熱闘!激闘!大逆転!好ファイト続出だった「第7回WHO’S NEXT」観戦レポート!
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熱闘!激闘!大逆転!好ファイト続出だった「第7回WHO’S NEXT」観戦レポート!

2023.10.13 18:00

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1つの敗戦が人生を大きく変えるプロボクシングの世界。時には、引退のきっかけになる場合も。しかし、敗戦から多くを学び、レベルアップして再びリングに戻ってくる選手が存在するのも事実。そんな“再起戦”に挑む選手たちに注目しながら、本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線での観戦レポートと対戦結果をお届け!

配信開始前、または配信終了しています。

メインイベント 第5試合:12R/OPBF東洋太平洋ミドル級王座決定戦

〇竹迫司登(ワールドS)vs ×マ・ウーヒョン(韓国)10回TKO

竹迫司登は、今年4月に韓国で行われたWBOインターナショナル王座への挑戦で、世界ランカーのメイリン・ヌルスルタンに8回TKO負け。倒されるまで、有利に試合を展開していたので悔しい初黒星となった。これまで、持ち前のハードパンチでKOの山を築いてきただけに、大きなショックだったに違いない。

そして迎えた再起戦の舞台は、OPBF東洋太平洋ミドル級王座決定戦!実績に裏付けされた、実力者だからこそのマッチメーク。対戦相手は韓国のマ・ウーヒョン。キャリア8戦の新鋭だが、激闘をものともしない猛者で、手数とタフネスが特徴的。

アジア・ミドル級の覇権をかけた闘いは、想定とは異なり静かに立ち上がる。事前のインタビューでディフェンス強化を今回のテーマに上げていた竹迫。突貫ファイターであるマ・ウーヒョンの波状攻撃を警戒してか、慎重な試合運び。ウーヒョンの決定打は許さないが、ディフェンシブになりすぎ、竹迫本来の攻撃力は影をひそめる。4回終了時の公開採点は2-1でウーヒョンがリード。

しかし5回開始早々、竹迫らしい鋭い右ストレートがクリーンヒット!アゴを打ち抜かれ崩れ落ちるウーヒョンを見て、もう試合続行不可能なのではと思うほど強烈な一撃。それでも立ち上がってくるのが、マ・ウーヒョン!驚異のタフネス!

試合の流れを引き寄せた竹迫は、6回に左フック、8回に左ボディでダウンを奪い、都合3度のダウンをそれぞれ異なるパンチで演出し、攻撃の幅を見せつける。本領発揮した竹迫は、8回終了時の公開採点で3-0と逆転。

そして迎えた10回、もうほとんど力の残っていないウーヒョンをコーナーに追い詰めて連打、4度目のダウンを奪ったところでレフェリーストップ!激闘に幕が下りた。

序盤は慎重になりすぎて、持ち前の攻撃力が活かせてなかったように思われたが、終わってみると、竹迫選手が圧倒した試合内容。激しい試合だったわりに、ほとんど傷のない顔にディフェンス強化の成果が見て取れる。これ以上ない見事な再起戦だった!

やはり、竹迫選手にとってアジアは狭い!


セミファイナル 第4試合:8R/日本スーパーライト級挑戦者決定戦

〇李健太(帝拳)vs ×アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)3-0判定

アマチュア時代は112戦102勝10敗、高校6冠と62連勝という日本記録を持ち、プロ転向後は、長身のサウスポーを活かした懐深いボクシングでこれまで6戦無敗を誇る李健太。

そんなエリート街道を邁進する新鋭に立ちはだかるのは、キャリア豊富なアオキ・クリスチャーノ。過去3度の日本タイトル挑戦は全て敗戦。しかも、直近2試合が日本タイトル挑戦で、いずれも痛烈なKO負け。アオキとしては、もう後がない再起戦。しかし、好戦的なファイトスタイルは見る者を惹きつけ、勝っても負けても面白い試合をするという意味では、プロ中のプロなのだ!果たして、テクニックの李健太か?パワーのアオキか?

