日本ドラマ

相思相愛の柳楽優弥＆坂東龍汰。ドラマ『ライオンの隠れ家』制作発表会見ルポ

2024.10.08 05:00

日本ドラマ

ニュース

この記事に関する写真（4枚）

天本伸一郎
ライター＆編集者

10月期の金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』（10月11日スタート、毎週金曜よる10時）の初回放送に先立ち、先行プレミア試写会＆舞台挨拶と、今秋スタートのTBSドラマ出演者が一堂に会する合同制作発表会「TBS DRAMA COLLECTION 2024 AUTUMN」が、10月5日に開催されました。

金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』は、弟のために生きる市役所勤務の兄・小森洸人（柳楽優弥）と自閉スペクトラム症の弟・美路人（坂東龍汰）が穏やかに暮らす家に、「ライオン」と名乗る謎の男の子（佐藤大空）が突然現れたことから、兄弟が“ある事件”に巻き込まれていく、完全オリジナル脚本のヒューマンサスペンス。ライオンを預けてきたのは誰なのか、目的は何なのか、なぜライオンと名乗るのか…慣れない子どもとの共同生活の中でその真相を追いつつ、家族愛や兄弟愛の変化を描き出す愛と絆の物語です。

「兄弟役を演じられて幸せ」相思相愛の柳楽さん＆坂東さん

まずは午前中に、先行プレミア試写会＆舞台挨拶が開催。招待された一般観客の前で、10月11日に放送される第1話を初披露。上映後にはその興奮冷めやらぬ中、柳楽優弥さん、坂東龍汰さん、齋藤飛鳥さん、佐藤大空さん、柿澤勇人さん、桜井ユキさんの6名が衣装で登壇し、舞台挨拶が行われました。

自閉スペクトラム症の弟のために平穏な毎日をすごす、平凡で真面目な優しい青年・小森洸人を演じる柳楽優弥さんは、TBSドラマ初主演。会場で初披露された第1話について「安定して落ち着いた生活を変えたくないという気持ちはすごくわかる。ライオンが現れたことがスタートですが、人って意外と予期せぬことで成長するのかなと、この作品で学べました。洸人がVaundyさんの主題歌をバックに横断歩道を走るシーンが、ちょっと勇気をもって違う自分を見てみようとする感じがして好きでした」と印象深いシーンをコメント。

この試写会でいち早く披露された主題歌「風神」は、Vaundyさんがドラマの世界観にあわせて書き下ろした新曲で、10月11日放送の第1話で初解禁。実はその監督と楽曲制作もVaundyさんが担当しており、元々ファンだったという柳楽さんは、「MVなども撮っている方だけに演出が的確で楽しかったし、撮ってもらえて嬉しかった」とも語りました。

同じくVaundyさんのファンで、「LIVEに行くほど好き」と興奮気味に語っていたのが坂東龍汰さん。主人公・洸人の弟で、自閉スペクトラム症のみっくんこと美路人を演じています。その役作りについて、「撮影に入る前の約1カ月間、他の仕事を入れず役と向き合う時間が作れたのは、すごくいい時間でした。そこで自分が見たり経験したことを、忠実に、素直に、正直に表現できたらと思いながら演じています」と、自閉スペクトラム症に関する本を読んだり、映画を見たり、発達障害をもつ子どもたちの通う『さくらんぼ教室』の授業に参加するなどの準備をした上で取り組んでいることを明かしました。

また、坂東さんが初共演の柳楽さんについて「目が合うと泣きそうになるほど、情緒を揺さぶられる。たくさんパワーをもらっているし、学ばせていただいています。兄弟役を演じられてすごく幸せです」と称えると、柳楽さんも笑顔で「僕も幸せ」と応え、その相思相愛ぶりに、会場中が温かな笑いに包まれました。

小森洸人役は「初めて見る柳楽優弥」？

そして、劇中と同じライオンのぬいぐるみを抱えてちょこんと椅子に座る姿がかわいらしく、その一挙手一投足が自然と会場中の目をひいていたのが、「ライオン」と名乗る謎の男の子を演じている佐藤大空（たすく）くん。登壇直前の待機中には坂東さんの膝の上に座っていたそうですが、最後の集合写真撮影時にも坂東さんに抱き着くなど、2人の仲の良さが窺えました。

