二宮和也が、世界的天才外科医・天城雪彦を演じるTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』第3話。桜宮心臓外科センター・センター長の座を危うくされた天城が、渡海の愛弟子・世良とともに成功確率0%の公開手術に挑む!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
全日本胸部外科学会で大観衆を前にダイレクト・アナストモーシスの公開手術を大成功させた天城(二宮和也)。天城は佐伯(内野聖陽)の了解も取らず、センター長に就任する桜宮心臓外科センターの名前を“スリジエハートセンター”と改名しマスコミ発表していた。
佐伯は、桜宮市の医師会や地元の企業組合など、関係者のすべてが天城のセンター長就任を認めたわけではないと叱責するが、天城は「既成事実を作ってしまえばいい」と意に介さず、関係者を黙らせるために再び公開手術をしようと自信満々に切り返す。
早速天城は、公開手術の患者を探し始めた。
天城の手術を見られると興奮するミンジェ(キム・ムジュン)は、梶谷年子(正司花江)という高齢患者を候補に挙げる。だが、市民病院から転院してきた梶谷は生活保護受給者だ。
一方、全日本胸部外科学会で天城と東城大を貶めようと暗躍した維新大学の菅井教授(段田安則)は再び高階(小泉孝太郎)に接触し、桜宮市で水野製鉄を経営する水野祐一(梅沢富美男)という狭心症の患者を、公開手術の患者として提案する。
2人とも、過去に別の病気で手術をした経緯があり困難な手術だが、天城は世良(竹内涼真)が提示した梶谷年子のカルテを見るなり「残念だなジュノ。この患者は無理だ」と突き返し、水野の病室を訪れる。
天城は水野に、「オペの提案に参りました」と笑いかけると、いつものように悪魔の儀式を持ち掛けた。しかし水野は、全財産の半分を賭ける儀式を聞くや、天城が差し出した手術同意書を破り捨て、「これでハッキリしたよ、あなたは新病院のセンター長にはふさわしくない」と告げた。
実は水野は桜宮市の企業組合の理事で、新病院の出資を取りまとめている人物だった。菅井教授は高階を使って水野を天城に引き合わせ、天城の悪魔の本性を見せることでセンター長の座から引きずり降ろそうと画策していたのだった。
水野にあしらわれた天城は、公開手術の候補患者を探すべく、世良とともに桜宮市医師会会長・真行寺(石坂浩二)と面会する。天城は紹介料の名目で札束を差し出すと、「なるべく金持ちの患者様を紹介いただきたい」と投げかけるが、真行寺は「無礼千万。なめられたものだ」と封筒を突き返す。
天城のまるでわざと周囲を敵に回すかのような振る舞いに、世良は「医師会を敵に回すのはやばい」と疑問を呈すが、天城は「出る杭は打たれる。しかし凡人の妬みは無駄だ」と言うと、バカンスに行くと言ってどこかに行ってしまった。
一方、菅井、水野、真行寺、そして高階の4人は、天城をセンター長から降ろす意志で集まっていた。高階が執刀する水野に対するダーウィン手術を公開手術とし、その成功をもって高階をセンター長に就任させようと目論んでいた。
そんな最中、世良のもとに、梶谷の息子・孝利(立川談春)が仕事中にケガを負い、急患で運ばれてくる。孝利はひどいケガにも関わらず、麻酔を使わないよう世良に懇願する。母の治療費を捻出するためにも自分の治療費を上げたくないというのだ。さらには、仕事中のケガだが、労災を申請したら会社をクビになってしまうという。
孝利がおかれた環境と、母への思いに触れ、それでも金が原因で治療できない世良は、胸を痛めることしかできなかった。
だが、そこに天城が「僕に任せてください。公開手術にはなりますけど」と現れた。金のない患者のオペを引き受けようと言う天城に訝し気な世良だが、天城は我関せずと孝利に悪魔の儀式を持ち掛ける。「あなたのお母様の財産はゼロ。だから代わりに、息子のあなたの、人生を賭けていただきます」と不敵に笑うのだった。
東城大病院、佐伯外科カンファレンス。
