『あのクズを殴ってやりたいんだ』第一章完結。玉森裕太演じる海里は立ち直れるか?感動の第5話!
涙なくしては見れない海里の切ない背景と、それを丸ごと抱き止めるほこ美の包容力に感動の第5話をレビュー!
オリジナル脚本で描かれる、異色の”クズきゅん♡“ボクシングラブコメディ。結婚式当日に婚約者に捨てられたアラサー女子がクズ男を殴るためにボクサーを目指す!演技派・奈緒演じる、フツーすぎる令和のヒロイン・ほこ美と玉森裕太扮する謎の金髪美青年・海里は、運命の恋に落ちた…かと思いきや、海里はお金目当てにほこ美を騙したクズ男だった。
ほこ美は「あのクズを殴ってやりたい!」と、ボクシングジムへトレーニングを続ける…。海里が過去の試合相手を死に至らしめたことを知ったほこ美。その中でほこ美は、ゆいと海里の特別な関係性も痛感することに。海里は、ゆいとほこ美に後押しされ、ゆいが7年ぶりにセコンドを務める試合会場へ足を運ぶが…。海里は無事に試合を見られるのか?そして、意外な伏兵も判明する衝撃の第4話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
海里の事情も知らず、「クズ!」と罵ったことを謝ろうとバーへ駆けつけたほこ美。
しかし、なんとそこには抱き合う海里とゆい(岡崎紗絵)が!
気配を殺して覗き見るほこ美だったが、うっかり脚立の上の電球を落としてしまいそうになりドキドキ…。のっけから、ほこ美っぽさ全開のドジっぷりである。
「またあの人(=橋本じゅん扮する富岡議員)が邪魔してきたんじゃないの?」と海里を心配するゆいに、海里は「慣れてるから」とひと言。「ほんとは辛いくせに」と返されても、海里は何も言わずにゆいの涙を指で拭ってあげる…。
全女子が「ゆいになりたいっ!」と思ったに違いない、海里の根っこの優しさが伝わってくるシーンだ。
そんな海里に、ゆいはボクシングイベントに「ホントに行くつもりだったの?」と聞くが、無言で目を伏せる海里。ゆいは、そのリアクションから「行くつもりだったか…」と察して、ほんのり嬉しそう。
一方、海里に見つかったほこ美は、「すみませんでした。あなたにひどいことを言いました」と謝罪。しかし、海里は「どっちにしろ行くつもりなかった」とほこ美を追い返してしまう。
ボクシングジムでストレッチしていても、海里のことが気になるほこ美。そこへ声をかけてきたゆいに、ほこ美はぎこちなく笑いかける。このわざとらしい笑顔の、リアルとコミカルのキワキワを攻めるお芝居のバランスの見事なこと!さすが奈緒である。
ほこ美は、ゆいのコーチでコンビネーションパンチを練習。すると、そこへ成(渡部篤郎)がやってくる。ゆいは、香織の試合でセコンドに入ると成に告げるが、成は「本気か?」といぶかしげ。
その夜、ほこ美が明美(斉藤由貴)のスナックで皿洗いの手伝いをしていると、なんと店に成がやってくる。実は、成は店の常連だったのだ。
「だから筒抜けだったんだ…」と唖然とするほこ美。
カウンターでひとり飲む成に、ほこ美はゆいがセコンドに入ることについて尋ねる。成は、「あいつが最後にセコンドに入ったのは7年前」と話し、セコンドは付いた選手の全てを背負う役割だということを説明する。そして、7年前のことも…。
7年前といえば、海里の例の試合。海里が闘った相手が倒れ、命を落とした試合で、セコンドに付いていたのもゆいだった。
朝のランニングに勝手に合流したほこ美に、ゆいは海里との関係を語り始める。
家出してきた海里を拾って羽根木ジムに連れてきたのは、平山大地(大東駿介)という青年。「海里は大地さんを本当の兄貴のように慕ってたし、私もそう思ってた」とゆいは振り返る。しかし、平山はさらに上を目指してジムを移籍。残されたゆいと海里は「2人で一緒に頑張ろう」と励ましあっていた。