その演技力には「涙を流すシーンで、自分が映っていない時や自分の顔にカメラが寄っていない時にも容赦なく泣けるのが、すごいなと感心する」（柳楽さん）、「台詞に聞こえないし、神秘的。いるだけで説得力が強くなる」（坂東さん）と、共演シーンの多い2人も大絶賛。笑顔で目をキラキラ輝かせる大空くんのかわいらしさと劇中での確かな演技力に、会場中が心を奪われていました。

洸人の働く市役所の後輩・牧村美央役の齋藤飛鳥さんと、週刊誌記者・工藤楓役の桜井ユキさんは、「同僚役の岡崎体育さんが率先して面白いことを言って現場を盛り上げてくださるのですが、意外に柳楽さんも一緒に乗っかってツッコんだり、オチャメなボケをして笑わせてくださる和気藹々とした現場です」（齋藤さん）、「後輩記者役の尾崎匠海さん（INI）は裏表がなく、人間性に魅力があって、役柄と同じ愛すべきチャーミングな方ですが、まあまあNGが多い（笑）」（桜井さん）と、撮影現場の裏話を披露。

山梨県警の刑事・高田快児役の柿澤勇人さんは「柳楽くんとは約10年前の20代の頃に舞台と映画で共演し、当時は毎日のように飲みに行っていた」と再会を喜びつつ、「（このドラマの中での姿は）初めて見る柳楽優弥なんじゃないかと思うので、柳楽ファンの自分としてもワクワクしています」と注目ポイントを明かしていました。

家族の愛の掛け違えを正していくオリジナルドラマ

午後には、会場を赤坂サカス内BLITZスタジオに移動し、華やかにドレスアップした柳楽優弥さん、坂東龍汰さん、齋藤飛鳥さん、桜井ユキさんの4人が、「TBS DRAMA COLLECTION 2024 AUTUMN」に参加。日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』と火曜ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』という、3つのTBSドラマのメインキャストが一堂に会したトークセッションで、各ドラマの見どころや撮影エピソードが明かされた他、作品の垣根を超えた質問コーナーなどのクロストークも行われました。

『ライオンの隠れ家』の紹介パートでは、佐藤大空くんも袖から勢いよく登壇。坂東の膝の上にちょこんと飛び乗ると、他ドラマのキャスト陣から「かわいい～」という声が漏れ、こちらでも会場中を魅了。坂東さんは「毎朝、現場に行くと、『みっくんだあ～』とお猿さんのように抱きついてきて、着替えようとしても離してくれない（笑）」と、本当にかわいくて仕方がない様子。柳楽さんは「この作品にリアリティを与えてくれているのが大空くん」と語り、この場でもその演技力を称えていました。

齋藤さんは「第1話の最後にシークレットキャストが出ます」と第1話の注目ポイントを明かし、桜井さんは「私がとんでもない雨女で、柳楽さんは晴男。2人一緒だと晴れていたのに、柳楽さんが帰ると雨が降り出すこともありました」と、撮影中の裏話を披露。絶妙なタイミングで大空くんが「今日、雨降ってるよ」と無邪気にツッコむと、桜井さんが「ごめんなさい！」と平謝りして笑わせ、会場中をほっこりさせるなど、笑顔の絶えない和やかな会見となりました。

ロケ地の茨城県神栖市を「本当に綺麗な町だし、役柄の気分になれる最高のロケーション」とも語る柳楽さんは、「家族の愛や様々な絆などの目に見えないものが、回を重ねる毎に少しずつ浮き彫りになり、全11話を通して、家族の愛の掛け違えを不器用ながらも正していくドラマになると思います。オリジナルだけに僕もまだ結末の想像がつかないけれど、このチャレンジがしっかりいいところに着地できるようにがんばっています」と、本作の魅力を力強くアピールしました。