『雨上がりの僕らについて』第2話 丁寧な会話劇がグッとくる……初デートで縮む心の距離
、意を決して学生のときに好きだったと吐露した奏。絶対に引かれると恐れていた奏に対し、実は真城も奏が好きだったのだと告白を受ける。嬉しさと不安がないまぜになりつつ、奏は顔が緩むのがこらえきれずにいた。
「いきなり反則すぎるだろ!」
開始2分が経った頃だろうか。半端ない色気を漂わせる中村倫也を目にし、そう興奮していた。
「最高じゃん!ハマり役すぎるじゃん!」
想いを吐露する髙橋海人を観て、そう興奮していた。
ダブル主演を務める中村と髙橋の役柄、物語の設定や展開に胸の高鳴りを止めることができなかった金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第1話。今回は、キャラクターの魅力を振り返る。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
ある日、新人麻薬取締官の才木優人(髙橋海人)は、厚生労働審議官・山口始(伊藤淳史)から解雇を言い渡される。それと同時に、DOPEの取り締まりを目的とした部署・麻薬取締部特殊捜査課、通称「特捜課」へとスカウトされた。
DOPEとは、高い致死率にも関わらず、手を出す者が後を絶たないドラッグのこと。まれに、特殊な力を覚醒させる効力があるという。近年、DOPEにより覚醒した者=ドーパーによる凶悪犯罪が急増。事態を重く見た厚生労働省・麻薬取締部は、生まれながら特別な力を持つ異能力者をスカウトし、特捜課を設置した。
才木の異能力は“未来予知”。未来に起こる出来事が映像として流れる力を持つ。これまでその力を隠して生きてきたが、山口に見抜かれた、というわけだ。
そんな才木の教育係となったのが、超視力の異能力を持つ陣内鉄平(中村倫也)である。陣内は、ある事件をきっかけにDOPEを強く憎み、ドーパーを見つければ、躊躇なく闇に葬り去る人物だ。ビジュアルも相まって冷徹な印象を受けるが、そうではない。おにぎりやお菓子をむしゃむしゃ食べ、言葉には厳しさのなかにも柔らかさを感じる。妻・香織(入山法子)との回想シーンでは、優しそうな笑顔も見せていた。
そして冒頭の狙撃シーンである。あれで「ああ、もうこれ当たりドラマじゃん」と思った人も多いはず。とにかく、この男の色気が半端ない!けだるそうにタバコをくわえ、単独行動もしばしば。アウトローだが、彼なりの正義もあって、時折「昔はいい人だったんだな」、「勇敢な刑事だったんだな」という過去が見える。だが、どこか闇も感じる。「こんな中村倫也が見たかった」が詰め込まれたキャラクターなのだ。
才木と陣内は、ドーパーに関しての捉え方が正反対である。才木は、子どものころに遭遇した無差別テロ事件で助けてくれた警察官(後に陣内であることが判明)に憧れ、人を助ける職業を志した。DOPE依存に苦しむ母・美和子(真飛聖)のこともあってか、ドーパーを簡単に殺害する陣内に「DOPE依存者だって俺たちと同じ人間なんです」と訴える。何事にも真摯に向き合うそのまっすぐさは、触れたら壊れそうで、危うくて、だけど必要で、その正義感に救われる人もいるはず。
才木は、苦しんで苦しんで、それでも目の前の現実に立ち向かう。その“葛藤”が画面を飛び越えて、こちらまでそのゆらぎが伝わってくる。そんな髙橋海人の演技が、とんでもなく沁みた……!
炎を操るドーパーと初めて対峙した際、才木は山口が危険に晒される、と予知したにも関わらず、助けることができなかった。陣内からも「予知した未来を変えようとしたが、できなかった。それがどういうことか分かるか?それが運命ってことだよ」と言われ、悔しくて、悲しくて、涙が止まらなかった。
だが、再びドーパーと対峙したときは違った。陣内がドーパーを殺害すると予知したため、自らの拳銃でドーパーを撃った。もちろん殺しはしない。撃たれて苦しんでいるドーパーに手錠をかけたあと、才木は言った。「変えられます。それが運命だとしても。俺の力はそのためにあるんです」。
このとき、才木と陣内の目に宿る色はまったく違うものだった。私たちは、これから何度も才木と陣内の“目”に心を震わされることになるだろう。「まっすぐな目」と「闇を感じる目」。ふたりの視線の先には、一体なにがあるのだろうか。その答えが見つかるまで、追いかけたいと思う。
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、意を決して学生のときに好きだったと吐露した奏。絶対に引かれると恐れていた奏に対し、実は真城も奏が好きだったのだと告白を受ける。嬉しさと不安がないまぜになりつつ、奏は顔が緩むのがこらえきれずにいた。
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