”クズ夫”役もコミカルな役もお手の物! イ・イギョンの演技力が光るドラマ&映画6選
“最悪”という言葉では足りないほどの性格がひねくれたキャラから、その場をパッと明るくしてくれるお調子者キャラまで——イ・イギョンの演技力が光る映画・ドラマを6作ご紹介!
長かった猛暑の日々が落ち着き、やっと秋めいてきた今日この頃。涼しくなると頭が冴え渡り、色々と考えを巡らせたくならないだろうか?そう、秋と言えば、ミステリーに限る。「韓国ドラマと言えばラブコメ!」という印象を抱いている方たちもいるだろうが、そんなことはない。現代社会が抱える問題点を訴えかけるような、硬派な作品も数多く生み出されている。今回は、その中でも知的好奇心を刺激してくれるミステリー仕立ての作品を5本、紹介したいと思う。
順風満帆な人生を歩む男子高校生ジョンウは、突如、恋人ダウンと幼馴染ボヨンの殺人容疑で逮捕されてしまう。事件前夜、ジョンウはダウンの浮気に怒って酔い潰れていたため記憶は皆無。身の潔白を晴らすことができず、有罪判決が下されてしまう。それから10年。ジョンウは刑期を務め上げた後、身に覚えのない殺人の真相を解明しようとするが……。
自然広がるのどかな風景に人情味溢れる人々―そんな平和な村で起こるヴィレッジミステリー。“被害者が2人”というのがミソで、それぞれの事件が絡み合っていることが謎に輪をかけている。
ソウルから左遷されてきた刑事サンチョルが、過去と現在を結ぶ事件を調査するうち前科者ジョンウの冤罪を確信し、ジョンウを思いやるようになっていく過程も見どころ。人格者として信頼している人にも醜悪な感情が蠢いており、酷く傷つけられることがある。だがその傷を癒すのもまた人なのだ……と心に残る一作だ。
人生転落で目の輝きを失ったジョンウをピョン・ヨハン(ドラマ『サムシクおじさん』など)、正義漢でキレ者な刑事サンチョルをコ・ジュン(ドラマ『浮気したら死ぬ』など)が演じている。
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片田舎にあるマニャン派出所では、主婦たちによるお遊び賭博や痴呆老人の失踪など、軽犯罪を取り締まることがほとんどだった。その空気が一変したのは、女性の遺体が発見されてから。なぜなら、20年前の連続殺人事件を彷彿とさせる猟奇事件だったからだ。
過去の事件で妹を失い、さらには容疑者となった過去を持つ警察官ドンシク。そして、少し前になぜかマニャン派出所にやってきた警察庁次長の息子である警察官ジュウォン。彼らは互いに疑いの目を向けながら、調査を進めていく。
こちらも『白雪姫には死を~BLACK OUT』同様、狭いコミュニティで繰り広げられるミステリー。
結束力の高い派出所メンバーや刑事仲間、顔馴染みの居酒屋店主やスーパーマーケットのオーナーなど、マニャンの人々が良好な関係を築き上げていることが描かれる一方で、それぞれ“個”となる場面では別の表情がちらりと見えるため、物語が進むにつれ「全員怪しい」と思わされる。過去と現在を行き来する映像や遺体の多さなど複雑な構成となっているので、集中力を研ぎ澄まして一気観するのがオススメだ。
また、特筆すべきは主演2人の演技。ドンシク演じるシン・ハギュン(『霊魂修繕工』など)はまさに怪演。満面の笑みが心をざわつかせ、ドンシクがどのような感情なのか読み取れず混乱させられる。ジュウォン演じるヨ・ジング(『ホテルデルーナ』など)は、役柄上序盤は抑えめだったが、徐々にハギュンと渡り合うほどの鬼気迫る演技を見せ、作品に異様な高揚感をもたらしている。
悪徳詐欺師を騙す人情派詐欺師ウクは、女性の誘拐現場を目撃後、悪人たちに追われる最中に交通事故に遭い、九死に一生を得る。しかし、退院してすぐ誘拐犯たちに山奥へ連れ去られ、逃げようとして山から転落。気を失っていたところを、ドゥオン村に暮らす中年男性パンソクに助けられる。
