【ネタバレあり】失敗した人の背中をいつまで蹴り続けるのか──ついに前を向く南雲とザン高野球部に涙、涙の『下剋上球児』第7話レビュー
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【ネタバレあり】失敗した人の背中をいつまで蹴り続けるのか──ついに前を向く南雲とザン高野球部に涙、涙の『下剋上球児』第7話レビュー

2023.12.03 10:00

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高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテインメント『下剋上球児』第7話が11月26日(日)に放送された。

第6話では、越山高校野球部の面々が不起訴になった南雲と「一勝したら監督に戻ってくる」と約束し発奮。甲子園予選1回戦に勝利し、ついに11年連続1回戦敗退の歴史を塗り替えた──。

“夏に一勝”を果たし、南雲が野球部監督に復帰する覚悟を決めた第6話を経て、ここでは、どこよりも詳しい第7話レビューを紹介。目標を果たし波に乗る越山高校野球部の、甲子園予選2回戦の行方は?選手たちとの約束通り、南雲は野球部監督に戻れるのか。いよいよ下剋上に走り出す第7話を、ぜひご覧いただきたい。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

全日本高等学校野球選手権、三重大会2回戦。越山高校の相手は、春の大会で優勝した強豪・伊賀商業。7回までを3対2とリードしていた越山高校だったが、7回裏に逆転を許すと、楡(生田俊平)のエラーが重なり大きく崩れ、結局3対8の大差で負けを喫した。

泣き崩れる野原(奥野壮)を、富嶋(福松凛)と紅岡(絃瀬聡一)が泣きながら支える。3年生の3人は、この敗北で引退。1回戦で歴史を塗り替える勝利をもぎ取った越山高校野球部の夏は、あっけなくも終わりを告げた。

南雲(鈴木亮平)は、いよいよ監督復帰をすべく、3年生が引退して新たなチームとなった越山高校野球部を訪れた。山住(黒木華)は熱を出して休んでおり、選手たちも敗北を引きずっているのか元気がない。楡はエラーを気にしたのか、試合以降部に顔も出していない。

すると南雲はおもむろに、直接指導したことがない1年生たちの名前を1人ずつ呼び、「君らを応援してた」と語りかける。1年生たちは名前を知られていることに驚いているが、翔(中沢元紀)や根室(兵頭功海)ら2年生たちは、南雲らしい振る舞いを誇らしそうに笑顔で見つめる。

南雲が「ザン高の歴史変えたんだよ。どんだけすごいことか分かってるか?もっと胸はってくれよ!」と、選手たちを讃え鼓舞すると、壮磨(小林虎之介)が「俺らもっと上まで行けたんや!」と悔しさを爆発させる。それを南雲は「悔しいよな。だけど負けは負けで認めようぜ。そっからしか始まんないんだよ」と、笑顔で受け止めた。

下剋上球児_第7話_06
©TBS 撮影:Len

いよいよ、南雲の新生越山高校野球部作りが始まった。

南雲が、昨年の卒業生・日沖(菅生新樹)らの協力で手に入れたマイクロバスで颯爽と学校に現れる。“ご長寿のんびりランド”とロゴの入ったバスに、「なんすかこれ?」と不審げに乗り込む選手たち。

南雲は「今年は練習試合増やす。野球上手くなるには実践が一番!」と、前年の3倍以上の試合数をこなすべく、このマイクロバスで県内県外の高校を回ろうと考えていたのだ。

この日早速3試合をこなす越山高校野球部だったが、その最中、山住に学校から連絡が入る。楡から退学届が提出されたと言うのだ。


山住は、野原と椿谷(伊藤あさひ)とともに、卒業生の長谷川(財津優太郎)が務める自動車整備工場で働く楡の元を訪れた。椿谷が「楡がおらんと、俺ら勝てやん」と声をかけるが、楡は「俺がおったら負ける」とまったく聞く耳を貸さない。

