『あのクズを殴ってやりたいんだ』クランクアップ! 奈緒「海里の顔を思い浮かべると重いダンベルが上がりました」
今夜いよいよ最終回を迎える、奈緒主演のドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』。最終回の放送を目前に控え、 クランクアップコメントが届いた。
オリジナル脚本で描かれる、異色の”クズきゅん♡“ボクシングラブコメディ。結婚式当日に婚約者に捨てられたアラサー女子がクズ男を殴るためにボクサーを目指す!演技派・奈緒演じる、フツーすぎる令和のヒロイン・ほこ美と玉森裕太扮する謎の金髪美青年・海里は、運命の恋に落ちた…かと思いきや、海里はお金目当てにほこ美を騙したクズ男だった。
「あのクズを殴ってやる!」という動機でボクシングをはじめたほこ美は、晴れてプロボクサーに。しかし、他ジム選手とのスパーリングで強烈なパンチを食らって意識不明になってしまう。脳震盪で済んだとはいえ一週間入院することになったほこ美。
一方、渡米後、スポーツカメラマンとして頭角を現しはじめた海里だったが、志乃(堀田茜)が「海里に騙された」と週刊誌に訴えたことで仕事が立ち消えになってしまう。その裏で動いていたのは、実は大地(大東駿介)の弟だった相澤(倉悠貴)。
ほこ美が殴られたことも相澤の仕組んだことだと知って衝撃を受けた海里は、再び自分を責めはじめる。そして、ほこ美との恋にもある決断を下すことに…。波乱の最終章の幕開けとなった第9話をレビュー!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
他ジムから出稽古に来た格上選手の強力パンチに倒れたほこ美。その知らせを聞き、海里はほこ美のもとへひた走る!
一方、ほこ美が運び込まれた病院では、成(渡部篤郎)とゆい(岡崎紗絵)が気をもんでいた。
そこへ医者から説明を受けた明美(斉藤由貴)とさや美(鳴海唯)が戻ってきて、症状は脳震盪だけで大事には至らず、後遺症もないと報告する。
そんな中、息せき切って飛び込んできた海里。ゆいから「問題ない」と聞かされて安堵するものの、心配そうな表情は消えない…。こんな微妙なニュアンスを、セリフなしできっちり伝えてくる玉森の繊細な演技には毎回、引き込まれてしまう。
ゆいは海里に、予定していた対戦相手とは違う、3戦3KOという実績あるボクサーが急に来たと説明。さらに「ほこ美をKOしたら100万円払う」というメールが相手選手に届いていたことも伝えると、海里は動揺する。
そんなことがあっても仕事は待ってくれない。この日、海里には撮影があった。またまた息せき切って現場に駆けつけた海里に、驚きの仕打ちが待ち受けていた。急にその仕事がキャンセルになったのだ。
その理由を教えてくれたのは、師匠・朝倉(安井順平)。週刊誌に「海里に騙された」という女性からのタレコミがあったという。その女性とは…モデルの志乃!堀田茜が演じる、別れ話をした海里に水をぶっかけて「必ずいつか、しっぺ返しがくるから」と捨てゼリフを残して去ったスレンダー美女である。
なるほど、あの伏線がここにつながったか…。ほこ美のおかげで改心したとはいえ、実際に海里が志乃にしていたことはクズ中のクズの仕業なのだから自業自得ではある。でも、せっかく仕事は順調にいっていたのに…。
そんな中、ほこ美を心配して羽根木ジムまで来た大葉(小関裕太)は、偶然ゆいとばったり。数日の入院だけで大丈夫だと聞いて安堵する大葉に、ゆいは「私の責任です」と平謝りする。
大葉はそんなゆいをお茶に連れ出し、「トレーナー失格です」とうなだれる彼女に、「人のために悩んだり、怒ったりできるって、すごい才能ですよ。尊敬します」と言葉をかけて励ます。
「大葉さんって、ホントにいい人ですね」と感激するゆいに、「つまんない人間ですよ」と否定しながらも嬉しそうな大葉。
いい人×いい人コンビ。またもやいい感じの雰囲気である。
ここでカップルが成立したら、めでたいのだが…。
と思っていると場面はふいに転換。朝倉の事務所の玄関で、志乃が海里を待ち構えていた!一触即発の状況か!?