そんな中、ゆいは網膜裂孔でボクシングが続けられなくなってしまう。ひどく落ち込んだゆいをグッと抱きしめて、海里は言う。
「俺のセコンドに付いてくれないか?俺はゆいと一緒に闘いたい」
真っ直ぐにゆいの目を見て告げる海里。この頃の海里は黒髪で、ルックスも今のクズ男の雰囲気のかけらもない。真剣にボクシングだけに打ち込んでいた海里を変えてしまったのが、7年前の平山との試合だったのだ。
「私にとって海里は特別だから」と語るゆいは、さらに7年前の「特別な試合」について語り始める。実は、その試合の相手こそ平山大地だった。最後の第8ラウンドまでイーブンの闘いだった2人だが、中盤に海里の放ったカウンターが決まり、そこからの海里は猛攻撃。最高のアッパーを繰り出す。
「ダウンを奪ったこのアッパーが、運命の一撃だった」と続けるゆい。試合は終わり、勝者は海里。健闘を称え合おうと歩み寄る2人だったが、その途中で平山はリングにくずおれる。
「救急車早く呼んで!」と騒然となる会場…。
まさにこれまでの海里のフラッシュバックで出てきた映像である。海里は、この試合のトラウマで苦しんでいたことがここではっきりした。さらに「海里は、今でも大地さんのお母さんにお金を送ってる」と、ゆいはほこ美に打ち明ける。第2話で出てきた「ヒラヤマミチエ」の口座の謎がここで判明。
やっぱり、海里はただのクズではなかった!
いよいよ、ほこ美の恋心がさらに燃え上がりそう…だが、そこに釘を差すようにゆいは言い放つ。
「海里はあんたの手に負えるようなヤツじゃない。私がなんとかするから」
なんとも手強すぎる恋のライバル!でも、ラブコメはそうこなくちゃ!でもある。しかも、ゆいが単なる嫌な女ではないから、どっちも応援したくなる。
場面はジムへ。香織の試合のチケットを売りに来た成に「1枚もらう」と受け取ったゆい。これは海里に渡す分?
…と気になっているのは、視聴者だけではない様子。ほこ美も海里とゆいの関係が気になって、ボクシングの練習に身が入らない。「こんなんじゃダメ!」と奮起して、自分も成からチケットを買うほこ美。
そしてゆいがバーで海里に「話があるの」と持ちかけている時、ほこ美は市役所の同僚たちにチケットを売りつけていた。そこに通りかかった大葉(小関裕太)が「1枚買うよ」と申し出。前回、富岡と謎のやり取りをしていた大葉だけに、この申し出に裏はない?と、ちょっとドキドキ。
一方で、ゆいはというと、やっぱりあのチケットは海里のために買ったもの。「見に来て。もう7年だよ」とゆいは海里を説得する。「もう一度、自分の人生を生きて」というゆいに、海里は無表情ながらどこか心が動かされた様子。
今回も、繊細な海里の心の機微がしっかり伝わってくる玉森の演技はお見事!シリアスな表情にも沼ります♡
さて、場面は再び市役所へ。チケットを受け取る大葉を撫(玉井詩織)がどことなくいぶかしげに見ているのが気になる…。さらに、撫は「ほこ美、葛谷さんのこと気になってるみたいで」と大葉にリーク。
この意図は?と思っていると、上司に呼ばれて撫はフレームアウト。ほこ美と大葉が気まずく残される。
「もしかして、葛谷さんと前から知り合いだった?」と大葉が切り出すと、ほこ美は「なんでわかったんですか?」と肯定と取れる返事。すると、大葉は「もしかして殴りたい相手って葛谷さん?」と核心を突いてくる。
ここで、はて?と頭に浮かぶのは、前回の富岡と大葉のやりとり。大葉は、海里の過去は知っているのでは?なのに「あの人ってクズなの?」と、何も知らなそうにほこ美に問いかける大葉…。彼の真意も気になるところ!