誘拐犯たちからの捜索が続くため、村に留まることにしたウク。だが、実はそこは遺体が見つからぬ死者たちの魂が宿る場所だった。事故により第6感が目覚めたウクは、同じく死者が視えるパンソクと共に、村人たちの遺体探しを始めるようになる。
『白雪姫には死を〜BLACK OUT』『怪物』同様、こちらも村内が舞台だが、ファンタジー要素も加わっている異色作だ。村人たちの遺体探し、ウクが遭遇した誘拐事件やウクの出自、パンソクがそこに住む理由などネタに尽きず、最後まで飽きずに様々な謎解きを楽しめる。
なお、仲睦まじく共生する死者たちだが、望んでいるのは成仏すること。遺体発見が彼らの幸せではあるが、残された仲間たち、そしてコミュニティにすっかり馴染んだウクとパンソクが別れを惜しむ場面は非常に切ない。
ウク役は『マネーゲーム』などのコ・ス、パンソク役はベテラン俳優ホ・ジュノ。『ソンジェ背負って走れ』の二番手役でブレイクしたソン・ゴニも、村で喫茶店を営むトーマス役として出演しており、最後に温かな余韻を残している。
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検察のスポンサーであるサンファ建設のパク社長の家を訪ねた際、パクの遺体を発見してしまった検事シモク。すぐさまテレビ修理業者のジンソプを容疑者として割り出すが、その少し前、パクから「口を開けば終わりだと次長に伝えろ」と言われていたことや、ジンソプに関する証拠が捏造されたことなどから、上司である次長検事チャンジュンや先輩検事ドンジェなど、内部の腐敗が事件に関与していると予測。
一方、ジンソプ逮捕に携わった刑事ヨジンも事件の不審点に気付き、独自捜査。真犯人追及のため、シモクとヨジンは手を組むことにする。
とある事件を発端に、検事と刑事が汚職まみれな公的機関を暴いていくことになるミステリー。捜査にまつわる技術や法律の知識などに長けるプロフェッショナル複数人が関わる犯行となると、真相に辿り着くには一筋縄ではいかない。濃密な頭脳戦を楽しめる作品になっている。
主役2人のキャラクター設定も独特。チョ・スンウ(『離婚弁護士シン・ソンハン』など)が演じる感情を失ったシモクと、ぺ・ドゥナ(『静かなる海』など)が演じる楽観的なヨジンは、犬猫で言うと、どちらも猫タイプ。彼らの付かず離れずの距離感がバディものとしては斬新である。
また、イ・ジュニョク(『ヴィジランテ』など)が演じる、出世欲の強いドンジェの“善悪の揺れ”も印象的。彼を主役にしたスピンオフ作『良いが悪い、ドンジェ』とあわせてどうぞ。
娘ヒエの手術代を賄うため、前妻ヘウンからの提案を受け入れ、良家の子女ロヒを誘拐することにしたミョンジュン。いざ実行に移そうとすると、誰かが車に飛び出してきてその場で気絶。その少女こそがロヒだった。
そのままロヒを家に連れ帰ったミョンジュン。目覚めたロヒは記憶喪失になっていたためロヒの父を装い、身代金を受け取るために動き出す。だが、ロヒの両親は殺され、ミョンジュンは容疑者に。一方、頭脳明晰なロヒは何かがおかしいと疑い始めていた。
刑事やとある組織から追われる2人が、ロヒの特異な存在を紐解き、陰謀を暴いていくことになるミステリー。ちょっと抜けていてお人好しな誘拐犯の中年男性ミョンジュンと、ツンデレ気質な天才少女ロヒという真逆な2人の逃避行は、時にコミカル。
ミョンジュンの下手くそな芝居は早々と見破られてしまうのだが、ヒエとロヒがちょうど同じぐらいの年頃ということもあり、ミョンジュンとロヒは徐々に擬似親子のような関係へと発展。2人の掛け合いも阿吽の呼吸となっていく。
ユン・ゲサン(『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』など)による、心優しいポンコツ誘拐犯がハマり役。そして倍率500のオーディションを勝ち抜いたロヒ役のユナも名演技で魅了する。2人は実際に父娘のような関係を築いたという裏話もイイ。
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