『対岸の家事』詩穂と中谷に不倫疑惑!? 一ノ瀬ワタル“虎朗”の反応が賛否を呼んだ第8話
やむおえない理由で中谷を自宅に上げたことが原因で、虎朗と喧嘩になってしまった詩穂。「何もなかった」という詩穂の主張が信じられない虎朗に視聴者から様々な意見が上がった。
ついに最終章に突入したTBS系火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』。5月27日に放送された第9話では、詩穂(多部未華子)に脅迫状を送り続けてきた犯人が判明する。かつて「専業主婦は贅沢」と言っていた中谷(ディーン・フジオカ)が専業主婦を見下す世の中に異議を唱え、その成長ぶりに反響が集まった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
5年前、スーパーの惣菜コーナーでポテトサラダを買おうとした幼児連れの女性が高齢男性に「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と怒鳴られている場面に遭遇した人の投稿をきっかけにSNSで論争が巻き起こった。
当時、多くの人が指摘していたように、ポテトサラダは見た目以上に時間と労力を要する料理だ。ましてや、幼児を育てながら手作りするのは容易ではない。このポテトサラダ論争に限らず、全ての不寛容の原因は無知にある。
虎朗(一ノ瀬ワタル)が詩穂と中谷の関係を疑ってしまうのも、専業主婦が昼間に何をしているかを知らないからだった。虎朗からしてみれば、詩穂が普段、苺(永井花奈)を連れて中谷と公園で過ごしているのも「男と遊んで息抜きしてる」くらいの認識だったのかもしれない。
だが、アルバイトの和香(西野凪沙)から「それって遊んでるんじゃなく、子供を遊ばせてるんですよ」という言葉でハッと我に返った虎朗は、中谷に頼んで専業主婦の一日を体験させてもらうのだった。
子持ち主婦の仕事は料理・洗濯・掃除の3大家事に加え、子供のお風呂入れや寝かしつけなど。だが、もっと細かく書き出せば、料理一つとっても献立決め、買い出し、食材の処理、調理、片付けと膨大な量の作業が存在する。
ぐずる子供にご飯を食べさせ、ようやく寝かしつけても休む暇はなく、その隙に他の家事を終わらせなくちゃいけない。想像以上の過酷さを味わった虎朗に、中谷は「ほっといたら死んでしまう、話の通じない子供を相手に毎日家事をする。そのストレスは並大抵のものではありません」と主夫を経験して感じたことを伝える。
一方、詩穂には「虎朗さんは店長であり、管理職でもある。家の中では、ただ一人の稼ぎ手。もしいつか自分が倒れたらという重圧をいつも感じているでしょう」と虎朗の気持ちを代弁。それを聞いた詩穂は、どこかで自分だけが大変だと思っていたことに気づくのだ。
人間は身を以て経験したことしか分からないために、自分とは違う立場に置かれた人の苦労や痛みを軽んじてしまうことがある。でも、「知らなかった」は言い訳にならない。無知や無関心からくる言葉や行動が、時として人を追い詰めることもあるのだから。
詩穂に脅迫状を送っていた白山はるか(織田梨沙)はその被害者でもあり、加害者でもある。「専業主婦をこの世から残らず消してやります。まず村上詩穂から」と脅迫の内容がエスカレートする中、中谷がはるかを尾行し、自宅を特定。調査会社に依頼したところ、元IT会社のエンジニアで生後3ヶ月の子供を持つ未婚の母であることが判明する。
全く家事をしない父親を見て育ったはるかは結婚しないと心に決め、精子提供を受けて出産。一人で完璧に家事も育児もこなし、新しい生き方を世の中に示そうとしていた。
しかし、子育て世代に対する不寛容や無関心が広がる社会で孤独を極めたはるかは育児ノイローゼに。「専業主婦なんてものが未だにしつこく生き残ってるから、女に家事を丸投げする人が減らない」という逆恨みから、詩穂に嫌がらせをしていたのだ。そんなはるかの考えを中谷は真っ向から批判する。
