『まどか26歳、研修医やってます!』自分の人生とも逃げずに向き合う大切さを教えてくれた最終回。芳根京子×鈴木伸之の幸福な結末に続編を望む声も
第10話(最終回)では、まどかが自分の人生も患者の人生も大切にするための選択を下す。菅野との恋の結末も多幸感に溢れ、視聴者からは続編を望む声が多数上がった。
芳根京子演じる研修医のまどかが、“スーパーローテーション”というシステムで様々な診療科を巡る2年間を描くドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)。1月21日に放送された第2話では、まどかがついに手術デビュー。2カ月に及ぶ消化器外科での研修を支えてくれた指導医・菅野(鈴木伸之)との恋のフラグが立つ一方、彼氏の直人(渡邊圭祐)とは破局の予感が…。魅力的な2人の男性の間で、視聴者の心も揺れた。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
どんな職業でも、新人の頃は覚えることが多い。初期研修1年目のまどかはデート中も勉強に追われ、直人と険悪なムードになってしまう。たしかに自分がパートナーだったら、ちょっと寂しい気持ちになるかもしれないが、今は大事な時期。勉強熱心で良いことじゃないか!と思った矢先、まどかのうっかりが発動する。
事前に資料を暗記し、朝のカンファレンスでプレゼンしなきゃいけなかったのに、その連絡を見落としていたのだ。付け焼き刃でプレゼンに挑むも、結果はボロボロ。ベテラン医師たちの厳しい質問にも答えられるはずがなく、集中砲火を浴びる。まさに“地獄のカンファレンス”。自分だったら耐えられる気がしない。
それにしても、メンツの濃いこと。本作は登場人物が多いけれど、細かいところまで詰めてくる救命救急センター長の城埼(佐藤隆太)、その冷ややかな視線が刺さる消化器内科の手塚(木村多江)、乳腺外科の内田(森カンナ)など、一人ひとりがキャラ立ちしていて、キャストも豪華なので、すぐに名前が覚えられるのがありがたい。
中でも今回、特に印象的だったのは、まどかが最初に配属された消化器外科の西山(赤堀雅秋)だ。「俺たちの時代は〜」が口癖で、何かとまどかに嫌味を言ってくる。夜遅くまで新人を酒に付き合わせ、手術中には「BGMが欲しいから、なんか歌って」という無茶振りも。昭和の歌謡曲『あずさ2号』をまどかと熱唱しながら、大腸を摘出するシーンにはおもわず笑ってしまった。
そんな“化石オヤジ”と呼ばれても致し方のない西山だが、尊敬できる部分もたくさんある。前日にどれだけ呑んでいても、翌日はケロッとして業務をこなす西山。さすがは昭和育ち。まどかたちとは、鍛えられ方が違うのだろう。
だけど、西山たちが若い頃の働き方が正しいとも言えない。今回、清桜総合病院の偉い人であることが明らかになった角田(奥田瑛二)は西山や手塚にとある医師の話をする。その人は真面目で人望が厚く、200人の患者が治療を待っていたが、過労死してしまったという。医師は患者の命を背負っているのだから、研鑽は必要。だけど、死んでしまったら元も子もない。患者のためにも医師自身が健康でいなくちゃいけないのだ。
そんな考えのもと、昨年4月から開始した医師の働き方改革だが、まだ始まったばかりゆえに現場では混乱が生じている。「通常業務を終えて、さあ教えられるぞ!って時に彼らはいない」と赤堀が嘆くように、研修医の指導に関してもまだまだ模索中の段階だ。
そんな中で大事なのは、世代間で対立せず、歩み寄ることなのだろう。電子カルテの時代にわざわざ患者の資料を暗記させるなんて時代錯誤で、新人いじめだと思っていたまどかたちだが、そこにはちゃんと意味はあった。
入院患者の病状を常に把握し、病院のサーバーがダウンして電子カルテが使えなくなった時も冷静に対応する西山や菅野の姿を目の当たりにしたまどか。はじめは、「この人たちとは初めから土俵が違う」と思っていた。今の働き方では、到底追いつけないと。でも、それは言い訳でしかない。研修医2年目の多田(岩男海史)が患者のカルテをコピペではなく、自分の手で打ち込んでいたように、9時-17時勤務でもできることはある。
それに気づいたまどかは2回目のカンファレンスに向けて準備を始めた。模擬練習に付き合ってくれるのは、一緒に暮らす同期たちだ。
しっかり者の千冬(高橋ひかる)、マイペースな萌(小西桜子)、癒し系の翔(大西流星)、ムードメーカーの健斗(吉村界人)。タイプはバラバラだけど、不思議とバランスが取れている1年生たちはひよっこ感が出ていて、愛らしい。だけど、さすがは医学部卒。いざという時は頼りになり、彼らのおかげでまどかは見事プレゼンを成功させる。
西山にも認めてもらい、ついに鼠径ヘルニアの手術で執刀医を担当することになったまどか。手術中、「腸ってバカだよな」とさりげなく緊張をほぐしてくれる菅野が優しい。ここまで来れたのは、自分の力を信じてくれた菅野のおかげでもある。
菅野の的確な指示で手術を成功させ、まどかの消化器外科での研修は終了。これで菅野ともお別れかと思いきや、送別会の帰り道に彼はまどかに別の科に行っても分からないことがあったら、いつでも聞きにきていいと言ってくれる。
「患者の声に耳を傾けろ。答えはそこにある」と最後にアドバイスを送る菅野。それは、まどかが大好きなキャラクター、ドクターKの台詞だった。まどかが嬉しくなって「やっぱり菅野先生もお好きなんですね!」と言った瞬間、菅野は急激に距離を縮め、「誰にも言うな」と“エア”口塞ぎ。もう、この人はどこまでドキドキさせるんですかー!
一方、直人とは破局フラグが立っているような…。ワークライフバランスを大事にする直人の言い分にも一理ある。直人はまどかとベイスターズを応援している時が何より至福なのだろう。だけど、学生の時と全く一緒というわけにはいかない。社会人になったら、忙しくて余裕がなくなったり、プライベートの時間を削っても勉強しなくちゃいけないこともある。それを一緒に乗り越えていけない相手との未来はあるのだろうか。
放送後のSNSでは、「このすれ違い方、別れそうな匂いがプンプンする……」「良い彼氏なんだけどね」「ああでも、菅野先生、めっちゃ素敵なんだよねー」「砂田と菅野、まどかは最終的にどっちを選ぶんだろう?」と、視聴者も菅野と直人の間で揺れていた。
第2話の視聴はこちらから
第3話の予告編はこちらから
第10話(最終回)では、まどかが自分の人生も患者の人生も大切にするための選択を下す。菅野との恋の結末も多幸感に溢れ、視聴者からは続編を望む声が多数上がった。
本作を手がけた塩村香里プロデューサーにインタビュー。主演の芳根さんや、まどかが初期研修で最初に配属された消化器外科の指導医・菅野を演じる鈴木伸之さんの印象、2人の気になる今後の恋愛模様などについてお話を伺いました。
第9話では、それぞれが進路の選択と向き合う中、ベテラン患者の橋口が腎臓がんで再び入院してくる。そんな橋口を元気づけようと、ある実行したサプライズを実行したつぼみ隊に視聴者から「かわいすぎる」「愛おしい」という声が上がった。
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第8話のテーマは“選択”だ。人生の大きな選択を目前に控えたまどかに、人生の先輩たちがさまざまな生き方を示してくれる。なかでも、医師であり2児の母でもある内田の奮闘ぶりには、特に女性視聴者から共感と称賛の声が上がった。
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