妻夫木聡“栗須”、松本若菜“加奈子”への不器用すぎるプロポーズが最高だった『ザ・ロイヤルファミリー』第6話
妻夫木聡主演、夢を追い続けた熱き人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリー『ザ・ロイヤルファミリー』第6話をレビュー

あなたには人生を共にするほどの「好きなもの」があるだろうか。普段は冷静なのに、アニメ、アイドル、スポーツなど、自分の「推し」が話題になるとつい饒舌になる。そんな人も少なくないだろう。
『ザ・ロイヤルファミリー』第7話は、中条耕一(Snow Man・目黒蓮)の「オタクな瞬間」が露わになる一幕があった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
栗須栄治(妻夫木聡)に連絡をとった耕一は、「なるべく早くお伝えしたいことがありまして」と、父親の山王耕造(佐藤浩市)と会う決意を固める。だが耕造とは馬のことで揉めてしまった。
悩む栗須だったが、野崎加奈子(松本若菜)からの助言で「耕一は耕造と馬のことを心配しているのだ」と気づく。そこで、彼に馬の相続をお願いしてはどうか、と耕造に持ちかけた。「相続できるのはオーナーが生前に登録した競走馬に限る」といった条件はあったものの、耕一に相続する資格はあった。
耕一にその話をすると、「現役のロイヤルの所有馬に相続したいと思う馬はいない」ときっぱりと返された。何とも気持ちのいい回答に耕造は「お前には才能がある」と大笑いした。
耕一のいう「社長に伝えたかったこと」とはなんだったのか。耕一とふたりっきりになった際、栗須が聞くと「最初は『絶対に伝えるべきだ』と思ったんですけど、大きなお世話だなって……」と静かに語る。
だが、あごに手を当てて一瞬考えた後「いや、あの言うべきだと思うんで、言っちゃいますね。僕が興味あるのはホープの子どもだけなんです。ホープの子どものことをちゃんと考えてくれているのかなって、めっちゃ心配しているんです!」と告白。面食らった栗須をよそに、彼の勢いは止まらない。
母親候補を聞いた際には「いやいや、ダメですって!ダメです。それは走らないです。血統ってどれくらい重視してます?」とぶつける。栗須の「血統はまあ……」との反応には「えっ『まあまあまあ』じゃないです。『まあ』じゃないです、『まあ』じゃないです。いや、僕調べたんで。ちょっとあの今時間いいですか?」とノートパソコンを取り出し、血統について熱を込めて語った。
耕一の心に火がついた瞬間だった。このやりとり、誰もが見たことある、もしくは自分にそんな経験がある。「好きなもの」に対しての熱量が止められないあの現象だ。妙に早口になって、“あれ?自分しゃべりすぎてない?”と思っても、止められない。止まらない。あのときの熱量。耕一にはオタクの“それ”を感じた。
解像度が高い演技でいつも視聴者をあっと言わせる目黒だが、「スイッチが入った!」と誰もが分かるあの瞬間まで切り取れるとはーー。目黒の再現力の高さに圧倒されたシーンだった。
耕一が選んだ繁殖牝馬。それは、かつて母・美紀子(中嶋朋子)が選んだロイヤルハピネスだった。その後、ホープとハピネスの仔が誕生。耕造は「ファミリー」と名付けた。
数年後、ロイヤルファミリーのデビュー戦がやってきた。だが、耕造は病室のベッドにおり、危篤状態だった。一方、会場にやってきた耕一と栗須は競馬場で走るファミリーにエールを送る。ホープ同様スタートが遅れたファミリーだったものの、見事1着でゴールイン。最高の船出となった。
レースが終わると栗須のスマホが鳴った。「代理だから」と写真に入りたがらない耕一だったが、電話を終えた栗須からこう告げられる。「ファミリーのそばに立つのは耕一さんです。今、このときから耕一さんがファミリーの馬主です。デビュー戦おめでとうございます」と。
耕造がこの世を去ったのだ。勝てて嬉しいはずなのに、カメラに向かって笑顔をつくっているはずなのに涙が止まらない。耕一にとって笑顔と涙のデビュー戦となった。
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