「言ったでしょ。しっぺ返しがくるって」と話す志乃は、意外にもどこか飄々とした口調。そこまで海里を恨んでいる様子でもなさそうだ。
すると、その理由が志乃の口から飛び出す。
「ここまでしなくてもって私は思ってたんだけど、やるなら徹底的に海里を追い詰めるべきだって」
そう、志乃をそそのかしたのは…ここまで観てきた人ならみんなわかるでしょう。もちろん相澤!しかし、海里にとっては、それは予想外の出来事だった。慌てて相澤のスマホに連絡を入れるが、相澤は電話に出ることはなかった…。
一方、病院のベッドで目を覚ましたほこ美に対して、明美は心配のあまりボクシングを続けることに難色を示す。「娘が殴られるの、やっぱり怖い」と正直な思いを訴えて明美が帰っていったあと、さや美も母と同じ意見だとほこ美に打ち明ける。
「ああいうお母さんだけどさ、娘はやっぱり大事なんだよ」
「心配かけてごめん」とさや美に謝るほこ美。
続く場面は、相澤から既読無視されている撫(玉井詩織)のスマホの画面がどーん。相澤は、撫にもその行方を知らせていないのか?
パソコン紛失騒動以来、ほこ美に中学生のような意地悪をしてきた撫だったが、ほこ美の後輩・小島(浅野竣哉)から「意識不明で病院に運ばれた」と聞いて、さすがに心配そう。「意識は戻った」と聞いても表情は晴れない。根っからの悪人ではないのかも。
一方、病室のほこ美は、海里に電話をすれど出ず…。そんなほこ美をドアの外から盗み見て心配そうな大葉…。すれ違う恋心を象徴するひとコマである。
一方で、成は「あんなかカウンターをまともに受けてぶっ倒れて、普通だったらトラウマになる」とゆいに語り、ほこ美を心配する。たとえ脳震盪でも、リングに戻れなくなったボクサーはたくさんいるというのだ。
病院の帰り、明美のスナックに立ち寄った成に、明美は「やっぱりボクシングには反対だわ」と母としての気持ちを打ち明ける。成は「決めるのは本人」と言いながらも、「俺も親だから。判断は任せるよ」とそれに理解を示す。
その頃、ほこ美は成の懸念どおり、殴られた時のフラッシュバックに襲われていた。「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせるほこ美。
そんな中、海里は行方をくらました相澤を必死の形相で探していた。その相澤はというと夜の道をトボトボ。そして、羽根木ジムの前で立ち止まる。そこへ「おにいちゃん、どうしたの?ボクシングに興味ある?」声をかけた成。なぜ、相澤は羽根木ジムに?
その夜、朝倉の事務所に戻った海里は、海里の写真がスポーツフォトアワードの新人賞に決まったと聞いて喜びの笑顔を見せる。どんよりムードの今回、この瞬間の笑顔には救われた…という人も多かろう。さっそく海里は、ほこ美に電話。「病院に行けなくてごめん」と謝りつつ(…といっても、ほこ美が目覚める前だったから知らないだけで、本当はいの一番に駆けつけていたくせに!)、新人賞の報告をする。
「すごい!おめでとうございます」と大喜びするほこ美に、「授賞式終わったら、会いに行くから」と約束する海里。嬉しそうに「待ってます」と答えるほこ美。やっとイチャラブシーンが見れるのか!?しかし、相澤の存在がそれを阻みそうな予感もヒシヒシ…。
翌日、ほこ美の病室に大葉がたくさんのお見舞い品を手にやってくる。ビニール手袋まで装着し、すりおろしリンゴを作ってくれる大葉。ゆいの言うとおり、大葉、いい人すぎる!
「退院したら、快気祝いにメシに行こう。どうせだったらドライブがてら遠出するか」と誘う大葉に、「私、行けません」と告げるほこ美。さらに、これまで支えてくれたことへの感謝は伝えつつ、「私、大葉さんとはおつきあいできません」とほこ美はきっぱりと断りのひと言。
このシーン、心のどこかではフラれることがわかっていながらも、傷つく気持ちを押し隠し、黙々とりんごをすり続ける大葉の、片思いの切なさがヒシヒシと伝わる表情が絶妙!結構な長回しで、演じる小関裕太の表情を追い続けるカット割りが素晴らしい。
そして「ごめんなさい」と謝るほこ美に、大葉は言うのだ。
「ああ、スッキリした!」と。
絶対にこれ、第7話のゆいの言葉の影響でしょう!
