エヴァートンを率いる名将・モイーズ監督に独占インタビュー 12年ぶり復帰で得た手応えと“新スタジアム元年”への決意
2025年1月、12年ぶりに古巣エヴァートンへ帰還し、シーズン途中就任ながらチームを立て直したデイヴィッド・モイーズ監督。クラブにとっては新スタジアムで迎える歴史的な新シーズンを直前に控え、百戦錬磨の指揮官は何を思うのか。チーム再建への確かな手応えと未来への視線、日本との関わりや印象について訊いた。
昨シーズン、70年ぶりに国内タイトルを獲得したニューカッスル。キャプテンとしてクラブの中心を担うブルーノ・ギマランイスは、「僕たちはもっとハングリーになっている」と、新シーズンのさらなる躍進を見据えている。
中盤で次々に相手のチャンスの芽を摘み、攻撃面でも常に闘う姿勢を崩さない、“マグパイズ”のダイナモ。ギマランイスの原動力とサッカーへの眼差し、そして新シーズンへの意気込みを、U-NEXTオリジナルインタビューで紐解いていく。
──ブルーノ選手、あなたの情熱や粘り強さにいつも感銘を受けています。まずはオフのことからお伺いしますが、ブラジルでは良い時間を過ごせましたか?
ブルーノ:とても良い時間でした。家族と過ごしたり、釣りをしたり、本当に楽しめました。あっという間でしたが、仕事が待っていますし、また準備をしなければなりません。それでも、非常に有意義な時間でしたね。
──プレミアリーグの企画で、お父様やご家族、ご友人と共演されているインタビューを拝見しました。オフには、お父様とも一緒に釣りへ行かれたのですか?
ブルーノ:ええ、父や家族、親戚と行きました。自分の過去を思い出すような、とても素敵な時間でしたね。本当に楽しめましたし、最高のひとときでした。
──家族との時間を大切にされているのですね。ブルーノ選手にとって、家族とはどのような存在ですか?
ブルーノ:僕のすべてです。彼らがいなければ、僕はここにいなかったでしょう。母と父はいつも僕の心の中にいます。今は一緒に住んでいなくても、いつも電話で話していますし、グループチャットでつながっているんです。
そして今は、子どもたちと妻がいます。満たされていると感じますし、世界で一番幸せな男だと感じています。この幸せが、僕を前に突き動かしてくれるんです。もっともっと、というハングリーな気持ちが湧いてきます。
──昨シーズンは素晴らしかったですね。クラブにとって70年ぶりとなる国内カップを手にし、「人生で最高の日の一つ」と語っていました。アストン・ヴィラとのアウェイ戦から始まる新シーズンには、どんなことを期待していますか?
ブルーノ:一度何かを勝ち取ると、また勝ちたいと思うようになります。僕たちはもっとハングリーになっているし、共に歴史を作り続けていきたいと強く決意しています。誰もがしっかり休み、家族との時間を楽しみました。
でも今は再び集中して、前進し続け、歴史を刻み続ける時です。それがクラブにとって最も重要なことだと考えています。チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップ、そしてカラバオカップと、多くの試合が控えています。準備は万端でなければなりません。僕たちは同じ情熱を持ち、さらなる高みを目指す野心を抱いています。
──チームの雰囲気はいかがですか?プレシーズンでは難しい時期もあったかと思いますが、新シーズンに向けてチーム全体が集中していることでしょう。
ブルーノ:もちろんです。プレシーズンで最も重要なのは、フィジカルを100%の状態に持っていくことです。常にベストの11人でプレーしたわけではなく、メンバーを混ぜながら色々試していました。
もちろん、すべての試合に勝ちたいですが、プレシーズンではそこまで重要ではありません。少し心配しているファンもいるかもしれませんが、僕たちは心配していません。今は前を向き、勝利をつかむことに集中し、決意を固めています。
ヴィラとの試合は常にタフなものになりますし、特にアウェイではなおさらです。この挑戦に向けて、万全の準備をしなければなりません。
──キックオフ時間も早いですよね。
ブルーノ:そうなんです。イングランドは今とても暑いですからね。早いキックオフに備えなければなりません。きっと良い試合になると思うので、ファンも楽しんでくれるはずです。
──イングランドが暑いという話が出ましたが、どれくらいなのですか?ブラジルほど暑くはないですよね?
