堀田茜と毎熊克哉がW主演を務めるドラマ『好きなオトコと別れたい』が、3月27日からU-NEXTで独占先行配信スタート。堀田が演じる働くアラサー女子・郁子が、毎熊扮する無職のダメ男浩次(ひろじ)の魅力にハマり込み、将来を考えると別れたいのに別れられない…というジレンマに陥る姿をコミカルに描いたストーリーだ。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
ドラマの始まりは、会社帰りにヒロインの郁子がつぶやく「疲れた…。結婚したい…」という心の声。疲れた体と心をアルコールで癒そうと、郁子はコンビニで“いつものおつまみ”である「貝ヒモ」を買おうとする…が、残念ながら売り切れ。ここで改めて「週末の楽しみが酒と貝ヒモでの自宅ひとり飲みだけ」ということを突きつけられた郁子が、老後を不安に感じてマッチングサービスに頼ろうとするのも無理のない行動だ。
そんな働くアラサー女子の“週末あるある”が、ドラマチックに展開するのはここからだ。婚活サイトを眺めながら帰宅した郁子を玄関前で待っていたのは、別れたはずの恋人・浩次。「貝ヒモ」を差し出しながら「一緒に飲もう!」と部屋に入ろうとする浩次を郁子は追い出そうとするが、結局はほだされてしまい、ずるずると「だらしない休日」を2人で過ごすことに…。
なぜ、郁子は“好きなオトコ”である浩次と別れたいのか?そして、なぜ別れられないのか?それは、浩次が30歳をゆうに超えても定職のないダメ男なのに、顔が好みで、とにかく優しく(酔って吐いてしまった郁子の吐瀉物を自分のシャツで受け止めるほど!)、さらにカラダの相性もばっちりという、郁子にとっては唯一無二の存在だから。
実はこのドラマ、冒頭から約11分間もの長尺を、回想シーンを除けば堀田と毎熊のほぼ2人きりでストーリーを回している。ぐずぐずの関係とわかっていながらもやめられない濃密な男女の情を、コミカルな中にも丁寧に、そして要所ではしっとりと描き出し、"別れられない2人”の関係性を説得力をもって見る者に伝えてくる構成になっているのだ。
そして、その説得力は、演じるキャスト、郁子役の堀田と浩次役の毎熊というキャスティングからも生まれている。職場ではデキる女として何事も卒なくこなし、それでいて明るく人当たりのいい美人…なのにダメ男の沼にいる、という郁子を演じるのが、堀田茜というのがまずハマっている。バラエティでは体を張って、時には情けない姿もさらけ出してきた堀田が演じるからこそ、「美人だけど、私たちと同じ人間なんだよな。わかる、わかるよ!」と親しみを持てるのだろう。
さらに、昨年の大河ドラマ『どうする家康』でも注目を集めたイケオジ俳優・毎熊が、顔とカラダがイケている上に、優しくて、いやらしくないエロさがあり、無職のダメ男なのについついハマってしまう…、という浩次を演じるとなれば、観たくならないわけがない。そして、毎熊は見事に、その武器である美声も駆使して、「このオトコなら仕方ない」と女子一堂がうなずくしかない浩次を体現している。
月曜の朝。出勤の支度を整えた郁子は、浩次に「出ていって」と再び別れを告げる。それに対して「なんで俺のことが好きなのに、ほかのオトコと結婚したいの?」と迫る浩次。「もう疲れたの。いつまでも独身で、将来ひとりでいることに。本当は、好きなオトコと一緒にいられるほうがいいに決まってる」。恋愛に疲れた経験がある女子ならば、共感の涙を禁じ得ないワンシーン。「恋愛したい人と結婚したい人は違う」という普遍的なテーマは、きっとどの年代にも響くはずだ。俯く郁子を浩次は背中から抱きすくめ、「バカなのかも、私」とやっぱりほだされてしまう郁子。頭ではわかっていても、ずるずると続いてしまうこの関係性もまたリアル。
そんな中、郁子の前に現れたのは、中国支社から本社に復帰したエリート後輩男子の青山。明らかに郁子に気があることがバレバレの青山から、郁子は高級寿司店のディナーに誘われるが…。
この時点では、見る者のほぼ100%がおそらく「郁子、青山にしておけ!」と思うに違いない。婚活サイトに頼るまでもなく、誠実そうなエリート青年の青山が向こうから手を差し伸べてきたのだから。ちなみにパリッとしたスーツを着こなす、さわやかな年下男子・青山を演じるのは、LDHのダンス&ボーカルグループ、FANTASTICSの木村慧人。可愛げ100%のハニカミ笑顔も女子のハートをくすぐってくる。しかし郁子の選択は…!?
どうして郁子が浩次と別れられないのか…。まだまだ初回では、その理由ともなる浩次の人間性はきっちりとは明かされていない。しかし、少年時代の浩次のキャッチボールのシーンなど、伏線になっていそうな場面も。回を重ねるごとに明かされていくであろう「別れられない理由」に注目して、次回の配信を待ちたい。果たして、郁子は浩次と別れてしまうのか⁉ リアルなアラサー女子の恋模様を、我がことのように見守ってしまうドラマになりそうだ。
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Edited by
- 本嶋るりこフリーライターエディター
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