人気雑誌でジャズ特集が組まれ、J-POPスターがジャズ愛を熱く語り、ジャズバンドをモチーフにしたアニメ映画が大ヒット。さらにZ世代からサマラ・ジョイやDOMi & JD BECKなどジャズ史をアップデートする新星も誕生。カルチャー界ではいま改めてジャズ・ミュージックが注目されています。
ジャズブーム再来を喜ぶあなたも、ちょっぴり敷居が高いように感じて今まで縁がなかったあなたも、これを機に、映画を入口にしてジャズの世界を覗いてみませんか?既に観ていた作品でも、“ジャズ映画”という切り口で見直すと新しい発見があるかもしれません。
まずはジャズビギナーから楽しめるイチオシ映画から5作品を厳選してご紹介します。
名門音楽大学を舞台に繰り広げられる厳しい競争。そして何といっても鬼教官J・K・シモンズの尋常ではないプレッシャー!その分、クライマックスの高揚感は格別です。デイミアン・チャゼル監督のジャズの素養とビッグバンド経験が活きた傑作。ちなみに原題の“Whiplash”はジャズの曲名で劇中でも演奏されています。
<ストーリー>
プロのジャズドラマーを目指し、名門音楽大学に入学したアンドリュー・ニーマンは、ある日、フレッチャー教授のバンドにスカウトされる。夢に近づいたことを喜ぶアンドリューだったが、完璧を求めるフレッチャーのレッスンは常軌を逸したものだった…。
“ビバップ・ジャズ”というジャンルを知らなくても、その生みの親であるチャーリー・パーカー(愛称バード)の名は耳にしたことがあるのでは?音楽と家族を愛しながら酒と薬に溺れていく姿が切ない本作。バード本人の音源を使った音楽も素晴らしく、クリント・イーストウッド監督のジャズ愛があふれるかのよう。
<ストーリー>
暗い過去を持つバードだったが、ビ・バップを創始し、観客を熱狂させるまでになった。ダンサーのチャンのハートを射止め、苦労を伴いながらも成功を手に入れた。しかし、幸せは長く続かず、バードに影が差し始める。そして、ついに精神病院に収容される。
名匠エンリオ・モリコーネによる美しい劇伴が心に残る1作には、ジャズ草創期のムードがあちこちに。ピアニストとトランぺッターの音楽を通じた友情、さらに実在のジャズ・ミュージシャンであり、自ら「ジャズとスウィングの創始者」と名乗っていたジェリー・ロール・モートンと主人公のピアノ演奏対決のシーンも!
<ストーリー>
大西洋をめぐる豪華客船の中で赤ん坊が見つかった。彼は世紀の変わり目にちなんでナインティーン・ハンドレッドと名づけられる。船内で演奏されるピアノを子守歌代わりに成長し、類まれなるピアノの才能を身につけた彼はある日、1人の美しい少女と出会う。
黒人ミュージシャンが主流だった1950年代のジャズシーンで活躍した白人ジャズトランぺッター/シンガー、チェット・ベイカーの波乱の人生を描く伝記映画。彼が憧れ、共感した同時代のレジェンド、ディジー・ガレスピーやマイルス・デイヴィスも登場。チェットを演じるイーサン・ホークの歌声も素敵です。
<ストーリー>
ジャズ・トランペット奏者、チェット・ベイカーはドラッグ絡みのトラブルを度々起こし、麻薬の売人から暴行を受けて重傷を負ってしまう。キャリア終えんの危機に直面したチェットは、ジェーンの献身的な愛に支えられ、ライブを行うようになるが…。
ジャズ発祥の街を舞台に、クラシック至上主義の当時の地域社会に新たにもたらされるジャズの息吹を若者の恋愛模様と絡めて描く作品。伝説的トランペット奏者“サッチモ”ことルイ・アームストロングや、人気ビッグバンドを率いていたウディ・ハーマンと彼のバンドも本人役で出演。助演には歌姫ビリー・ホリディも!彼らの演奏がもたらす多幸感を、ぜひ。
<ストーリー>
1917年のニューオリンズ。賭博場を経営するニックの店では、表ではクラシック、裏ではジャズが演奏されて異なる客層を楽しませていた。表の客の娘でオペラ歌手のミラリーは、ジャズに興味を持って裏の店に出掛け、そこでニックと恋に落ちる。
これらの作品でジャズにますます興味を持ったら、次はこちらの5作品がおススメです!
スウィング・ジャズの創始者、グレン・ミラーの半生を映画化
不世出の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの知られざる真実の物語
黒人ジャズ作曲家、サン・ラーが脚本・音楽・主演を務めた革新的な暗黒SF
家族の反対を押し切ってシンガーとなった男に待ち受ける試練!
人種差別を告発する曲を歌い続け、FBIに追われたジャズシンガーの半生を描くドラマ
いかがでしたか?
U-NEXTには他にもジャズに関連する映画を配信中です。ぜひ深堀りしてみてくださいね。
著作者:natanaelginting/出典:Freepik
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