梶谷年子を公開手術の患者にすると宣言する天城に、高階は不敵に笑うと「梶谷さんにはダイレクト・アナストモーシスはできない」と言い始める。食道ガンの病歴から、通常の正中切開ができず、両側開胸するしかない。さらには脳出血の病歴があり、人工心肺を使えない。高階はダーウィンによる手術しかできないと主張したのだ。
その時、治験コーディネーター・椎野(田中みな実)が現れる。天城は、梶谷のカルテを最初に見た時点で、高階が指摘する問題に気づいており、それに対応するための治験薬・一酸化窒素合成剤の調達を椎野に依頼していたのだ。
オペを可能にする妙案を準備していた天城が見事に高階を黙らせ、公開手術はあらためて、梶谷のダイレクト・アナストモーシス手術に決まった。
天城が梶谷の手術を断っていたのは、生活保護受給者だからではなく、手術をできるための準備が必要だったからだった。世良は、天城が執刀することに安堵し喜ぶが、天城は意外な反応を示す。
「なんだか、すべてが解決したみたいな言い回しじゃないかジュノ。オペをすることはできるが、このオペが成功する確率は今のままだと0%だ」と断言したのだ。
このオペにはもうひとつ、重大なリスクがあった──。
公開手術当日。
高階から手術に関するリスクを聞きつけた菅井は、高みの見物をしようと、水野とともに客席に連ねた。
自ら成功確率0%を宣言した難手術に臨むはずの天城は、満場の観客席に向けて「今回はある趣向を凝らしてみたいと思います。30分というタイムリミットを設けます。緊迫感のあるショーを、お楽しみください」と軽やかに告げる。
実はこの“30分”こそが、この手術の重大なリスクだった。天城が用意した、手術を可能にするための治験薬の効果は、30分しかもたないのだ。天城はこのリスクを逆手にとって、わざわざタイムリミットを設けて手術に挑むことにしたのだった。
助手を務める世良とともに、いよいよ公開手術が始まる。
胸を3カ所開き、右側の大胸動脈を左側の心臓冠動脈に吻合する。3つの開胸部をすべて縫合するまでを30分で終わらせる、とんでもないスピードが要求される難手術だ。
天城のオペは、いつものように医師たちをも驚かせる正確さとスピードで進んでいた。
しかし、ダイレクト・アナストモーシスが始まる時点で残り時間は15分。菅井は「ダイレクト・アナストモーシスで15分、胸を閉じるのに15分。間に合うはずがない」とほくそ笑む。
その時、天城と世良が立ち位置を入れ替わった。天城が「さぁ、ここからが本番だ」と世良に告げると、「それではこれより、ミックスオフポンプ・アナストモーシスを開始する」。なんと、天城がダイレクト・アナストモーシスを始める傍ら、今まで天城が執刀していた箇所を同時に世良が縫合していくというのだ。それぞれ15分かかる手術を、2人で同時に進めるという大胆な作戦に打って出たのだった。
天城は自分ひとりでは成功確率0%の手術を、世良にも執刀させることで成功可能なものに仕立てた。2人がそれぞれ縫合する糸が、患者の上を舞うように飛び交う。
3分を残して天城のダイレクト・アナストモーシスが終わると、世良が激しい鼓動とは裏腹の正確な手さばきで最後の開胸部を閉じていく。
手術の大成功に、観客席はスタンディングオベーションで沸きあがった。すると、天城は疲弊し倒れこんだ世良を「行くよジュノ」と観客席に連れ出した。
舞台に上がった天城は観客に向けて「ここでお願いがあります」と切り出し、患者・梶谷が生活保護受給者であることを伝え、手術費のための寄付をお願いしたいと言い始めた。そして、「これから何千何万という命を救っていく我々スリジエハートセンターにご協力を」と続け、会場を再び拍手に包んだ。
観客たちは天城の提案を支持し、応援の声と寄付が続々と寄せられた。天城は公開手術をもって、地域の人々の心をつかみ、センター長陥落の危機を免れたのだ。
そして天城はさらに続けた。手術を無事終えた梶谷の息子・孝利は、今も母親の身を案じながら医療費を稼ぐために働いている。彼は仕事中に大ケガを負ったが、会社から労災を拒否されてしまった。「残念だったのは、彼の勤務先が新病院のプロジェクトにも参画している水野製鉄さんだったということ」と公表すると、人の命を粗末に扱うような会社が新病院のプロジェクトに参加していると糾弾した。
