『対岸の家事』多部未華子“詩穂”を支えてきた日陰の紫陽花、田中美佐子演じる坂上が介護問題に一石を投じる第7話
第7話では、そんな詩穂に大きな影響を与えた坂上(田中美佐子)との出会いが明らかに。さらには誰もが他人事とは思えない坂上家のリアルな介護問題が描かれた。
TBS系火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』第8話が5月20日に放送された。やむおえない理由で中谷(ディーン・フジオカ)を自宅に上げたことが原因で、虎朗(一ノ瀬ワタル)と喧嘩になってしまった詩穂(多部未華子)。「何もなかった」という詩穂の主張が信じられない虎朗に視聴者から様々な意見が上がった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
苺(永井花奈)の成長を感じ、いよいよ2人目を考え始めた詩穂。しかし、虎朗にその話題を振ると気まずそうにし、久しぶりに夜の誘いをしてみるも断られてしまった。
心のどこかでは2人以上の子供を望みながらも、躊躇する「2人目の壁」。理由はさまざまだが、その一つがセックスレスだ。日本人夫婦の7割がセックスレス傾向にあるとも言われている。
詩穂たちのように、1人目を育てる中で「男女」というより「家族」あるいは「戦友」のような関係になってしまい、密なコミュニケーションを取りづらくなる夫婦が多いのかもしれない。
中谷と樹里(島袋寛子)の場合はもっと複雑だ。端からお互いに恋愛感情はなく、価値観の一致から結婚という名の協定を結んだ2人。1人目の佳恋(五十嵐美桜)は計画的に授かり、2人目もそうするはずだった。
しかし、樹里が単身赴任中で物理的な距離があるため、なかなかその機会を設けることができない。そこで中谷は第2子に関する計画書を作成するが、樹里に「無理」と却下されてしまった。
なおかつ、樹里と親しげな男性の影が気になっている中谷。その様子を見ても、100%恋愛感情がないとは言い切れないのではないかと思う。けれど、合理的かつ完璧主義の中谷はイレギュラーなことが受け入れられないのだろう。
さらに、母親からの電話で教育虐待を受けていた幼少期のトラウマが呼び起こされた中谷は精神的なストレスから、詩穂の自宅前で倒れてしまう。そのまま中に運び込まれた中谷は、詩穂に自身の過去を打ち明けるのだった。
専業主婦で夫との仲が冷え切っていた母親は存在価値を息子である中谷に見出す。その結果、友達とも遊ぶことも許されず、勉強ばかりの日々を送っていた中谷はあるとき集中力を欠いたことで母親にハンドミキサーで殴られた。
「痛かったですよね?」と寄り添う詩穂に中谷は「もう忘れました」と返すが、体も心もその痛みは相当のものだったに違いない。母親を憎みながらも、自分もいつか佳恋に手を上げてしまうかもしれないという恐怖に陥った中谷は樹里に離婚を申し出る。
そんな中谷に樹里は「私、仕事辞めてもいいよ」と提案。「仕事はその気になれば挽回できる。でも家族はそうじゃない」という言葉にハッとさせられた人も多いだろう。
仕事ばかりを優先して家庭を疎かにした結果、どうなるか。愛想をつかされて離婚ならまだマシな方で、中谷のように子供がその歪みを一身に受けることもあれば、最悪の場合は追い詰められた家族が自ら命を絶つことも世の中には多々ある。そうなった時に後悔しても、もう遅い。
はじめこそ中谷と樹里はお互いの自己実現のためだけに一緒になったのかもしれない。だが、今は違う。樹里にとって中谷は今やキャリアを捨てでも守りたい相手であり、中谷もまたうわ言でその名前を呟くほどに樹里のことを愛していた。
そんな大切な人を失わないためにも、心に留めておきたいのが、「黙ってちゃ分かりませんよね。ちゃんと話さなきゃ。大切な人とすれ違わないためにも、ちゃんと伝えないと」という詩穂の台詞だ。
佳恋に振りかざした手を咄嗟に机にぶつけた中谷。弱音を吐くことが苦手な彼が樹里から優しい眼差しを向けられ、素直に「痛かった」と言えるようになったのは大きな一歩だろう。きっと第2子についてもお互いの気持ちをしっかり伝え、2人なりの答えが出せるのではないだろうか。
一方、詩穂の自宅ポストに「村上詩穂は中谷達也と不倫しています」と書かれた手紙と、詩穂が中谷を自宅に運ぶ瞬間の写真が投函され、虎朗がそれを目にしてしまう。
詩穂はすぐさま「何もなかった」と弁明。しかし、虎朗はそれを信じられず、「2人きりで部屋にいたんだろ?それで何もなかった?そんなの誰が信じんだよ!」と激昂する。
「同じ部屋にいたけど、何もなかった」というのは、よく浮気や不倫の弁明で使われる常套句。ラブホテルの場合はさすがに言い訳が苦しいと思ってしまうが、相手がパパ友で場所が自宅の場合はどうだろうか。
視聴者からは様々な意見が上がり、「自分の妻が、妻と仲良さげな男と二人きりで家にいたとして『何もなかった』なんて信じられないよな」「いくら子連れのパパ友だとしても家にあげるのはよくない」「あの写真見たらね。とらおが怒るのも無理はない」と虎朗に同情する声が上がる一方で、「中谷さん具合悪かったから仕方ないよ」「信じてもらえないってつらいよね」「何もない男女も余裕でいます」といった反論もあった。
虎朗は一晩外で過ごしたことで頭が冷え、反省したのだろう。翌朝、笑顔で自宅に戻るが、誰もいない。
詩穂は虎朗と話し合うことすらできなかったのがショックだったのか。「しばらく実家じゃないところに帰らせていただきます!」という置き手紙を残し、苺とともに家を出て行ってしまった。
そんな詩穂と苺に迫り来るのが、夫婦喧嘩の火種を撒いた張本人と思われるシングルマザー・白山(織田梨沙)。2人の安否が気になるところだが、ようやく詩穂が憎まれている理由も明らかになりそうだ。
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第7話では、そんな詩穂に大きな影響を与えた坂上(田中美佐子)との出会いが明らかに。さらには誰もが他人事とは思えない坂上家のリアルな介護問題が描かれた。
働くママ・礼子は社内で行われる講演会に、新たな時代の“ロールモデル”として登壇することに。あらゆる生き方を肯定し、エールを送る力強いスピーチが大きな反響を呼んだ。
第5話では、元・お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎演じる礼子(江口のりこ)の夫・量平がついに本格登場。ほぼワンオペで家事と育児をしている礼子に無神経な一言を投げかける。一方、ディーン・フジオカ演じる中谷は詩穂(多部未華子)と子供の教育方針を巡って対立。絶妙に視聴者をイラっとさせながらも、憎めなさを残す2人の好演が反響を呼んだ。
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
詩穂(多部)がピンチに陥った礼子(江口のりこ)から子どもを預かる。そこで問題となってくるのが、育児を“肩代わり”した分の報酬。放送後には、劇中で登場したワード「肩代わり制度」がX(旧Twitter)でトレンド入りを果たした。
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