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- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
関西のジムでトレーニングを積んできた選手たちが、ホームの力強い声援を受け、それぞれ最強の対戦相手と激突!
お互いのベルトをかけて、WBA・WBO女子世界アトム級王座統一戦に臨む黒木優子。悲願の日本タイトル決定戦、芝力人と大内淳雅の新旧対決。そして、世界タイトルはもう目の前、WBOアジアパシフィックミニマム級チャンピオン、小林豪己の2度目の防衛戦!
本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届け!
メインイベント:12R/ミニマム級 WBOアジアパシフィックミニマム級タイトルマッチ
×小林豪己(真正)vs 〇ジェイク・アンパロ(比)0-3判定
ボクシング主要4団体すべてで、世界10位以内にランキングされている、WBOアジアパシフィックミニマム級チャンピオン、小林豪己の2度目の防衛戦。挑戦者ジェイク・アンパロは、フィリピン国内を主戦場に闘い、なんと、この試合が今年3戦目。戦績13勝のうち3KOなので、パンチはないものと思われていたが…。
試合は1回から波乱の幕開け。攻防兼備の小林がラウンドを支配していると思われたが、終盤にアンパロの右フックがヒットし、小林がキャリア初ダウン!すぐさま立ち上がり続行されたが、不用意に打ち合いに行き、再び右フックを浴び2度目のダウン。序盤から、大きく出鼻をくじかれる。2回以降、勢いに乗るアンパロの攻撃に耐えつつ、ダメージの回復を待つ小林。4回からは、積極的なボディ攻撃でアンパロのスタミナを削り、試合の流れを徐々に引き寄せる。中盤以降は、小林の徹底したボディ攻撃と、右ストレートで突き放したいアンパロのガマン比べへ。小林は、初回のダウンで奪われたポイントを取り返し始める。
しかし、11回、12回はアンパロも最後の力を振り絞り、得意の右ストレートをクリーンヒットさせ小林の追撃を封じ、試合終了のゴング。判定に持ち込まれた試合結果は、ジェイク・アンパロの0-3勝利。小林豪己、2度目の防衛に失敗し王座陥落となった。
正直、この試合は、小林豪己が敗れるとは微塵も思ってなかった。というのも、まずは防御における“目”の良さと、フットワーク、体さばきがズバ抜けていること。そして、力まずとも、急所にさえヒットさせれば倒してしまう攻撃力。その試合ぶりは、“牛若丸”のようにも見えたし、ミニマム級伝説のチャンピオン、リカルド・ロペスのようにも見えた。
世界には、“全勝チャンピオン”が少なからず存在し、彼らの勝ちっぷりにファンは熱狂する。確かに“全勝”が大きなステータスであることは間違いない。しかし!敗戦から立ち上がり、再びリングに戻ってくることもまた、偉大で勇気ある行為であると伝えたい!
倒されても、倒されても、立ち上がる!そんな姿に、胸が熱くなる!
小林豪己選手が、敗戦を糧に、さらに進化した姿で帰ってくる日が待ちどおしい。
セミファイナル:10R/フライ級 日本ライトフライ級王座決定戦
×芝力人(真正)vs 〇大内淳雅(姫路木下)8回TKO
世界タイトル挑戦のため岩田翔吉が返上し、空位になった日本ライトフライ級タイトル。紆余曲折の末、“新鋭”芝力人と“ベテラン”大内淳雅で争われることに。芝はこれが3度目の日本タイトル挑戦。一方、大内は5度目の挑戦となる。芝としては、この日本タイトルを足がかりに世界への扉を開きたいところ。また大内は、これまで4度弾かれたが、その度にトップ戦線に返り咲き、不屈の闘志で掴み取った5度目のチャンス!もう、大内にとって“日本タイトル”は、ボクシング人生そのものなのでは。
試合は、ハンドスピードで勝る芝に、大内がプレッシャーで距離を詰める展開。両者、一歩も引かず互角の攻防が続く。芝のシャープなジャブに、大内がひるまずにカウンターを狙う。大内は3回に有効打で右目上をカットするも、手数は衰えず。ジワジワと芝を追い詰める。5回終了時の公開採点は、2-1で大内が有利!
試合が決したのは8回、大内の右ストレートが芝のテンプルを打ち抜き、グラついたところで、さらに右!芝は、こらえきれず沈み込むように膝をつく。立ち上がったものの、大内のラッシュを浴びてレフェリーストップ!若さとスピードと勢いに勝る相手に、経験と練習と執念で勝ち取った、日本タイトルだった!
試合後のインタビューで大内淳雅選手は、「芝選手に恥じないチャンピオンに」という言葉を発した。ともに“日本タイトル”という大きな壁に挑み続けた者同士、だからこそ出てきた、リスペクトと感謝に溢れた言葉だった。思わずもらい泣き!
大内選手、5回目の挑戦、37歳での初戴冠おめでとう!
セミセミ:10R/アトム級 WBA・WBO女子世界アトム級王座統一戦
×モンセラット・アラルコン(メキシコ)vs 〇黒木優子(真正)0-2判定
WBAチャンピオン、モンセラット・アラルコンとWBOチャンピオン、黒木優子による王座統一戦。なにかと対照的なチャンピオン同士の対戦になった。まずは、右構えのアラルコンに対しサウスポーの黒木。フックパンチを得意とするアラルコンに対しストレートパンチャーの黒木。接近戦のアラルコンに対しアウトボクシングの黒木。そして、手数のアラルコンに対し強打の黒木の構図。
試合は一進一退、お互いの良い所が発揮された白熱した試合展開となった。黒木は長い左ストレートを中心にアラルコンを突き放し、アラルコンはボディ攻撃から距離を詰めようとする。試合全般を通して、黒木は下がりながらもアラルコンの左フックを外し、自身の左ストレートを当てているが、ジャッジによってはアラルコンの攻勢を指示する場合もありえる。
お互いに引かない接戦は判定へ。結果は0-2で黒木選手の勝利!高度なテクニック戦は、黒木のキレのあるワンツーが勝利の決め手となった。
女子プロボクシングでは、アラルコンのような“フック系”の選手が多い中、黒木のような強打のストレートパンチャーは異質。今回、KOは逃したが、これからも黒木のスナップの効いたキレッキレの左ストレートに注目していきたい!
配信された3試合は、どの試合もドラマチックで記憶に残る名勝負!
U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.5』を2023年9月4日まで配信中!
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