『ブラックペアン シーズン2』第5話、金の亡者・天城が語った“医師のプライド”にしびれる!
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『ブラックペアン シーズン2』第5話、金の亡者・天城が語った“医師のプライド”にしびれる!

2024.08.05 12:00

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二宮和也が、世界的天才外科医・天城雪彦を演じるTBS日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』第5話。スリジエハートセンターの建築資金のために掛け金50億円の手術を手掛けることになった天城。だがその患者・木崎は金で多くの企業を潰す悪徳経営者だった──。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

維新大が最新医療用AI・エルカノを使用して臨んだ、弁護士・戸島和子(花總まり)に対する心臓冠動脈の公開手術。世良(竹内涼真)は手術の失敗をリカバリーするべく執刀医を代わり、天城とのシミュレーションの甲斐もあり手術は成功したかに見えたが…。

オペを終えたと思った矢先、戸島の心臓から血が噴き出してしまった──。

止まらない出血にアラームが鳴り響く公開オペ室。成す術なく立ち尽くす世良の前に、天城(二宮和也)が現れた。花房(葵わかな)が悪魔の儀式に失敗し、手術は受けられないはずだが、天城は「エルカノちゃんにいろいろ教えてあげようと思って」と飄々とオペ台に向かう。

実は、花房が二者択一の賭けに負けたと思ったその瞬間、オペ室での緊急事態に駆けつけようと走る看護師が天城にぶつかってコインが落ち、表裏の結果が変わっていたのだ。天城は花房の強運をむしろ喜ぶように受け入れ、オペ室へと向かったのだった。

天城が世良にエルカノのカメラの向きを変えさせると、出血原因不明とアラームを立てるばかりだったエルカノが、出血箇所を治療するための新たな術式を提示する。成功率4%という難手術だが、天城は「エルカノちゃん、その術式に切り替えて。いいアイデアだ」と告げると、颯爽とオペに取り掛かる。

世良を助手にし、ダイレクト・アナストモーシスではない天城のオペが始まる。バイパス手術をするだけでなく、脆くて出血を起こしていた血管を太くするという新たな術式をも進めていく。

維新大・野田(池田鉄洋)は、自身が開発に携わったエルカノに天城が新しい術式をインプットしていくことに激しく嫉妬し、オペ中にも関わらず激昂する。AI技術に溺れた野田に、天城はオペの手を動かしたまま「患者はなにがなんでも生きたいという想いでこのオペ台にいるんだ。その想いを形にするのが我々の仕事。いや、医者のプライドなんじゃないの?」と言い放つ。

オペを芸術とだけ表現してきた天城が、その芸術たるオペ技術は、患者の想いを形にするための行為なのだと、医師としての矜持を語ったのだ。

今度はエルカノの指示に天城が従い、オペは華麗に進んでいく。医者とAIの間に上下はなくなり、共闘が実現した。心臓が正常に動き出す。天城は命の危機を見事に切り抜け、手術を成功に終わらせると、またも公開手術を見守る観客を大歓声に導いた。

手術から回復した戸島は東城大への訴えを取り下げ、天城の手術停止とスリジエハートセンター設立の危機は回避されたのだった。



しかし、スリジエハートセンターには新たな危機が訪れていた。天城が構想した“海を見渡す新病院”のデザインを実現するには、建築費用が足りないのだ。

そこで佐伯(内野聖陽)は、海外から届いている手術オファーを受けるよう天城に言い渡した。患者は、韓国でKDグループという企業で成功を収めている事業家・木崎大吾(恵俊彰)。佐伯は、天城の悪魔の儀式の条件「財産の半分」を、今回は「スリジエハートセンターの建築資金50億円の出資」とするよう持ち掛けたのだ。

天城は佐伯の提案を面白がり、早速韓国に飛んだ。木崎は「強運の持ち主でビジネスに失敗したことはない」と不敵に笑うと、その言葉の通り悪魔の儀式に勝ち、天城のオペを受けるために、東城大病院に入院することになった。



一方、時を同じくして韓国から、天城がダイレクト・アナストモーシスで救った患者パク・ソヒョン(チェ・ジウ)が術後検査のために東城大病院を訪れていた。

ブラックペアン_S2_第5話_04
ⒸTBS

東城大病院で研修医として働く息子・ミンジェ(キム・ムジュン)との再会を喜ぶソヒョンだったが、木崎と出くわすとその表情を曇らせる。実は木崎は、ソヒョンが手放したプルコギ店の権利を買収した人物だったのだ。

ソヒョンは、夫と育ててきた店を買い叩いた木崎に「お金の力でいくつもの企業を潰している」と食って掛かり、天城にオペをしないよう求めた。しかし天城は、金と賭けの勝利の条件を満たした者が自分のオペを受ける権利がある、とソヒョンの申し出を断った。ソヒョンは「やっぱり金の亡者ね」となじるが、天城は木崎とともにその場を去っていく。


