『25時、赤坂で Season2』第4話 「負けたくない」に込められた最大の愛おしさ
白崎は羽山にオーディションが終わるまで、しばらく距離を置くことを提案。一緒に暮らし始めたばかりのふたりだったが、しばしの家庭内別居状態に突入し…?

駒木根葵汰&新原泰佑がW主演を務める水ドラマ25『25時、赤坂で Season2』の第5話が、10月29日に放送された。
舞台『雨と懺悔』のオーディションの最終選考に揃って進んだ白崎由岐(新原泰佑)と羽山麻水(駒木根葵汰)。
そんな中、羽山には映画の主演のオファーが。もともとは別のキャストが主演の予定だったが、体調不良で降板。そこで監督たっての希望で、羽山に声がかかったのだ。しかし、オーディションで選ばれれば、映画の撮影とスケジュールがかぶってしまい、物理的に両立することは不可能。舞台か、映画か。マネージャー・明野圭(片山萌美)は羽山に映画を選んでほしいと言うが……。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
羽山に提示されたのは「やりたい仕事とやるべき仕事、どちらを選べば良いのか」という問題。羽山の『雨と懺悔』に対する想いは強い。しかし、仕事において「ぜひあなたにやってほしい」と言われるのはとても光栄なことでもある。
羽山はたまたま食事に誘ってきた佐久間(宇佐卓真)に相談をする。似たような経験がある佐久間の答えは、自分のポジションを確立するためにマネージャーと相談して「やるべき仕事」を選んだ。ただ、羽山の場合はすでに芸能界でそのポジションは確立されている。それならば、やりたいことはなんなのか、意志を示してもいいのではないか、と佐久間。羽山の悩みは深まっていく。
結局、羽山は「やるべき仕事」を選んだ。最終選考を終えた白崎はその話を聞き、わずかに表情をゆがめる。白崎は羽山の心を心配していた。それで羽山がやりたいという心を殺すことになるのではないか、と。
羽山は「期待に応えることが俺の仕事だから」と言うが、その本音は白崎にも言えないのかもしれない。
どうも、羽山は白崎に本音を隠しがちのような気もする。白崎に対する愛は余すところなく伝えている気がするのだけれど、仕事のことになると言葉が足りなくなるような……。同じ仕事だからなのか、でも、別の仕事だったとしたら「きっとわからないから」で口を閉ざしてしまいそうである。
羽山が何か言葉にできない想いを抱えているのは、白崎がオーディションに受かったとの報告を受けたときに滲み出ていた。そっと『雨と懺悔』の本を棚にしまう様子に何とも言えない寂しさが感じられた。
常人だったら、「受けていたら自分が選ばれていたかもしれない」と思わずにはいられない。そして思ったあとに自己嫌悪に陥る。選ばれたのは最愛の恋人なのだから。
白崎が選ばれたことは嬉しい。でも、羽山だって少なからず悔しいに決まってる。……と勝手に考えてしまったけれど、セリフがないシーンに羽山のさまざまな感情が詰め込まれていたように思う。
一方で、白崎は白崎で「選ばれないことの苦しみ」も知っている。今回は、CMの仕事で選ばれなかったことに悔しさをにじませていた。
「自分を必要としてほしいって思っていた。選ばれたかっただけ」と『雨と懺悔』での役について分析していたけれど、それは白崎自身の気持ちでもあったのではないだろうか。
改めて、芸能界とは厳しい場所なのだと分かる。自分が選ばれたのか、選ばれなかったのがあまりにもあからさまに分かってしまう。そんな中できっと強くなっていくのだろうけれど、あまりにも残酷。でも、そんな自分を救えるのは自分でしかないのだ。
ところで、やるべき仕事とやりたい仕事の間で揺れているときも、家庭内別居を早くおしまいにしたい、という気持ちがしっかりと出ていた羽山がかわいい。白崎も意地を張らずに1日ぐらい甘えればいいのに! と思うが、一度言ったことを貫き通すところもきっと彼の良いところでもある。
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白崎は羽山にオーディションが終わるまで、しばらく距離を置くことを提案。一緒に暮らし始めたばかりのふたりだったが、しばしの家庭内別居状態に突入し…?
同棲を始め、プライベートは絶好調なふたり。そんな中、白崎は憧れの演出家が手掛ける舞台「雨と懺悔」のオーディションを受けることになる。
一緒にいられる時間が愛おしくて仕方がない2人。隙あらば互いに触れあい、キス。しかし、少し行き過ぎた。部屋の前でキスをしているところを、羽山のマネージャー・明野圭に見られてしまう。
ドラマ『昼のゆめ』をきっかけに注目を浴びることとなった白崎由岐(新原泰佑)。Season2では人気俳優・羽山麻水(駒木根葵汰)と恋人同士になった2人の物語が描かれていく。
第4話では、鮎美の新しい恋人・ミナトの生態が明らかに。勝男の心配をよそに、鮎美は結婚を見据えてミナトと同棲を始める。幸せな生活が始まるかと思いきや、早くも鮎美とミナトの決定的な違いが浮き彫りになり、暗雲が立ち込めた。
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