天城は孝利に、賭けの代償として、水野製鉄の労災拒否についての内部告発をさせていた。
裏切り者と呼ばれて解雇される覚悟を代償に天城は孝利の母の手術を執刀したのだ。孝利は天城に、「神様みたいな先生だ」と感謝したが、その実、天城は孝利を利用して、センター長の座を危うくした水野を崩壊に導いていたのだ。
天城は、次の仕事が見つかるまでの生活費として孝利に寄付金を渡した。一方で、権力を笠に着て医療現場の人事を動かそうとした水野を崩壊に導いた。“悪魔の儀式の賭け”は、生活保護に喘ぐ親子を助け、権力者を失墜させたのだ。患者を助け腕のない医師を殺した“オペ室の悪魔”こと渡海(二宮和也)と、天城が重なる瞬間だった。
スリジエハートセンター、建設予定地。
成功確率0%の手術をともに成功に導いた世良を同志と認めたのか、天城は晴れやかに新病院への想いを伝えた。「スリジエはフランス語で桜。ソメイヨシノの寿命は約70年。人の一生と似た桜とともに、この街の人々を見守り続ける病院を作りたい」と。
天城の表情には、野心や謀略は見えず、ただ医師としての志と希望が見えた。
SNSでは、このシーンで世良が天城の想いに強くうなずく姿や、オペでの2人の共闘に「天城先生と世良先生の手術シーンが胸熱!」と感動の声が続出。さらに、天城の芸術的オペシーンを盛りあげる音楽が毎回“クラシックタイム”と呼ばれ話題になっているが、とりわけ今回世良がオペのクライマックスでひとり奮闘するシーンにはシーズン1の楽曲が流れ、渡海のシーズン1と天城のシーズン2が世良を通じて繋がっていく演出にブラックペアンファンが大いに沸いた。
少しずつ、悪魔の顔に隠れた素顔を見せていく天城。その真意とは?いつも回顧するシーンに登場する手をつなぐ子どもたちは誰なのか?第4話でも、天城が見せてくれる“隠れた素顔”を楽しみにしたい。
第3話はこちらから
第4話予告編はこちらから
シーズン1の振り返りはこちらから
公式サイトはこちらから
二宮和也が、世界的天才外科医・天城雪彦を演じるTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』第3話。桜宮心臓外科センター・センター長の座を危うくされた天城が、渡海の愛弟子・世良とともに成功確率0%の公開手術に挑む!
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
全日本胸部外科学会で大観衆を前にダイレクト・アナストモーシスの公開手術を大成功させた天城(二宮和也)。天城は佐伯(内野聖陽)の了解も取らず、センター長に就任する桜宮心臓外科センターの名前を“スリジエハートセンター”と改名しマスコミ発表していた。
佐伯は、桜宮市の医師会や地元の企業組合など、関係者のすべてが天城のセンター長就任を認めたわけではないと叱責するが、天城は「既成事実を作ってしまえばいい」と意に介さず、関係者を黙らせるために再び公開手術をしようと自信満々に切り返す。
早速天城は、公開手術の患者を探し始めた。
天城の手術を見られると興奮するミンジェ(キム・ムジュン)は、梶谷年子(正司花江)という高齢患者を候補に挙げる。だが、市民病院から転院してきた梶谷は生活保護受給者だ。
一方、全日本胸部外科学会で天城と東城大を貶めようと暗躍した維新大学の菅井教授(段田安則)は再び高階(小泉孝太郎)に接触し、桜宮市で水野製鉄を経営する水野祐一(梅沢富美男)という狭心症の患者を、公開手術の患者として提案する。
2人とも、過去に別の病気で手術をした経緯があり困難な手術だが、天城は世良(竹内涼真)が提示した梶谷年子のカルテを見るなり「残念だなジュノ。この患者は無理だ」と突き返し、水野の病室を訪れる。
天城は水野に、「オペの提案に参りました」と笑いかけると、いつものように悪魔の儀式を持ち掛けた。しかし水野は、全財産の半分を賭ける儀式を聞くや、天城が差し出した手術同意書を破り捨て、「これでハッキリしたよ、あなたは新病院のセンター長にはふさわしくない」と告げた。
