佐々木尽選手インタビュー。前人未到の世界王者へ!だれもが魅了される爆発KO量産のハードパンチャー「誰が見ても楽しめるものを見てもらえるようにすることが、プロのあり方」
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佐々木尽選手インタビュー。前人未到の世界王者へ!だれもが魅了される爆発KO量産のハードパンチャー「誰が見ても楽しめるものを見てもらえるようにすることが、プロのあり方」

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ボクシングファンならずともお馴染みのマニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザーといった名だたる世界王者を輩出してきたウェルター級(66.68kg以下)は、世界でも選手層が厚い超・激戦階級……であると同時に、かつて日本人王者が誕生したことのない階級でもあります。そんな高すぎる世界の壁を越えられる逸材として現在熱い注目を集めるのが、豪快なファイトスタイルとKO率81パーセントを誇る爆発力で観る者を魅了する、八王子中屋ジム所属・21歳の佐々木尽選手(15勝/14KO 1敗1分)。2023年、1月、豊嶋亮太の持つWBOアジアパシフィック・ウェルター級王座を鮮烈の1ラウンドKOで奪取すると、4月には国内ウェルター級最強と謳われるベテラン・小原佳太を相手に3R TKO勝利で初防衛を果たし、文字通りの大躍進中です。そんな佐々木選手が、7月8日(土)、八王子に凱旋!タイトル防衛戦2日前、最終調整中の佐々木選手に意気込みを伺いました。

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「試合をすることが好き。毎試合何かを得られ、進化している」

━━現在のコンディションはいかがですか?

佐々木:いい感じです!あとはもう体重を落とすために軽く動く感じで、今日はもうボクシングの練習もなく、夜中までトレーニングジムで厚着をしてランニングマシンで走ったりエアロバイクを漕いだりして汗をかくだけですね。残り2.5kgくらいなのですが、すごくいい感じで(体重が落ちていって)います。

━━試合前の追い込み練習はどれくらいまで続けていましたか?

佐々木:アメリカでがっちりスパーリングして帰ってきて、追い込みは直前1週間前くらいまでやっていました。

━━今回八王子に凱旋ということで、気持ちの面で異なる部分はありますか?

佐々木:あんまり気持ちに変化はないのですが、自分はなんだか八王子の興行が好きなんです。雰囲気が良くて。すごい楽しみにしています!

━━聖地・後楽園はもちろんとして、4月の防衛戦は有明アリーナでも経験されました。八王子エスフォルタ・アリーナにはそういう空間とはまた違う良さがあるのですね。

佐々木:もちろん後楽園ホールや有明アリーナなどの会場もいいけど、八王子のほうが熱狂があるというか、アツいイメージがあるんです。“ちょうどいい空間”……って言ってもわかりづらいですよね(笑)。自分の気持ちの問題なのだと思います。たとえば有明の大きな会場で照明や演出がしっかりしている大会もすごく好きですし、それぞれの会場の良さは感じます。うん、多分、自分は試合をするっていうことが好きなんです!最高なんです、本当に。毎試合何かを得られて、ちょっとずつ進化している。だからこそキャリアを積むというのはすごく大きいとも思っていて。

━━対戦相手の星大翔選手の印象はいかがですか?

佐々木:全体的にバランスが良くて、うまい選手っていうイメージはあるんですけど、そのバランスの中でも全部自分が飛び抜けて勝っている自信があります。独特なリズム感のある小原選手の時は研究しましたが、今回はバランスが良くて逆にクセがあまりないので、対策練習のようなことはしていなくて。全体的に自分自身のことを高めていけば勝てるだろう、と。この選手のここを、というような対策に特化することはなかったです。

━━キャリアを積んでいく上で、今年に入って豊島選手からベルトを奪取し、国内最強と言われる小原選手を次々リングに沈めてきた流れがありました。星選手を挑戦者に迎えての防衛戦というのは佐々木選手にとってどのような意味を持っていますか?

