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- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
プロ転向してきたアマチュアエリートたちの勢いが止まらない!第1試合から名勝負の連続で、この中から将来の世界チャンピオンが誕生するのかと思うと夢が膨らむ。
またそれとは対照的に、キャリア豊富なベテランが生き残りをかけて同じリングに上がる。なんてドラマチック!本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届け!
メインイベント 第6試合:10R/スーパーフェザー級
〇尾川堅一(帝拳)vs ×マービン・エスクエルド(比)3-0判定
![WHO’S NEXT vol.6_01-2](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/tplxsp4S15v3vkdZQzOYv/417716537cb7ffd0e2e0036fa4f7c29f/01-2.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
元IBF世界スーパーフェザー級チャンピオンの尾川堅一は、この試合が再起第2戦。再び世界チャンピオンを目指すには、前回の試合同様にインパクトのある勝ち方、つまり豪快なKO勝利でアピールしたいところ。対するマービン・エスクエルドは、早いラウンドにKO勝利が多い剛腕ファイター。
試合は、エスクエルドの変則スタイルと尾川の正統派スタイルの対決となった。まるでナジーム・ハメドを模倣したような、ノーガードかつスウェーバックでパンチをかわし、飛び込むようにパンチを放つエスクエルド。一方、尾川は冷静にストレートパンチで追いかける。尾川の強打“クラッシュライト”が何発かヒットするが、エスクエルドは上体の柔らかさでパンチを殺す。特に中盤以降は防御重視の姿勢を貫き、尾川の強打をことごとくかわすが、ポイントを獲れたラウンドはほとんどなかった。
尾川堅一の大差判定勝利となったが、倒されないことに徹底している相手をKOすることは至難の業。最後まで集中力を切らさずにパンチを打ち続けた尾川堅一の次戦に期待!
セミファイナル 第5試合:10R/日本ウェルター級タイトルマッチ
〇坂井祥紀(横浜光)vs ×能嶋宏弥(薬師寺)3-0判定
![WHO’S NEXT vol.6_02-8](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/4TRzKJjiZeRBoJAJioPTuX/c3abfa5d82736a52e2b91c700910754d/02-8.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
メキシカンのような激闘スタイルが特徴的な坂井祥紀が、日本タイトル初防衛に臨む。対戦相手は、長身のスイッチヒッターである能嶋宏弥。能嶋にとっては、2階級重たいWBOアジアパシフィックミドル級タイトルを返上しての試合となる。しかも、完全なるファイター対ボクサーの構図で、実力拮抗した両者が闘うこともあり、勝敗の行方が全く読めない好カード!その注目の一戦は、接近して有効打を打ち込みたい坂井とアウトボックスで距離を保ちたい能嶋とのせめぎ合いに。坂井は常にプレッシャーをかけ続けていたが、最後まで能嶋を捉えきれず、最終ラウンドのゴングを聞いた。お互いに決め手に欠いた試合は、坂井祥紀が攻勢をかけていた分、ポイントにつながった勝利だった。
第4試合:8R/スーパーフェザー級
〇齋藤麗王(帝拳)vs ×李鎮宇(角海老宝石)8回TKO
![WHO’S NEXT vol.6_03-3](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/1SSRsaoycL8pNhnMRdVlYQ/cd60a59d380eb0581e6f19e836b814fa/03-3.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
高校6冠のアマチュアエリート齋藤麗王は、これまでプロ転向後、3戦全KO勝利中。一方、李鎮宇も2021年全日本スーパーフェザー級新人王を獲得した無敗の実力者。大柄で頑丈な体格を活かしプレッシャーをかけてくる、まるでゲンナジー・ゴロフキンのように!華々しいキャリアでスタートした齋藤にとって、李鎮宇は危険すぎる相手。これまでで一番タフな試合になることは確実!
試合は初回から激しい打ち合いに。あえて例えるなら、パワーの李とスピードの齋藤かと言えるが、そんなことお構いなしの打撃戦!一進一退の攻防の中で3回、李の右ストレートがカウンターになりヒット!齋藤がプロ初ダウンを奪われる。かなりのダメージが予想されるが、打ち返すことで追撃を食い止める。この回復力は、まさに練習量の賜物。4回以降も激しい死闘は続くが、徐々に齋藤のクリーンヒットが増してくる。そして、劇的な最終ラウンド!齋藤は、3回のダウンを乗り越えて、連打を叩き込む逆転のTKO勝利!かつての名勝負、オスカー・デラホーヤ対アイク・クォーティ戦を思い起こす大熱戦だった!
