日曜劇場『下剋上球児』スピンオフ企画『下剋上セレクション 完全版』も第9回で「ラストイニング」!甲子園球場での撮影の裏側や、クランクアップなど貴重な映像満載でお届け!U-NEXTにて見放題で全話独占配信中!
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高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテインメント『下剋上球児』第10話が12月17日(日)に放送された。
第9話では、宿敵・星葉高校との準決勝に臨む越山高校。山住と久我原を欠き動揺する選手たちだったが、根室の完投と翔のサヨナラヒットで見事決勝進出を決めた。
“日本一の下剋上”を目指し戦ってきた南雲と越山高校野球部の選手たち。ここでは、どこよりも詳しい最終回・第10話のレビューを紹介。かつて“残念のザン高”と呼ばれた彼らが挑む下剋上はどうなるのか──最終話を、ぜひご覧いただきたい。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
全日本高等学校野球選手権、三重大会決勝戦当日。
試合前のザン高ベンチには山住(黒木華)の姿があり、壮磨(小林虎之介)にも笑顔が戻った。大事をとって休むはずだった久我原(橘優輝)も現れ、ザン高のメンバー全員が揃った。スタンドには大勢の観客が詰めかけ、星葉高校のブラスバンド部も応援に駆け付け、ザン高が“日本一の下剋上”に挑む決勝戦の準備はすべて整った。
準決勝の緊張感とは打って変わってリラックスした選手たち。
南雲(鈴木亮平)が「やり切って、勝って帰ろうぜ!」と選手たちを送り出す。決勝戦に先発出場することに不安を感じていた椿谷(伊藤あさひ)が、「俺でええんかな、じゃないやん。俺がキャプテンや!」と、誇らしく円陣に入っていく。
そして「今日勝ったら甲子園や!越山魂見せるぞ!今日は絶対勝つぞ越山!!」の雄叫びに、19人の気合の声が重なった。
1回表。山住の帰還に安堵の笑顔を浮かべる1番打者の壮磨が、ヒットで塁に出た。椿谷が送りバントで確実に塁を進めようとするが、ダブルプレーに倒れる。やはり強豪・伊賀商業の守備は固い。
しかし、2回裏の伊賀商業の攻撃では、ライトに飛んだヒット性のあたりを楡(生田俊平)がスライディング・キャッチするなど、ザン高も負けていない。
試合は0対0の均衡を保ったまま、中盤戦を迎えていた。
5回裏。前日完投した疲れが残る上に、打率4割超えのバッターを5人も擁する伊賀商業との対戦で、先発登板した根室(兵頭功海)は早くも疲れを見せていた。1アウト、ランナー満塁のピンチを迎えると、根室の渾身の一球をはじき返され、ついに伊賀商業に1点を許してしまう。
伊賀商業の次のバッターは、今大会打率7割を超えている4番の牛久。南雲の声がけで落ち着いた様子の根室だが、牛久にもヒットを打たれ、ザン高は0対3と引き離されてしまう。
ここで南雲が動き、根室に代えて阪(中山翔貴)をマウンドに送る。悔しさに涙をにじませる根室だが、南雲が「根室!よくやった!」と讃え親指を立てると、いつも支えてくれた南雲との歴史を振り返り、笑顔を浮かべて頷く。最後のマウンドになるかもしれない悲しさに再び涙を流す根室に、スタンドからは温かい声援が送られた。
6回表、越山高校の攻撃。南雲は、賀門(松平健)から託された伊賀商業の攻略メモを見ていた。賀門のメモから投手・脇坂の牽制球のクセを知り、見極める南雲。そして仕掛けたダブルスチールが見事に決まり、1アウト二塁・三塁のチャンスを作ると、根室が見事ヒットを打ち、一気に2点を返すことに成功した。
続く壮磨も痛烈なヒットを放ち、根室が還る。3点を引き返された直後の回に、ザン高は伊賀商業に3対3と追いついた。
しかし喜ぶのも束の間、7回裏の伊賀商業の攻撃。1アウト満塁とピンチを迎えると、根室の後を投げていた阪もつかまり、2点を勝ち越されてしまう。
