佐々木尽、八王子凱旋!WBOアジア・パシフィックウェルター級タイトル、早くも2度目の防衛戦!
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佐々木尽、八王子凱旋!WBOアジア・パシフィックウェルター級タイトル、早くも2度目の防衛戦!

2023.07.12 00:00

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いまだかつて日本人では達成されていない、前人未到のウェルター級世界王者のタイトル。世界的に競技人口が多く、強豪選手がひしめき合うこの階級の壁は、とてつもなく高く、分厚い!しかし佐々木尽には、そんな世界の壁を崩壊させる爆発力がある!

本記事では、“熱烈ボクシング応援団”目線でのリングサイド観戦レポートと対戦結果をお届け!

八王子から、日本人初のウェルター級世界タイトル戴冠への道のりを見届けよう!

メインイベント:12R/ウェルター級 WBOアジアパシフィックウェルター級タイトルマッチ

〇佐々木尽(八王子中屋)vs ×星大翔(角海老宝石) 11回TKO

日本ウェルター級で最高峰の実力者、豊嶋亮太と小原佳太をKOでの完全決着で退け、勢いに乗る佐々木尽のWBOアジアパシフィックタイトル2度目の防衛戦。もはや、タイトルマッチうんぬんよりも、その倒しっぷりから、純粋に“佐々木尽”の試合が観たい!と思わせる魅力に溢れた選手に成長した。自らのビッグマウスも相まって、ただ“勝利”するだけでは物足りない、“勝ち方”が問われる一戦となった。一方、対戦相手の星大翔はKOパンチャーではないが、バランスが良くクレバーなボクシングを信条とする選手。圧倒的不利が予想される中で、当然“勝てる”と思ったから試合を受けたと言い切る自信が不気味。

試合は序盤から接近戦の様相。佐々木は頻繫にスウィッチを繰り返しショートアッパー、ショートボディで攻め立てる。決して強打ではないが、小気味よく出されるショートパンチに、星は対応が出来ずに頭が跳ね上がる。星は、時折返す右ストレートが浅くヒットするも、ポイントを獲るほどダメージを与えられず。

中盤以降も頭を付けた接近戦は続き、佐々木はショートアッパーを打ち続けクリーンヒットを重ねる。ここまで、相当な数のパンチを浴びている星だが、体が柔らかくパンチの威力を殺しているのか、驚異のタフネスぶりでリングに立ち続ける。

試合が決したのは11回。これまで驚異的な粘りを見せていた星が、ロープ際で防戦一方になったところでレフェリーストップ!豪快な一撃でのTKOではないが、ダメージの蓄積を考慮した妥当なストップだったのでは。

佐々木としては、圧勝が期待されていただけに、苦戦を強いられ不完全燃焼な一戦。しかし考え方によっては、左フックに頼らないボクシング、接近戦、スウィッチといったテクニックと、長いラウンドを闘えるスタミナを証明できた試合。そして星は、決して試合を諦めない頑張りで、敗れはしたものの評価を下げない試合となった!

佐々木尽が歩むウェルター級世界王者への道は、まだまだ始まったばかり。待ってろ!世界!

佐々木尽選手_試合後_04

<追記>

佐々木尽選手が試合後の会見で、左肩を負傷していたことを明かした。だから、得意の左フックを振り回さず、スウィッチを繰り返し、ショートパンチ主体でのボクシングだったのかと納得。偉業への挑戦のためとはいえ、オーバーワークにはくれぐれも気を付けてもらいたい!怪我が重くならずに早期での回復を祈る。

佐々木尽選手_試合後_02

セミファイナル:10R/ミニマム 日本ミニマム級タイトルマッチ

〇高田勇仁(ライオンズ)vs  ×仲島辰郎(平仲) 3-0判定

日本ミニマム級王者、高田勇仁の初防衛戦。対戦相手の仲島辰郎とは、2016年、まだ4回戦時代に対戦歴がある。その時は仲島の3回TKO勝利。なので高田にとっては、初防衛戦がリベンジマッチとなった。仲島としてもこれが4回目の日本タイトル挑戦。過去3回及ばなかったタイトルも、一度勝利している相手ならば優位に試合に臨めるのでは。

そして始まった試合は、以前より攻撃的に変身した高田のプレッシャーに、仲島が下がりながらカウンターを狙う展開。特に高田の出すボディストレートは、再三にわたり突き刺さり試合を支配する。前半5回終了時点での公開採点では、ジャッジ2者がフルマークの大差リードで高田優勢だった。

流れが大きく変わったのは6回。これまでボディ攻撃を中心に攻勢をかけていた高田が、待ちのボクシングに。採点リードを受けての作戦変更か、休みのラウンドを作ったのか、仲島に先手を許す。手数とリズムが戻った仲島は、渾身の右ストレート!アゴを打ち抜かれた高田は膝から崩れ落ちる!なんとか立ち上がったものの完全に効いている高田は、ギリギリのところでゴングに救われた。しかし!対戦相手のほんの僅かな隙も見逃さない、仲島の勝負強さは、さすがの一言!これがボクシングの面白さ!