「専業主婦は時代遅れ。そうやって世の中は彼女たちを見下す。なのに、育児も介護も主婦がいる前提で未だに世の中は成り立ってる。昼間の街から彼女たちがいなくなったら、その役割を誰が担うと思う?」
かつては中谷も専業主婦に対して否定的な立場だった。その気持ちが変化したのは、自分も主夫の立場を経験したからだ。たかが家事、育児というけれど、それは時として子供に手をあげそうになるほど、屋上から飛び降りそうになるほど、誰かを強く恨むようになるほど、過酷なもの。
自身も穴に落ちそうになった経験がある詩穂は、たった一人で子供を守ってきたはるかを「よくここまで頑張りましたよ」と讃え、「白山さんの寂しかった日々が、苦しかった日々が、誰かを助ける日がきっと来る。大丈夫です。私たちがいます」とかつて知美(田中美佐子)にかけてもらった言葉で寄り添った。
相手を知ろうとすることの大切さを教えてくれた第9話。「専業主婦もワーキングマザーも独身女性も、そして男性も、それぞれの人生の選択をもとにそれぞれの悩みや辛さを抱えて生きてる。佳恋や苺ちゃんがや大人になる時には、それぞれがそれぞれの人生を想像して、思いやって、自分らしく生きていける世の中になるといいですね」という中谷の台詞は、このドラマを作る人たちの願いなのではないだろうか。
官僚としてそういう世の中を目指すと誓った中谷に、視聴者から「中谷さんが信じられないスピードで成長している」「成長した中谷さん、官僚として頼もしすぎる」「きっと素敵な官僚になるね」という声が上がった。
そんな中谷のおかげで虎朗とも無事に仲直りすることができた詩穂。残る問題は、父・純也(緒形直人)との関係だ。母の死後、父に家事を丸投げされ、自由を奪われた詩穂は高校卒業と同時に家を出た。
以来ずっと絶縁状態だったが、はるかとの出会いをきっかけに、純也も「男は外で働き、女は家事をする」という時代の“こうあるべき”に囚われていたのではないかと考えるようになった詩穂は自ら実家を訪れる。果たして、親子は分かり合うことができるのだろうか。
一方、仕事を辞めて夫の転勤先についていくことを決めた礼子(江口のりこ)は、出産前にいた営業部から戻ってきてほしいと言われる。次週、ついに最終回。サブタイトルにもあるように「これが、私の生きる道!」と誰もが胸を張って言えるようなラストを願いたい。
第9話の視聴はこちらから
最終回の予告編はこちら
やむおえない理由で中谷を自宅に上げたことが原因で、虎朗と喧嘩になってしまった詩穂。「何もなかった」という詩穂の主張が信じられない虎朗に視聴者から様々な意見が上がった。
第7話では、そんな詩穂に大きな影響を与えた坂上(田中美佐子)との出会いが明らかに。さらには誰もが他人事とは思えない坂上家のリアルな介護問題が描かれた。
働くママ・礼子は社内で行われる講演会に、新たな時代の“ロールモデル”として登壇することに。あらゆる生き方を肯定し、エールを送る力強いスピーチが大きな反響を呼んだ。
第5話では、元・お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎演じる礼子(江口のりこ)の夫・量平がついに本格登場。ほぼワンオペで家事と育児をしている礼子に無神経な一言を投げかける。一方、ディーン・フジオカ演じる中谷は詩穂(多部未華子)と子供の教育方針を巡って対立。絶妙に視聴者をイラっとさせながらも、憎めなさを残す2人の好演が反響を呼んだ。
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
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やむおえない理由で中谷を自宅に上げたことが原因で、虎朗と喧嘩になってしまった詩穂。「何もなかった」という詩穂の主張が信じられない虎朗に視聴者から様々な意見が上がった。