そして、そういうことには全く気づかず、ほこ美は「殴ってやろうと思ってたんですけど、よくわかんなくなっちゃって」と素直な思いを大葉に吐露する。
「あの人には、昔から強い絆で結ばれてる人がいるんです」と言うほこ美に、大葉はその人に任せちゃえばと話す。だが、そうするともうほこ美がボクシングを続ける理由もなくなる…という事実も告げる大葉。大葉は、海里とほこ美を引き離したいのか!?
仕事の帰り、例のゲーセンに立ち寄るほこ美。しかし、今回は「いてほしいところに彼がいる」ラブコメの法則の発動はなし。じらし上手の展開に、先が気になって仕方がない!
その頃、海里はいつものラーメン屋にいた。海里の頭に甦るのは、平山と一緒に食べたラーメンの思い出…。
一度リングに倒れた平山がもう一度立ち上がれた理由を尋ねる海里に、平山はこう答える。「もうダメだと思ったときからが勝負だ。自分との勝負」
普通であれば、心が温かくなるような優しい場面。しかし、ここではそうであればあるほど、自分をかわいがってくれた兄のような人間の命を奪ってしまった海里の哀しみが、ずしんと深く伝わってくる場面になる。
なんともやるせない。
すると、そこに“偶然”やってきたのはほこ美!はい、来た!じらされてからのラブコメの王道的展開であります。
「これからデートだから」という海里のラーメンに、ニンニクをムリヤリ入れようとするほこ美。抵抗する海里は、はからずもほこ美の手首を握りしめることに。不意のスキンシップに、思わずときめくほこ美の表情が絶妙!そして、それに気づいて気まずそうな海里もまた、根っこの純情が透けて見えてよき!
グッとシリアスな展開から、ラブコメならでは胸きゅんシーンへの急転換。しかし、これに違和感を感じないのは、ほこ美と海里、それぞれのキャラクターがしっかりドラマの中で生きているからこそだろう。
ダサくて、でも生真面目で、出てくるだけでどこかコミカルなほこ美であるがゆえに、重すぎる背景を背負った海里の切なさがまるっと中和される。
このシーンをきっちり映像として成立させた奈緒と玉森の演技には、本日3度目の「見事」の言葉を贈りたい。
ここでほこ美は、恋のライバル、ゆいに塩を送る行動を取る。ゆいが7年前からセコンドをやっていなかったことを海里に教え、驚く海里に「あなたに来てほしいんだと思います」と話すのだ。
さらに、海里の心を大きく動かしたのは、このあとのほこ美の言葉だった。コンビネーションパンチがうまくできないことを打ち明けて、「でも、負けっぱなしはイヤなんで」と笑顔のほこ美は、「もうダメだと思ったとこからが勝負ですもんね。自分との勝負」と続ける。
まさに、平山が語っていたことと同じ言葉!
驚きを隠すようにラーメンをほこ美に奢らせてクズさをアピールする海里だが、帰っていくほこ美の後ろ姿を見送る目線には、深読みできそうな何かが宿っている。海里は何を考えている?
すると、ここでまた”ラブコメの神”の采配が…。ほこ美が忘れ物をして、海里が明美のスナックまで届けることになるのだ。明美とさや美(鳴海唯)は大はしゃぎで大歓迎。
「彼氏?」と明美から聞かれた海里は「そんなところです」としれっと答える。
驚くほこ美。大喜びする明美とさや美に「すみません、うるさくて」と謝るほこ美に、「いい家族じゃん」と海里はぽつり。去り際の海里に「待ってますから」と伝えるほこ美を影から見ていた明美とさや美は、やっぱり大騒ぎ。思わず笑ってしまう海里。
さてさて、ついに試合の日の朝。チケットを捨てずに持っていた海里だったが、同居人の相澤からちょうど試合の時間、ランチをしようと誘われてOKの返事を出す。ということは行かないつもり?
試合開始が近づく中、会場ではほこ美が撫、大葉を出迎えていた。ほこ美の中に甦るのは、大葉の「ボクシングを続ける意味もなくなる」という言葉。
ほこ美は、自分がボクシングをする意味に思いを馳せる。そして、セコンドの役割をしっかり真っ当するゆいを見て、ほこ美は海里が来ることを待ち望むが…。
その頃、海里は平山の墓参りに来ていた。花を供えて手を合わせた海里は、「大地さん、俺どうしたらいいですかね」とつぶやく。しかし、ここから衝撃のカットが!海里が帰ると何者かがやってきて、供えた花を地面に叩きつけ、さらに靴で踏みしだいたのだ!一体誰が?