ブルーノ:僕がブラジルを離れてもう7年になりますからね。もうイギリスの天気に慣れてしまいました。今はたぶん28℃か29℃くらい。僕たちにとっては少し暑いですよ。
──さて、昨シーズンは特にホームで強さを見せました。ニューカッスルのサポーターはどのような存在ですか?
ブルーノ:僕らにとって「12番目の選手」です。彼らが声を張り上げ、スタジアムが一体となった時、僕たちは世界中のどんな相手にも勝てる気がします。
ファンには、これからも僕たちと共に戦い、サポートし、声を上げ続けてほしい。彼らの存在が、僕たちにとってどれほど大きな違いを生むかを知っているからです。いつも通りのサポートを期待していますし、彼らは本当に素晴らしい。ファンについては何も言うことはありません。僕たちも改めてベストを尽くします。
──今シーズンの個人的な目標について教えていただけますか?
ブルーノ:個人的な目標は、何か別のタイトルを勝ち取ることです。そして、ワールドカップに向けても準備を整えたいと思っています。
だからこそ、今シーズンを自分にとってもチームにとっても、可能な限り最高のシーズンにしたいんです。野心はたくさんあります。インタビューの冒頭で言ったように、僕はもっとハングリーですから。今シーズン、最高の自分でありたいと思っています。
──あなたのプレーは非常に激しく、ピッチに持ち込む情熱は凄まじいものがあります。フィジカルだけでなく、メンタル面でもデュエルに勝利していますが、その強さはどこから来るのでしょうか?
ブルーノ:良い質問ですね。これは自分で学んだことです。18歳や19歳の頃は、プレーするのがとても怖かったんです。情熱や野心、そして自分の強さを見せなければ、僕はただの平凡な選手になってしまう。だから、これは僕のプレースタイルの一部なんです。
ファンもそれを愛してくれていると思いますし、彼らを試合に引き込みたい。先ほども言ったように、ファンが僕たちと共にいる時、ピッチにもう一人選手がいるように感じるんです。ファンと一体になることは、僕にとって非常に重要なこと。そうすることで、自分自身も良いプレーができると感じています。
──ファイターであり、勝者であるという印象が強いですが、若い頃、ブラジルでのキャリアの初期には苦労した日々もあったかと思います。当時はどのように乗り越えたのでしょうか?キャリアのスタートはウイングだったと記憶しています。
ブルーノ:ええ、右サイドバックでした。ウイングもやりましたね。ポジションが変わったのは、ある監督のおかげです。僕はフットサルをプレーしていたのですが、その監督が僕のいたクラブにやってきて、「なぜ君は右サイドバックだなんて言うんだ?君はサイドバックじゃない。僕と一緒に中盤でプレーするんだ」と言ってくれたんです。彼が僕のポジションを見つけてくれました。
だから、彼にはとても感謝しています。2シーズン前には彼をここに招待して、いくつか試合を観てもらいました。今でも連絡を取り合う仲ですし、本当に感謝しています。
もちろん、キャリアで苦しんだ時期はありました。でも僕の両親が、決して夢を諦めさせなかったんです。そのおかげで今の僕がいます。すべて両親のおかげです。
──そのご両親とのつながりで、背番号39はあなたにとって非常に大きな意味を持つそうですね。
ブルーノ:はい。アトレチコ・パラナエンセと契約した時、移籍する2日前に父の車に母と3人で乗っていました。僕はいつも「どの番号がいいかな?」と両親に聞いていて、97年生まれなので97番を付けたかったんです。すると父が「とんでもない。そこに着いたら、39番を頼むんだ」と言いました。
正直、僕はあまり嬉しくなかった。僕にとっては何の意味もない番号でしたが、父にとってはすべてだったんです。そして、チームに合流してロッカールームの自分の席に行くと、ユニフォームが置いてありました。それを広げてみると、背番号は39だったんです。用具係には何も頼んでいませんでしたから、「一体どういうことだ?」と思いました。
用具係のところへ行って、「なぜ僕に39番を?」と尋ねると、「いや…空いていたからだよ。気に入らなければ変えてもいい」と言われました。僕は彼に「いや、完璧だ。僕が選ぼうと思っていた番号だよ」と答えました。
その足で父に電話して、「父さん、信じられないと思うけど、僕の番号は39番になったよ」と伝えたら、父は泣き始めて、「言っただろう。この番号は幸運をもたらしてくれる」と。それ以来、僕はいつも39番を背負っています。本当に運命だったと思いますよ。
──あなたは中盤のファイターとして、プレミアリーグのスター選手たちや、ブラジル代表として世界の強豪と戦ってきました。対戦していて楽しい選手、あるいは尊敬しつつも難敵だと感じる相手は誰ですか?