試合は静かな立ち上がり。序盤はお互いに様子見のようなラウンドが続く。距離をつめたいアオキに対して、李健太が長いジャブ、ワンツーで突き放す。アウトボクサー対インファイターではよくある構図。しかし、ここで感じた違和感。それは、李健太がパワフルなアウトボクシングでアオキの攻撃を弾き飛ばしているところ。テクニックを活かしたヒット・アンド・アウェイで逃げ切るのではなく、逆に強い左ストレートを打ち落とす、“ヒットマン”スタイル!5回には、これまで押されていたアオキの捨て身の攻撃で、会場は否が応でもヒートアップ!両者のアグレッシブな打ち合い、激闘は最終ラウンドまで続いた!

試合結果は、李健太の3-0判定勝利!アオキ選手も善戦したが、それよりも李選手の進化が上回った。長身でサウスポーのテクニシャンにパワーが備われば、これからKOを量産すること間違いなし!今後も李選手から目が離せない!

第3試合:8R/スーパーバンタム級

〇福井勝也(帝拳)vs ×ジェトロ・パブスタン(比)4回TKO

プロキャリア5戦ながら、どこか老獪な試合運びで完成度の高いボクシングを見せる、元トップアマの福井勝也。対するジェトロ・パブスタンは、2016年にWBO世界バンタム級タイトル挑戦、後にWBOアジアパシフィックバンタム級獲得のキャリア豊富な実力者。

試合の立ち上がり、福井は経験と実績で上回るパブスタン相手に、自分のスキルを確かめるような冷静なボクシング。ジャブの差し合いで力量を測っているように見える。

そしてデータのインプットが終わった3回、攻め込んできたパブスタンに左フック一閃!美しいカウンターが見事に決まりダウンを奪う。4回には、技ありボディで2度ダウンを奪う。特に2度目のダウンは、体重をかけて押し倒し気味のちょっとズルいテクニック。最後は、ロープ際で連打を浴びせレフェリーストップを呼び込んだ。

福井選手は、パンチの効かせ方、まとめ方、倒し方を掴んでいるKOパンチャー!ジムメイトである那須川天心選手も参考にするところが多いのでは。

第2試合:4R/60.5kg契約

×佐藤友規(パンチアウト)vs 〇川本響生(鉄拳8)0-3判定

打ち合い上等!勝っても負けても熱い試合をする佐藤友規。7月の試合はKO負けしているので、連敗は避けたいところ。一方、川本響生はフェンシングの剣のようにしなる、鋭いジャブで試合をコントロールするスピードスタータイプ。川本もまた、5月の試合での判定負けからの再起戦でもある。

試合は、川本がスピードとテクニックで煽るような展開。ハンドスピードを活かしたジャブとステップワークを駆使し、派手で華のあるボクシングを見せつける。佐藤は、打ってはポジションを変える川本を捉えられない。打ち合いに持ち込めば、互角に勝負できるはずなのに、それが出来ないもどかしさが伝わってくる。

最後までスピードで翻弄した川本選手が、フルマークでの判定勝利!以前より“粗さ”がなくなり洗練された印象。ユニークなキャラクターも相まって、これから人気が出そう!


第1試合:4R/ウェルター級

〇伊藤礼人(ワールドS)vs ×本村康(ミサイル工藤)4回TKO

お互いに身長180㎝オーバー、ウェルター級にしても大柄な両者が対決。アップライトに構えるサウスポーの本村は距離をとりたい典型的なアウトボクサー。これがデビューの伊藤は、同門ワールドスポーツジムの先輩、竹迫司登を見本にしたかのようなファイター。

初回からグイグイ攻め込む伊藤に手こずりながらも、本村はラウンド終盤、離れ際に右カウンターを合わせ強烈なダウンを奪う。本村のバネが伸びるようなパンチは、見た目以上に破壊力がありそう。2回以降、ダウンのダメージから回復した伊藤は、しつこくボディに食らいつく。一進一退、両者互角で迎えた最終4回、伊藤はボディから左フック、アッパーを織り交ぜた集中打で衝撃的なダウンを奪い、大逆転TKO勝利!後楽園ホールに勝利の雄叫びが響き渡った!伊藤選手、初回のダウンを挽回しての逆転劇に、デビュー戦とは思えないメンタルの強さを証明した!

倒された本村選手は、担架で運ばれるほどダメージを負ったが、後ほど無事が報告され一安心。


重量級のパワーと軽量級のスピードが必要とされるスーパーライト級、ウェルター級、ミドル級の試合が堪能出来た今大会。軽量級以上に、世界的層が厚い階級での日本やアジアの選手の活躍に、今後の期待が高まる!

U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.7』を2023年11月5日まで配信中!

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