東城大病院も天城も、50億円の出資のために木崎を丁重にもてなしたが、当の木崎は検査日程を変更させて外出し、維新大の菅井教授の元を訪れていた。

ブラックペアン_S2_第5話_03
ⒸTBS

天城のオペを受けるために出資を約束したが、出資してスリジエハートセンターの協議委員になった暁には、即刻天城の解任を要求し菅井が推す人間をセンター長とする。そしてスリジエハートセンター内のレストランなどの施設をすべてKDグループで契約すると密約を交わしたのだ。

そんなことは露知らず、天城はKDグループのレストランで食事をするなど、木崎にべったりの様子を崩さなかった。「心臓がいつ破裂してもおかしくないあなたの様子を24時間監視できて、緊急時にはその場でオペもできる鉄壁の病室」と木崎の病室を特別集中治療室に変更し、手厚い対応を続けた。

一方、ソヒョンの術後検査は思わぬ結果を見せていた。天城のオペは成功したが、僧帽弁閉鎖不全症が起きていたのだ。高階(小泉孝太郎)はスナイプ手術なら可能だというものの、1200万円もの費用がかかる。天城のダイレクト・アナストモーシス手術ですでに資産を投げうっていた母を想い、ミンジェは自分が払うと申し出た。

するとそのことを聞きつけた木崎はミンジェに、ソヒョンの手元に唯一残ったプルコギ店の1号店を売ってくれるならば即日1200万円を用意すると持ち掛けた。断るミンジェを、木崎は「親子そろって負け犬だ」と揶揄する。

善意を装っているが店を完全に手中に収めたいだけの木崎にミンジェは激怒するが、ソヒョンは1号店を売却し、手術を受けると決断した。


そして、天城による木崎の手術と、高階によるソヒョンのスナイプ手術は、同じ日に行われることとなった。

屈辱的な提案をのんだソヒョンを想い、世良は天城にオペをするよう相談するが、天城はソヒョンには目もくれず、再び韓国を訪れるなど、木崎の“50億円のオペ”の準備に奔走するばかりだった…。


手術当日。

手術室に向かう木崎は、「よかったじゃないですか、1200万円のはした金で命が助かるんですから」とミンジェをあざ笑い、傍若無人な振る舞いを続けていた。

しかし、そこにすでに手術が始まっているはずのソヒョンが現れ、1号店売却の対価として受け取った1200万円を現金で返し、木崎を驚かせる。

実は、ソヒョンにオペは必要なかった。

天城は、病室で木崎が金庫にしまって大事にしていたUSBに裏帳簿を隠していると気付き、KDグループが実は赤字まみれであることを見抜いていた。KDグループのレストランを視察し、成功している店のはずが週末にも関わらず客がいないことで確信を得た天城は、ソヒョンと手を組み、偽の検査データを作ってミンジェや世良をも騙す形で木崎に罠をしかけていたのだった。

ソヒョンが1号店を売ると言えば、木崎はその資金を裏金から工面するために金庫の中のUSBをいじるはず。その様子を、24時間監視が可能な特別集中治療室のカメラでとらえ、木崎の不正を暴く。天城とソヒョンが仕掛けた罠により、KDグループの売上水増しや粉飾決算が明らかになった。

天城はさらに、木崎と悪魔の儀式を行った韓国のカジノを訪れ、ディーラーに八百長をさせていたことも掴んでおり、木崎を完全に追い詰めた。

儀式が不正だった以上、天城のオペは本来中止だが、天城は「あんたはこれから生き続けて何十年も刑務所で罪を償い続けるんだ」とすごみ、オペを計画通り行うと告げた。

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ⒸTBS Ⓒ海堂 尊/講談社

すると、木崎は自身の崩壊を悟り、オペ室に走るとメスを手に自死をほのめかした──。

異様な事態にも、天城は顔色ひとつ変えず木崎に自死を続けてくださいと笑うと、「ひとつだけ忠告しておこう。今あなたがいる場所は、病院のオペ室だ。我々外科医が毎日この部屋で生と死の狭間に立ち死に物狂いで患者の命を救っている。あんたが胸に刺そうと、そんなの我々にとったら、ただのかすり傷だ。思いつく限りの死に方試したらいい。全部救ってやるよ。あんた、もう死ねないんだよ」と木崎を圧倒し、引導を渡した。

天城は宣言通り、木崎にダイレクト・アナストモーシス手術を施し、命を救った。そして、木崎は逮捕されるのだった。



SNSでは、天城が野田と木崎に対して語った“医師の誇り”に共鳴する声が続々と上がった。特に「思いつく限りの死に方試したらいい。全部救ってやるよ」という言葉には、「痺れた!」「かっけえ!」といった羨望の声に加え、シーズン1で渡海が放つ「片っ端から救ってやるよ」を彷彿とさせる言葉に熱狂する声が相次いだ。

悪魔、金の亡者といった顔を見せていた天城が心根に持った医師の矜持が見えてきた第5話。ラストで再び天城が眺めていた「医療事故調査報告書」。天城が真に目指しているものは一体何なのか──?第6話、またひとつ真実に近づきたい。

第5話はこちらから

第6話予告編はこちらから

シーズン1の振り返りはこちらから

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