佐々木:今回の試合は勝って当たり前という周りの評価だと思うので、しっかりと期待通り……いえ、期待を越えられる圧倒的なKOを目指して頑張ります。

━━期待が大きい分、プレッシャーを感じることはありませんか?

佐々木:プレッシャーは全然なくて。ただ楽しんでやればいいって。そうすればやってきたことは勝手についてくるだろうって思っているので。もしちゃんと練習できていなかったらプレッシャーを感じると思うのですけれど、自分はやってきたんで、全部。だからプレッシャーはないですね。

佐々木尽選手_02


世界ランカーとスパーリングを経験して……「そんなに遠くない。俺なら行ける!と本当に思った」

━━自分自身を高めるという点で、昨年10月、そして今年5月のアメリカ修行ではどんな収穫がありましたか?

佐々木:日本では味わえない緊張感というか、日本人には持っていない強さがあるので、いい経験になりました。それから自分としては、“自信をなくすことがなかった”、というのがあります。

━━昨年は元WBA世界ウェルター級暫定王者のガブリエル・マエストレ選手、今回のスパーリング合宿では現WBA世界ミドル級王者のエリスランディ・ララ選手と手を合わせてきたそうですが、世界の中量級トップランカーたちから率直にどんな刺激を受けましたか?

佐々木:ララ選手は向き合った感じからして、世界チャンピオンだけのことはありプレッシャーがすごくあって。「あ、強いな!」と感じました。

━━世界王座という目標を掲げる上で、そういうトップ選手たちとやってみて、 “世界との差” を感じる場面はありましたか?

佐々木:全然!「そんなに遠くないな」と思いました。そんなに難しい話じゃないなと。「俺なら行ける!」と思いました、やっていて本当に。ハハハ!

━━逆に世界で通用する手応えを感じてきたということですね。とはいえ課題も見つかったと思うのですが、どんなことに取り組んでいくべきだと感じましたか?

佐々木:そうですね。特にディフェンス面がすごい課題になりました。日本ではサンドバッグやミット打ちをよくやりますけど、向こうは練習がスパーリングをメインとしていて頻繁にやるんですよね。そこに練習の違いがあって、向こうは毎回そうだからダメージが溜まらないようにディフェンシブになるんですよね。日本では試合前でも週2、3回くらいというペースでスパーリングは結講がっちりやって打ち合ったりもするんですけど。それでディフェンスが違うなと思いましたね。

━━思い切りのいいファイトで豪快に倒しに行く姿が佐々木選手の魅力ですが、これまでの戦い方とは変わって行くのでしょうか? 

佐々木:ジムでは、いろんな練習をしっかりやった上で、試合では自分の好きにやらせてくれているんです。それで、自分は「誰が見てもおもしろいことをやらなければプロじゃないな」って思っているんです。あくまで自分の中で、ですけれど。もちろんボクシングを観る時に何がおもしろいかは人それぞれで、楽しみ方は人によるとは思いますけど、やっぱりガンガン行ったほうがおもしろいじゃないですか。チケットをわざわざ買って見に来てくれているみんなにおもしろくないと思われる試合はしたくないですから。誰が見ても楽しめるものを見てもらえるようにすることが自分にとってのプロのあり方ですし、おもしろいこととは、倒すことです。

━━あくまでも魅せたいものは貫きながら技術を学んでいくということですね。

佐々木:もちろん自分は、ブンブン丸なんて言われもするけど、むやみに行ってるわけじゃないですし、ちゃんと当たらない位置も考えて「ここなら打てる!」と、タイミングで打ってるので、そこをどんどん極めていって。最終的にめざすのは、周りから見たら攻撃的だけれども、ボクシングに詳しい人が見ればディフェンシブに攻撃できている、それが理想ですよね。倒し合うことがおもしろい、それを基本にして、強さを磨いていきたいです。

━━実はまだ見せていない武器がいっぱいあったりするのですか。

佐々木:それもあります。スパーリングはもうちょっとディフェンシブにやっているので。

━━KOを量産するハードヒッターの佐々木選手にあえて伺うのですが、たとえば小原戦の3Rは(2R終わりで効かせた場面もあったので)、「ここで決める」として強打を出し続けられているのでしょうか?あるいはあのままフルラウンドでも行ける、ということなのですか?

