まだまだ謎だらけの金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)第2話。そのなかでも明らかなことがある。それは、演じているキャスト陣が「魅力的すぎる」ということだ。シンプルな言葉だが、このワードでしか表現できない……。それほど、俳優たちの演技に心を持っていかれてしまう。
今回は、そのなかでも2人の俳優をフィーチャーしたいと思う。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
まずは、神井孝を演じる磯村勇斗。神井は、主人公・山下心麦(広瀬すず)と弁護士の松風義輝(松山ケンイチ)に近づく雑誌「週刊ジダイ」の記者である。
冒頭、心麦に春生(リリー・フランキー)と親子関係がないのではないか、と詰め寄りつつ「勘です。勘。でもね、僕ってこういうときの勘……外さないんですよ」と低いトーンで話した。続けて、表情を変えたかと思えば、「変に感情揺らしちゃったなら失礼しました」とヘラヘラ。
また、話を聞かせてもらう代わりとして、春生の秘密を渡す、と取り引きをもちかけた際には、松風が間に入った。「僕、心麦さんに喋りかけていますよね?え、見えてます?俺、どっかで死んだ?」とニヤニヤと質問する彼に対し、「安心してください。実在してますよ」と松風。すぐさま「(とにかく明るい)安村?」と反応した。
他の作品では、磯村が演じる役には何度も夢中になり、胸が苦しくなった経験があるが、正直、神井だけは好きになれない。粘着質で心麦に絡まっては離れようとしないし、すべては記事のため……。スクープの匂いを嗅ぎつけて、ターゲットに飛びかかる。心麦の気持ちを無視する人間なので、とうてい受け入れられない。彼が松風の事務所にやって来た後半のシーンも本当に目障りだった(物語が進むアイテムを持ってはきたが)!SNSを見ても、神井に対して、嫌悪感を示す人はいるようだ。
今後、物語が進むにつれて、心麦の助けとなる動きをしてくれると信じている。心麦に頑張ってもらいたい勢としては、今の神井が邪魔でしかない……。
もちろんこんな気持ちになるのは、磯村の高い演技力があってこそ。「ここまで思わせる磯村勇斗おそるべし!」。そんなことを思う人も多いのではないだろうか。改めて磯村のポテンシャルの高さに驚く。役によって、こんなにも気持ちを揺り動かされるとは。
続いては、春生を殺害したとされる遠藤友哉を演じた成田凌だ。今回は、友哉の過去が明らかとなった。一家6人が殺害された「東賀山事件」で死刑判決を受けた父・力郎(酒向芳)との事件前後のやりとり、放火の理由も描かれた第2話。なぜ、こんなことが起こってしまったのか。過去と現在をつなぐ、とても重要なシーンの数々であった。
また、やっていない犯罪まで警察になすりつけられる場面では、“親父はきっと罪を犯していない。ただ、(警察に理不尽に詰められ)疲れたんだ。親父、悔しかったよな”と涙を流した。彼は、死刑囚となった父に対し、本当は殺人事件を犯していない、と気づく。
いわゆる「影のある役」を演じる俳優は多くいるが、成田のようにその影をより濃く、より真っ黒にして「役の手に光が届かないのではないか」と感じさせる役者はそういないと思う(もちろん今回の役は影どころではないのだが)。
陰影をくっきりとさせる演技で視聴者を釘付けにしてしまう成田凌。彼もまた「おそるべし!」な俳優である。
物語の終盤では、そんな神井と友哉がつながっていることが明らかに。神井が「東賀山事件」の件で友哉と数回会ったことがあると告白したのだ。果たして、この2人は“それだけ”の関係なのか、それとも、もっと深い関係なのか?どちらにせよ、神井と友哉の対峙シーンがある可能性が高くなった。
この作品を経て、視聴者の心を奪ったであろう2人の俳優の共演……。もし、あるとしたらどんな場面になるのか。早く見てみたいものだ。
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