その夜。楡は、ひとり公園で素振りをしていた。ザン高野球部を辞めると言い張っているが、野球への愛情は変わっていないのだ。そこにやってきた翔が、「なぁ、甲子園目指そうって思うたことある?」背中に問いかけると、楡は振り返って「ない奴おるんか」と翔を睨むように答えて去っていった。


次の日。南雲が仕事終わりの楡を待っていた。

南雲が「野球が嫌になったわけじゃないんだろ?」と尋ねる。頷く楡は、担任教師から「こんままやと、進級できやんて言われた」と悩みを吐露する。

楡は中学時代、シニアリーグで野球をしていた。勉強が苦手な楡は学校をサボりがちで、当時の監督から「勉強も真面目にやれ。やらんと試合出さへん」と言われ、中学2年の時にそのシニアリーグを辞めた過去があった。

楡は、今回もまた野球を辞めるしかないと考え、野球を辞めるなら学校に行っても無駄だと言う。しかし、南雲はそんな楡に「野球だけやりに学校行ったっていいんだよ。勉強できる奴だけで世の中回ってるわけじゃないからな。一人一人の取柄で世の中回ってんだよ」と優しく諭す。

下剋上球児_第7話_05
©TBSスパークル/TBS

後日の練習試合。そこには楡が戻っていた。伊賀商業との試合では打球を見失いエラーした楡だが、センターに上がった打球の下にしっかりと走り、捕球するや強肩でホームに還る選手を刺した。共に働いた先輩・長谷川の指摘で視力が悪いことが分かった楡は、南雲の勧めでコンタクトレンズを入れたのだ。楡は野球部に戻るだけでなく、弱点だった守備も克服し、勝利に貢献した。


練習試合には女子生徒など観客が来るようになり、ザン高野球部は活気に満ちていた。しかしそこに、厳しい表情をした横田(生瀬勝久)がやってきて、南雲と山住に声をかける。

横田に連れられ、夏休みで暗い学校に入っていく南雲と山住。部屋に入ると、そこには丹羽校長(小泉孝太郎)と犬塚(小日向文世)が待ち構えていた。

下剋上球児_第7話_07
©TBS 撮影:Len

入るなり、犬塚が「なんで南雲がいつの間に戻ってきてんの?」と不機嫌そうに南雲を指さす。南雲は「どうか、もう一度監督をやらせてください」と深々と頭を下げる。自分の罪をただ後悔し自虐的に暮らしてきたが、選手たちを見て目が覚めたと語り、「もう一度彼らと前を向いて、生きていきたいんです。どうかチャンスをください」と、頭を下げ続ける。しかし犬塚はけんもほろろに突き返し、丹羽もまた、南雲を制そうと話し始める。

すると横田が「失敗した人間の背中、いつまでも蹴り続けて楽しいですか?南雲脩司は、自分の背中、子どもらに見せようとしてます。みっともない情けない背中です。それ蹴とばして、何が教育者や!」と声を荒げて訴えた。押し黙る丹羽と犬塚。終始頭を下げたままの南雲は、横田の言葉に熱いものがこみ上げていた。

丹羽は立ち上がると、「越山高校野球部監督として、来年の甲子園予選、最低でもベスト8を目指してください」と、条件を提示しながらも、南雲の監督復帰を認めた。だが、南雲はこれに、「いえ。優勝を目指します。彼らを甲子園に連れていきます」と返す。条件を突きつけた丹羽は、「甲子園?」と驚きを隠せず聞き返すが、横田が「これでええんです。前へ進むんです!」と断言。丹羽を真っ直ぐに見つめる南雲の目には、決意と闘志が宿っていた。



後日。南雲はあらためて、選手たちに“目標甲子園!”を言い渡す。翔は「行きたいです!」と即答するも、行けるかどうかは別とすぐに尻込みしてしまう。ザン高野球部の選手たちは、万年1回戦負けだった自分たちが“甲子園”を口にすることを躊躇していた。

しかし南雲は続ける。「みんな自分がどれだけ伸びたか分かってないな」。南雲は一人ひとり、できなかった時代を思い起こさせると、「行きたいところまで俺と山住先生が連れていく。やり切るか。やり切らないで終わるか、どっちがいい?」と問う。