一方、海里は相澤からかかってきた電話に「やっぱ飯行けない」と答え、試合会場へと向かう。会場の中に入り、席にはつかず遠くから試合を見守る海里。しかし、ここでまたフラッシュバックが彼を襲う。苦しそうにうめく海里…。
香織の試合は白熱し、セコンドとして懸命に応援するゆい。そして、それを見て純粋に感動するほこ美。最後は、あっぱれ香織が勝利を掴む。
試合後、控室へ向かう通路で海里を見つけたゆいは、「来てたんだ」と声を掛ける。「ゆいのおかげでここまで来れたよ」と報告する海里に、涙を流して喜ぶゆい。そして、なんとゆいは海里にいきなり告白する。「海里のこと、ずっと好きだった!」と。
そして、それを偶然聞いてしまったほこ美は、ショックを受けて静かにその場を去る。
けれどゆいは、ほこ美が立ち去ったあとに言うのだ。
「あの子のせいかな。あの子が来てから、止まってた時間が動き出したみたい」
敵に塩を送ったほこ美だったが、ゆいのほうもほこ美のプラスの影響力は否定できないものになっていたのだ。一方、ゆいが去り、残された海里の表情は、またもや何か含みのあるもの…。何を考えているのか、本音が知りたい!
今回も、締めはラブコメの王道的なドキドキの展開なのね♪…などと能天気に思っていると、そうは問屋がおろさなかった。最後の最後に撫のやべー本音がキタ〜!なんと、ほこ美と大葉のチケットのやり取りをいぶかしげに見ていたのは、ほこ美に対する嫉妬だったことが判明する。
食事に誘った相澤に対して、ほこ美のことをこう言ってのける。
「全然かわいくないし、地味だし、女子力低いし、マジメでつまんない女」
さらに、憎々しげに「なんでみんな、あの子がいいってなるの?」とつぶやく。意外なところに伏兵が!違う意味でもドキドキの展開!
そんなこととはつゆ知らず、ほこ美はリングに残り、海里の言葉を噛み締めていた。
「ボクシングは相手を敬うスポーツです。同じだけ苦労してきた相手を尊敬する。だから、全力でぶつかって、殴るに値するんです」
そして、試合をイメージしてシャドーボクシングを始めるほこ美。すると、いつの間にか海里が会場にいて、そんなほこ美を見ていた。ほこ美は海里に、試合にいかに感動したかを伝え、「ボクシングのこと、もっと知りたいんです」と告げる。「強くなって、海里さんやゆいさんがどんな景色を見ていたのか、知りたいんです。だから、教えてください」とお願いするほこ美。
ふっと笑みを見せた海里にほこ美も微笑むが、しかし海里の笑顔はフェイク。
「いいかげんにしてくれよ。俺はここで人を殺してる。ホントはここにいんのも吐き気がするんだよ」と内心を打ち明け、「もうこっち入ってくんな!」と感情をあらわにして去っていく海里。
何も言えず、取り残されるほこ美…。
一方、再び撫のシーンに。「ほこ美が幸せになるのは許せない」とこぼす撫に「こわ〜!」と思っていると、さらに恐ろしいラストが待ち受けていた…。
なんと、海里が供えた花を踏みしだいていたのは…成だった…!!
衝撃的すぎる!成は海里を子どものように思っていたのでは?ひと筋縄ではいかない2人の恋模様。どうなっちゃうの〜!? 中盤戦からも目が離せない!
