【ネタバレあり】胸アツ×サスペンス要素で名作誕生の予感!第1話から感動必至の『下剋上球児』レビュー。高校野球界最大の下剋上エンターテインメント、開幕!
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【ネタバレあり】胸アツ×サスペンス要素で名作誕生の予感!第1話から感動必至の『下剋上球児』レビュー。高校野球界最大の下剋上エンターテインメント、開幕!

2023.10.23 18:00

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36歳で高校の社会科教師になった元高校球児が率いる廃部寸前の野球部。そんな弱小チームが甲子園に行くという“下剋上”を果たせるのか──高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテインメント『下剋上球児』が、10月15日(日)より放送開始された。

主人公・南雲脩司は、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』以来、日曜劇場で2度目の主演を務める鈴木亮平。ほか、井川遥、黒木華、小泉孝太郎、生瀬勝久、小日向文世、松平健ら各世代の錚々たるキャスト陣が集結し、全員がオーディションで選ばれたという野球部員たちのフレッシュな演技を引き立てている。

また制作には、プロデューサー・新井順子×脚本・奥寺佐渡子×演出・塚原あゆ子の『最愛』チームのタッグで、“スポ根ドラマ”にとどまらない奥深い人間ドラマを期待させると、放送開始前から注目が集まっていた。

ここでは、どこよりも詳しい第1話レビューをご紹介。機微に富んだ主演・鈴木亮平の演技はもちろん、感涙必死な物語へとつながっていくことを予感させる第1話を、ぜひご覧いただきたい。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

2018年、夏。甲子園三重県予選大会決勝。春のセンバツ出場の強豪・伊賀商業対県立越山(えつざん)高校。甲子園まであと一勝の激戦、越山野球部を率いる南雲監督(鈴木亮平)の檄が飛んでいる──。

下剋上球児_第1話_07
©TBS/撮影:ENO

時は遡って2016年3月。この時、越山高校野球部は幽霊部員5名も含めてたったの6名。弱小とも呼べない、廃部寸前の状態だった。

この3月で定年を迎える野球部監督の横田(生瀬勝久)は、校長の丹羽(小泉孝太郎)を引き連れ、社会科教師・南雲脩司に次期野球部監督就任を打診するものの、南雲はあっさりと申し出を断る。

下剋上球児_第1話_02
©TBS/撮影:ENO

さらに、南雲を次期監督と見込んで「甲子園に行こう!」と誘う街の大地主・犬塚樹生(小日向文世)に対しても、「行けるわけないでしょ」と一蹴。「甲子園目指す子は県内でも星葉(せいよう)とか行きますよ」と続けるが、犬塚は怒り出してしまう。

実は犬塚の孫・翔(中沢元紀)は、中学時代に完全試合を果たすほどの投手で、一度は星葉の野球部にスカウトされるも、学力不足で不合格になっていたのだった。犬塚は、翔が入学した越山高校をなんとか甲子園に行かせようと、自分の畑を野球部専用グラウンドに作り替えて提供するという。有望選手も入ってくると説得されるが、南雲の表情はパッとせず頑なに固辞する。

下剋上球児_第1話_04
©TBS/撮影:Len

春休みのある日。4月に家庭科教師として赴任し、野球部部長を務めることになっている山住香南子(黒木華)が南雲の家を訪れた。

子どもの頃から野球マニアだった山住は、南雲が載った古い新聞記事の切り抜きを差し出し、「南雲先生ほどの適任はいない」とまくしたてる。南雲は高校時代、甲子園地区予選で決勝戦まで進む静岡一高の主将を務めていたのだ。しかし南雲は、「静岡一高がどんな勝ち方をして決勝まで登り詰めたか、覚えてます?」と山住を諭す。

実は静岡一高は、賀門監督(松平健)の“注目選手を敬遠する作戦”で決勝まで勝ち上がり、当時世間から非難を浴びていた。南雲たちは賀門に直訴し、決勝は正々堂々勝負させてもらうことになったが、結果、敗退して甲子園には出られなかったのだ。

その後南雲は推薦で大学に行くも、ケガをして野球部はおろか大学も辞めることに。そして、そうした負の記憶があるからか、高校のチームメイトで、野球を続けてる仲間はひとりもいないのだという。

「野球部の指導者はみんな甲子園を目指すという。でも、甲子園を目指していない子たちに言うのは、酷だし、無責任です」晴れない表情で高校野球への想いを吐露した南雲はやはり監督就任を断ったが、妻・美香(井川遥)の後押しもあり、「相談に乗るくらいなら」としぶしぶ野球部への協力を約束するのだった。


4月、“犬塚ドリームグラウンド”と名付けられた野球部専用グラウンドがお披露目された。新入生が入学し、犬塚の孫・翔の姿も野球部の仮入部員としてやってきた。唯一練習を続けている3年生・日沖(菅生新樹)がキャッチャーを務めるが、翔の多彩な変化球をまったく捕球できない。バットの持ち方もままならないメンバーもいて、翔は「素人ばっかりや」とぽつり。

家に帰った翔は、星葉にスカウトされた時の高揚感を思い出し、野球部とは名ばかりで素人だらけのチームにいる自分の境遇を恨み、涙を流しながら投球練習を続けた。

下剋上球児_第1話_03
©TBS/撮影:Len

結局、1年生の野球部への入部希望者はたったの3名だった。山住が目をつけていたメンバーの多くは他部への入部を希望しており、中でも期待していた日沖の弟・壮磨(小林虎之介)の名もなかった。

