『五十嵐夫妻は偽装他人』 仲直りした夫婦の未来にかかわる大問題が発生。大波乱の第11話!
紆余曲折の末、やっと別居解消となった真尋と直人。そんな中、真尋は父を見舞いに行った病院で、20年ぶりに母・如月春奈(黒木瞳)とついに再会することに。実の娘になんと非難されようと自分の生き方を貫く春奈の言葉に、真尋は心を動かされ…。
秘密の社内恋愛を描くラブコメは数あれど、職場では他人を装う夫婦が主人公という逆転の発想がユニークなドラマ『五十嵐夫妻は偽装他人』。U-NEXTで配信中の海石ともえによる同名漫画を原作に、お互いが気になりながらも反発し合う夫婦の“もだもだ”した関係を描き出す。
家出中の妻・会沢真尋を演じるのは、テレ東ドラマ初主演となる新川優愛。夫の五十嵐直人役は、昨年の大河ドラマ『光る君へ』で一条天皇役に扮して注目の塩野瑛久が扮する。別居中の夫婦の直人と真尋は、お互いに相手に告げずに転職。すると2人の転職先は偶然一緒で、しかも同じ部署で働くことに。
美羽(田辺桃子)とのいざこざも解決。ホッとしたところに、真尋の父・雪人(相島一之)が病気で倒れたというニュースが飛び込んでくる!しかし、災い転じて福となすというのはこのこと。父の入院がきっかけで、真尋は自分を捨てたと思っている実の母と久しぶりに電話で会話。自分の弱さに直面する。直人も真尋と母との確執を知ることに。また、雪人や翠(兵頭功海)のナイスアシストもあって、直人は真尋に対して自分がしてきた過った言動にもようやく気づく。お互い素直になった真尋と直人は、やっと“もだもだ”卒業となるか?絆を再確認する夫婦の姿に胸キュンが止まらない、第10話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
いつの間にか、一緒にご飯に行く間柄になっている翠と美羽に軽く驚きつつ、いよいよ大詰めの第10話がスタート!
ぶりっ子封印で食事にぱくつく美羽に、翠は「あんたがうらやましい」と、やっぱりまだ真尋への恋心にとまどっている様子。そんな翠を「童貞?」と美羽は切り捨て、「初めて本気で好きになりました的なやつだ。厄介ですね〜」と返す刀でさらに切り込む。
図星を突かれた翠の、無表情の中にもにじみ出る純情男子のいじらしさにキュン♥
そして翌朝。真尋に「二日酔いです」と報告する翠のおでこには冷却ジェルシートがぺったり。なんだこのかわいすぎる生物は!
しかし、肝心の真尋にはそのかわいさは通じず…。真尋は直人が、そして直人も真尋が気になる様子だが、相変わらずもだもだしていて気まずい2人。敏感な翠は、そんな夫婦の様子にしっかり気づいているところがまた切ない。
するとそこへ現れたのは美羽!
これまでの不穏な空気はどこへやら。殊勝にも真尋と翠にお礼を手渡す。昨晩のすったもんだを経て、喜ばしいことに祖母が施設に入れることにもなったという。
おずおずと「ありがとうございました」と感謝の言葉を告げる美羽に、心からの笑顔を見せる真尋。もちろん、翠も笑顔。美羽も毒親の呪いから解放されて、”恐ろしい子”から脱却できる日も近いかもしれない!
ホッとしたのもつかの間、真尋の携帯に病院から電話が入る。父の雪人(相島一之)が脳出血で緊急入院したのだ。
病院のロビーに佇む真尋の元へ、仕事を終えた直人も飛び込んでくる。
「少しでも搬送が遅れたら、危なかったみたい」と肩を落とす真尋の背中を撫で、優しく寄りそう直人。気まずかったはずの2人でも、やっぱり心は惹かれ合っている者同士。こんな時に、しっかり支えてくれる直人が好ましい。
看護師に「容態は落ち着かれてますから、一旦お帰りください」と促され、ひとまずはホッとする真尋だが表情は冴えないままだ。
それでも真尋は、「ありがとう。一緒にいてくれて」と直人にお礼を言う。
そして、荷物を取りに戻った実家の喫茶店で、父と幼い自分、そして母との写真を眺める真尋…。
彼女の脳裏に浮かんでいるのは、「元気でね!」と家を出ようとする母の袖を引いて「なんで行っちゃうの?ヤダよ」と訴える自分の手を振り払い、出ていってしまった母の思い出である。
真尋の母を演じるのは、大女優・黒木瞳。本作はキャスティングの妙が魅力の一つだが、ここへきての超豪華キャスティングにワクワクしかない!
