より決定的な仕事がしたい──久保建英選手バスク・ダービーへの意気込み
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より決定的な仕事がしたい──久保建英選手バスク・ダービーへの意気込み

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2023-24シーズンのラ・リーガ開幕から、早くも1ヶ月半あまりが経過しました。レアル・ソシエダでの2シーズン目を迎えた久保建英選手は、開幕戦の立ち上がり5分でいきなりゴールを沈めると、その後の試合でも好調を維持。開幕から6試合で4ゴール1アシストの大活躍を見せ、昨シーズン収めた4位のさらに上を目指す“ラ・レアル”を牽引しています。

最大のライバルであるアトレティック・クルブとの“バスク・ダービー”も控えるなか、久保選手はここまでの自身のパフォーマンスについてどのように考えているのでしょうか。スペイン現地で行われた久保選手へのインタビュー内容をお届けします。

ダービーをホームで戦えることへの期待

──まずは、まもなく迎えるバスク・ダービーについて伺います。昨シーズンのダービーではかなり熱のこもったプレーを見せていた印象です。バスクダービーは久保選手、あるいはチームにとってやはり重要な一戦ですか?

久保:たしかにチームにとってはそうかもしれません。ただ少なくとも、僕にとっては全ての試合が等しく重要です。ラ・リーガは全38試合の長丁場であり、優勝を目指すうえでは、いかに安定して勝ち点を積み重ねられるかが大切だからです。

とはいえ、もちろんファンの皆さんが他の試合以上に、バスクダービーでの勝利を強く望んでいることも理解しています。

──久保選手は加入一年目の昨シーズン、アトレティック・クルブを相手にホームでゴールを決めています。そのときのレアレ・アレーナの雰囲気も覚えているはずです。バスクダービーのようなビッグゲームにおいて、特に感じることはありますか?

久保:昨シーズンのダービーがまさにそうでしたが、やはりホームチームは有利だと実感しています。ファンからの大きなサポートがあるからです。

たとえば、良いプレーをしたらすぐさま声援や拍手を送ってくれるし、相手がボールを持てば圧力をかけるような声を送ってくれる。僕だけでなく、ファンの皆さんもそうしたサポートがいかに重要なものかを理解している証拠だと思います。今回のダービーもホームで戦えることをうまく利用したいです。

──今シーズンのアトレティック・クルブについてはどのような印象を持っていますか?

久保:マドリーとの開幕戦を見ていて、破れはしたものの決定的なチャンスを作っていた点が印象に残っています。第3節のベティス戦では、決定力の高さを見せましたよね。チームは良い状態にあるのだろうと感じています。

ウィリアムズ兄弟のスピードは強力ですし、経験豊富なムニアインもいます。それに、東京オリンピックでも対戦したウナイ・シモンもいますね。良い選手がたくさんいるチームだと思います。

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高い期待にも応えたいという意思

──久保選手は開幕から素晴らしいスタートを切っています。自身の調子についてはどう感じていますか?

久保:調子は良いです。今はゴール前で結果を残すことができている。その点が、過去のシーズンと比べて最も大きな違いだと思います。

──ケガによってダビド・シルバが開幕前に引退を決意しました。それによって自分が
チームのリーダーになるといった意識は生まれていますか?

久保:リーダーとは思いませんが、今はチームを引っ張っていく役割を任されていると感じています。いまチームの中で最も状態が良い選手の一人だからこそ、自分が引っ張っていかなければなりません。

──イマノル監督は先日の会見で、久保選手にさらに高いレベルを要求していると話していました。これだけの好調を維持していても、監督はまだ満足できないということでしょうか?

久保:僕に対する監督の要求が高いのは、愛情の裏返しだと思っています。それに、厳しい要求は信頼の証でもあるはずです。私のことを信頼してくれていると感じるからこそ、監督のコメントや要求をポジティブにとらえられています。

──イマノル監督は久保選手に常に全力を求める、いわば「厳しい先生」という印象です。今まで出会った指導者のなかで、一番厳しい先生ですか?

久保:たしかに、とにかく要求は高いですが、同時に「良い先生」だとも感じています。選手としての僕の特徴をよく知っていますし、いま何が課題かも常にわかっている。そして、それをいつでも優しく教えてくれます。だからこそ、チームの全員が監督の期待に応えたいと思っているんです。

──久保選手がこれからどれだけ多くのものをチームにもたらしてくれるのか、皆がワクワクしていると思います。ご自身は“タケ・クボ”の限界はまだまだ先にあると感じますか?

久保:何とも言えませんが、少なくとも昨年の段階で「こうなりたい」と思っていたような選手に、今はステップアップできていると思います。まだまだ成長するために登るべき階段は残されていますが、今は自分の成長に満足もしています。

──最後に改めて、今シーズンの目標について教えてください。

久保:より力強く、より決定的な仕事ができる選手を目指したいです。そうなれば自ずと、試合後により多くの人々が僕の話をするようになるでしょう。とにかく、今は次のステップへと進むことに集中しています。

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街の歴史と誇りをかけた“バスクダービー”

ともにバスク州に本拠地を置くレアル・ソシエダとアトレティック・クルブが激突するバスクダービー。長い歴史のなかで常にしのぎを削ってきた両者の対戦は、これまでに数多くのドラマを生み出してきたカードでもあります。

インタビューを通じて確かな手応えを語った久保選手は、昨シーズンのホームでのバスクダービーで1ゴールとPK奪取の活躍を収め、マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれました。今回はどのようなプレーを披露してくれるのか。今シーズン最初となるバスクダービーはラ・リーガ第8節、日本時間の10月1日午前4時にキックオフを迎えます。

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Edited by

  • 栗村智弘
    栗村智弘
    プロジェクトマネージャー、ライター。

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