それにもめげず、幽霊部員も含め、みんなに声をかけると宣言する山住。

「翔君の投球が必ず勝たせてくれる。日沖君は練習を欠かさない体力と精神力。楡君(生田俊平)には打力があるし、椿谷君(伊藤あさひ)は初心者なので伸びしろマックスです!」と前向きだ。

下剋上球児_第1話_06
©TBS/撮影:ENO

ある日犬塚が、次の日曜日に練習試合を決めてきたと越山高校にやってくる。だが、幽霊部員まで含めて8名の野球部は、あと1人が足りず、南雲は、軟式野球経験者だが通学に4時間かかるため入部を諦めた根室(兵頭功海)に声をかけた。「俺なんか万年控えやし、硬式初めてなんでダメかも…」という根室に「じゃあ初めてのレギュラーだな、おめでとう」と微笑む南雲。そして「俺なんかとか言うなよ」と照れくさそうに語りかけた。

幽霊部員たちが重い腰を上げ、根室も参加を決め、ついに試合に臨む9名が揃った。

しかし試合当日、他校との練習試合が決まったからと試合相手からキャンセルの連絡が入る。士気が下がる生徒たちに、「せっかく9人揃ったんだし試合しよう」と提案した南雲は山住と街へ走り出した。そして、急遽声がけして集まってくれた地元の中年草野球チームと初の試合が決定した。

下剋上球児_第1話_05
©TBS/撮影:ENO

いよいよ試合開始。

翔は得意のスライダーから入ると、大人を相手に三振をとる好スタート。「こっちは草野球の県大会準優勝してんやで!」とバッターが息巻くと、心の中で「優勝してへんやん」とエースらしい強心臓で、次々にアウトを重ねていく。

6回、翔の好投で互角に進む試合だったが、打線の援護がないままで孤軍奮闘する翔にも疲れが見えてきた。南雲はそれに気づいていたが、静かに見守ろうとベンチ後方に座っていた。

守備が苦手な楡に打球が飛びヒットとなると、続けてエラーもあり、塁が埋まってしまった。翔は「下手くそ」とイラつき、野手たちもどう動いていいか分からなくなりチームはバラバラに。次の打者の打球にもエラーを重ね、2得点を許してしまった。

「椿谷、伝令行ってこい」見かねた南雲がついに動く。キャッチャー・富嶋(福松凛)に指示を送ってサインを出し、翔の配球に緩急を持たせ三振に打ち取ることに成功したのだ。

翔は、南雲の的確な指示に目を見張る。審判を務めている横田も南雲のサインに驚いた表情を隠せない。

すっかりベンチの前線に立ちグラウンドを俯瞰する南雲は、草野球チームの大人たちと犬塚がやじり合うのも耳に入らず、一人思い耽っていた。

「何年ぶりだ。ベンチから見るこの景色」。

すると南雲の表情は、さっきまで選手たちに声をかけていた社会科教師・南雲の温かい笑顔から一転、闘志が漲る監督の顔に変わっていく。

「返すぞー!!まずは一点!!!」南雲の叫びが轟き、グラウンドに緊張感が走る。

監督はやらないと自分に言い聞かせる南雲だが、選手に飛ばす激は止まらない。

6回裏。“ぼっち”と笑われながらも毎日たった一人で練習を続けてきた日沖が、南雲のアドバイスを反芻しながらついに2点ランニングホームランを放った。

越山高校の得点はこの2点に留まり、試合は12対2の大敗に終わった。だが、選手たちの表情は晴々しく野球を楽しんだという喜びにあふれていた。試合後も練習を始めるという彼らの姿に南雲は、「日沖たち3年生が、引退するまでだったら」と、監督を引き受けたのだった。


一方、南雲家では、美香が電話で話していた。

「大事なんだね家族が。でもそれで自分自身の仕事を犠牲にするんだ」電話の向こうの男の声に、美香は「東京には行けません」とつっぱね、思いつめた表情を見せる。


試合から帰ってきた南雲の元に、なぜか賀門が現れた。すでに監督就任を知っていて、

「なぜ監督、夏までしかやらないんだ?」と聞いてくる。

すると南雲は「今年度を最後に、教師を辞めようと思ってます。なろうと思ったところからもう、間違ってた気がします」。卒業生の名前を全部覚えていて、地域にも愛されている、教師として申し分ない様子に見えていた南雲が、悲しい眼差しで衝撃の告白を始める──。

SNSでは、「部員たちの姿に南雲先生の心が動く瞬間、痺れた」「球児たちを最後まで見届けたい!」「試合のシーン×主題歌は胸アツ確定演出で、わかっているのに興奮した」など、青春スポーツドラマへの熱いコメントが多数。と同時に、「謎要素も忘れないのがさすがの制作陣」「今までのスポーツドラマとは違う物語になりそう」と、なにかを隠している様子の南雲や美香など、サスペンスドラマのような不穏な空気感に、早くも続きを期待する声が寄せられた。

また、阪神タイガース、千葉ロッテマリーンズなどで活躍した鳥谷敬が、草野球ピッチャー役でゲスト出演したことも話題に。「豪華すぎる」「オーラが違う」とその存在感が賞賛されていた。

下剋上球児_第1話_08
©TBSスパークル/TBS 撮影:ENO

監督を引き受けた途端、今年度で教師を辞めると宣言した南雲。日本一の下剋上まであと822日。生徒たちの前途多難な挑戦はどうやって果たされていくのか──?


第1話はこちらから

第2話予告編

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