報われる保証のない戦いの中で「心の支え」になるものとは… 張本智和、アジア覇者が強行日程でTリーグに出場し続ける理由
アジア卓球選手権で、日本勢としては50年ぶりとなる優勝を果たした日本卓球界のエース、張本智和。悲願の五輪金メダルに向け、国際試合を転戦して腕を磨き続ける一方で、Tリーグへの出場も可能な限り続けている。その理由とは
今週末8月26日(土)に開催される『UFCファイトナイト・シンガポール:ホロウェイ vs. ザ・コリアンゾンビ』のファイトウィークを迎えました。本イベントに出場するべく現地入りした日本人ファイター3名(風間敏臣選手、木下憂朔選手、中村倫也選手)に、さっそく試合に向けての意気込みを伺いました!
━━現在のコンディションはいかがですか?
風間敏臣(以下、風間):気分もすごくよくて、体調もすごくいいので、あとは疲労回復と、体重調整くらいですね。
━━今回の試合に向けて特別に取り組んできたことはありますか?
風間:特別に取り組んできたこと。とりあえず自分がそもそも……なんだろう。このUFCっていう舞台のレベルではなかったので、全体的な向上というのがもちろんあったんですけど、その中で対戦相手に向けて、「深いところに引きずり込む」っていうことを目標に設定しました。本当に苦しいところで勝負するっていう。相手の映像を見て、相手のここが弱い。あそこが弱いっていうのはいくつか出てるんで、自分ももちろん苦しいけど、相手はもっと苦しいって言うことを想定して、練習は取り組んできました。
━━UFCのレベルではないと感じているのは具体的には『RTU』決勝での敗戦によるものですか?
風間:そうです。もちろん、決勝で敗戦してる時点でここにいるのがおかしいと思ってるんで、それを今回見返すっていうことも含めてシンガポールに入っています。
━━見返すために練習をしてきて、一番自分が自信を持っている部分は?
風間:気持ちと、あと体力という部分では間違いなく相手より強いなと思っています。
━━その対戦相手であるギャレット・アームフィールド選手の印象は?
風間:テイクダウンへの反応が早いというのと、あとはその、際での「思ってないところでの切り返し」っていうのが結構特徴的なんじゃないかなっていうことは思ってます。
━━予想する試合展開は?
風間:簡単に自分のところに引きずり込もうとすると、やっぱり色々事故は起きるものなので、そこを慎重にどれだけそのタイミングを見て、自分のフィールドに引きずり込めるかというところじゃないかなと思っています。
━━フィニッシュすることにはこだわりますか?
風間:一番はやっぱり自分を出せることが、全局面で上回れる部分ではあると思うので、そこで、ガンガン自分を出して、最後にフィニッシュを狙うっていう。最初からフィニッシュではなく、着実に潰すところを潰してフィニッシュになるっていうところが今回の展開になるんじゃないかなと思ってます。やっぱりフィニッシュは自分もしたいし、みんなも見たいと思ってるので、フィニッシュしないと面白くない。
━━U-NEXTで試合をご覧になる方にメッセージをお願いします!
風間:今回、UFCデビューという形にはなると思うんですけど、自分的にはまだデビューしてないっていう気持ちが強いかなと思ってます。で、皆さんに認められるように、今回しっかりフィニッシュするので、ぜひ応援お願いします。そのあと、みんなに認めてもらえればいいかなと思うので。見ててください!
━━シンガポールに来るのは今回が初めてですか?
木下憂朔(以下、木下):はい、初めて来ました。普段アメリカにいて時差が10数時間あるんで、それを慣らすためにちょっと早く入ろうってなって前週の木曜からシンガポール入りしています。
━━早く到着して、どんな毎日を過ごしてきましたか?
木下:朝は軽く走って、夕方に動いて、それ以外は散歩しながらちょっと観光したり……という感じです。やっぱりアジアなので、道なりとか結構日本と似てるなあって感じで、ホッとしましたね。安心感があります。
━━そうしてコンディションも整えられてきたところで、いよいよ試合3日前となりました。現在の心境は?
木下:いつもだと結構ソワソワし出す時期で、「体重大丈夫かな」とか「試合どうなるかな」みたいになるのですけど、今回は結構落ち着いてるというか。体重も全然気にならないですし、試合に対しても、緊張感あって、めちゃくちゃ集中出来てるなと実感しますね。いつもは計量オーバーする夢を見るのに今回はそれがないので、いい感じです(笑)。
━━今回対戦するビリー・ゴフ選手の印象は?
木下:今回UFCデビュー戦で、僕と同じ『デイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ(以下『DWCS』)』から出てきた、タフでアグレッシブな、男前って感じですね。
━━”男前” というのは、ファイターとしての佇まいがですか?
木下:いや、顔が普通に男前やなと思って。
━━どんな試合展開になると予想していますか?
