Edited by
- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
寺地拳四朗が圧倒的な強さで王座に君臨するライトフライ級。しかし!寺地拳四朗がいなければ、チャンピオンになっていたであろう逸材が、虎視眈々と頂点を目指しているのも事実。世界再挑戦への試金石となる岩田翔吉の再起第2戦。元WBOミニマム級チャンピオン谷口将隆が、43歳のベテラン堀川謙一と対戦するライトフライ級転向第1戦など、本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線で『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE BOXING 特別編』のリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届け!
メインイベント 第7試合:10R/ライトフライ級
〇岩田翔吉(帝拳)vs ×ジェイソン・ブリーリョ(比)6回TKO
昨年11月、世界初挑戦となるWBO世界ライトフライ級タイトルマッチでは、王者ジョナサン・ゴンサレスの老獪な試合運びに翻弄され、明確な判定負け。世界戦の採点に苦しめられた岩田翔吉。ここは再起第1戦同様、きっちりKO勝利で世界再挑戦に弾みをつけたいところ。対するジェイソン・ブリーリョは、7勝6KO無敗、かつ1回KOが4度もある、危険過ぎる超攻撃型ファイター。つくづく、帝拳ジムのハードマッチメイクには驚かされる。
注目の1回は、お互いに様子を見合う展開で静かな立ち上がりとなった。しかし、2回からはブリーリョの荒っぽいプレッシャーが強まり、岩田はブロッキングでかわす。3回、ブリーリョの右フックが、岩田の後頭部をかすめ思わず膝をつく。反則打のためノーダウンとなったが、一瞬ヒヤリとした。しかし、4回からは岩田の本領発揮!ボディを織り混ぜたコンビネーションでスタミナを削り、巧みな距離感でブリーリョの攻撃を空転させる。
そして6回、岩田の左ボディ一閃!かつての名選手ミゲール・コットが得意にしていたレバーブローを再現したようなパンチで、ブリーリョの膝と心を折る!ブリーリョは、辛うじて立ち上がるも、再び左ボディをえぐられ2度目のダウン!その瞬間、レフェリーストップとなった。
これで、2戦連続のKO勝利を飾った岩田翔吉選手。今後、用意される舞台は、ジョナサン・ゴンザレスとのリベンジマッチか?それとも、寺地拳四朗との日本人対決か?とにかく、世界に一番近づいていることには間違いない!
セミファイナル 第6試合:10R/ライトフライ級
×堀川謙一(三迫)vs 〇谷口将隆(ワタナベ)判定0-2
元WBO世界ミニマム級王者、谷口将隆がライトフライ級へ階級を上げての再起戦。また一人、強者がライトフライ級戦線に参戦して来た!そして、その谷口の壁となるのは、60戦のキャリアの中で、元日本ライトフライ級王者、元WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王者、元OPBF東洋太平洋ライトフライ王者の肩書を持つ43歳、堀川謙一!
ただしこの、ベテラン堀川VS元チャンピオン谷口の対決は、堀川が直近3連敗していることもあり、どうしても谷口のライトフライ級テストマッチに見えてしまう。つまりは勝利を計算された試合であり、堀川に引導を渡す試合なのだと。ところが、我々は後楽園ホールで、とんでもない名勝負を見ることになる!
フルラウンド費やした大接戦は、接近戦に持ち込みたい堀川と、下がりながらも誘いこみカウンターを狙う谷口との意地のぶつかり合いとなる。多少バランスを崩し不格好でもパンチをねじり込む堀川の攻撃に、谷口が左ストレートで応戦する互角の攻防。後楽園ホールのボルテージは最高潮に!お互いに一歩引かない熱戦は、堀川は頭部をカットし、谷口はアゴを割る死闘となり試合終了。激闘を終えた両者に、特に堀川のド根性に大声援が贈られる。
人生をかけた判定は、0-2で谷口の勝利!ジャッジ1名が引き分けの名勝負となった!
辛勝した谷口は、ライトフライ級の厳しさを痛感するとともに、一本“筋金”が通ったのでは。一方、敗れた堀川には、会場から「辞めるなよ!」の声。リングに上がり続ける限り、堀川への声援は鳴り止まないだろう!
第5試合:8R/58.0kg契約
〇中野幹士(帝拳)vs ×アルネル・バコナヘ(比)6回KO
中野幹士は、マノス・デ・アセロ(鉄の拳)のニックネームが示す通り、7戦全勝6KOのハードパンチャー。フィリピン国内チャンピオン、アルネル・バコヘナと対戦する。
初回こそ静かな立ち上がりだったが、2回以降は強烈なプレッシャーでバコヘナを追い詰める。手数は多くないのだが、繰り出すパンチの一発一発の重みは、見ているだけで伝わってくる!6回、アッパーを捻じ込みダウンを奪うと、そのまま10カウントを聞かせた。
また一歩、伝説のチャンピオン、マノス・デ・ピエドラ(石の拳)と呼ばれたロベルト・デュランに近づいた!
第4試合:8R/ライトフライ級
〇高見享介(帝拳)vs ×ルーベン・ダディバス(比)1回KO
デビューから、3連続KO勝利中で勢いに乗っている高見享介。これまでKO負けがないルーベン・ダディバス相手に、どんな試合をするのか注目。試合開始早々、高見は華麗なステップワークとコンビネーションを見せる!顔面3連打、ワンツースリーでガードを上げさせてからのボディでダウンを奪い、難なく1回KO勝利。まるで詰将棋のような“スカ勝ち”だった!ライトフライ級にまた、新たなホープ誕生!
第3試合:6R/ライト級
〇宮田彪我(帝拳)vs ×キム・ジョンホン(韓国)5回TKO
アマ34勝の実績を引っ提げてのプロデビュー戦は、自身初となる外国人選手相手に、不完全燃焼な判定勝利。このプロ2戦目では、4戦全勝のコリアンファイター、キム・ジョンホンと対戦する。試合序盤は、キムのワイルドな攻撃に、やや宮田が巻き込まれるような展開。しかし、回が進むごとにパンチで相手を下がらせ、宮田のパンチが活きる距離をキープ。4回、ボディを効かせてから、右フックで2度ダウンを奪うと、5回もコンビネーションを決めてTKO勝利。倒して勝つ!これが宮田のボクシングだ!
第2試合:4R/74.0kg契約
上村周平(天熊丸木)vs 盛合竜也(ワタナベ)試合中止
盛合竜也選手棄権のため試合中止
第1試合:4R/フライ級
〇堀江尭斗(FLARE山上)vs ×齊藤澪矢(将拳)3-0判定
デビュー戦判定負けの堀江尭斗と、これがデビュー戦となる“高校生ボクサー”齊藤澪矢による初勝利をかけた対戦。試合は、フィジカルの強さを活かした堀江が、終始ラウンドを支配、リズミカルな攻撃で齊藤を突き放す。最終ラウンド、齊藤も力を振り絞り攻勢に転じるが、一歩及ばず。有効打でリードした、堀江の判定勝利となった。
堀江尭斗19歳、齊藤澪矢17歳。若い二人のボクシング人生は始まったばかり!
結果としては、勝つべき者が勝ったライトフライ級10回戦の2試合。しかし、最年少17歳から最年長43歳までが躍動した、これぞ“ボクシング人生”という大会だった!
U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT 特別版』を2023年9月4日まで配信中!
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- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
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