楡が「やり切る」と答え、壮磨が「行くで、甲子園」と続く。

「来年は優勝!伊賀商にもリベンジだ」。南雲の言葉で、ザン高野球部が自信を持って“甲子園”を目指す下剋上が始まる──。

下剋上球児_第7話_08
©TBS 撮影:Len

新キャプテンはなんと椿谷に決まった。“ご長寿のんびりランド”のマイクロバスをザン高カラーに塗り替え、新生ザン高野球部が走り出した。

練習と練習試合に明け暮れる日々。勉強が苦手な選手は南雲家で南雲の補修を受け、雪の日には体育館で基礎トレーニングを積み、山住の作った料理で栄養管理を万全に。練習試合で勝利を重ねるだけでなく、選手たちは心身ともに鍛えながら秋冬を越えた。

下剋上球児_第7話_02
©TBS 撮影:ENO
下剋上球児_第7話_03
©TBS 撮影:ENO

そして2018年春、春季三重県大会。ザン高はベスト16に進むほどの躍進を見せた。



2018年6月。南雲が、甲子園予選大会に向けたベンチ入りメンバーを発表する。ずっとエースを背負ってきた翔は、自分の成長の限界に焦りを感じていた。一方で根室は、まだまだ成長する自分に期待し、何よりもエースナンバーへの希望を抱いていた。

「背番号1。3年犬塚(翔)」。エースナンバーは今大会も翔が背負うことになった。しかも、これまで外野手として先発しながら2番手ピッチャーを務めてきた根室は、背番号10。控えの2番手ピッチャーに与えられる背番号となった。根室は、戸惑いを隠せずにいた。



全日本高等学校野球選手権、三重大会1回戦。南雲がザン高野球部と出会ってから、3回目の夏が始まる。試合前の円陣の輪の中に、キャプテン・椿谷が入る。2年前は野球初心者で、ザン高唯一の控え選手だった椿谷が「日本で一番練習試合したんは俺らや。絶対勝てる!」自信に満ちた笑顔で仲間たちに気合いを入れる。

そしてその言葉の通り、越山高校野球部は1回戦をなんと7回コールドで勝利。昨年は悔し涙を流した2回戦も7回コールド勝ちと、一回りも二回りも強くなった姿を存分に発揮した。

3回戦、9回裏。1点リードするザン高だが、同点のランナーを背負い、翔が投げた球がセンターにはじき返される。しかしこの日センターを守る根室がバックホームした球は壮磨のキャッチャーミットに鋭く届き、ランナーを刺す。リードを守り切り勝利した越山高校は、34年ぶりとなる三重県大会ベスト8進出を決めた。

準々決勝に臨むとあって、テレビ局のインタビューを受ける監督・南雲とキャプテン・椿谷。緊張し言葉が出ない椿谷だが、南雲が強く頷き言葉を促すと、たどたどしくも高らかに宣言した。

「日本一の下剋上を目指します!」

下剋上球児_第7話_04
©TBS 撮影:ENO

SNSでは、「ザン高ベスト8おめでとう!」「青春や~」「誠実で愚直で尊い」「求めていたのはこれ!」とザン高野球部の努力と成長に酔いしれる声が多数見られた。また、「根室くん、背番号1じゃなかったのを心から悔しがれるくらいがんばってきたんだな」「久我原が話聞いてないの、久我原すぎて好き」「幽霊部員だったのに紅岡が山住先生と差し入れ作ってるの愛おしい」「翔くんのおじい愛が眩しい」などなど、ここへきて選手一人ひとりへの愛情溢れるコメントが続々と届けられた。

日本一の下剋上まであと6日。丹羽校長から課せられた“ベスト8”に届いたザン高野球部。南雲と選手たちの下剋上は、どこまで続くのか?第8話もぜひご注目いただきたい!

