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- 森田幸成熱烈ボクシング応援団
ボクサーのファイトスタイルは、大きく2つに分けられる。1つは、接近戦での打ち合いを好む“ファイター”タイプ。もう1つは、相手のパンチが届かない長い距離を保ちながらチャンスを伺う“ボクサー”タイプ。おおむね、ファイタータイプはパワーを活かした強打者が多くKO決着が起こりやすい。また、ボクサータイプは打たせずに打つ玄人好みの技巧派が多い。
今回の対戦カードは、メインの飯村vs村上戦をはじめ、ファイター対ボクサーの組み合わせが多い。各選手のファイトスタイルに注目して見ていただきたい。
メインイベント 第6試合:10R/日本フライ級タイトルマッチ 飯村樹輝弥(角海老宝石)vs 村上勝也(名古屋大橋)
飯村樹輝弥(角海老宝石)
メキシコの大きな帽子、ソンブレロがトレードマークのボクサーファイター。7月のタイトル挑戦で、“スタミナ・モンスター”永田丈晶と激闘の末、僅差の判定ではあるが接戦を制しタイトル奪取。今回、そのタイトルの初防衛戦を迎える。
打ち合いを好むアグレッシブなファイトスタイルで会場を沸かせる人気者だが、長身のアウトボクサー相手に、まるでメキシカンのような、肝臓を抉る左ボディを打ち込めるのか目が離せない。
戦績:5戦4勝(1KO)1敗 オーソドックス 25歳
村上勝也(名古屋大橋)
身長172㎝とフライ級では長身のボクサータイプ。打ち下ろしの右ストレートや左右アッパーなど、多彩なパンチを繰り出すアウトボクシングで現在6連勝中。長いリーチを活かし距離はキープするが、常に攻撃的。チャンスの時にはラッシングパワーもあり、KO率では計れない強さがある。念願のタイトルマッチ、これまでの接戦で培ってきた、進化したボクシングを見せてほしい。
戦績:17戦14勝(3KO)2敗1分 オーソドックス 29歳
セミファイナル 第5試合:8R/日本ウェルター級挑戦者決定戦 豊嶋亮太(帝拳)vs 石脇麻生(石田)
豊嶋亮太(帝拳)
元WBOアジアパシフィック、元OPBF東洋太平洋王者。日本そしてアジアで、ウェルター級の第一人者として君臨していたが、今年1月に若きハードパンチャー、佐々木尽に1回TKO負け。しかし、再び王座復権のためボクシング技術はもとより、メンタル強化も課題にあげリングに戻る。7月の再起戦では、5回TKO勝利で健在ぶりをアピールした。
その実力は誰もが認めるところ、敗戦のショックは勝利で上書きするしかない!
戦績:21戦17勝(11KO)3敗1分 オーソドックス 27歳
石脇麻生(石田)
2020年12月、スーパーライト級時代に佐々木尽と対戦し3回TKO負けを喫するが、左ジャブに磨きをかけて再起。そのジャブを中心とした豊富な手数と多彩なパンチで、打ちつ打たれつのアグレッシブな試合が多い。そのため敗戦した試合もあったが、評価を下げるものではなかった。実績で上回る豊嶋選手のガードを、持ち前の攻撃力で打ち破れるか注目。
戦績:19戦12勝(8KO)6敗1分 オーソドックス 24歳
第4試合:8R/日本ライト級挑戦者決定戦 浦川大将(帝拳)vs 三代大訓(横浜光)
浦川大将(帝拳)
ガードを固めじりじりとプレッシャーをかけ、射程圏内に入った瞬間に捻じり込むような右強打を叩き込むファイター。自分の距離になるまで、無駄なパンチを出さない効率的なボクシング。しかし、ロックオンした際のパンチは的中率、キレ、破壊力ともにハイレベル。試合巧者の三代選手をどこまで追い詰められるのか楽しみ。
戦績:10戦9勝(6KO)1敗 オーソドックス 26歳
三代大訓(横浜光)
元OPBF東洋太平洋王者。元WBOスーパーフェザー級王者の伊藤雅雪に判定勝ちし、評価を高めたテクニシャン。スムーズに出るジャブでリズムを作り、軽くても的中率の高いコンビネーションで攻める。そして相手の攻撃はフットワーク、クリンチでかわしてポイントアウトするのが勝ちパターン。世界を狙える逸材だけに、もう一度国内、アジアタイトルは獲得しておきたいところ。
戦績:15戦13勝(4KO)1敗1分 オーソドックス 28歳
第3試合:8R/59.4kg契約 波田大和(帝拳)vs リウ・ビャオ(中国)
波田大和(帝拳)
左の強打でKOの山を築いてきたサウスポー。那須川天心選手と強化合宿するなど、帝拳ジム次世代ホープの一人。今回はスーパーフェザー級より重たい契約ウェイト59.4kgでの試合となるが、過去にもライト級選手をKOしている。日本スーパーフェザー級最強王者挑戦者エントリー取得に向けて負けられない一戦。
戦績:15戦13勝(12KO)2敗 サウスポー 26歳
リウ・ビャオ(中国)
これまで中国で4戦全勝しているが、対戦相手はデビュー1、2戦のキャリアしかない。無謀なマッチメイクかもしれないが、可能性は未知数。
戦績:4戦4勝(2KO) 不明 24歳
第2試合:8R/スーパーバンタム級 池側純(角海老宝石)vs 岸根知也(ミツキ)
池側純(角海老宝石)
2018年、2019年と国体3位の実力を持ってプロデビューした、テクニックのあるサウスポー。デビュー間もなくから、実力者とのハードマッチメイク路線で、経験と勝負強さを磨いてきた。サウスポー対決を制し、タイトル挑戦へ弾みをつけたい。
戦績:7戦5勝(1KO)2分 サウスポー 25歳
岸根知也(ミツキ)
豪快な右フック、ガードを突き破る左ストレートでガンガン攻め込む、ファイタータイプのサウスポー。KO勝利に至らずともダウンを奪った試合が多数あるので、KO率以上にパンチがある選手。テクニシャン対ファイターによるサウスポー対決、何が起こるかわからない。
戦績:14戦9勝(3KO)4敗1分 サウスポー 30歳
第1試合:8R/ライト級 富岡樹(角海老宝石)vs トンテップ・テーヤウォン(タイ)
富岡樹(角海老宝石)
初代日本ライト級ユース王者。順調にキャリアを積んでいたが、OPBF東洋太平洋ライト級タイトルマッチでは、ビッグネーム中谷正義に、日本ライト級タイトルマッチでは、吉野修一郎に連敗し、チャンピオンの道を閉ざされる。その後も2連敗しリングから遠ざかっていたが、約1年半ぶりにカムバック。まずは1勝、そして再浮上に期待。
戦績:14戦7勝(2KO)6敗1分 オーソドックス 26歳
トンテップ・テーヤウォン(タイ)
なんと、この試合が今年5試合目の手数の多いボクサーファイター。腰高でややパンチは軽いが、連打のヒット数で補いたい。打ち合いの中でカウンターをもらわないように注意。
戦績:24戦11勝(7KO)11敗2分 オーソドックス 20歳
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