ほこ美が前の彼氏との結婚を決めるずっと前から、ほこ美のことが好きだったという大葉。当時は「言えなくて、闘いもしなかった」と振り返り、「けど、今回はちゃんと言えた。だから大丈夫」と清々しい表情を見せる。
「佐藤、ありがとう」と微笑む大葉は、まさに「全部、出し切ったら負けてもOK!」の心持ちである。そして、そんな大葉を柔らかな目で見るほこ美。恋愛関係では結ばれなかった2人ではあるが、人間同士の絆ではしっかり結ばれているのだな…。
とはいえ、やっぱり傷心の大葉。そこに偶然現れたのはゆいだった。
「完敗です」とフラれたことを報告する大葉を、「おいしいもん食べに行きませんか?私ごちそうします」とゆいは慰める。すると大葉は「今度サンドバッグ叩きたいです」とゆいにお願い。「殴りまくったらスッキリするんですよね」と言う大葉に、ゆいは「すっごい元気出ます」と微笑む。
いい人×いい人コンビ、やっぱりお似合いである。どうかくっつきますように〜!
そんな新たな恋の予感のシーンの直後に挟まれたのは、羽根木ジムで椅子にポツンと座る成の姿。呆然とした表情を浮かべている。相澤と何かあった?一転して不穏である…。
と思うまもなく、今度は海里のフォトアワード新人賞の授賞式に場面が切り替わる。大きな拍手を受けて壇上に立つ海里を、暗い目で見つめる男がひとり…。もちろん相澤である。みんなの拍手が鳴り止んでも、ふてくされたように拍手を続ける相澤。不穏すぎる〜!
授賞式のあと、相澤に「話してくれ。何が目的なんだ!」と仕事の妨害の理由を問い詰める海里に、ついに相澤は自身の正体を明かす。
「あんたはその手で、俺の一番大事な人を奪った。俺は平山大地の弟だよ」
前回、相澤が撫に打ち明けたとおり、大地は両親の離婚で離れて暮らしていた相澤の兄だった。しかも、相澤は大地から招待されて海里との試合を観戦していたのだ。自分の目の前で大好きな兄が海里の拳で死んでしまったのである…。やり切れなさすぎる…。
「だから、あんたの一番大事な人も傷つけてやろうと思って」と訴える相澤に、ようやく海里はほこ美が倒された相手をけしかけたのも彼だったということに気づく。
「あんただけがのうのうと幸せに生きて、笑って。そんなの許されるかよ。一生覚えてろよ。一生傷ついてろ。一生忘れないで、一生苦しんでろよ」
相澤が海里と同居していた理由がこれ。自分で自分を傷つけ、クズとして落ちぶれる海里を見て、相澤はウサを晴らしていたのである。気持ちはわかるが、後ろ向きすぎるでしょ…。涙…。
しかし、ほこ美と出会って前を向き始めた海里に、相澤は我慢がならなくなった。
「なんで兄貴が死ななきゃならないんだよ。あんたが死ねばよかったんだ」と言い捨てて相澤は去る。残された海里の心はズタボロである…。
しかし、言いたいことを言ったはずの相澤もまた、憔悴しきった表情でむせび泣く。こんな風に傷つけ合っても大地は喜ばないよ〜!と観る者は心で叫ぶしかない…。涙…。
自宅に戻った海里は、部屋にあるカメラにまつわるものをどんどん処分しはじめる。まさか、カメラマン辞めちゃうの?ダメダメ!絶対ダメ〜!とまたまた心で叫んでいると…海里は1枚の写真に目を奪われる。
それは、かつて海里が何げなく撮った、ほこ美の練習風景。ほこ美のことがそんなに好きならば、ちゃんと愛し、愛されて生きたっていいんだよ…。
そんな視聴者の気持ちを、思い切り代弁してくれたのは成だった。
いつもの神社に海里を連れ出した成は、相澤がジムに来たことを海里に打ち明け、彼が大地の遺品を全て受け取って帰ったことを教える。さっきの呆然とした成の一瞬のシーンは、おそらくその直後だったのだろう。
そして成は言葉を続ける。
「お前の人生は誰かのための人生じゃない。行く場所も、帰る場所も、お前の自由でいいんだよ」
しかし、海里は「許されないんです。そんなこと」とポツリ。これでは元の木阿弥ではないか…。
「誰かのことを許せなくても、進まなくちゃ、立ち上がらなくちゃいけない」と諭す成に、海里は「俺にはできません」と言い残して去る。
うなだれたその手のひらには、ほこ美にあげようとした月のネックレス。ほこ美のこと、諦めてしまうの?
