若き人気政治家・清家一郎(櫻井翔)と有能な政務秘書官・鈴木俊哉(玉山鉄二)。清家の学生時代からの清家と鈴木の不可思議な関係に気付いた新聞記者・道上香苗(水川あさみ)は、清家の成功の裏で、いくつもの不審な死亡事故が起きていたことを知る…。清家の元カノ・美和子の本名が「真中亜里沙」だと判明。しかし、彼女は失踪して行方不明。今どこにいるのか?清家の過去を探る道上だったが、謎の権力で新聞社での取材にストップがかかる。道上は、会社を辞めて取材続行。清家を裏で操っているのは、彼の母・浩子(高岡早紀)なのか?疑惑が強まる中、第5話では清家が官房長官候補に…。そして、その裏で燃えたぎる鈴木の思いも明らかに!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
道上が向かった取材先は、愛媛。
清家の母・浩子を黒幕と睨んだ彼女は、清家の母校の教師に当時の母子のことを聞き出す。
道上は、父・兼高(渡辺いっけい)の死の背後にも浩子がいるのではと疑いをかけていた。なぜなら、父が追っていたBG株事件には清家の政治家としての後ろ盾である現総理と外務大臣が関わっており、それが明るみに出ると清家も失脚する可能性があるからだ。
さらに、清家の元カノ・亜里沙(田辺桃子)の失踪についても推理する道上。亜里沙が書いたシナリオのラストに母の存在が出てくることから、何かしら関係はあったはず…。
ここで彼女は、清家の自伝『悲願』には出てこない情報を耳に入れる。清家が政治家を目指したのは祖母がきっかけで、在学中にその祖母が亡くなって落ち込んでいた清家を慰めるため、鈴木が学校を早退して清家の実家まで出向いたというのだ。
前回、鈴木が道上に言った、浩子とは「何度か会っただけ」という言葉は嘘だった!
鈴木は浩子と繋がっているのか?
ここで場面は変わって、清家の執務室。
彼は、道上の訴えを聞いて清家が立ち上げた「里親制度の改革」の資料を読んでいる。そんな清家を見つめるように置かれているマトリョーシカの背中…。
前回は清家がマトリョーシカを見つめる構図だったが、今回はマトリョーシカが清家を見つめる構図。「僕のことをしっかり見ていて。僕もあなたを見ていますから」という清家の謎のセリフにも通じる示唆的な画にも見えるが、これにも意味がある?
そんな清家は道上のSNSに前回に続いて「いいね」を押してにんまり。このほほ笑みには邪念がないようにも見えるが、やっぱり真意はわからない。
一方、道上は先輩記者のイケオジ・山中(丸山智己)を道連れに取材を続行中!山中は、道上の父の死因となった事故を起こしたトラックの運転手と接触する。その男は、浩子の写真を見てもピンときていないようだったが、鈴木の写真を見た途端、話を変えようとする…。
さっそく道上は、鈴木のもとへ直撃取材。
「亜里沙と浩子には面識があった?」「祖母のことは?」
矢継ぎ早の質問にも「何も知らない」としらを切る鈴木。道上が「実家には行かれたことがないっておっしゃってましたもんね」とカマをかけると、鈴木は「はい」と即答。
やっぱり鈴木は嘘をついている!なぜ?
ここで場面は、鈴木の高校時代の回想へ。
清家の実家・愛南町に向かった鈴木に、「おばあちゃんはとても苦労した人だったんだ」と話す清家。
そして「来てくれてありがとう」と色気マシマシで微笑む浩子に、鈴木はわかりやすく動揺する。さらにその後、驚きの展開が!浩子はなんと清家を先に寝かせてしまい、鈴木と2人にきりに。そして、「母はとても苦労してきた人だったの」と清家と全く同じ言葉を口にして鈴木の手に触れる。
「お願い、あの子に力を貸してあげて」と上目遣いで鈴木を見つめる瞳。鈴木の手の甲に重ねた手のひらは、いつの間にかギュッと力が込められている。高岡早紀の妖しい名演技に、見ているこっちもドッキドキである。
そんなヤバい思い出を胸に、清家の会見に立ち会う鈴木。「里親制度の拡充」について立て板に水のスピーチで「外国籍の子供たちへの支援の拡充」について語る清家。だが、「外国人より日本人が先だ」という反発が記者やSNSに沸き起こる。一方で、鈴木は記者と密会。鈴木は現官房長官のスキャンダルの情報を記者に提供していた…。
すごいスピード感でどんどん進むこのドラマ。続いては、古いビルに構えた山中の新しい事務所へと場面は転換する。「いいだろー!ここー!」と無邪気にはしゃぐ可愛いイケオジをチラとも見ずに、さっそく仕事に取り掛かる道上。ちょっと笑えるいいシーン♥
それはさておき、人の影響を受けやすく、道上が訴えた「里親制度」の強化を、その権力を使ってあっという間に現実化してしまった清家。
「もしも、私が誤った考えを彼に伝えていたとしたら…」
その恐ろしさを、道上と山中は噛みしめる。
しかし、外国籍の子供については、道上の訴えにはなかったことだ。それは一体、誰からの影響なのか?
