦。アマチュア経験のある山森唯暁はデビュー戦を判定勝利し、これが1年ぶりの2戦目。対戦相手の山鹿あたるは、珍しい右利きのサウスポーで、これまで1勝1分。
試合展開は、攻め込む山鹿あたる、それを迎え撃つ山森唯暁の構図。山鹿としては、強い右フックをリードパンチにして主導権を握りたいところだが、山森は冷静にボディから顔面へと的確にパンチを当てる。2R以降は、山鹿が打ち終わりに体が流れるところにカウンターを合わせたりと、手ごたえを感じた様子。完全にペースを掌握すると、4R残り6秒、パン!パン!パン!と3連打コンビネーションがクリーンヒットしたところで勝負あり。TKOで山森唯暁が勝利した。
アマチュアを経ているので、基礎的なテクニックは備わっていた山森。倒し方を覚えプロ仕様にバージョンアップ!次は、準々決勝だ!
第1試合:4R/Sフライ 東日本新人王予選
〇吉成亮人(ライオンズ)vs ×森俊介(一力) 2回TKO
![WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE_vol3_吉成亮人VS.森俊介](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/1iebTMSNo8GnwYMH26jjzS/bc37008f8c27f1cb2482d978d6809085/SCT1300001358.mp4-00_11_41.467.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
東日本新人王トーナメント二回戦。ここまで2戦2勝の吉成亮人。4月に行われたトーナメント一回戦は、強敵相手に判定勝利し勢いに乗っており、そろそろKO勝利が欲しいところ。対する森俊介は、この試合が10戦目。これまで2勝7敗と負け越してはいるものの、ファイターからアウトボクサーにスタイルチェンジし巻き返しを狙っている。勝てば7月の準々決勝に駒を進める一戦は、吉成亮人の2回TKO勝ち。森俊介のジャブをものともせず、上下の打ち分けから、得意の左フックを何度もクリーンヒットさせレフェリーストップ。とにかく、吉成選手の思いっきり振り切る左フックは、迷いがなく清々しい!準々決勝でも好ファイトを期待!
観戦した全8試合のうち5試合がサウスポー対オーソドックスの対戦で、終わってみるとサウスポーの4勝1敗だった。この中から、かつての名チャンピオン、浜田剛史、西岡利晃、山中慎介につづくサウスポーのチャンピオンが誕生するのかもしれない!
今回レポートした試合は、2023年7月3日まで全試合を配信中!
次回の「WHO’S NEXT」は7月1日(土)の「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.4」。WBOアジアパシフィックスーパーフライ級タイトルマッチ「中川健太VS白石聖」をお楽しみに!
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