そんな嫌な予感は的中。海里は大葉を呼び出して「ほっこーのこと、よろしくお願いします」と勝手なことを言い出すのである。いやいや、大葉はフラれたばかりよ?
もちろん、大葉自身もそう海里に説明して、自分はほこ美のことはなんでも知っているけれど、「俺じゃダメなんだよ!」と海里を引き止めようとする。
しかし、一礼をして去っていく海里…。
その足で海里が向かったのは、ほこ美のいる病室だ。約束どおりの訪問とはいえ、この状況で一体、何を言い出すつもり?
そんな観る者のドキドキとはウラハラに、相澤とのアレコレを全く知らずに乙女モードのほこ美は「遅いですよ」とかわいくぶーたれてみせたりする。ああ、心が痛い…。
そんなほこ美に傷ついた本心は見せず、「足、大丈夫?」とあくまでも優しくふるまう海里。この優しさの裏の闇を思うと不安でしかない…。
「見たかったな、ほっこーのスパーリング」と言う海里に、「もっと強くなって、またすぐにリングに立ちますから」とほこ美は宣言。すると、海里はかつて自分も気を失ったことがあるとほこ美に打ち明ける。そして「誰だって怖いよ。殴るのも、殴られるのも怖い。傷つけたり、傷ついたり。俺はその怖さに負けてリングから逃げた」と自省する海里。
「でも、ほっこーなら大丈夫。何度でも立ち上がれる」
海里はそう励ますと、月のネックレスを出して「これからもほっこーのそばにいて、守ってくれますように」と言いながらほこ美の首に付けてあげる。
お待ちかねの胸キュンシーン!…のはずなのだが、この先の海里の行動への不安がどんどん膨らんで、キュンキュンしてる場合ではない!何も知らずにめっちゃ嬉しそうなほこ美の表情も切なすぎるでしょ、これ。
「ありがとうございます」とネックレスを愛しそうに握りしめるほこ美を、海里はぎゅっと抱きしめながら言う。
「ありがとう…ごめん」
この一瞬の海里の表情が、切なくて重い。観る者の胸の苦しさもMAXである。やっぱり、身を引いちゃうのか…。
片や、ほこ美はここへきてようやく違和感を感じた様子。しかし、決意を決めたであろう海里は、あえてあっさり言うのだ。「じゃあ行くね。バイバイ、ほっこー」と。
足早に去っていく海里を、しかしほこ美は足の捻挫のせいで追いかけられない。
帰り道、トンネルの中でひとりぼっちで男泣きする海里は、立っていられずにうずくまってしまう。
こんな展開イヤ〜!!!!
ほこ美と海里の恋を見守ってきた全視聴者が、本日幾度目かの心の叫びを放ったところで第9話は終了。
2人の恋はどうなっちゃうの?海里は立ち直れるの??
絶対に幸せにならないと許さないんだから〜!と、叫び続けながら、最終回を待つ!!
第1話の冒頭、ほこ美の試合の伏線回収にも期待!!!!
第9話の視聴はこちらから
最終回の予告編はこちらから
今夜いよいよ最終回を迎える、奈緒主演のドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』。最終回の放送を目前に控え、 クランクアップコメントが届いた。
ハラハラドキドキの展開で目が離せない“クズきゅん“ドラマの裏側や最終回の見どころを、プロデューサーの戸村光来さんに聞きました!
ほこ美を支える大葉の存在、そして海里を憎む相澤の思惑と、まだまだ波乱含みの2人の恋はどう転ぶのか?目が離せない第8話をレビュー!
晴れて恋人同士になった2人は、初デートへ繰り出す。一方で、それぞれの道で成長するがゆえに、その恋は意外な方向へ転がっていき…。怒涛の展開に衝撃大!の第7話をレビュー!
涙なくしては見れない海里の切ない背景と、それを丸ごと抱き止めるほこ美の包容力に感動の第5話をレビュー!
初恋の相手・悠一との恋が順調に見える一方、なぜか同棲へと踏み切れないマチ。そのモヤモヤの正体がついに明らかになるが……。