【ネタバレあり】山住にも隠された過去が…。南雲を呼び戻すため、悲願の1勝を目指して甲子園予選に挑む『下剋上球児』第6話レビュー
シェア

【ネタバレあり】山住にも隠された過去が…。南雲を呼び戻すため、悲願の1勝を目指して甲子園予選に挑む『下剋上球児』第6話レビュー

2023.11.26 10:00

高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテインメント『下剋上球児』第6話が11月19日(日)に放送された。

第5話では、南雲は警察に出頭し裁きを待ちながら反省の日々を送っていた。それでも、山住を介して練習メニューを考えるなど、野球部との絆を深める南雲の下に、弁護士・榊原から起訴か不起訴か、審判の連絡が入る──。

教職を退き贖罪の日々にありながらも、南雲がザン高野球部と絆を深めた第5話を経て、ここでは、どこよりも詳しい第6話レビューを紹介。南雲の罪はどうなるのか。離れ離れの南雲家は?そして再び監督不在となった越山高校野球部新チームは、新たな夏にどのように挑むのか──。戻るべき場所へ、それぞれの想いが巡る第6話を、ぜひご覧いただきたい。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

1年前。南雲(鈴木亮平)が出頭したことが広まり、越山高校も街も大騒ぎになっていた。そんな中、越山高校野球部では、楡(生田俊平)の発案で南雲への寛大な処置を求める嘆願書への署名を集めようと、選手たちが動き出していた。

下剋上球児_第6話_13
©TBS 撮影:ENO

幽霊部員になりかけていた野原(奥野壮)や紅岡(絃瀬聡一)も動き、街中に署名をお願いして回る選手たち。学校内で署名を募るのは校則違反、と生徒たちをたしなめる山住(黒木華)も、建前はよそに「で、どれだけ署名集まった?」と、南雲のために動く選手たちに喜びを隠せない。


そして、現在の南雲家。南雲の担当弁護士・榊原(伊勢志摩)が、不起訴を告げる書類を差し出す。南雲は無事、無罪放免となったのだ。続けて、榊原の助手・蓮見(向里祐香)が書類の束を出す。それは1年前から野球部の部員たちが集めていた嘆願書で、署名は2000名近くに及んでいた。嘆願書や署名には法的効力はないが、榊原は「影響は大やったと思います」と話す。

そこには、ザン高野球部員たちの署名はもちろん、南雲が最初に出会った生徒・越前(新井美羽)ら卒業生たち、校長として厳しく対処してきた丹羽(小泉孝太郎)の名もあった。

「みんな立派に…」南雲は涙を流し、深々と頭を下げた。



不起訴となった南雲は、仕事を求めて就職活動を開始する。しかし無罪とは言え、犯した罪は街に知れ渡っており風当りは強かった。

一方、犬塚(小日向文世)が塩尻(町田啓太)を解雇し、また監督がいなくなった越山高校野球部では、山住が監督を務める覚悟を決めていた。

下剋上球児_第6話_11
©TBS 撮影:ENO

2017年、甲子園予選組合せ抽選会。いよいよ新チームで“夏に1勝”を目指す大会が始まる。新キャプテン・富嶋(福松凛)が引き当てた1回戦の対戦相手は去年ベスト8まで進んだ格上の五十鈴高校。野原や紅岡は「クジ運最悪や」と富嶋をどやすが、ザン高を甲子園に連れていくと公言する1年・中世古(柳谷参助)は「初戦で五十鈴撃破したら、大騒ぎになるんとちゃいます?」、2年の壮磨(小林虎之介)は「俺ら相手にエースもスタメンも出してきやんのとちゃうか?」と前向きだ。

三者三様に初戦相手を受け止めるザン高野球部の前に、対戦相手・五十鈴高校の投手・椎野(松本怜生)が現れた。椎野は、山住の前任校・横浜青隆高校から転校してきた生徒で、「山住が青隆高校を辞めた理由を知りたくない?」と、不敵な笑みを浮かべながら近づいてきた。

椎野から、「野球部員と淫行して辞めることになった」という山住の退職理由を聞いたザン高野球部一同は、南雲に電話し、「先生俺ら事実を知りたいんすよ」と山住の退職理由の真偽を問い詰める。

