【ネタバレあり】生徒の暴力事件勃発！罪を抱えた南雲がチームを離れ…予選大会を前に暗雲立ち込める『下剋上球児』第3話レビュー

2023.11.04 20:00

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高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテイメント『下剋上球児』第3話が10月29日（日）に放送された。

第2話では、チームが一つにまとまりかけた矢先、南雲が教員免許を持っていないという衝撃の事実を告白。そして同じころ、街のバッティングセンターで椿谷が酔った客にからまれ、日沖の弟・壮磨がそれを止めようとバットで襲いかかろうとしていた──。

感涙の物語から一転、衝撃の展開で終わった第2話を経て、ここでは、どこよりも詳しい第3話レビューをご紹介。教員免許偽造という明らかな犯罪を犯している南雲は、生徒たちとどう向き合っていくのか──予選大会を前に次々と苦境が立ちはだかる第3話を、ぜひご覧いただきたい。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

バッティングセンターの外では、日沖壮磨（小林虎之介）と酔った大人たちが言い争い、壮磨の仲間たちも加わって警察が動くほどの乱闘騒ぎになっていた。

南雲（鈴木亮平）と山住（黒木華）が連絡を受けて警察に駆け付けると、補導された壮磨がやってくる。壮磨ははずみで突き飛ばしただけだと言うが、相手は殴られてケガをしたと、言い分は食い違っていた。

結果、壮磨は処分が決まるまで自宅謹慎となり、担任の南雲が事態に対処することになった。

「中退でええ。勉強だるいし」。投げやりな壮磨に、「一生懸命考えたなら中退でもいいよ。めんどいだけなら卒業しとけよ」と南雲は語りかける。

壮磨は、3年間ひとりで野球の練習をしてきた兄・日沖（菅生新樹）を見て、高校生活に希望を持てずにいた。野球が上手くなりもせずがんばり続ける兄を、壮磨は「アホでしょ」と言い捨てるも、南雲は「誰にでもできることじゃないけどな。俺があいつの立場だったらとっくに諦めて辞めてる」。日沖の3年間の努力を称賛する南雲を、壮磨は真剣な眼差しで見つめていた。

甲子園予選まで50日。

野球部では、あらためて横田（生瀬勝久）が監督に就任することになった。南雲が壮磨の事件の対応をしているからという建前だが、選手たちは南雲が戻ってこないのではと不安気だ。

練習試合で11対4のコールド負けを喫しても緊張感がなく、とりわけ壮磨の兄・日沖と、事件の発端となった椿谷（伊藤あさひ）は元気がない。

その日の夕方、思い詰めた表情の日沖が南雲の家を訪れた。

「壮磨やないんです。俺です。言えんですいません」。日沖は、もみ合いになる壮磨を引きはがそうとして、相手を突き飛ばしケガをさせてしまったと、バッティングセンターでの真相を告白する。

壮磨は、兄・日沖と越山高校野球部を庇い、自分が罪を背負おうとしていたのだ。

野球部が大会に出場停止となることを不安に思う日沖に、南雲は「明日一緒に謝りに行こう。後のことは、それからだ」。それだけ言うと、日沖の肩をぽんとたたいた。

翌日。丁重に謝罪する南雲と日沖に、「これ、弁償してくれる言うからきたんやで」と壊れたスマホを差し出し息巻く被害者。

しかし、南雲は事件以来聞き込みに奔走し、被害者が元々割れていたスマホを事件の際に壊れたとうそぶいていることを突き止めていた。

南雲がそれを突きつけると、バツが悪くなった被害者は警察への被害届を取り下げ、事件は解決を見ることとなった。

壮磨の自宅謹慎も解け、野球部も無事出場停止を免れた。

学校にも警察からお咎めなしの連絡が入り、事件の終息にホッと胸をなでおろす校長の丹羽（小泉孝太郎）に、南雲は退職の話を切り出した。

しかし丹羽は「代わりの先生が見つかるまで」と言葉を濁す。実は南雲は自身の罪に苛まれ、毎年退職を申し出ていたが、丹羽に慰留されていたのだ。南雲が赴任してから越山高校の中退者が減っており、丹羽は南雲に学校再生の光明を見出していたためだ。