第7話はこちらから


第8話予告編はこちら

公式サイトはこちら


※アイキャッチのコピーライトは「©TBS 撮影:Len」です。

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【ネタバレあり】失敗した人の背中をいつまで蹴り続けるのか──ついに前を向く南雲とザン高野球部に涙、涙の『下剋上球児』第7話レビュー

2023.12.03 10:00

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高校野球を舞台に、球児たちの夢とさまざまな愛を描くヒューマンエンターテインメント『下剋上球児』第7話が11月26日(日)に放送された。

第6話では、越山高校野球部の面々が不起訴になった南雲と「一勝したら監督に戻ってくる」と約束し発奮。甲子園予選1回戦に勝利し、ついに11年連続1回戦敗退の歴史を塗り替えた──。

“夏に一勝”を果たし、南雲が野球部監督に復帰する覚悟を決めた第6話を経て、ここでは、どこよりも詳しい第7話レビューを紹介。目標を果たし波に乗る越山高校野球部の、甲子園予選2回戦の行方は?選手たちとの約束通り、南雲は野球部監督に戻れるのか。いよいよ下剋上に走り出す第7話を、ぜひご覧いただきたい。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

全日本高等学校野球選手権、三重大会2回戦。越山高校の相手は、春の大会で優勝した強豪・伊賀商業。7回までを3対2とリードしていた越山高校だったが、7回裏に逆転を許すと、楡(生田俊平)のエラーが重なり大きく崩れ、結局3対8の大差で負けを喫した。

泣き崩れる野原(奥野壮)を、富嶋(福松凛)と紅岡(絃瀬聡一)が泣きながら支える。3年生の3人は、この敗北で引退。1回戦で歴史を塗り替える勝利をもぎ取った越山高校野球部の夏は、あっけなくも終わりを告げた。

南雲(鈴木亮平)は、いよいよ監督復帰をすべく、3年生が引退して新たなチームとなった越山高校野球部を訪れた。山住(黒木華)は熱を出して休んでおり、選手たちも敗北を引きずっているのか元気がない。楡はエラーを気にしたのか、試合以降部に顔も出していない。

すると南雲はおもむろに、直接指導したことがない1年生たちの名前を1人ずつ呼び、「君らを応援してた」と語りかける。1年生たちは名前を知られていることに驚いているが、翔(中沢元紀)や根室(兵頭功海)ら2年生たちは、南雲らしい振る舞いを誇らしそうに笑顔で見つめる。

南雲が「ザン高の歴史変えたんだよ。どんだけすごいことか分かってるか?もっと胸はってくれよ!」と、選手たちを讃え鼓舞すると、壮磨(小林虎之介)が「俺らもっと上まで行けたんや!」と悔しさを爆発させる。それを南雲は「悔しいよな。だけど負けは負けで認めようぜ。そっからしか始まんないんだよ」と、笑顔で受け止めた。

下剋上球児_第7話_06
©TBS 撮影:Len

いよいよ、南雲の新生越山高校野球部作りが始まった。

南雲が、昨年の卒業生・日沖(菅生新樹)らの協力で手に入れたマイクロバスで颯爽と学校に現れる。“ご長寿のんびりランド”とロゴの入ったバスに、「なんすかこれ?」と不審げに乗り込む選手たち。

南雲は「今年は練習試合増やす。野球上手くなるには実践が一番!」と、前年の3倍以上の試合数をこなすべく、このマイクロバスで県内県外の高校を回ろうと考えていたのだ。

この日早速3試合をこなす越山高校野球部だったが、その最中、山住に学校から連絡が入る。楡から退学届が提出されたと言うのだ。


山住は、野原と椿谷(伊藤あさひ)とともに、卒業生の長谷川(財津優太郎)が務める自動車整備工場で働く楡の元を訪れた。椿谷が「楡がおらんと、俺ら勝てやん」と声をかけるが、楡は「俺がおったら負ける」とまったく聞く耳を貸さない。

