ゆっくりと歩みを進める金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)。山下心麦(広瀬すず)の父・春生(リリー・フランキー)を殺害したのは誰なのか。手紙の件は一体どうなったのか。不明なところがほとんど解消されておらず、考察が止まらない……!
第4話では、重厚な物語に魅了されるなか、あるシーンに目が留まった。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
記者の神井孝(磯村勇斗)が弁護士の松風義輝(松山ケンイチ)に送った音声ファイルが、じつは動画であることが判明した。
ある日、松風と神井は喫茶店で落ち合う。動画の件に触れられると思ったのか、開口一番で「全部手の内さらしちゃったら先生もポイでしょ?」と語る神井。松風は、そんな彼の醸し出す雰囲気に飲まれることなく、冷静に「録画した映像を渡してください」と伝えた。
松風はいつもこうだ。ドンと構えてくれる。だから心麦も安心して身を預けられるし、心強い。
正式に遠藤友哉(成田凌)の弁護人になった松風から、鬼気迫る表情で詰め寄られた神井だが、いつもの調子で「その目怖いっすって。マジ呪怨」とニヤリ。ただ、松風から「遠藤友哉さんに信頼されているようですが、記者のあなたにできることは限度があるでしょう」と言われた際には、「ねえ、先生言われませんか?『偉そうですね〜』って」と問いかけた。
ここで、神井の心の波が若干揺れたように感じた。顔は笑顔だが、イラついてる?
記者の心得や、煽るようなことを言いつつ、あくまで誠実に心麦と向き合っているのだ、という神井に対し「あなたが(心麦に)与えたのは混乱だ」と松風。別の意図があって、あえて混乱させようとしているのではないか、と指摘するだけでなく「もし、根拠なくムダに彼女を混乱させるなら、こちらも偉そうと言われようが、手段を選ばず、彼女を守ります」と宣言した。
すると、神井の表情が変わった。「上段から見下ろすな弁護士!」、「ムカつくの。そのナメた目が」と声を荒げ、眉間に皺を寄せた。さきほどまでの笑顔と打って変わっての表情だったので、一瞬ゾッとはしたが(振り幅がすごいから余計迫力を感じる)、すぐに「ま、先生たちと仲良くしたいのは本心なので、信頼回復のためにお見せしますよ」と、一緒に動画を見ることになった。そこには──。
1話たりとも見逃したくない展開、魅力的なキャラクター、心がざわつく演出など、このドラマにはたくさんの魅力があるが、毎週、こうした豪華俳優陣の演技に感服することが多い。
当初は、松風から何を言われようとも笑顔を崩さなかった神井の“グツグツと煮えたぎった感情”は、画面越しからでも伝わったし、何か弁護士に恨みでもあるのか、ただの記者のプライドなのか、そもそも松風の存在が邪魔なのかは分からないが(この説が濃厚?)、あの「感情の温度が伝わる演技」は、磯村だからこそ出せるものではないか、とすら思う。
一方で、神井にイニシアチブを持っていかれることなく、冷静沈着に言葉を紡ぐ松風。ただ、「混乱を与えている」と突きつけたシーンや、心麦を「守る」と述べたシーンは、彼の心のなかにある思いが漏れ出ているようにも感じた。「目は口ほどに物を言う」というが、松風の目から「本音」を感じて、とても心強かった。
冷静な松風と感情爆発の神井の攻防にワクワクし、松山と磯村の会話劇に心を打たれた本シーン。第4話も見どころはたくさんあったが、この2人のやりとりを見ただけでも非常に満足度が高く、幸せな時間であった。
とうとう犠牲者が出てしまった第4話。ラーメン屋台の店主・染田進(酒井敏也)は一体誰に殺害された(自死ではない?)?謎のカラビナの男と検事・阿南由紀(瀧内公美)の関係は?心麦や松風は大丈夫なのであろうか?不安で不安で仕方ない……!
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広瀬すず主演のクライムサスペンス『クジャクのダンス、誰が見た?』第2話をレビュー
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