奥田瑛二が考える診察部長・角田茂司流の未来へのエールとは『まどか26歳、研修医やってます!』
芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』、俳優・奥田瑛二が見守る撮影の舞台裏
まどか(芳根京子)たち“つぼみ隊”の研修期間も残りわずか。『まどか26歳、研修医やってます!』(TBS系)第9話では、それぞれが進路の選択と向き合う中、ベテラン患者の橋口(森田哲矢)が腎臓がんで再び入院してくる。そんな橋口を元気づけようと、ある実行したサプライズを実行したつぼみ隊に視聴者から「かわいすぎる」「愛おしい」という声が上がった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
初期研修が終わった後、どの科を専攻するか。すでに桃木(吉村界人)は小児科、萌(小西桜子)は形成外科に進むと決めているが、千冬(髙橋ひかる)と五十嵐(大西流星)はまだ進路を決めかねていた。
まどかは外科を専攻しようと思う一方で、菅野(鈴木伸之)が病院を離れると聞き、心が揺れる。菅野は研修医時代にお世話になった先生の体調が悪いという知らせを受け、離島・古花島の診療所で働くことを決意したのだ。
「若月先生にはないか? これは自分にしかできないって思うこと」と菅野に聞かれ、答えに詰まるまどか。そんな中、末期の肝臓がんで入院しているベイスターズファンの患者・吉岡(金田明夫)と再会する。日に日に弱っていく吉岡のために、まどかは自分ができることを考えるが、やはり答えは見つからない。
一方、麻酔科医の本郷(溝端淳平)からは、今一番やりたいことを問われる。本郷の妻は乳がんで余命1カ月と宣告されたわずか3日後に息を引き取ったそうだ。たとえ余命を告げられたとしても、何日の何時何分という正確な命の時間は誰にもわからない。だからこそ、「自分が一番やりたいことは後回しにしちゃ絶対にダメだ」とまどかに助言する本郷。
よく、進路を決定する際には、自分のやりたいこと・やれること・やるべきことの3つを考えることが大切だと言われる。たしかに、その全てを両立できる道に進めるのが理想だけど、そう簡単に見つかるものでもない。
きっと多くの人がかつてそうだったように、まどかも考えれば考えるほど自分の進むべき道が分からなくなっていく。そんなまどかに、城崎(佐藤隆太)が放った台詞は名言だ。
「頭で考えることはもちろん大切だ。でも、本当にやりたいことは体の方がよく知ってる」
その瞬間、まどかはこれまでの経験を思い出す。窓から身を乗り出す裕乃(新井美羽)にタックルした時、吉岡が生命予測3週間と分かって病室に駆けつけた時。研修が始まったばかりの頃、心肺停止の患者に必死で心臓マッサージを施した時もそうだ。まどかは楽観的でマイペースだけど、目の前の患者が苦しんでいたら、考えるよりも先に体が動く。
医師として患者にできること。それは手術以外にもたくさんあって、状況に応じても変わってくる。だから、やっぱり目の前の患者と全力で向き合うしかない。どの科に進むかも大事だけれど、まどかはひとまず今に集中して、自然と答えが出るのを待つことにした。
まどかよりも先に答えが見つかったのは、五十嵐だ。同期が悩んでいる時に優しく寄り添ったり、誰かが揉めそうになったらさりげなく間に入ったり、誰よりも周りが見えていて思いやりがある五十嵐。でも、優しいが故に自分が「やりたいこと」よりも、「やるべきこと」を優先してしまいがちだ。
それは、橋口も同じ。子供の頃から入退院を繰り返してきた橋口は、どこか自分の幸せを諦めている節がある。そこに親の死も重なり、自暴自棄になってしまったのだろう。手術は受けず、残りの人生を他人のために捧げようとしていた。
そんな橋口のために、“つぼみ隊”はサプライズを決行。橋口が生きたいと思えるようなメッセージを込めた人形劇を制作する。その温かみのあるストーリーもさることながら、橋口を励まそうと全力を尽くすまどかたちの直向きな姿に視聴者は感動。「つぼみ隊が可愛すぎる!」「みんな良い子」「ほんとに愛おしいなあ」「つぼみ隊のがんばりをもっとみたい」という声が上がった。
橋口も「誰かのために生きようとしてる時点で君はもう孤独じゃない。だって君の中にその相手がいるだろ。その誰かのために生きるんだ」というまどかたちのメッセージを受け、手術を決意。無事に成功し、元気を取り戻した橋口は自分と似ているところがある五十嵐の背中を押す。
つい自分のやりたいことよりも、やるべきことを優先してしまう五十嵐。研修が終わった後の進路も、親の病院を継ぐべきと考え、内科を選ぼうとしていた。そんな五十嵐を橋口は「敷かれたレールなんてぶっ壊せ!やりたいことやるために生きるんが人生ちゃうんか!自分の幸せのために必死こいて戦うんが人生ちゃうんか!」と激励。さらば青春の光・森田哲矢のパッション漲る芝居に胸を打たれた人も多いのではないか。
五十嵐も心を動かされ、本当は興味のあった救命救急科に進むことを決意した。千冬も「女性患者のQOLを守りたい」と乳腺外科を選ぶ。これで残るは、まどかのみとなった。
ただ、どんな答えを出したとしても、迷う瞬間は必ず訪れるのだろう。菅野は研修医時代に島の医療の限界に直面し、必ず良い医者になって戻ると決意した。だが、果たして良い医者とは何なのかという問いと今も向き合っている。いくつになっても悩みが尽きないのが人生。病院の支柱のような存在である角田(奥田瑛二)が倒れたことで、城崎や手塚(木村多江)、西山(赤堀雅秋)のように自分の専門を極めているベテランの医師たちも改めて自分がどうするべきかという問いに向き合うことになるのではないだろうか。
本作は次週、ついに最終回を迎える。
第9話の視聴はこちらから
最終回の予告編はこちらから
芳根京子主演のドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』、俳優・奥田瑛二が見守る撮影の舞台裏
第8話のテーマは“選択”だ。人生の大きな選択を目前に控えたまどかに、人生の先輩たちがさまざまな生き方を示してくれる。なかでも、医師であり2児の母でもある内田の奮闘ぶりには、特に女性視聴者から共感と称賛の声が上がった。
同期たちが専攻する科を決め始める中、未だノープランのまどかは新たに精神科に配属となる。 五十嵐から「精神科に向いている」と言われ、若干その気になっていたまどかだが、指導医・野口の「恋も仕事も距離感が大事」という言葉の意味を実感する出来事に遭遇するのだった。
救命救急センターで研修中のまどかは指導医の城崎から、ある患者の処置でリーダーを任される。その一方で、判明した菅野の元カノの存在が気になるまどか。ラストは今回も菅野の行動に胸キュンさせられた。
研修医のまどかはスーパーローテーションで、4つ目の科となる救命救急センターに配属される。まどかの新しい指導医で、厳しくも「一人でも多くの患者を救いたい」という熱い思いを持ったセンター長・城崎に視聴者から称賛の声が上がっている。
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