川口春奈が主演を務めるTBS系金曜ドラマ『9ボーダー』が19日よりスタート!第1話では、各世代のラストイヤー“9ボーダー”にいる3姉妹が、それぞれの現状に葛藤する気持ちを吐露。大庭七苗(川口春奈)は、謎の男性“コウタロウ”(松下洸平)と出会い、運命が変わろうとしていた。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
19歳、29歳、39歳……いわゆる「大台」を迎える前のラストイヤー“9ボーダー”の時期は、次の10年への期待と不安が入り混じりがちだ。本作は、そんな“9ボーダー”の3姉妹を軸に物語が進んでいく。
主人公は川口演じる次女・大庭七苗。飲食業のトータルプロデュース会社で働いており、29歳の若さで副部長と育成リーダーに抜擢されるほど優秀な存在だ。しかし、大好きな仕事に打ち込んでいる間に、元彼や友人たちは続々と結婚・出産。
「自分には仕事がある」そうわかっていても、「仕事ばっかじゃ寂しいもんね」と元彼に言われたり、19歳の妹・大葉八海(畑芽衣)から「全然幸せそうに見えない」と指摘されたりしても強く否定することはできない。「年齢なんて関係ない」そうわかっているはずなのに、30歳手前で襲ってくる焦りはなんなのか。七苗の葛藤は視聴者の共感を誘った。
そんな八海はというと、浪人生というのは名ばかり。「これから先、どう生きていくべきか」を模索していた。そんな矢先、アプリを介して出会った立花祐輔(兵藤功海)から3回目のデートで、まさかのプロポーズ。その理由は、立花がシンガポールへの赴任が決まったため、一緒についてきてほしいからとのことなのだが、その直前に口を滑らせた「若いから……」という言葉が、どうも引っかかる。自分の強み、特技は何かを言語化できないタイミングで「若いから……」なんて言われてしまい、「私の強みって、若さだけなのか」と落ち込んでしまったこと、誰もが一度は経験しているのではないだろうか。
また、長女・六月(木南晴夏)が「あんたには未来がある。私にはタイムリミットがある」と発言したことも癪に触るはず。19歳、自分でも若さを自覚している時期に言われる「若いから」という言葉は、タイミングによっては全然ポジティブに捉えられない。そんなことを思い出させてくれた。
かといって、六月の気持ちも理解できなくもない。仕事もプライベートも順風満帆だったはずなのに、大好きで仕方がなかった相手から「離婚したい」と切り出されたのだから。39歳、これから再び恋なんてできるのか、そもそも永遠を誓ったはずの相手が自分のそばからいなくなっていく喪失感なんて、計り知れない。少々、妹たちにキツく当たってしまうのも無理はないと思ってしまった。
とても幸せとは言えない状況の大庭三姉妹。そんな中、ラストにかけて急展開を見せたのは次女・七苗だった。
ひょんなことがきっかけで記憶を失い、自分の名前や素性がわからないコウタロウと桜を見にいくことになる七苗。そこでコウタロウは「桜見るの何回目?俺は初めて」「よかった、何も覚えていなくて」と発言。本来辛いはずであるこの状況を、前向きに捉える姿に七苗は心を惹かれ、大人だと思っていた29歳になってみると「何もない」「自分が何をしたいのかもわからないと」苦しんでいる胸の内を明かしたのだった。
そんな七苗に、コウタロウは「大丈夫、素敵な人だから。幸せになるよ、きっと」とまっすぐ目を見て話す。さらには「俺のこと、好きになっていいよ」「俺もきっと君を好きになる。そんな気がする」と続けるのだが、この時の松下の声のトーン、桜満開の中で真剣に話すというシチュエーションがたまらない。SNSでも「これはヤバい!」「好きになってしまう!」と松下のハマり役ぶりに、盛り上がる声が見受けられた。
出会ったばかりのコウタロウの発言には、ある意味根拠はないのかもしれない。それでも七苗は、自分の良いところを言語化してくれたことが嬉しかったのだろう。笑みを浮かべながら、まっすぐ見つめ返す。そんな七苗の表情は、もうすでに恋が始まっているのではないかと感じさせた。
第1話はこちらから
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第9話では、コウタロウが記憶を失う前の人生、柴田悠斗として家族のいる神戸へと帰るところからスタート。コウタロウと七苗の恋の行方が気になる展開に。
第8話では、コウタロウ(松下洸平)の過去が一気に明らかに。今「コウタロウ」として生きている彼は、過去の自分を知り、この先をどう生きるのか──。
第7話では、家族の問題が一件落着。3姉妹の恋が再び動き出し、松下洸平演じるコウタロウの振る舞いに心が揺さぶられ、木南晴夏演じる六月の一言に共感の声が集まった。
第6話では、行方不明だった父・五郎(高橋克実)が謎の多い少年・品川九吾(齋藤潤)を連れて登場。離れて暮らしていた母親の思いについて考えさせられる回だった。
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