実は水野は桜宮市の企業組合の理事で、新病院の出資を取りまとめている人物だった。菅井教授は高階を使って水野を天城に引き合わせ、天城の悪魔の本性を見せることでセンター長の座から引きずり降ろそうと画策していたのだった。
水野にあしらわれた天城は、公開手術の候補患者を探すべく、世良とともに桜宮市医師会会長・真行寺(石坂浩二)と面会する。天城は紹介料の名目で札束を差し出すと、「なるべく金持ちの患者様を紹介いただきたい」と投げかけるが、真行寺は「無礼千万。なめられたものだ」と封筒を突き返す。
天城のまるでわざと周囲を敵に回すかのような振る舞いに、世良は「医師会を敵に回すのはやばい」と疑問を呈すが、天城は「出る杭は打たれる。しかし凡人の妬みは無駄だ」と言うと、バカンスに行くと言ってどこかに行ってしまった。
一方、菅井、水野、真行寺、そして高階の4人は、天城をセンター長から降ろす意志で集まっていた。高階が執刀する水野に対するダーウィン手術を公開手術とし、その成功をもって高階をセンター長に就任させようと目論んでいた。
そんな最中、世良のもとに、梶谷の息子・孝利(立川談春)が仕事中にケガを負い、急患で運ばれてくる。孝利はひどいケガにも関わらず、麻酔を使わないよう世良に懇願する。母の治療費を捻出するためにも自分の治療費を上げたくないというのだ。さらには、仕事中のケガだが、労災を申請したら会社をクビになってしまうという。
孝利がおかれた環境と、母への思いに触れ、それでも金が原因で治療できない世良は、胸を痛めることしかできなかった。
だが、そこに天城が「僕に任せてください。公開手術にはなりますけど」と現れた。金のない患者のオペを引き受けようと言う天城に訝し気な世良だが、天城は我関せずと孝利に悪魔の儀式を持ち掛ける。「あなたのお母様の財産はゼロ。だから代わりに、息子のあなたの、人生を賭けていただきます」と不敵に笑うのだった。
東城大病院、佐伯外科カンファレンス。
梶谷年子を公開手術の患者にすると宣言する天城に、高階は不敵に笑うと「梶谷さんにはダイレクト・アナストモーシスはできない」と言い始める。食道ガンの病歴から、通常の正中切開ができず、両側開胸するしかない。さらには脳出血の病歴があり、人工心肺を使えない。高階はダーウィンによる手術しかできないと主張したのだ。
その時、治験コーディネーター・椎野(田中みな実)が現れる。天城は、梶谷のカルテを最初に見た時点で、高階が指摘する問題に気づいており、それに対応するための治験薬・一酸化窒素合成剤の調達を椎野に依頼していたのだ。
オペを可能にする妙案を準備していた天城が見事に高階を黙らせ、公開手術はあらためて、梶谷のダイレクト・アナストモーシス手術に決まった。
天城が梶谷の手術を断っていたのは、生活保護受給者だからではなく、手術をできるための準備が必要だったからだった。世良は、天城が執刀することに安堵し喜ぶが、天城は意外な反応を示す。
「なんだか、すべてが解決したみたいな言い回しじゃないかジュノ。オペをすることはできるが、このオペが成功する確率は今のままだと0%だ」と断言したのだ。
このオペにはもうひとつ、重大なリスクがあった──。
公開手術当日。
高階から手術に関するリスクを聞きつけた菅井は、高みの見物をしようと、水野とともに客席に連ねた。
自ら成功確率0%を宣言した難手術に臨むはずの天城は、満場の観客席に向けて「今回はある趣向を凝らしてみたいと思います。30分というタイムリミットを設けます。緊迫感のあるショーを、お楽しみください」と軽やかに告げる。
実はこの“30分”こそが、この手術の重大なリスクだった。天城が用意した、手術を可能にするための治験薬の効果は、30分しかもたないのだ。天城はこのリスクを逆手にとって、わざわざタイムリミットを設けて手術に挑むことにしたのだった。
助手を務める世良とともに、いよいよ公開手術が始まる。
胸を3カ所開き、右側の大胸動脈を左側の心臓冠動脈に吻合する。3つの開胸部をすべて縫合するまでを30分で終わらせる、とんでもないスピードが要求される難手術だ。
天城のオペは、いつものように医師たちをも驚かせる正確さとスピードで進んでいた。