終盤につけられた点差に焦る南雲と山住。しかしその時、スタンドから日沖(菅生新樹)が「イメージしろ!」と叫ぶ。「勝つイメージや!」「ピンチはチャンス!」「お前らすごいぞ!」ザン高野球部のOBたちが、いつか南雲からもらった言葉を口々に叫ぶ。選手たちも声を掛け合い、グラウンドとベンチ一体となって闘志を切らさない。
南雲は、頼もしい選手たちの姿に焦りを忘れ、笑顔を浮かべると、晴れやかに選手たちを眺める。山住の「監督、いきますか?」の言葉に、南雲は笑顔で「乾坤一擲!」。ついに、エース・翔をマウンドに送ることを決断したのだ。
レフトを守っていた翔がゆっくりとマウンドに向かう。南雲は、自らピッチャー用のグローブを翔に手渡すと、「翔!任せたぞ」と肩を叩き、強く送り出す。
1アウトランナー一塁、三塁。伊賀商業は追加点を狙いスクイズを仕掛けてきた。南雲は、確実に1アウトを取ろうと、バントを処理した壮磨に一塁に投げるよう指示するが、壮磨はこれを無視して二塁に投げる。なんと一塁ランナーとバッターランナーを刺し、これ以上の失点を許さずに抑えたのだ。
自分の想像を超えていく選手たちの姿に、南雲から思わず笑みがこぼれた。
8回表、越山高校の攻撃。守備から戻ってきた選手たちに、南雲が語りかける。
「みんなに相談がある。こうなったら絶対に勝ちたくなってきた。どんな手使ってもいいか?卑怯な手でも、姑息な手でも。スポーツマンシップに則ってない、そう言われるかもしれない。それでもいいか?」。高校時代、勝利のために賀門監督が言い渡した敬遠策を拒んだ南雲。その南雲が、“正々堂々”をかなぐり捨てて勝ちにこだわろうと、覚悟を決めた面持ちで尋ねる。
だが、椿谷は「ルールに則ってれば、姑息もせこいもないです」と笑顔で返す。翔も「残念とか弱小とか、散々言われてきたやないですか」と言うと、楡が「何言われたってええ」。南雲の不安など一切不要だったかのように、選手たちはたくましく微笑む。
選手たちの想いを受けて、山住が「下剋上!やってやりましょう!」と吠える。いつも選手たちを鼓舞してきた南雲が、逆に選手たちから励まされ、我を取り戻した。
南雲は「強いなぁ、お前ら!」と、選手たちの頼もしさに、涙まじりの声で感嘆する。そして涙を振り切るように「よぉし!勝負こっからだぞ!思ったようにいけ!」と選手たちを送り出した。
壮磨がツーベースヒットで出塁し、椿谷が打席に入る。南雲は、椿谷にバントのジェスチャーを送る。1球目を椿谷がバントし損ねると、ベンチから選手たちが口々に愚痴る。なおもバントのサインを送る南雲。伊賀商業のベンチでは、監督の十文字(元木大介)がそれを察知し、サードの守備を前進させる。
しかし2球目、バントの構えから一転、バットを振り抜く椿谷。壮磨を三塁に進め、椿谷自身も果敢なヘッドスライディングで一塁セーフとなった。
ザン高は、チーム一丸となって伊賀商業をダマし、ノーアウト一塁、三塁とチャンスを広げたのだ。
さらに南雲の作戦は続く。南雲は、久我原の耳元で指示を伝えると、一塁に出た椿谷の代走に送る。
ピッチャー・脇坂の1球目で盗塁を試みる久我原。俊足の久我原の盗塁を警戒していた伊賀商業のキャッチャーは、すかさず二塁に送球する。しかし、二塁ベースを前に久我原が“わざと”転倒。
伊賀商業の内野手たちが久我原を刺そうと翻弄されている間に、なんと三塁ランナーの壮磨がホームに還ってくる。強豪校を食ったようなトリックプレーを繋ぎ、ザン高は4対5と点差を縮める。
続く楡が、4番らしい大きな当たりのツーベースヒットで出塁すると、中世古(柳谷参助)も左中間を抜けるヒットで楡を還す。ザン高のスラッガー2人がバットで魅せ同点に追いついたザン高は、阪もヒットで続き、一気に6対5と逆転を果たした。
9回裏、伊賀商業の攻撃。この回を守れば甲子園が決まる最終回だが、ザン高はノーアウト満塁と最大のピンチを迎えていた。根室のファインプレーもあり、2アウトまでこぎつけるが、次のバッターは4番の牛久。
1打サヨナラのピンチに、南雲が久我原を伝令に送る。