しかし南雲は「山住先生がそんなことするわけないだろ。予選前にバカな事考えんな」と一蹴し、電話を切ろうとする。

その時、楡が「1回でも勝ったら、戻ってきてくれへん」と電話の向こうの南雲に話しかける。さっきまで椎野の話に歯切れが悪い選手たちだったが、「ホンマに勝ったら、部に戻ってきてくれます?」「資格なくても監督だけならええんやろ?」「負ける気ないで」と、南雲の返答も聞かず、“勝ったら戻ってくる”と勝手に約束を決め、「南雲連れ戻そうぜ!」と盛り上がるのだった。困り顔の南雲だったが、その眼には監督を務めた頃の気迫が溢れていた。

下剋上球児_第6話_08
©TBS/撮影:Len

全日本高等学校野球選手権、三重大会1回戦当日。

「ええか。この試合勝って、南雲をザン高に戻すで」。壮磨が選手たちを鼓舞する。野原は「なんや山住ディスってる3年も潰すぞ」と鼻息が荒い。気合に満ちた越山高校は、いよいよ予選1回戦に臨む。

下剋上球児_第6話_07
©TBS 撮影:ENO

五十鈴高校ベンチからは「おい監督ノックもできやんぞ」と野次が飛ぶが、ザン高野球部は耳を貸さない。山住は「頼りない監督かもしれん。でも、あんたらに悔しい想いはさせたくない。みんなの経験、私に分けて」と全員で戦う覚悟を見せる。富嶋が、「今年こそ、ザン高の歴史変えるで!」と気合を入れて、いよいよ試合が始まった。

下剋上球児_第6話_12
©TBS 撮影:ENO

五十鈴高校の先発投手は椎野。背番号は11番。やはり五十鈴高校は格下相手にエースピッチャーは温存してきたのだ。

投球する椎野を見つめる山住は、横浜青隆高校時代の椎野との因縁を思い出していた。栄養指導で野球部を補佐していた山住は、練習についていけないと悩む椎野に「諦めずに続けてみよう。がんばろう!」と声をかけた。だが椎野は、「がんばってないって言うのかよ」と山住の言葉に逆恨みし、学校に「山住先生にホテルに連れ込まれた」とうそぶいて山住を退職に追い込もうとしたのだ。

当時を思い出し山住は沈んだ表情で俯くが、選手たちの声を聞き、我に返った。


1回裏、五十鈴高校の攻撃。椎野の打球を富嶋がエラーしてしまい、越山高校は2点の先制を許してしまう。椎野の挑発に不穏な空気になりかける越山高校。しかし、「流れ切りましょ」と、控え選手ながら、対戦相手のデータを集めチームを支える椿谷(伊藤あさひ)が、山住と壮磨に声をかけ、士気を取り戻す。さらに1点の追加点を許すも、失点を最小限に留めて1回を抑えるのだった。

4回表。集めたデータを頼りに椎野を打ち崩そうするが、これまでにない球種に対応策を出せず、困惑していた。

下剋上球児_第6話_10
©TBS 撮影:ENO

チームが不安になる中、打順を待つ紅岡が、スタンドにいる南雲の姿に気づく。実は南雲は球場で、姿を隠して戦況を見守っていたのだ。しかし、越山高校の苦戦に拳を握りしめ、やきもきするうちにベンチから見える位置まで出てきてしまっていたのだ。

下剋上球児_第6話_06
©TBS 撮影:ENO

南雲を見ると、終始不安気だった山住が、満面の笑顔で拳を高く振り上げる。選手たちに見つからないようにしていた南雲も、たまらず拳を振り上げる。すると、「しゃあー!」と雄叫びを上げながら選手たちも次々に拳を掲げ、気合が満ちていく。南雲がいる、その存在だけで越山高校は息を吹き返した。

「たかが3点。こっからだぞ」。あらためてスタンドに座り、選手たちを見守る南雲。すると横に美香(井川遥)がやってくる。


7回表。相変わらず椎野を打ち崩せない越山高校だったが、椿谷が椎野の投球のクセに気がついた。山住と選手たちは、ベンチで椎野のクセを検証し始める。

下剋上球児_第6話_09
©TBS 撮影:ENO

一方、スタンドでは美香が南雲に問いかけていた。

「勝てるんかなぁ。押されてるんよねぇ」。尋ねる美香に、「勝負は、最後の最後まで分からない」と答える南雲。「仕事も決まらんし…」と続ける美香に、南雲は「仕事決まった」と28社目でやっと就職内定をもらったことを伝える。

美香は続けて「お母ちゃんが余命1年てなったとき、すぐに三重行こうって言ってくれたやろ?なんでそんなすぐに決められるん?」と問うと、南雲は「1日でも長く、お母さんの傍にいてほしかった」と即答。美香は、泣き出しそうな、嬉しそうな、そして申し訳なさそうな、南雲への様々な想いを募らせた表情で沈黙した。なぜか一人で観戦に来た美香は、まるで南雲の元に戻る理由を探しているかのようにも感じられた。

