トレーニング時間も限られたなか、見事な連携で快勝を収めたE-1サッカー選手権2025ホンコン・チャイナ戦。その勝利の裏には、最前線で体を張り続けたFW垣田裕暉の姿があった。自身のゴールこそなかったものの、その献身的なプレーはチームに勢いをもたらした。試合後、垣田は「チームが勝ったことが素晴らしい」と、何よりチームの勝利を喜んだ。

「フォワードの仕事」でチームに貢献

──トレーニング時間も少なく、相手のスカウティングも十分ではない中で、難しい試合だったと思います。まず、どのような点を意識して試合に入りましたか？

垣田：連係を確認する時間はあまりありませんでしたが、その中でも選手同士で話して、練習で擦り合わせたこと、そしてミーティングで確認したことを全員で意識しながら試合に入ることを心がけました。

──早い時間帯に得点を重ねられたこともあり、急造チームながらもスムーズに良い連携が生まれていたのではないでしょうか。

垣田：はい。前半に良い形で点が入ったことで、みんなが気持ちよくプレーできたと思いますし、理想的な形で相手を押し込んでプレーできたなと感じています。

──垣田選手は得点の流れに絡む場面もありましたが、やはりフォワードとしてご自身のゴールが欲しかったという思いはありますか。

垣田：もちろん、フォワードなのでゴールは欲しいです。ですがそれ以上に、常にチームが勝つためにプレーしています。その中で、前線からプレスをかけるといったプレーを続け、まずはチームが今日勝てたということが何よりも素晴らしいことだと感じています。

──今おっしゃった前線からのチェイスに気迫を感じました。

垣田：DFラインの選手が楽にプレーできるよう、相手に自由にボールを蹴らせない。それもフォワードの仕事だと思っているので、それを徹底しました。

──いつも通りのプレーかもしれませんが、このような特別な舞台で、試合開始からトップギアで入るのは簡単なことではないと思います。

垣田：たしかに、初めての代表でのプレーということもありました。ですが、試合前から出場した時のことは色々とイメージしていて、「自分が出たら、いつも通りやっていることをやろう」と決めていたので、そこは迷いなく試合に入ることができました。

──垣田選手と宮代選手が前線で並ぶ姿は、お二人が在籍した徳島や鳥栖のサポーターにとっては、胸が熱くなる光景だったのではないでしょうか。

垣田：久しぶりに大聖と一緒にプレーしたので（笑）。鳥栖や徳島のサポーターの方々は、色々な思いを持って見てくれたのではないかなと思います。

──ご自身としては、一緒にプレーしてみていかがでしたか。楽しめましたか？

垣田：はい。大聖と前線でコンビを組むのは本当に久しぶりだったので、楽しくプレーできました。

──この試合を終えて、今は「もっとやってやろう」という気持ちでしょうか。それとも、ゴールがなかった悔しさをバネにしていくような気持ちでしょうか。

垣田：「もっとやってやろう」という気持ちの方が強いですね。この後もまだ試合は続きますし、難しい戦いが残っています。必ず全勝して帰らなければいけないと思っていますので、気持ちを次に切り替えて準備していきたいです。

──ありがとうございました。