久我原がにやにやしながら伝えた伝令の言葉は、「ここでひと息」。翔が「そんだけ?」と笑う。マウンドに集まった選手たちは笑顔で深呼吸をし、リラックスした。
2ストライクと追い込んだ3球目。キャッチャー・壮磨が右腕を強く振り、翔に全力の球を要求する。頷く翔。翔の全力のストレートに、牛久のバットが空を切る。
最大のピンチに、翔が4番打者を三振に打ち取り、越山高校は伊賀商業を6対5で下した。三重県大会優勝、甲子園出場が決まり、ザン高野球部は、ついに下剋上を果たしたのだ。
帽子を押さえて泣く翔。南雲は大きくガッツポーズを振り下ろすと、ザン高野球部を共に育ててきた山住と抱き合う。選手たちがマウンドに集まり、涙し、肩を叩き、抱き合い、歓喜に酔いしれた。
後日。越山高校では、在校生や遠征費用を賛助してくれた街の人々に、甲子園出場を報告する会が開かれていた。
チームを代表して南雲が挨拶をする。
「ひとつだけ言えることは、負けてもそこで終わりじゃない。必ず次がある。次を目指してる限り、人は終わらない」。
2年前、部員も少なく、試合に負けてばかりだった“残念のザン高”から、甲子園出場の下剋上を成し遂げた野球部の選手たち。そして、罪を犯し、贖罪の日々から下剋上球児たちの監督に戻ってきた南雲。その経験を胸に、南雲は語った。
「今ここから見る君たちの顔はすごく明るい。その明るさで、思う存分高校生活を楽しんでくれ!」2年ぶりに教壇に戻ったように、南雲は在校生たちにエールを送った。
2023年冬。下剋上から5年。
ザン高野球部のグラウンドには、山住と、コーチを務める翔の姿があった。翔は教育者の道を選んでいた。
根室は、スカウトを受けて大学で野球を続けた後、社会人野球のチームで活躍している。
実家の旅館を継いだ三鬼(青山俊雄)。その旅館で開かれるOB会に集まるかつてのザン高野球部の選手たち。漁業に従事する野原(奥野壮)、畑を営む阪が、獲れたての食材を持ち込む。椿谷は市役所勤務、久我原はなんと自転車のプロチームでオリンピックを目指している。
中世古は大学卒業間近で、教員免許も取得しようとしている。富嶋(福松凛)には家族があり子どももいる。転職ばかりしていたという楡は、壮磨と会社を立上げた。
伊賀商業との一戦を前に、南雲が「野球を通して上手くなってることってのはたくさんあるんだよ。できないことをできるようになるまで頑張ったり、チームの中で何ができるかなって考えたりな。そういうのは、野球以外でも役に立つんだよ」と、選手たちに語った言葉。それを体現するように、ザン高野球部の卒業生たちは、それぞれの場所で活躍している。
そして南雲は、高校野球に拘らず、いろいろなところで野球指導をしている。
時は戻って、2018年、夏。甲子園。
越山高校は、1回戦で0対11と大敗を喫し、夏を終えた。
だが、試合終了の時、南雲にも選手たちにも涙はなく、ただ晴れやかな笑顔を湛えていた。
SNSでは、「泣きすぎて頭痛くなった!」「最終回を見終わってまた、ゲエゲエ泣いた」「面白すぎて最終回3回見て3回ともちゃんと泣いた」と下剋上の大団円に感動の声が寄せられた。また、「最終回で出てきたセリフに勇気づけられました。ちょっとずつでも頑張ります」「『負けても次がある』その通りです!」「つまずいたってまた這い上がれる!」「現代における最も重要なこと、忘れてしまったことが描かれてる作品かも」など、ドラマの感動を現実の人生に還元する言葉が多数見られた。
南雲自ら、罪という失敗からの再生を見せた『下剋上球児』。その背中を追って、諦めていた青春から這い上がり、甲子園出場という下剋上を果たした球児たち。彼らの言葉や姿が視聴者たちの心に届いたようだ。
第10話はこちらから
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※アイキャッチのコピーライトは「©TBS 撮影:ENO」です。
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