第4話の視聴はこちらから
第5話の予告編はこちらから
オリジナル脚本で描かれる、異色の”クズきゅん♡“ボクシングラブコメディ。結婚式当日に婚約者に捨てられたアラサー女子がクズ男を殴るためにボクサーを目指す!演技派・奈緒演じる、フツーすぎる令和のヒロイン・ほこ美と玉森裕太扮する謎の金髪美青年・海里は、運命の恋に落ちた…かと思いきや、海里はお金目当てにほこ美を騙したクズ男だった。
ほこ美は「あのクズを殴ってやりたい!」と、ボクシングジムへトレーニングを続ける…。海里が過去の試合相手を死に至らしめたことを知ったほこ美。その中でほこ美は、ゆいと海里の特別な関係性も痛感することに。海里は、ゆいとほこ美に後押しされ、ゆいが7年ぶりにセコンドを務める試合会場へ足を運ぶが…。海里は無事に試合を見られるのか?そして、意外な伏兵も判明する衝撃の第4話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
海里の事情も知らず、「クズ!」と罵ったことを謝ろうとバーへ駆けつけたほこ美。
しかし、なんとそこには抱き合う海里とゆい(岡崎紗絵)が!
気配を殺して覗き見るほこ美だったが、うっかり脚立の上の電球を落としてしまいそうになりドキドキ…。のっけから、ほこ美っぽさ全開のドジっぷりである。
「またあの人(=橋本じゅん扮する富岡議員)が邪魔してきたんじゃないの?」と海里を心配するゆいに、海里は「慣れてるから」とひと言。「ほんとは辛いくせに」と返されても、海里は何も言わずにゆいの涙を指で拭ってあげる…。
全女子が「ゆいになりたいっ!」と思ったに違いない、海里の根っこの優しさが伝わってくるシーンだ。
そんな海里に、ゆいはボクシングイベントに「ホントに行くつもりだったの?」と聞くが、無言で目を伏せる海里。ゆいは、そのリアクションから「行くつもりだったか…」と察して、ほんのり嬉しそう。
一方、海里に見つかったほこ美は、「すみませんでした。あなたにひどいことを言いました」と謝罪。しかし、海里は「どっちにしろ行くつもりなかった」とほこ美を追い返してしまう。
ボクシングジムでストレッチしていても、海里のことが気になるほこ美。そこへ声をかけてきたゆいに、ほこ美はぎこちなく笑いかける。このわざとらしい笑顔の、リアルとコミカルのキワキワを攻めるお芝居のバランスの見事なこと!さすが奈緒である。
ほこ美は、ゆいのコーチでコンビネーションパンチを練習。すると、そこへ成(渡部篤郎)がやってくる。ゆいは、香織の試合でセコンドに入ると成に告げるが、成は「本気か?」といぶかしげ。
その夜、ほこ美が明美(斉藤由貴)のスナックで皿洗いの手伝いをしていると、なんと店に成がやってくる。実は、成は店の常連だったのだ。
「だから筒抜けだったんだ…」と唖然とするほこ美。
カウンターでひとり飲む成に、ほこ美はゆいがセコンドに入ることについて尋ねる。成は、「あいつが最後にセコンドに入ったのは7年前」と話し、セコンドは付いた選手の全てを背負う役割だということを説明する。そして、7年前のことも…。
7年前といえば、海里の例の試合。海里が闘った相手が倒れ、命を落とした試合で、セコンドに付いていたのもゆいだった。
朝のランニングに勝手に合流したほこ美に、ゆいは海里との関係を語り始める。
家出してきた海里を拾って羽根木ジムに連れてきたのは、平山大地(大東駿介)という青年。「海里は大地さんを本当の兄貴のように慕ってたし、私もそう思ってた」とゆいは振り返る。しかし、平山はさらに上を目指してジムを移籍。残されたゆいと海里は「2人で一緒に頑張ろう」と励ましあっていた。
そんな中、ゆいは網膜裂孔でボクシングが続けられなくなってしまう。ひどく落ち込んだゆいをグッと抱きしめて、海里は言う。
「俺のセコンドに付いてくれないか?俺はゆいと一緒に闘いたい」
真っ直ぐにゆいの目を見て告げる海里。この頃の海里は黒髪で、ルックスも今のクズ男の雰囲気のかけらもない。真剣にボクシングだけに打ち込んでいた海里を変えてしまったのが、7年前の平山との試合だったのだ。
「私にとって海里は特別だから」と語るゆいは、さらに7年前の「特別な試合」について語り始める。実は、その試合の相手こそ平山大地だった。最後の第8ラウンドまでイーブンの闘いだった2人だが、中盤に海里の放ったカウンターが決まり、そこからの海里は猛攻撃。最高のアッパーを繰り出す。
「ダウンを奪ったこのアッパーが、運命の一撃だった」と続けるゆい。試合は終わり、勝者は海里。健闘を称え合おうと歩み寄る2人だったが、その途中で平山はリングにくずおれる。
「救急車早く呼んで!」と騒然となる会場…。
まさにこれまでの海里のフラッシュバックで出てきた映像である。海里は、この試合のトラウマで苦しんでいたことがここではっきりした。さらに「海里は、今でも大地さんのお母さんにお金を送ってる」と、ゆいはほこ美に打ち明ける。第2話で出てきた「ヒラヤマミチエ」の口座の謎がここで判明。
やっぱり、海里はただのクズではなかった!
