ドラマ『ひだまりが聴こえる』第11話、かけがえのない時間が終わりを告げた後──ラスト1分間の意味とは
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ドラマ『ひだまりが聴こえる』第11話、かけがえのない時間が終わりを告げた後──ラスト1分間の意味とは

2024.09.05 16:30

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中沢元紀・小林虎之介が主演を務めるヒューマンラブストーリー『ひだまりが聴こえる』の第11話が9月4日、U-NEXTで独占先行配信された。第11話では、太一(小林虎之介)自身の夢を追求するために大学を退学。航平(中沢元紀)とのキャンパスライフに終止符を打った。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

航平が言う通り、太一は「まっすぐで、曲がったことが嫌いで、突っ走っていく」性格だ。それゆえ、やりたいことを見つけて、大学を退学するという決断も、彼の性格を考えれば納得できる。

視聴者がそう思うように、きっと航平も太一が大学を辞める決断を理解し、受け入れたことだろう。

ただ、やはり寂しいものは寂しい。

今まで太一が航平の隣の席でノートテイクをしてくれた日々を、どうしても思い出してしまう。授業の内容よりも教授のギャグを必死に伝えようとするところ、時には疲れすぎて寝てしまいノートテイクが全然できていないところ……。そのどれもが、航平にとっては愛おしい瞬間で、かけがえのない瞬間だった。

そんなことを彷彿とさせた、これまでの回想シーンは、まるで航平が太一のことを好きになった理由、好きになった瞬間をぎゅっと凝縮したような演出だった。

そして、いつものように授業後に、一緒にお弁当を食べた後で、航平と太一は別れる。ちなみに、航平から太一に与える最後のお弁当は、太一の大好物ハンバーグが入ったお弁当だった。このハンバーグ、航平の手作りである。笑顔でおいしそうに食べる太一と、いつも以上にその表情を愛おしそうに見つめる航平。この時間、できるだけ長く続かないものか……そう思ってしまった。

そして、訪れた別れの時。その最後の瞬間、階段を登った先から見つめている航平とそれに気づく太一のシーンがグッときた。

ここで、航平は精一杯の思いを伝える。あえて手話で、その思いを伝えたのは、優しい太一が航平の思いに縛られることなく、自由に歩んでほしいという配慮からかもしれない。その真意はわからない。

ただ、ひとつだけ言えるのは、航平が今できる精一杯の愛情表現を最後の最後まで尽くしたということだ。

その手話は「た」「い」「ち」「好き」という意味だった。

そして、太一の「その意味に、あの時気づいていれば……」というモノローグで終了。

もしも、航平の一世一代の告白に気づいていたら、太一はどんな行動をとっていたのだろう。一方通行だと思っていた航平の思いだが、そんなことはなかったのだろうか。

早いもので次週が最終回。それぞれの道を歩み出した航平と太一が、再び出会った時、彼らの関係性は進展するのだろうか。すでに“ひだきこ”ロスになってしまいそうだが、最後の瞬間まで見届けたい。


第11話の視聴はこちら

公式サイトはこちら

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