松本潤の演技は心に宿る…最後の最後まで温かかった徳重の“寄り添い”『19番目のカルテ』最終話
シェア

松本潤の演技は心に宿る…最後の最後まで温かかった徳重の“寄り添い”『19番目のカルテ』最終話

2025.09.08 19:30

この記事に関する写真(8枚)

  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s6 D2A8167
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s26-32 D2A9609-02
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s34 D2A1445
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s37 C1A4373-01
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s22 D2A0760-01

Edited by

患者と向き合って対話をし、より良い方向へと導いてくれる総合診療科の徳重晃(松本潤)。彼の「温かさ」はやがて「優しさ」や「愛情」、「気づき」や「寄り添い」などへとかたちを変えて、世の中に広がっていく。

『19番目のカルテ』最終話は、総合診療科の重要性はもちろん、徳重から教わったことを忘れずにいたいと思う回だった。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

赤池登(田中泯)が倒れて魚虎総合病院に入院。徳重は目を覚ました赤池に、現時点で想定される余命は1カ月だと告知した。これからの治療について話を進める徳重に対し、赤池は「総合診療医にとって、一番こたえることは患者が黙ることだよな?」、「さよならの挨拶だ。じゃあな。俺はこれから一言もしゃべらない」と言ったきり、本当に黙ってしまった。

19番目のカルテ_第8話_-8 s6 D2A8167
©︎TBSスパークル/TBS

一方、病院では院長選が行われていた。東郷陸郎(池田成志)が「理想だけでは医療は成り立たない」と、小児科の縮小と総合診療科の廃止を掲げるなか、息子の康二郎(新田真剣佑)が意見を述べた。

「優しさだけで医療は成り立たない。それは事実です。ですが、優しさをなくしてしまったら僕たちは医者でいられない」

19番目のカルテ_第8話_-8 s26-32 D2A9609-02
©︎TBSスパークル/TBS

この康二郎の言葉をきっかけに、陸郎自身にも変化が訪れ、何かと敵視していた院長・北野栄吉(生瀬勝久)とも雪解け。ふたりは共に同じ方向を向いて歩みはじめる。

19番目のカルテ_第8話_-8 s34 D2A1445
©︎TBSスパークル/TBS

康二郎は、徳重と出会ったことで、医師として、人間として、大きく成長した。徳重の人間力に圧倒されたことで、彼自身の考え方も大きく変わった。その変化が病院にも良い影響をもたらしたということだ。人間の温かさは物事を好転させる力があるのかもしれない。

19番目のカルテ_第8話_-8 s37 C1A4373-01
©︎TBSスパークル/TBS

時が経っても赤池は口を閉ざしたままだった。そんななか、徳重は赤池と対峙。治療に積極的ではない彼に、根本的に改善を図る選択肢としては肝移植しかなく、家族がいない赤池に「僕がドナーになります」と伝えた。もちろん難しいことも多いが、徳重は着々と準備を進めていた。

ここで赤池が重い口を開く。「もうできることは全部やってきた。あがいて、もがいて、俺にできることはもうない。生きてどうする。自分なりに戦ってきた。苦しみを解くために。専門と専門のはざまにこぼれてゆく人を」と、19番目の専門科「総合診療」が誕生した過去をさかのぼる。徳重は、そんな彼の心に入り込んで──。

19番目のカルテ_第8話_-8 s22 D2A0760-01
©︎TBSスパークル/TBS

当時は、医師たちに総合診療科のことを理解されず、ひとりで苦しんでいた。赤池は「途方もない夢にがむしゃらにしがみついてきた。それが正しいことなのか、間違ったことなのか、分からない。徳重……こんな話、お前にしたくなかった」と本音をぶつけた。

人間は弱い。だが、支え合うことができる。力を合わせれば、やがて大きな力となる。生きる活力が湧く。徳重は温かい言葉で師匠を包んでいく。

「先生、総合診療科はようやく始まったばかりじゃないですか。見届けましょうよ。あなたが始めたことが、正しかったのか、間違っていたのか。どちらの答えが出ても、同じ総合診療医として僕は一緒に背負う覚悟でここにいます。だからこれからも、あがいて、もがいて、眉間に山をつくって生きていきましょうよ」と声をかけた。すると、赤池は見たことのない表情で泣き笑いした。

19番目のカルテ_第8話_-8 s37 D2A8874
©︎TBSスパークル/TBS

ラストシーンは、視聴者が総合診療科を訪れる目線で楽しめた。滝野みずき(小芝風花)がカメラ目線で部屋に誘ってくれて、徳重が目の前に座る。そして柔らかな表情で「今日はどうされました?あなたの話を聞かせてください」との台詞で幕引きした。

19番目のカルテ_第8話_-8 s16 D2A0526
©︎TBSスパークル/TBS

最後の最後まで温かいドラマだった。そして、徳重の向き合い方や対話には、人生のヒントがたくさん詰まっていた。生き方を見直すきっかけになった人も多いのではないだろうか。

何より、徳重を演じる松本潤の温かいオーラに包まれる時間は、至福のひとときだった。松本の演技は心に宿り、役が生き続けて生活の支えとなる。壁にぶつかったとき、辛くなったとき、徳重先生を思い出せば、乗り越えられるのではないかと希望が湧く。松本潤に出会えて良かった。『19番目のカルテ』に出会えて良かった。そんなことを感じるドラマだった。

19番目のカルテ_第8話_-8 s57 D2A0311-01
©︎TBSスパークル/TBS

最終話はこちらから

イッキ見視聴はこちらから

公式サイトはこちらから

この記事をシェア

この記事に関する写真(8枚)

  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s6 D2A8167
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s26-32 D2A9609-02
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s34 D2A1445
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s37 C1A4373-01
  • 19番目のカルテ_第8話_-8 s22 D2A0760-01

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

日本ドラマ 特集の記事一覧

もっと見る