いよいよ、ほこ美の恋心がさらに燃え上がりそう…だが、そこに釘を差すようにゆいは言い放つ。
「海里はあんたの手に負えるようなヤツじゃない。私がなんとかするから」
なんとも手強すぎる恋のライバル!でも、ラブコメはそうこなくちゃ!でもある。しかも、ゆいが単なる嫌な女ではないから、どっちも応援したくなる。
場面はジムへ。香織の試合のチケットを売りに来た成に「1枚もらう」と受け取ったゆい。これは海里に渡す分?
…と気になっているのは、視聴者だけではない様子。ほこ美も海里とゆいの関係が気になって、ボクシングの練習に身が入らない。「こんなんじゃダメ!」と奮起して、自分も成からチケットを買うほこ美。
そしてゆいがバーで海里に「話があるの」と持ちかけている時、ほこ美は市役所の同僚たちにチケットを売りつけていた。そこに通りかかった大葉(小関裕太)が「1枚買うよ」と申し出。前回、富岡と謎のやり取りをしていた大葉だけに、この申し出に裏はない?と、ちょっとドキドキ。
一方で、ゆいはというと、やっぱりあのチケットは海里のために買ったもの。「見に来て。もう7年だよ」とゆいは海里を説得する。「もう一度、自分の人生を生きて」というゆいに、海里は無表情ながらどこか心が動かされた様子。
今回も、繊細な海里の心の機微がしっかり伝わってくる玉森の演技はお見事!シリアスな表情にも沼ります♡
さて、場面は再び市役所へ。チケットを受け取る大葉を撫(玉井詩織)がどことなくいぶかしげに見ているのが気になる…。さらに、撫は「ほこ美、葛谷さんのこと気になってるみたいで」と大葉にリーク。
この意図は?と思っていると、上司に呼ばれて撫はフレームアウト。ほこ美と大葉が気まずく残される。
「もしかして、葛谷さんと前から知り合いだった?」と大葉が切り出すと、ほこ美は「なんでわかったんですか?」と肯定と取れる返事。すると、大葉は「もしかして殴りたい相手って葛谷さん?」と核心を突いてくる。
ここで、はて?と頭に浮かぶのは、前回の富岡と大葉のやりとり。大葉は、海里の過去は知っているのでは?なのに「あの人ってクズなの?」と、何も知らなそうにほこ美に問いかける大葉…。彼の真意も気になるところ!
そして、そういうことには全く気づかず、ほこ美は「殴ってやろうと思ってたんですけど、よくわかんなくなっちゃって」と素直な思いを大葉に吐露する。
「あの人には、昔から強い絆で結ばれてる人がいるんです」と言うほこ美に、大葉はその人に任せちゃえばと話す。だが、そうするともうほこ美がボクシングを続ける理由もなくなる…という事実も告げる大葉。大葉は、海里とほこ美を引き離したいのか!?
仕事の帰り、例のゲーセンに立ち寄るほこ美。しかし、今回は「いてほしいところに彼がいる」ラブコメの法則の発動はなし。じらし上手の展開に、先が気になって仕方がない!