その夜。楡は、ひとり公園で素振りをしていた。ザン高野球部を辞めると言い張っているが、野球への愛情は変わっていないのだ。そこにやってきた翔が、「なぁ、甲子園目指そうって思うたことある?」背中に問いかけると、楡は振り返って「ない奴おるんか」と翔を睨むように答えて去っていった。


次の日。南雲が仕事終わりの楡を待っていた。

南雲が「野球が嫌になったわけじゃないんだろ?」と尋ねる。頷く楡は、担任教師から「こんままやと、進級できやんて言われた」と悩みを吐露する。

楡は中学時代、シニアリーグで野球をしていた。勉強が苦手な楡は学校をサボりがちで、当時の監督から「勉強も真面目にやれ。やらんと試合出さへん」と言われ、中学2年の時にそのシニアリーグを辞めた過去があった。

楡は、今回もまた野球を辞めるしかないと考え、野球を辞めるなら学校に行っても無駄だと言う。しかし、南雲はそんな楡に「野球だけやりに学校行ったっていいんだよ。勉強できる奴だけで世の中回ってるわけじゃないからな。一人一人の取柄で世の中回ってんだよ」と優しく諭す。

下剋上球児_第7話_05
©TBSスパークル/TBS

後日の練習試合。そこには楡が戻っていた。伊賀商業との試合では打球を見失いエラーした楡だが、センターに上がった打球の下にしっかりと走り、捕球するや強肩でホームに還る選手を刺した。共に働いた先輩・長谷川の指摘で視力が悪いことが分かった楡は、南雲の勧めでコンタクトレンズを入れたのだ。楡は野球部に戻るだけでなく、弱点だった守備も克服し、勝利に貢献した。


練習試合には女子生徒など観客が来るようになり、ザン高野球部は活気に満ちていた。しかしそこに、厳しい表情をした横田(生瀬勝久)がやってきて、南雲と山住に声をかける。

横田に連れられ、夏休みで暗い学校に入っていく南雲と山住。部屋に入ると、そこには丹羽校長(小泉孝太郎)と犬塚(小日向文世)が待ち構えていた。

下剋上球児_第7話_07
©TBS 撮影:Len

入るなり、犬塚が「なんで南雲がいつの間に戻ってきてんの?」と不機嫌そうに南雲を指さす。南雲は「どうか、もう一度監督をやらせてください」と深々と頭を下げる。自分の罪をただ後悔し自虐的に暮らしてきたが、選手たちを見て目が覚めたと語り、「もう一度彼らと前を向いて、生きていきたいんです。どうかチャンスをください」と、頭を下げ続ける。しかし犬塚はけんもほろろに突き返し、丹羽もまた、南雲を制そうと話し始める。

すると横田が「失敗した人間の背中、いつまでも蹴り続けて楽しいですか?南雲脩司は、自分の背中、子どもらに見せようとしてます。みっともない情けない背中です。それ蹴とばして、何が教育者や!」と声を荒げて訴えた。押し黙る丹羽と犬塚。終始頭を下げたままの南雲は、横田の言葉に熱いものがこみ上げていた。

丹羽は立ち上がると、「越山高校野球部監督として、来年の甲子園予選、最低でもベスト8を目指してください」と、条件を提示しながらも、南雲の監督復帰を認めた。だが、南雲はこれに、「いえ。優勝を目指します。彼らを甲子園に連れていきます」と返す。条件を突きつけた丹羽は、「甲子園?」と驚きを隠せず聞き返すが、横田が「これでええんです。前へ進むんです!」と断言。丹羽を真っ直ぐに見つめる南雲の目には、決意と闘志が宿っていた。



後日。南雲はあらためて、選手たちに“目標甲子園!”を言い渡す。翔は「行きたいです!」と即答するも、行けるかどうかは別とすぐに尻込みしてしまう。ザン高野球部の選手たちは、万年1回戦負けだった自分たちが“甲子園”を口にすることを躊躇していた。

しかし南雲は続ける。「みんな自分がどれだけ伸びたか分かってないな」。南雲は一人ひとり、できなかった時代を思い起こさせると、「行きたいところまで俺と山住先生が連れていく。やり切るか。やり切らないで終わるか、どっちがいい?」と問う。