ブルーノ:好きな選手はたくさんいます。うーん、難しいな…考えてみます。おそらく、イルカイ・ギュンドアンですね。若い頃、彼のプレーを見るのがいつも好きで、彼のユニフォームも持っていました。インスタグラムでも彼をフォローしていて、時々話したりもします。昔から追いかけていた選手と、今こうして対戦している。彼との対戦は、いつも最高の戦いになります。
──彼のどのような点に惹かれますか?テクニック、それとも適切なタイミングで適切なエリアにいる能力でしょうか?
ブルーノ:両方だと思います。彼は非常に賢い。彼に近づこうとしても、気づいた時にはもうパスを出されています。そして、重要なゴールを決めるべき瞬間に、必ず正しい場所にいる。2021-22シーズン最終節のヴィラ戦でのゴールのようにね。彼は僕が非常に尊敬する選手の一人です。
──ブラジル代表でのプレーも楽しみにしています。夏の試合ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍もありました。試合後、あなたがインスタグラムに投稿をした際、アーセナルのガブリエウ選手が「君はレジェンドだ」とコメントしていたのを見ました。ピッチではライバルですが、代表では良い関係を築いているのですね。
ブルーノ:はい、僕たちは良い関係です。でも、対戦する時はお互いに勝ちたいですからね(笑)。他のブラジル人選手たちとも非常に良い関係を築いています。
ブラジル代表でも歴史を作りたいんです。先ほども言ったように、ワールドカップが近づいていますから、その挑戦に向けて準備をしなければなりません。
──最後に日本のニューカッスルファン、そしてプレミアリーグファンへ、メッセージをお願いします。
ブルーノ:日本のファンの皆さん、こんにちは。サポートをありがとうございます。僕たちは共にあります。皆さんを幸せにするために、ベストを尽くします。また会いましょう!
2025年1月、12年ぶりに古巣エヴァートンへ帰還し、シーズン途中就任ながらチームを立て直したデイヴィッド・モイーズ監督。クラブにとっては新スタジアムで迎える歴史的な新シーズンを直前に控え、百戦錬磨の指揮官は何を思うのか。チーム再建への確かな手応えと未来への視線、日本との関わりや印象について訊いた。
昨季はUEFAカンファレンスリーグとクラブワールドカップの二冠を達成した、チェルシーのエンツォ・マレスカ監督。「非常にポジティブなシーズン」と手応えを口にする昨季の成績を踏まえ、久々のプレミアリーグタイトルへ、ファンの期待も日に日に高まっているだろう。 つかの間のオフとプレシーズンを経て、どのような心境で開幕直前を迎えているのか。セリエA中継実況などでおなじみの北川義隆さんが、マレスカ監督にイタリア語でインタビュー。冷静な言葉の奥にある、指揮官の哲学と見据える先を紐解いていく。
昨季はプレミアリーグで勝ち点43の14位に終わったウェストハム。苦しむチームの中でも、リーグ戦34試合で13ゴール10アシストの活躍を見せたのが、イングランド代表ジャロッド・ボーウェンだ。キャプテンとしてチームを牽引する同選手は、“ハマーズ”の現状をどう見つめ、新シーズンへ向け何を思い描いているのか。プレシーズンの手応えと率直な想いを、U-NEXTのインタビューで語ってくれた。