その頃、海里はいつものラーメン屋にいた。海里の頭に甦るのは、平山と一緒に食べたラーメンの思い出…。
一度リングに倒れた平山がもう一度立ち上がれた理由を尋ねる海里に、平山はこう答える。「もうダメだと思ったときからが勝負だ。自分との勝負」
普通であれば、心が温かくなるような優しい場面。しかし、ここではそうであればあるほど、自分をかわいがってくれた兄のような人間の命を奪ってしまった海里の哀しみが、ずしんと深く伝わってくる場面になる。
なんともやるせない。
すると、そこに“偶然”やってきたのはほこ美!はい、来た!じらされてからのラブコメの王道的展開であります。
「これからデートだから」という海里のラーメンに、ニンニクをムリヤリ入れようとするほこ美。抵抗する海里は、はからずもほこ美の手首を握りしめることに。不意のスキンシップに、思わずときめくほこ美の表情が絶妙!そして、それに気づいて気まずそうな海里もまた、根っこの純情が透けて見えてよき!
グッとシリアスな展開から、ラブコメならでは胸きゅんシーンへの急転換。しかし、これに違和感を感じないのは、ほこ美と海里、それぞれのキャラクターがしっかりドラマの中で生きているからこそだろう。
ダサくて、でも生真面目で、出てくるだけでどこかコミカルなほこ美であるがゆえに、重すぎる背景を背負った海里の切なさがまるっと中和される。
このシーンをきっちり映像として成立させた奈緒と玉森の演技には、本日3度目の「見事」の言葉を贈りたい。
ここでほこ美は、恋のライバル、ゆいに塩を送る行動を取る。ゆいが7年前からセコンドをやっていなかったことを海里に教え、驚く海里に「あなたに来てほしいんだと思います」と話すのだ。
さらに、海里の心を大きく動かしたのは、このあとのほこ美の言葉だった。コンビネーションパンチがうまくできないことを打ち明けて、「でも、負けっぱなしはイヤなんで」と笑顔のほこ美は、「もうダメだと思ったとこからが勝負ですもんね。自分との勝負」と続ける。
まさに、平山が語っていたことと同じ言葉!
驚きを隠すようにラーメンをほこ美に奢らせてクズさをアピールする海里だが、帰っていくほこ美の後ろ姿を見送る目線には、深読みできそうな何かが宿っている。海里は何を考えている?
すると、ここでまた”ラブコメの神”の采配が…。ほこ美が忘れ物をして、海里が明美のスナックまで届けることになるのだ。明美とさや美(鳴海唯)は大はしゃぎで大歓迎。
「彼氏?」と明美から聞かれた海里は「そんなところです」としれっと答える。
驚くほこ美。大喜びする明美とさや美に「すみません、うるさくて」と謝るほこ美に、「いい家族じゃん」と海里はぽつり。去り際の海里に「待ってますから」と伝えるほこ美を影から見ていた明美とさや美は、やっぱり大騒ぎ。思わず笑ってしまう海里。
さてさて、ついに試合の日の朝。チケットを捨てずに持っていた海里だったが、同居人の相澤からちょうど試合の時間、ランチをしようと誘われてOKの返事を出す。ということは行かないつもり?
試合開始が近づく中、会場ではほこ美が撫、大葉を出迎えていた。ほこ美の中に甦るのは、大葉の「ボクシングを続ける意味もなくなる」という言葉。
ほこ美は、自分がボクシングをする意味に思いを馳せる。そして、セコンドの役割をしっかり真っ当するゆいを見て、ほこ美は海里が来ることを待ち望むが…。
その頃、海里は平山の墓参りに来ていた。花を供えて手を合わせた海里は、「大地さん、俺どうしたらいいですかね」とつぶやく。しかし、ここから衝撃のカットが!海里が帰ると何者かがやってきて、供えた花を地面に叩きつけ、さらに靴で踏みしだいたのだ!一体誰が?