木下:僕もアグレッシブに行くんで、緊張感のある試合ができるんじゃないかなって思ってますね。
━━U-NEXTで試合をご覧になる方に、メッセージをお願いします。
木下:U-NEXTをご覧の皆さんこんにちは。今回の試合は、前回負けて再起戦になるので皆さんあんまり期待してないかもしれないですけど、見ている人が震え上がるような試合をするので楽しみにしていてください!僕のいいところて思いきりのあるKOだと思うので、去年の『DWCS』でのアレ(ダウンを奪ってのパウンドTKO)じゃないですけど、そんなKOを見せられたらなと思っています!
━━ところで!最後にひとつ。先日、21日はお誕生日でしたね、おめでとうございます!
木下:ありがとうございます!23歳になりました!抱負はあんまりないですけど(笑)、ずっと頑張ってるんで、これまで通り頑張り続けるって感じですかね。
━━シンガポール入りして現在の心境は?
中村倫也(以下、中村):去年1回『ROAD TO UFC』(以下RTU)で経験していて、会場も同じっていうことなので、ちょっと慣れはあるのかなっていう感じですね。あとUFCのこういうイベントの前の準備とかも3回やってるんで、慣れてきたなあっていう感じです。いちいちアガることもなく。
━━『RTU』に出場したことはUFCとの契約のためトーナメントを勝ち上がらなくてはいけないという大変さがある一方で、優勝するまで3回UFCのオクタゴンに立つことができます。そういった経験も、今回メインイベントに出場するにあたって心の余裕であったり、違いがありますか。
中村:全然違います。マジで(『RTU』を)「やっといてよかったな」と思います。ケージのサイズも違うし、やっぱり一発目は「すごい広い!」と思って。その「すごい広い」という気持ちのまま準決勝に行ったら、「あれ?思ってたより小さいぞ」という気分になったり。そういうサイズ感に慣れていけたし、結構UFCって、レフェリーが入ってくるとすぐ試合が始まるんです。「わ!もう始まった!」みたいなのも1回戦ではあったし。「あれ!?あと3回ぐらい四股踏みたかったのに!」みたいなこともありました(笑)。その辺の準備とかも全部できて、よかったですね。
━━では、今回のデビュー戦は、ベストバージョンの倫也選手が見られそうですね!
中村:お客さんに重心浮かされちゃうかもしれないですけどね……(笑)。会場についちゃったら未知の世界が待ってますよね?ハハハ!(笑)どれくらいお客さん入りますかね?
━━会場としてはフルキャパ収容すると1万5000人なのだそうです。
中村:おおお(笑)。まあでも、その辺もちゃんと、難しいですけどシミュレーションして、心がざわつくことがないように当日は仕上げていこうと思ってます。
━━試合まであと3日となりましたがここからどう、試合に向けて調整していきますか?
中村:最後はこの自分が持ってる「情熱」と「冷静さ」と、あとは、いい意味で楽しんでいきたいという、この3つを高いレベルで自分の中で持って、試合のケージに入りたいと思っているので、その3つをうまい具合に高めていく、という。テンションは勝手に上がるんで、どんだけ落ち着ける自分がいるかっていう部分をこの3日でしっかり上げていかないといけないかなと思っています。
━━今回の対戦相手ファーニー・ガルシアの印象は?
中村:元銀行員とかなのですよね、だから多分賢さもあって、顔はやさしそうで、何かこう……「すごいいい奴なんだろうな」と思うんですけど。やっぱりメキシカンですから、メキシコは勢いのある国だし、パンチもあるし、メキシカンボクシングで下がりながらタン、タン、タン、タン、タンと打てる選手です。だから変に突っ込まないというか、「行ける」と思った時にまっすぐ入らないでちゃんと横に角度切りながら、内側に入っていくという、ちゃんとMMAをして幅のある戦いをしたいと思っています。
━━では、それを受けて、どんな試合展開になると思いますか?
中村:2連敗しているので、僕に負けたら、もしかしたら相手はリリースの可能性も出てくるかもしれない、もしそう思うようだったら、勝ちに行く(ために、慎重にポイントを稼ぎにいくような戦い方の)パターンもあるだろうし、あるいは1ラウンドKOを狙ってガンガンにボクシングしてくる可能性もあるだろうし。そういうふうに、相手の心情もあって色んなパターンが想定されるので、そのパターンに応じて自分の動きを準備してきました。
━━今回の試合は今後のUFCファイターとしてのキャリアにおいてどういう意味を持っていますか?
中村:今回の試合はすごい自分にとって特別だし、でも今までの試合の全部がすごい自分にとって特別な試合だったので、この先もそうだし、毎試合・毎試合、本当に命かけてやってるので、そこは変わらないっていうのはありますけど。世界に大きく取り上げられて発信される一発目なので、大きな衝撃を残したい、残せればいいな、と思っています。
━━U-NEXTで試合をご覧になる方に、メッセージをお願いします。
中村:U-NEXTをご覧の皆さん、いつも応援ありがとうございます。日々の練習や試合の時やケージ入る時、凄い怖い事もありますが、皆さんからいつも応援だったり、勇気をいただいているので、土曜日は僕の試合を通して、その勇気とか感動っていうのを皆さんにお返ししたいと思ってます。当日は応援の程よろしくお願いします!
8月26日(土)18時~
U-NEXTオリジナル日本語解説版
実況:鈴木芳彦
解説:宇野薫
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