下剋上球児_第6話_02
©TBS/撮影:Len

椎野のクセに確信を持った越山高校。みんなの期待を背負って、根室(兵頭功海)が打席に向かう。椎野の一球目、根室が振り抜いた打球は、なんとセンターの柵を越えていき、3ランホームランとなった。これで越山高校が同点に追いつくと、疲れが見えてきた椎野は投球を崩し、死球と四球を重ね、越山高校にさらに一点が加わった。ついに越山高校が逆転したのだ。

9回裏。五十鈴高校最後の攻撃。越山高校はこの回を抑えれば、11年連続1回戦負けの歴史を変えられる重大な局面だ。根室が、ここまで一人で投げ続け疲れている翔に心配そうに近づく。山住も翔に確認するが、翔は「最後まで投げさせてください」とエースの意地を見せ、マウンドに上がった。

1アウトを取るも、同点のランナー出してしまい、続くバッターは椎野。翔の渾身の一球を椎野がはじき返すと、外野に抜けたと思われた打球をショートの富嶋がダイビング・キャッチした。

「バッターランナー、セカンド行ってる!!」スタンドから叫ぶ南雲の声に反応した翔が椎野をアウトにし、続けて飛び出していた2塁ランナーも、紅岡、壮磨、野原の連携で刺すことに成功した。

3アウト。試合終了。越山高校が、ついに“夏の1勝”を上げ、歴史を塗り替えた瞬間だった。選手たちが「山住先生!」「先生!」と、野球初心者ながら必死にチームを引っ張った山住の名を連呼しながらベンチに帰ってくる。

下剋上球児_第6話_04
©TBS/撮影:Len

そして、両チームの挨拶が終わると、スタンドの南雲に駆け寄る選手たち。「約束!覚えとるよな!」満面の笑顔の壮磨が叫ぶ。

南雲は力強く頷くと、監督の顔に戻り、「気持ち切らすなよ!次も負けんな!泣くの早いぞ!次だぞ次!次勝て!」選手たちに声を張り上げる。待望の監督の言葉一つ一つに、選手たちは喜びに満ちて「はい!」と繰り返した。


美香は、南雲に「私もあんたのとこ戻ろかな」と伝える。野球部に戻ることを誓った南雲に重ねるように、家族の元に戻ることを告げるのだった。「帰ろう」と南雲に呼びかける美香の表情は、いつもの柔和な表情に戻っていた。

球場の外で、エールを送り合う越山高校と五十鈴高校の選手たち。椎野が再び、「お前らの監督、生徒に手を出してクビになった」と捨て台詞を吐くが、山住はきっぱりと、「私はそんなことしてない。その生徒が何を考えてるのか何も分からなかったから、分からなかった自分が情けなくて辞めたの」と真っ直ぐ椎野を見つめて返答した。

そして山住は、「みなさんの分まで、精一杯がんばります!ありがとうございました!」と力強く挨拶をし、選手一同と深々と頭を下げた。南雲がいない間を支え、選手たちを育て、1勝を勝ち取った。山住は見事に監督を務めあげたのだった──。

下剋上球児_第6話_03
©TBS/撮影:Len

SNSでは、「本当にチーム一丸で勝った感じ。痺れたぁぁぁ!」「南雲に戻ってもらいたい生徒たちの1勝へのこだわりはなんて熱いのだろう」「甲子園優勝したんかってくらい感動して泣いた」「本物のスポーツの試合見てるみたいに応援したくなる」と、越山高校の1勝をチームのファンのように喜ぶ声が寄せられた。また、いつも無口だが、南雲への嘆願書のきっかけを作ったり、南雲にかわいがられる根室に嫉妬したりといろんな顔を見せた楡に対して「楡くんの行動力ありがとう」「楡くんがかわいくて大好きになった」「楡くんにたくさんご飯食べさせてあげたい」というファンコメントも多数見られた。

下剋上球児_第6話_05
©TBS 撮影:ENO

日本一の下剋上まであと373日。ザン高野球部との約束通り、南雲は監督に戻れるのか。そして予選大会2回戦もチームの下剋上は続くのか?第7話もぜひご注目いただきたい!

第6話はこちらから

第7話予告編

公式サイトはこちら

※アイキャッチのコピーライトは「©TBSスパークル/TBS」です。

Edited by

同じ連載の記事一覧

もっと見る

日本ドラマ 特集の記事一覧

もっと見る