齋藤麗王選手、李鎮宇選手、素晴らしい試合をありがとう!
第3試合:8R/バンタム級
〇矢代博斗(帝拳)vs ×プリンス・アンドリュー・ラウリオ(比)2回TKO
![WHO’S NEXT vol.6_04-2](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/sHxvPo9GQ1oCykUr9EBxZ/a2b8ebd30c8226a6984186841b8552ca/04-2.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
アマ戦績94戦75勝19敗を積み重ね、プロ転向後も4戦全KO勝利を誇る矢代博斗。第3試合で、後楽園ホールが割れんばかりの大歓声に包まれて、矢代選手の人気の高さが感じられる!それもそのはず、おとなしそうな外見とは裏腹に豪快で華麗なKOを積み重ねるギャップに驚かされてしまうから!この試合も、長身の強打者プリンス・アンドリュー・ラウリオの攻撃をいなしながら、右フック一閃!完璧に捉えた一発でラウリオの意識を飛ばした。
ただ、矢代選手の凄い所は右フックだけではなく、アングルを変えて突き上げるアッパーや踏み込みの早いボディストレートも一級品!また、ボディワークとブロッキングの技術も高く、この攻防兼備のファイトスタイルは、まるでカネロ・アルバレス!
向かうところ敵なし、令和のKOアーティストがスターになる日は近い!
第2試合:8R/フェザー級
〇嶋田淳也(帝拳)vs ×マイケル・カサマ(比)5回TKO
![WHO’S NEXT vol.6_05-5](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/7ifhjRDd9hXfYgWecRgUBT/f7cf3d32c561af734dff0ecfbcadf782/05-5.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
アマ戦績81戦58勝23敗のキャリアを誇る嶋田淳也。まるでボクシングの教科書から飛び出したかのような美しいフォームが印象的。これまで4戦全勝だが、いまだKO勝利がないところが課題だった。対照的に対戦相手のマイケル・カサマは、勝った試合はすべてKOという荒っぽいファイター。試合は、早いラウンドでのKOが多いカサマの攻撃を警戒してか、嶋田がジャブ、ワンツーで先手を奪いペースを握る。接近するとカサマもアッパーで応戦するが、嶋田のブロックは固い。4回には連打でロープに押し込むが倒しきれず。続く5回、嶋田の上下の打ち分けにカサマのガードが下がったところでラッシュ!カサマの顔面を打ち抜き、大きくグラつかせたところでレフェリーストップ!初KO勝利おめでとう!
第1試合:6R/ミニマム級
〇松本流星(帝拳)vs ×ダーウィン・ボヨネス(比)3-0判定
![WHO’S NEXT vol.6_06-9](https://images.ctfassets.net/j040bzbn054u/44biCoTfKIvPqEsInIQn18/8e47a45ad52353004b04f98b63bcab08/06-9.jpg?fm=jpg&fl=progressive&q=80&w=1000)
2021年全日本選手権、国体フライ級制覇など4冠を獲得しているアマチュアエリート、松本流星のプロ2戦目。フィリピンの突貫ファイター、ダーウィン・ボヨネスとの対戦。お互いにパンチをぶつけ合うような、手数の多い好ファイト!相打ち覚悟でのカウンターの打ち合いはスリリング!両者、決定打を打ち込めないまま判定を迎えたが、なんとか松本が判定勝利となった!点差以上に拮抗した試合は、手数を出し続けること、足を止めないこと、上下を打ち分けることで、もぎ取った勝利。プロ仕様に合格サインが出た!
4団体統一王者の井上尚弥選手、オリンピック金メダリストから世界王者になった村田諒太選手をはじめ、アマチュアエリートからのプロ転向が、世界チャンピオンへの最短ルートになりつつある現在、今回は4人の有望選手が登場した。彼らの躍動が、“プロスポーツ”としてのボクシングを更に盛り上げていくことは間違いない!
U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.6』を2023年10月2日まで配信中!
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