楡が「やり切る」と答え、壮磨が「行くで、甲子園」と続く。

「来年は優勝!伊賀商にもリベンジだ」。南雲の言葉で、ザン高野球部が自信を持って“甲子園”を目指す下剋上が始まる──。

下剋上球児_第7話_08
©TBS 撮影:Len

新キャプテンはなんと椿谷に決まった。“ご長寿のんびりランド”のマイクロバスをザン高カラーに塗り替え、新生ザン高野球部が走り出した。

練習と練習試合に明け暮れる日々。勉強が苦手な選手は南雲家で南雲の補修を受け、雪の日には体育館で基礎トレーニングを積み、山住の作った料理で栄養管理を万全に。練習試合で勝利を重ねるだけでなく、選手たちは心身ともに鍛えながら秋冬を越えた。

下剋上球児_第7話_02
©TBS 撮影:ENO
下剋上球児_第7話_03
©TBS 撮影:ENO

そして2018年春、春季三重県大会。ザン高はベスト16に進むほどの躍進を見せた。



2018年6月。南雲が、甲子園予選大会に向けたベンチ入りメンバーを発表する。ずっとエースを背負ってきた翔は、自分の成長の限界に焦りを感じていた。一方で根室は、まだまだ成長する自分に期待し、何よりもエースナンバーへの希望を抱いていた。

「背番号1。3年犬塚(翔)」。エースナンバーは今大会も翔が背負うことになった。しかも、これまで外野手として先発しながら2番手ピッチャーを務めてきた根室は、背番号10。控えの2番手ピッチャーに与えられる背番号となった。根室は、戸惑いを隠せずにいた。



全日本高等学校野球選手権、三重大会1回戦。南雲がザン高野球部と出会ってから、3回目の夏が始まる。試合前の円陣の輪の中に、キャプテン・椿谷が入る。2年前は野球初心者で、ザン高唯一の控え選手だった椿谷が「日本で一番練習試合したんは俺らや。絶対勝てる!」自信に満ちた笑顔で仲間たちに気合いを入れる。

そしてその言葉の通り、越山高校野球部は1回戦をなんと7回コールドで勝利。昨年は悔し涙を流した2回戦も7回コールド勝ちと、一回りも二回りも強くなった姿を存分に発揮した。

3回戦、9回裏。1点リードするザン高だが、同点のランナーを背負い、翔が投げた球がセンターにはじき返される。しかしこの日センターを守る根室がバックホームした球は壮磨のキャッチャーミットに鋭く届き、ランナーを刺す。リードを守り切り勝利した越山高校は、34年ぶりとなる三重県大会ベスト8進出を決めた。

準々決勝に臨むとあって、テレビ局のインタビューを受ける監督・南雲とキャプテン・椿谷。緊張し言葉が出ない椿谷だが、南雲が強く頷き言葉を促すと、たどたどしくも高らかに宣言した。

「日本一の下剋上を目指します!」

下剋上球児_第7話_04
©TBS 撮影:ENO

SNSでは、「ザン高ベスト8おめでとう!」「青春や~」「誠実で愚直で尊い」「求めていたのはこれ!」とザン高野球部の努力と成長に酔いしれる声が多数見られた。また、「根室くん、背番号1じゃなかったのを心から悔しがれるくらいがんばってきたんだな」「久我原が話聞いてないの、久我原すぎて好き」「幽霊部員だったのに紅岡が山住先生と差し入れ作ってるの愛おしい」「翔くんのおじい愛が眩しい」などなど、ここへきて選手一人ひとりへの愛情溢れるコメントが続々と届けられた。

日本一の下剋上まであと6日。丹羽校長から課せられた“ベスト8”に届いたザン高野球部。南雲と選手たちの下剋上は、どこまで続くのか?第8話もぜひご注目いただきたい!

第7話はこちらから


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※アイキャッチのコピーライトは「©TBS 撮影:Len」です。

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