佐々木:12ラウンドペースでやっていましたよ。日々、そのペースで毎日練習しているので。スパーリングでもやっていて問題ないです。自分はスタミナがなさすぎるってことはないと思いますし。

━━早い段階で決めてしまいたいということはなかったですか?

佐々木:なかったですね。あの試合、最初の方は見合っている時も多かったと思うのですよ。もし僕が早期決着を狙っていたら、開始早々、走り込んでガンガン行っています(笑)。

━━先ほどもブンブン丸と仰っていましたが、強打を振っても軸がぶれずに、さらに強いパンチを打ち続けられる体幹の強さは、柔道経験からなのでしょうか?

佐々木:体幹の面では、柔道でかなり鍛えているので、ある程度関係しているとは思います。

━━体が強いですよね。ところでボディが全然効かないというのは本当なのですか?(笑)

佐々木:ボディは……効かないんですよ、本当に(笑)。相手が嫌がるだろうから、良いところはどんどん言っていこうと思って発信しています(笑)。周りからは、「うまい」ってあんまり言われたことないんですけど(笑)、「体が強い」って言われたことはよくあります。ハハハ!

━━ボクシングと並行してやっていた柔道が、他にも活きている部分がありますか?

佐々木:戦いに対する気持ちの強さですね。柔道の先生が熱血漢だったんです。だから練習や試合に対する気持ちも姿勢も、自分は他の人より高いのではないかと思っています。集中力だったり、気合いの面だったり。


日本人初のウェルター級世界王者になるためには「まったく遊ばないでボクシング一本。でもそれくらいやらないと!」

━━それだけ気持ちを込めてがんばれる最終目標はもちろん世界チャンピオンだとして、目の前に掲げている目標はありますか?

佐々木:自分の次の目標は、世界ランカーと対戦して、勝って。もうちょっと強い世界ランカーとやって、勝って。タイトルマッチへとどんどん近づいていき、最終的に世界タイトルマッチに勝つこと、です。だから毎日の目標は、それに向けて、自分を強くすること。……というのも、結講「口だけ」な人もいて。実際には大して練習していなかったりするように見えるんです。自分のほうがもっとやっているって。みんな遊んだりしていますけど、自分には遊びはない。まったく遊ばないんですよ。ボクシング一本なので。もしかしたらリフレッシュしなすぎてもダメかもしれませんけど(苦笑)、でも、それくらいやらないと!

━━リフレッシュもまったくしないということですが、ボクシングを専業として通常どれくらいの練習ペースなのですか?

佐々木:試合後1週間はオフを取ります。練習に戻ったら日曜日だけオフで、体を休めて、あとは週6日ずっと練習しています。午前中トレーニングして、午後から夜はジム、の繰り返しです。その合間に、スポンサーの方へのご挨拶であったり予定がちょくちょく入るくらいですね。

━━話が戻りますが、同業はさておき同世代で考えたら一番遊んでいる時期ではないかと思います。夢を叶えるために楽しい誘惑も断ち切れるということなのですか。

佐々木:いえ!誘惑なんてまったくないんです!この名誉を成し遂げたいということが生き甲斐なので!

━━その名誉を成し遂げるために立ちはだかるウェルター級の頂上決戦が月末にありますが、テレンス・クロフォードvs.エロール・スペンスJrという無敗チャンピオン同士による4団体王座統一戦はどんな心構えでご覧になるのでしょうか。

佐々木:「いつか自分もこの舞台に立つんだ」って。自分の未来のリハーサルのような感じで、そこに立つ自分を想像しながら、世界トップクラスの試合を見て感じ取りたいです。

━━最後に8日に向けて、会場やU-NEXTを通じて応援しているみなさんにをメッセージをお願いします。

佐々木:自分がウェルター級で日本人初の世界チャンピオンになるためにまずはここでしっかり勝って、みなさんに最高の試合をお届けできたらと思います。応援よろしくお願いします!



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