真尋は、写真の裏に書かれていた母の電話番号らしき携帯に、ためらいながらも電話してみるが、「ただいま電話に出ることができません」のアナウンス。そう簡単には再会できない模様。
そして翌日、再び病院を訪れた真尋を、会社が休みの直人が待ち構えていた。
ストーリーには関係ないが、休日仕様の直人のナチュラルヘアもまたカッコよし♥
ようやく目を覚ました雪人の病室へ、直人と2人で向かう真尋。「2週間くらいで退院できる」という父に、あれこれ文句を言う真尋を直人は優しく制する。
「買い物に行く」を言い訳に、ひとり廊下に出た真尋は「よかった」と滂沱の涙。人前では泣けない真尋の強がりっぷりが、なんとも切ないワンシーンである。
一方、病室で繰り広げられるのは、直人と雪人との男同士の会話。
「もしかして、ずっと体調悪かったんじゃ?」と尋ねる直人に、「娘の前だとカッコつけちゃうんだよな」と雪人は返す。
「真尋もそういうとこあるよな。弱みを見せない。すぐ強がって、なんでも自分で解決しようとする」
真尋が今、ひとり泣いているところを見ているわけでもないのに、真尋の状況をズバリと言い当てているところがさすが親子。
「家族なんだから、ダメなところも共有すればいいのにな」と自分をさておいてぼやく雪人の言葉に、直人も感じるところがある様子だ。
ここで雪人は、母が出ていった経緯を直人に語りだす。母は、真尋が10歳の頃に突然「海外でやりたいことがある」と言い出し、「わがまま言うな」という雪人の声を聞かずに出ていってしまったというのだ。
「母親が出ていってから、なおさらひとりで頑張っちゃうようになってさ」
それから真尋は好きな部活も「飽きた」と嘘をついてやめて、家のことをやるようになったという。
「どうでもいいことは口うるさいのに、肝心なことはなんにも言えない」
そんな不器用な真尋が、ついにいっぱいいっぱいになって部屋で大泣きした思い出を振り返る雪人の話を聞いて、直人にも思い当たることがたくさんある様子である。
ちょうどその頃、真尋の携帯に着信が入る。母が折り返し電話をくれたのだ。「20年も経つと声も変わっちゃうのね」とケロッとした様子で話し出す母。感慨もへったくれもないところに驚かされる。
さらに、「どうなの?死んじゃう感じ?」と無神経な質問をして、大事には至らなかったと知ると「じゃあ、たいしたことないんじゃない」とあっさり電話を切ってしまう。
美羽の母もかなりな毒母だったが、真尋の母もまた違うベクトルでヤバすぎる。人の心、どっかに置き忘れちゃったかな???というタイプ。
この、あっけらかんと悪女なところがまた、大女優・黒木瞳の真骨頂でさすがの貫禄。ほんの短いシーンでも、デカ目のインパクトをしっかり残してくれる。
さて、病室に戻った真尋は、ここでついに雪人に直人との別居を打ち明けることに。
すると、雪人からは「だと思った」という意外な返事が!
驚きつつも、これからのことを父に聞かれた真尋は「一緒にいたいとは思ってる」と今の自分の正直な思いを話す。
「”とは”ねえ。含みがあるねえ」とツッコむ雪人に、真尋は「言語化が難しいんだよ。苦手だし。意思表明的なの」としどろもどろに。
「やっと自覚したか」とにやりと笑ってみせる雪人。
冷たい母とは正反対に、父の娘への愛情あふれるシーン。「いいお父さんでよかったね、真尋」と思わずウルウルしてしまう…。
一方、オフィスに立ち寄った直人は、休日出勤している翠とばったり。
真尋の父の様子を聞かれた直人が「大事ないって」と報告すると、「よかった。ここんとこ会沢さん、いろいろありすぎだから」と、翠は心配そうにつぶやく。
それを聞いて「そうだな」と大いに同意した直人は、うなだれて「ふぅ」と大きくため息をつく。
それを見逃さなかったのが翠!