一方、海里は相澤からかかってきた電話に「やっぱ飯行けない」と答え、試合会場へと向かう。会場の中に入り、席にはつかず遠くから試合を見守る海里。しかし、ここでまたフラッシュバックが彼を襲う。苦しそうにうめく海里…。
香織の試合は白熱し、セコンドとして懸命に応援するゆい。そして、それを見て純粋に感動するほこ美。最後は、あっぱれ香織が勝利を掴む。
試合後、控室へ向かう通路で海里を見つけたゆいは、「来てたんだ」と声を掛ける。「ゆいのおかげでここまで来れたよ」と報告する海里に、涙を流して喜ぶゆい。そして、なんとゆいは海里にいきなり告白する。「海里のこと、ずっと好きだった!」と。
そして、それを偶然聞いてしまったほこ美は、ショックを受けて静かにその場を去る。
けれどゆいは、ほこ美が立ち去ったあとに言うのだ。
「あの子のせいかな。あの子が来てから、止まってた時間が動き出したみたい」
敵に塩を送ったほこ美だったが、ゆいのほうもほこ美のプラスの影響力は否定できないものになっていたのだ。一方、ゆいが去り、残された海里の表情は、またもや何か含みのあるもの…。何を考えているのか、本音が知りたい!
今回も、締めはラブコメの王道的なドキドキの展開なのね♪…などと能天気に思っていると、そうは問屋がおろさなかった。最後の最後に撫のやべー本音がキタ〜!なんと、ほこ美と大葉のチケットのやり取りをいぶかしげに見ていたのは、ほこ美に対する嫉妬だったことが判明する。
食事に誘った相澤に対して、ほこ美のことをこう言ってのける。
「全然かわいくないし、地味だし、女子力低いし、マジメでつまんない女」
さらに、憎々しげに「なんでみんな、あの子がいいってなるの?」とつぶやく。意外なところに伏兵が!違う意味でもドキドキの展開!
そんなこととはつゆ知らず、ほこ美はリングに残り、海里の言葉を噛み締めていた。
「ボクシングは相手を敬うスポーツです。同じだけ苦労してきた相手を尊敬する。だから、全力でぶつかって、殴るに値するんです」
そして、試合をイメージしてシャドーボクシングを始めるほこ美。すると、いつの間にか海里が会場にいて、そんなほこ美を見ていた。ほこ美は海里に、試合にいかに感動したかを伝え、「ボクシングのこと、もっと知りたいんです」と告げる。「強くなって、海里さんやゆいさんがどんな景色を見ていたのか、知りたいんです。だから、教えてください」とお願いするほこ美。
ふっと笑みを見せた海里にほこ美も微笑むが、しかし海里の笑顔はフェイク。
「いいかげんにしてくれよ。俺はここで人を殺してる。ホントはここにいんのも吐き気がするんだよ」と内心を打ち明け、「もうこっち入ってくんな!」と感情をあらわにして去っていく海里。
何も言えず、取り残されるほこ美…。
一方、再び撫のシーンに。「ほこ美が幸せになるのは許せない」とこぼす撫に「こわ〜!」と思っていると、さらに恐ろしいラストが待ち受けていた…。
なんと、海里が供えた花を踏みしだいていたのは…成だった…!!
衝撃的すぎる!成は海里を子どものように思っていたのでは?ひと筋縄ではいかない2人の恋模様。どうなっちゃうの〜!? 中盤戦からも目が離せない!
第4話の視聴はこちらから
第5話の予告編はこちらから
涙なくしては見れない海里の切ない背景と、それを丸ごと抱き止めるほこ美の包容力に感動の第5話をレビュー!
ほこ美は、市役所のイベントで海里にカメラマンを依頼するものの仕事を放棄されてしまう。「クズ!」と責めるほこ美に「知ってる」と返す海里。だが、その彼の行動には裏があった…。
いよいよタイトル通りの展開へと突入し、今後のストーリーに大きく影響しそうな気になるポイントが続々登場!
TBSの連続ドラマへのレギュラー出演は2011年放送の『桜蘭高校ホスト部』以来、実に13年ぶりとなる。
演技派・奈緒演じる、フツーすぎる令和のヒロイン・ほこ美と、玉森裕太扮する謎の金髪美青年・海里との運命の(?)出会いを描く第1話。 しっとりラブロマンスからのどんでん返しの展開に注目!
ほこ美の決死の告白を「付き合う必要ある?」と曖昧にごまかしていた海里だったが、その心境にも変化が訪れて…。2人の恋がついに動き出す、ドキドキの第6話をレビュー!