このまま仲島のペースで進むかと思われた試合、“ドラマ”は最終ラウンドに待っていた!ダウンのダメージを徐々に回復させた高田が、打ち気に走る仲島に強烈な右ストレート!ダウンこそ奪えなかったが、完全にダメージを与え形勢逆転。その後のラッシュで、あと一歩でKOまで追い込んだ。

高田勇仁選手、ダウンを挽回しての判定勝利!小さな体が大きく見えた一戦!名勝負に認定!

セミセミ:8R/スーパーフェザー級

〇渡邊海(ライオンズ)vs ×ジョンジョン・エストラーダ(比) 1回KO

2021年度フェザー級全日本新人王の渡邊海の再起戦。というのも、今年3月に行われた英洸貴との全日本新人王経験者同士の対決で2-1判定負け。ダウンを奪いながらの敗戦に涙を飲んだ。一方、フィリピンのジョンジョン・エストラーダは、“ウルヴァリン”のリングネームを持つベテラン。“もみあげ”の雰囲気からこのニックネームが付いたのかな?いやいや、ミュータントのごとく攻撃してくるのだろう。

そしてこの試合、一目見て気になるのは身長差。エストラーダの165cmに対し、渡邊は177cmでスーパーフェザー級としては規格外。高さ、距離の両面で有利に働く。

そして試合の結果は、1回61秒で渡邊海のKO勝利!ボディからのアッパー連打で、ウルヴァリンに全く何もさせずに10カウントを聞かせた。

これ以上ない形で再起戦を勝利で飾った渡邊海選手。日本タイトルがグッと近づいた!




今回の「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT」は特別版として、佐々木尽選手の八王子凱旋試合を中心に配信。全ての試合がKO、TKO決着で見どころ満載の内容だった!

現在の世界ウェルター級は、WBA、WBC、IBFをエロール・スペンスJrが、WBOをテレンス・クロフォードが支配しているボクシング最激戦区。佐々木尽選手が彼らと拳を合わせるには、世界ランカーを何人も倒さなくてはならない。だが、そんな“大それた事”を、あっけらかんと成し遂げてしまいそうな予感を感じさせるのが佐々木尽なのだ!

今後の活躍に、ますます期待が膨らむ!

U-NEXTでは、今回レポートした『WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE BOXING 特別版 ファイティングスピリットシリーズ 佐々木尽防衛戦』を2023年8月7日まで配信中!

配信開始前、または配信終了しています。

なお、試合後には佐々木尽選手からコメントが到着。

佐々木尽選手_試合後_01

「U-NEXTをご覧のみなさん、今日は無事11R TKOにはなりましたけど、みなさんの思っていた結果とはかけ離れたものになってしまったと思いますが、見てくれて応援してくれた方々に本当に感謝します。自分はこのままでは終わらないので。もっともっと練習を重ねて強くなって、日本人初のウェルター級世界チャンピオンになりますので、みなさん引き続き期待していてくれたら嬉しいです!みなさん引き続き応援よろしくお願いします!

これから(見逃し配信で)ご覧になるみなさんへ、今日は『最高の試合』はできなかったんですけど、いいキャリアにはなったし星選手も強かったので、これをバネにもっともっと次から飛躍できるようにがんばります。みなさん(今日の試合内容で)ガッカリしないでください!次もっと挽回するんで。ここでは終わらないです!ってことで、よろしくお願いします!」

試合前のインタビューも掲載中です。あわせてご覧ください。

次回の「WHO’S NEXT」は、8月5日(土)14時から「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT vol.5」岩田翔吉VSジェイソン・ブリーリョ、堀川謙一VS谷口将隆を後楽園ホールからライブ配信。

そして同日18時から「WHO’S NEXT DYNAMIC GLOVE on U-NEXT 特別版」WBOアジアパシフィックミニマム級王者、小林豪己選手の防衛戦を神戸市立中央体育館からライブ配信でおとどけ!東西リレー配信をお楽しみに!

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