「それ、クセですか?」と切り出すと、「会沢さん、ため息苦手だって知ってますか?」と畳み掛ける。
「え?」と鳩が豆鉄砲を食らったような表情の直人。
「前に言ってたんすよ。『お前と話してもしょうがないって、諦められた気がする』って」と、さらに直人に真尋の思いを伝える翠。
直人にすれば、さぞや青天の霹靂であろう。走馬灯のように頭を巡るのは、自分の無意識の行動である、ため息の数々。それが真尋の心をどれだけ傷つけていたか…。
そこに思い至り、オフィスを走り出ていく直人。そして、ひとり残された翠の、なんとも切ない表情…。キュン…。
好きな相手のラブをアシストをしちゃうとは、なんとお人好し!てか、やっぱり翠の内面は真尋と似た者同士。今回もあったかぽかぽか男子、健在である。
というか、翠も幸せになってくれ〜!!と心で絶叫しちゃうよね!ね!
一方、病院に走り込んできた直人は、息を切らして真尋の目を見ながら言う。
「一緒にウチに帰ろう!」
そして、ついに2人で戻ったマンションで、直人は、「ごめん。俺、真尋のことなんにもわかってなかった」と、ため息ばかり見せていた過去を謝罪する。
すると真尋は「直人のせいじゃないよ」と、ため息が苦手な理由を直人に明かし始める。
「お母さんがね、よくため息ついてたの。私がわがまま言うと、怒るわけでもなくハァって」
幼い真尋は、母からのため息に自分への拒絶や諦めを感じて、傷ついていたのだった。
この作品、美羽のエピソードもそうだけれど、毒親の呪いがテーマのドラマでもあるのかも?
ここで真尋は直人に、母と久しぶりに電話で話したことを打ち明ける。
「声も手も震えちゃって。平気だって思ってたんだけど、未だに引っかかってたみたい」
そう話す真尋の声も震えている。親との確執…これだけは、時間が解決するという世の定石が一切役に立たないものなのかもしれない…。
「私にとってあの人は、反面教師みたいな存在なの。自分のやりたいことを優先して、家族のことを捨てて。絶対ああはなりたくない」
溢れ出す、母に対する真尋の複雑な想い。
「だけど、怖くもあって。いつか自分もああなってしあうんじゃないかって。だから、直人と夫婦になって、幸せな家庭を築いて、『私は大丈夫だ』って自信を持ちたかった」
そう絞り出すように言いながら、真尋は涙をこぼす。
「でも、いつまで経っても自信なんて持てなくて…」
そう言って泣き続ける真尋の姿はとてつもなく切ない。けれども、強がりな真尋が直人の前では涙を見せられるというのは、信頼感の何よりの証では?
直人は、真尋に持ちかける。
「俺たち、もっと見せ合おう。カッコ悪いところもドロドロしたものも全部。それが家族、夫婦ってことなんだと思う」
そう言われた真尋は、潤んだ目で直人を見つめる。そこへ直人は、さらなる強い想いを真尋に告げる。
「俺は真尋が何を言っても絶対、真尋の前からいなくなったりしないから」
わーん!よくぞ言った、直人!!一回引っ込んだ真尋の涙も、そりゃあまた溢れ出すっていうもの。すると直人は、ハッシと真尋の手を取ってひと言。
「好きだよ、真尋」
これまで翠に持ってかれっぱなしの直人にもやっとキター!キュン度MAXのセリフ♥
そして、見つめ合う2人はラブラブなキス。からの…見事な朝チュン、ハッピーエンド!
ベッドの中で「俺やっぱり真尋と一緒にいたい」と言う直人に、「また、よろしくお願いします」と返事をする真尋。両手を上げて大喜びする直人のかわいさよ!
やっと、もだもだ卒業、コングラチュレーション!!!!
ここまで見守ってきた視聴者も、よかったね〜とホッと胸を撫で下ろしたことであろう。
でも、待てよ?まだ最終回ではなかったよね?
そう思った人、大正解!ここから急転直下の展開が五十嵐夫妻に待ち構えているのである。
部長の竹橋(水橋研二)に別居解消を報告しにいった直人が聞かされたのは…「五十嵐には、支部長としてシンガポールに赴任してもらいたいんだ」という海外出張への打診!
これまた共働き夫婦にとって大きな問題が勃発!
ましてや、真尋は「母のようになりたくない」と涙を見せたばかり。
夫婦の関係は、これまたどうなっちゃうの?次回も波乱の予感しかない〜!
第10話の視聴はこちらから
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第9話では、それぞれが進路の選択と向き合う中、ベテラン患者の橋口が腎臓がんで再び入院してくる。そんな橋口を元気づけようと、ある実行したサプライズを実行したつぼみ隊に視聴者から「かわいすぎる」「愛おしい」という声が上がった。