しかし、ダイレクト・アナストモーシスが始まる時点で残り時間は15分。菅井は「ダイレクト・アナストモーシスで15分、胸を閉じるのに15分。間に合うはずがない」とほくそ笑む。
その時、天城と世良が立ち位置を入れ替わった。天城が「さぁ、ここからが本番だ」と世良に告げると、「それではこれより、ミックスオフポンプ・アナストモーシスを開始する」。なんと、天城がダイレクト・アナストモーシスを始める傍ら、今まで天城が執刀していた箇所を同時に世良が縫合していくというのだ。それぞれ15分かかる手術を、2人で同時に進めるという大胆な作戦に打って出たのだった。
天城は自分ひとりでは成功確率0%の手術を、世良にも執刀させることで成功可能なものに仕立てた。2人がそれぞれ縫合する糸が、患者の上を舞うように飛び交う。
3分を残して天城のダイレクト・アナストモーシスが終わると、世良が激しい鼓動とは裏腹の正確な手さばきで最後の開胸部を閉じていく。
手術の大成功に、観客席はスタンディングオベーションで沸きあがった。すると、天城は疲弊し倒れこんだ世良を「行くよジュノ」と観客席に連れ出した。
舞台に上がった天城は観客に向けて「ここでお願いがあります」と切り出し、患者・梶谷が生活保護受給者であることを伝え、手術費のための寄付をお願いしたいと言い始めた。そして、「これから何千何万という命を救っていく我々スリジエハートセンターにご協力を」と続け、会場を再び拍手に包んだ。
観客たちは天城の提案を支持し、応援の声と寄付が続々と寄せられた。天城は公開手術をもって、地域の人々の心をつかみ、センター長陥落の危機を免れたのだ。
そして天城はさらに続けた。手術を無事終えた梶谷の息子・孝利は、今も母親の身を案じながら医療費を稼ぐために働いている。彼は仕事中に大ケガを負ったが、会社から労災を拒否されてしまった。「残念だったのは、彼の勤務先が新病院のプロジェクトにも参画している水野製鉄さんだったということ」と公表すると、人の命を粗末に扱うような会社が新病院のプロジェクトに参加していると糾弾した。
天城は孝利に、賭けの代償として、水野製鉄の労災拒否についての内部告発をさせていた。
裏切り者と呼ばれて解雇される覚悟を代償に天城は孝利の母の手術を執刀したのだ。孝利は天城に、「神様みたいな先生だ」と感謝したが、その実、天城は孝利を利用して、センター長の座を危うくした水野を崩壊に導いていたのだ。
天城は、次の仕事が見つかるまでの生活費として孝利に寄付金を渡した。一方で、権力を笠に着て医療現場の人事を動かそうとした水野を崩壊に導いた。“悪魔の儀式の賭け”は、生活保護に喘ぐ親子を助け、権力者を失墜させたのだ。患者を助け腕のない医師を殺した“オペ室の悪魔”こと渡海(二宮和也)と、天城が重なる瞬間だった。
スリジエハートセンター、建設予定地。
成功確率0%の手術をともに成功に導いた世良を同志と認めたのか、天城は晴れやかに新病院への想いを伝えた。「スリジエはフランス語で桜。ソメイヨシノの寿命は約70年。人の一生と似た桜とともに、この街の人々を見守り続ける病院を作りたい」と。
天城の表情には、野心や謀略は見えず、ただ医師としての志と希望が見えた。
SNSでは、このシーンで世良が天城の想いに強くうなずく姿や、オペでの2人の共闘に「天城先生と世良先生の手術シーンが胸熱!」と感動の声が続出。さらに、天城の芸術的オペシーンを盛りあげる音楽が毎回“クラシックタイム”と呼ばれ話題になっているが、とりわけ今回世良がオペのクライマックスでひとり奮闘するシーンにはシーズン1の楽曲が流れ、渡海のシーズン1と天城のシーズン2が世良を通じて繋がっていく演出にブラックペアンファンが大いに沸いた。
少しずつ、悪魔の顔に隠れた素顔を見せていく天城。その真意とは?いつも回顧するシーンに登場する手をつなぐ子どもたちは誰なのか?第4話でも、天城が見せてくれる“隠れた素顔”を楽しみにしたい。
第3話はこちらから
第4話予告編はこちらから
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