事件は解決したものの、南雲は野球部に顔を出さなかった。それでも、南雲は選手たちの力になりたいと、山住から届く試合の映像を見ては改善点を伝え、練習方法など細かな指示を出していた。だが、野球部は練習試合を重ねても大敗が続き、選手たちは南雲の不在に不安を募らせていた。

キャッチャー・富嶋（福松凛）は自分の実力不足ゆえ、ピッチャーの翔（中沢元紀）が本気で投げられていないことを悟っていた。ある日富嶋は、中学時代に有望なキャッチャーとして知られていた壮磨を野球部に誘う。

壮磨が入れば富嶋は正捕手の座を失ってしまうが「お前の兄貴（日沖）ら3年生、何としてでも勝たしたい」と熱く勧誘する。山住や兄・日沖をはじめ、みんなが自分を野球部に誘ってくるが、壮磨は「野球部入れ言わんのは南雲だけや」とどこか満足げだ。野球に関係なく自分を見てくれる南雲を信頼し始めていた。

一方日沖は、「俺、予選出やんことにした」と野球部のメンバーに告げる。バッティングセンターで事件を起こしたことを野球部のメンバーに謝罪し、自分なりのケジメとして試合には出ないというのだ。キャプテンからも降りようとするが、「お前がやらんで誰がやんねん！」と同じ3年の長谷川（財津優太郎）や藤本（鈴木敦也）が声を荒げてキャプテンの座に繋ぎとめる。

野球部を想うそれぞれの気持ちが錯綜していた──。

甲子園予選まで39日。ついに、南雲を待つ選手たちの想いがせきを切る。

学校内を探し回り、野球部一同で南雲の元を訪れると、矢継ぎ早に「はよ部に出てきてください」「なんで練習も試合も観に来てくれやんのですか？」「俺らのことは、もうどうでもええんですか？」「なんで？監督やってくれやんのですか？」。いつも選手たちを見守ってきた南雲だが、謝ることしかできず、深々と頭を下げる。

「監督と、部長先生と選手の登録、締め切りは予選抽選会の日です。それまで、先生が戻って来るの待っててもいいですか？」富嶋が問うが、南雲は何も答えられずにいた。

そして甲子園予選組み合わせ抽選会当日。ついに南雲は動かず、山住は独断で決めた選手登録書類を提出した。南雲が現れないまま、抽選会は始まってしまった。

しかし、越山高校の順番が回ってきた時、南雲が会場に駆け付ける。「気になって、来ちゃいました」そう話す南雲に、山住が提出した選手登録書類を差し出すと、なんと副責任教師の欄に南雲の名が書かれていた。

「副部長なら、監督ほど目立ちません。インタビューとか取材を受ける必要もありません。私も共犯になります」。山住はチームに南雲が必要と考え、凛とした表情で宣言した。

「彼らの夏が終わったら、自分も決着をつけます」。南雲もまた、選手たちとともに大会に出場し、その後に自分の罪と向き合おうと覚悟を決めるのだった。

南雲が戻り、活気を取り戻した越山高校野球部は、夏の一勝に向けて再始動した。

予選大会開会式の日。乗る電車を間違えた楡（生田俊平）、背番号を間違えて縫い付けてきた根室（兵頭功海）、ベルトを忘れてきた紅岡（絃瀬聡一）と、浮足立つ選手たち。

南雲はそんな選手たちを入場行進に送り出し、笑顔で見守っている。

いよいよ大会が始まる。

一方、観客席で賀門（松平健）の隣に座る男が南雲に気づき、「あれ、南雲君ですか？落第して中退したと思ってました」と話す。賀門は、「卒業しただろう。教師になってんだから」と軽く答えるが、南雲が監督を務めないことに疑問を抱いていたこともあり、神妙な面持ちで南雲を見つめるのだった──。

SNSでは、「真っ直ぐに南雲先生を慕う姿に、胸が痛く苦しくなった！」「『私も共犯になります！』に、涙ドバっと出てしまった」と選手たちや山住の南雲への想いに感動する声が多数寄せられた。一方、南雲については、「こんな先生がいたらと思う度に、免許偽装がチラついて心が重い」と複雑なコメントが多く、南雲の去就について賛否が分かれているようだ。

日本一の下剋上まであと740日。罪を隠して野球部と夏を共にすると覚悟を決めた南雲。その手は、越山高校待望の一勝に届くのか？第4話もぜひご注目いただきたい！

第3話はこちらから