驚愕のラストを迎えた『ライオンの隠れ家』(TBS系)第8話。これまでの同作とは違う展開となったが、今後どんな物語になっていくのか?ますます分からなくなってきた。こちらでは、俳優や物語が紡いだ名シーンを振り返っていこう。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
元週刊誌記者・工藤楓(桜井ユキ)のフォローもあって、小森洸人(柳楽優弥)、美路人(坂東龍汰)、そしてライオン(橘愁人/佐藤大空)がいるペンションに、釈放された橘愛生(尾野真千子)がやって来た。ライオンは久しぶりに再会した母親の元に駆け寄る──。
「ママ。あのね、洸人とみっくんと旅行でね、船に乗ってお絵描きして……」と一生懸命伝えてくる息子に「うんうん」と頷き、慈愛に満ちた表情でじっくり見つめる愛生。涙を流しながらも笑顔で「髪切ったんだ。カッコいいね」と言葉をかけた。
このシーンで「エグい。エグすぎる!」と興奮した視聴者も多くいるのではないだろうか。フェリー乗り場に迎えに来た洸人と接するときは、“あの頃”の姉の表情や言い回しだったのに、息子の前になると、とたんに母親の顔になった。目や言葉だけで息子への愛が伝わってくるし、うんうんと頷くシーンでは「子供の頃、母親ってこんな顔をしていたよな」と感じる表情だった。たった1分程度で“それ”を表現する尾野真千子。凄すぎる!
その夜、洸人は愛生に大変だったこれまでの想いをぶつける。彼の気持ちを受け止めた彼女は、ライオンと共にペンションを出ていくことを決意。洸人にそのことを打ち明けていると、美路人がやって来た。愛生は「ライオンには私から伝えるね。だからあの子にまだ言わないで。お願い」と声をかける。
別れが近づき、ライオンと鬼ごっこをする美路人。最初は見守っていた洸人だったが、たまらず「鬼だー!」と鬼ごっこに参加した。3人は笑顔だ。洸人の「ライオンがいる日々が、長くは続かないことは分かっていた」というナレーションも沁みるし、その3人の姿を見て微笑む愛生の表情もいい。これまで何度も見てきた3人のやりとりの中でも特別なシーンだった。
また、洸人が愛生に「大変なことばかりではなく、ライオンが来たことで景色が広がった」と打ち明けるシーンも最高だった。それまでは平穏に暮らすこと以外考えていなかったが、ライオンのおかげで視界が開けたという洸人。マイナスだけではなく、ライオンのおかげで幸せなことが増えた、と伝える彼の気持ちに心が温まった。
新たな暮らしを始めるつもりだった愛生に対し、洸人が、祥吾(向井理)から逃げなくていい方法を探す、と提案したシーンでは、謎が残る台詞があった。
愛生が「夫は危険な人なのかもしれない。洸人が想像しているよりもずっと。だからこれ以上、私たちも他の誰かも夫に関わらないほうがいい」と言ったのだ。それは、どういう意味なのか?
彼女がライオンと2人っきりで話をするため、洸人と美路人は買い物へと出かけた。すると、楓から電話があった。彼女曰く、亀ヶ谷宗史郎議員(岩谷健司)と、祥吾が働く建築会社「たちばな都市建設」に、裏のつながりが見えてきたという。亀ヶ谷の周りでは、リニア関連事業の関係者が数人失踪。唯一、遺体が見つかった元秘書は、それらは亀ヶ谷とたちばな都市建設によって仕組まれたものだと疑って調べを進めていたらしい。
おそらく元秘書は殺された──。祥吾がこの件にどれほど関わっているのかは分からないが、楓はこのスクープを掴んだ天音悠真(INI・尾崎匠海)と共に、彼を追い詰めるという。彼女から隠れていてほしいと言われ、急いで帰った洸人だったが、すでに愛生とライオンはおらず、部屋も荒らされていて……。
何なんだ。この急展開は。もしかしたらこれまで私たちが見てきた“ほっこりシーン”はもう見られなくなるのか。不安だ。不安で仕方がない。そして祥吾の本当の正体とは?
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