そこへ、東都新聞のゲラ刷りを手にした後輩くん、青山(曽田陵介)が来訪。現官房長官がスキャンダルで辞任確実で、その後任に清家の名前が挙がっているという。
鈴木が記者に情報を提供していたのは、このことだったのか!と膝を打つことに。
ヒトラーに肩入れするヤバいヤツに操られている清家に、さらなる権力を与えちゃいけない。清家を危険視した道上と山中は、またまた鈴木の周辺を探るべく取材へGO!
そんな中、翌朝のニュースを見て微笑む浩子。彼女は愛南町にいた!
ここまででもかなりスピーディだというのに、後半はさらに怒涛の展開が待ち受ける。
病院で道上が見かけた謎の女性の正体が明らかに。実は彼女は鈴木の妻にして新聞記者の由紀(真飛 聖)だった。ハヌッセンの論文を、「気概のある記者」だと見込んだ道上に真相を探ってもらおうと送ったのは彼女だった。
その論文もまた何者かの手で鈴木宅へ送られており、消印は愛南町。送り手は浩子なのか?
さらに、鈴木の清家への執着ぶりもあらわに。
映画『砂の器』を観て感動した高校時代の清家から、「政治家になりたい」と告げられた鈴木。政治家の父が逮捕され、自身の政治家になる夢が絶たれた鈴木は、清家を通して夢を叶えようと決意する。「こいつを利用して、親父の仇を取ってやるよ」と誓う回想シーンは、第一話でも登場したもの。
そんな鈴木に「本当のハヌッセンはあなたじゃない。それは清家浩子だ」と道上は告げる。そう言われて、鈴木の瞳に宿る悲しい光。あの清家の空虚な瞳にも通じるような…。この瞳の意味は?
そして、常にマイノリティに寄り添い、自国より他国を優先する発言で保守層から反発されることもある清家の主張は、一体誰の影響なのか。
鈴木の回想の中で、「日の当たらない人に光を当てようとしないで、何が政治家だ!」と珍しく声を荒げる清家。道上は、小学校の卒業文集にも同じような主張が載っていることを鈴木に示す。
それが意味することはつまり、清家の裏にはずっと浩子がいる…。
それは今も。
「あなたは浩子に利用されていたのでは?」という道上の言葉に、鈴木の中で蘇る浩子からの「お願い」の記憶。実は、浩子の巧みな誘惑に、若い鈴木はあっさり陥落。体の関係を結んでいたのであった…。そりゃあ嘘もつくよね、と納得の種明かしである。
それにつけても魔性の母・浩子を演じる高岡早紀にしても、清家を演じる櫻井翔にしても、本当にこのドラマはキャスティングが秀逸である。高校時代の清家役・青木 柚、鈴木役・西山 潤、佐々木役・濱尾ノリタカの3人もまたしかり。過去の回想がたくさん出てくるのに、違和感が全くないのはそのおかげだろう。
さてさて本題に戻ると、鈴木の回想によると亜里沙の失踪に鈴木は関係していない模様。突然いなくなった彼女のことを鈴木が浩子に報告した時の、「よかった。いなくなってくれて」という浩子の言葉と張り付いたような笑顔。こっちは怪しさ満点である。亜里沙の失踪にも浩子が関係しているのか?
道上は、鈴木に対してお互い協力して清家から浩子を排除しようと呼びかけるが…。
「清家が出馬を決めた時には、彼女とはすでに縁を切っている。
清家をここまで引き上げたのは私。彼女の影響など取るに足らない!」
鈴木はそう言い切り、「ずっと一緒にやってきたんです!清家だって私を必要としている。彼女が入り込む隙なんてありません」と激昂する。
ちょ、どうした急に。怖い、怖い、怖い、怖い!と思っていると、またもや鈴木は昔を回想。
「母に怒られた」と美和子こと亜里沙のことで鈴木に詰め寄ったことを謝罪しながら「27歳までに僕を政治家にしてほしい」と鈴木に頭を下げる大学時代の清家を思い出し、「清家は私のものだ」とつぶやく鈴木。ガチヤバい。
さらにラストシーンもまた、危険な香り…。鈴木宅からの帰り際、路肩にたたずむ道上に山中パイセンから電話がかかってくる。
「お前の親父の事故の加害者が死んだ」
衝撃を受ける道上。と、そんな彼女をビルの窓から何者かが見ている影らしきものが…。怖い、怖い、怖い、怖い!
清家をめぐる人々のそれぞれの狙いは一体?
そして、道上を見つめる人影は誰?
気になりながらも、謎の行方は次週へ続く!
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