昨季、圧倒的な堅守を武器にチャンピオンシップを2位で終え、プレミアリーグ昇格を決めたバーンリー。クラブを1年でのプレミア復帰へ導いたのが、昨季就任したスコット・パーカー監督だ。 監督として、自身3度目となるプレミア昇格を成し遂げた指揮官は、今のチームを「成功のために、たゆまぬ努力を惜しまない集団」と表現する。昨季の成功の礎となった「一体感」を武器に、台風の目となれるのか。開幕を間近に控えたその胸中を、U-NEXTのインタビューで訊いた。
2025年8月10日(日本時間、23:00キックオフ予定)、昨季のプレミアリーグとFAカップ、それぞれの優勝チームが対戦する『FAコミュニティ・シールド』が開催される。今年は日本代表・遠藤航が所属するリヴァプールと、鎌田大地が所属するクリスタル・パレスが激突。聖地ウェンブリー・スタジアムでの決戦に挑む選手たちは、どのような心境で準備を進めているのか。昨季公式戦44試合に出場した“イーグルス”の守護神ディーン・ヘンダーソンが、U-NEXTのインタビューに応じてくれた。
2025年1月、12年ぶりに古巣エヴァートンへ帰還し、シーズン途中就任ながらチームを立て直したデイヴィッド・モイーズ監督。クラブにとっては新スタジアムで迎える歴史的な新シーズンを直前に控え、百戦錬磨の指揮官は何を思うのか。チーム再建への確かな手応えと未来への視線、日本との関わりや印象について訊いた。
「最高に幸せです」。この夏、マンチェスター・Cからエヴァートンへと活躍の場を移したジャック・グリーリッシュは、笑みとともにそう語った。 「自分のリズムを取り戻したい」と本人が口にするように、ここ2シーズンは満足のいくパフォーマンスとはいかなかった。だからこそ、新天地での再起にかける想いはひとしおだ。 新スタジアムでの歴史的なシーズンを迎える“トフィーズ”の一員となり、どんな青写真を描いているのか。移籍を決めた背景と、直前に迫った開幕への意気込みを語った。
プレミアリーグ昇格を果たしたバーンリーに、頼もしいストライカーが加わった。チェルシーから完全移籍で加入したFWアルマンド・ブロヤは、5年契約を結んだ新天地を「家族のような雰囲気」と表現する。 スコット・パーカー監督のもと、確かな団結力を築き上げた“クラレッツ”で、ブロヤは今までにない輝きを放てるか。サポーターからの高まる期待を受け、移籍の決め手やピッチで証明したい自らの価値、活躍への意気込みを言葉にした。
2025年8月10日(日本時間)、ウェンブリー・スタジアムで行われた『FAコミュニティ・シールド』は、昨季FA杯王者のクリスタル・パレスがプレミア王者リヴァプールに2-2(PK3-2)で勝利し、初優勝を飾った。 日本代表の遠藤航はこの試合、1点リードで迎えた71分から途中出場。チームはその後77分に追いつかれ、最終的に新シーズン一つ目のタイトル獲得を逃した。遠藤は試合後、「勝ちたい試合だった」と悔しさをにじませつつも、「結果にこだわってやっていきたい」と間近に迫ったプレミア開幕へ前を向いた。
2025年8月10日(日本時間)に『FAコミュニティ・シールド』(ウェンブリー・スタジアム)がおこなわれ、昨季FAカップ覇者のクリスタルパレスが、PK戦の末プレミア王者リヴァプールに勝利。今季最初の試合でのタイトル獲得に成功した。 日本代表の鎌田大地は先発メンバーに名を連ねるも、前半途中に膝の負傷で交代。アクシデントに見舞われた試合後、ファンが心配する怪我の状態、そしていよいよ次週に迫ったプレミアリーグ開幕へ向けての心境を言葉にした。